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週3回以上のラーメン摂取は死亡リスク1.52倍!高BMI、喫煙、飲酒、糖尿病、高血圧との関連




ラーメンの過剰摂取が一部の人々の死亡リスクを高める可能性——山形コホート研究より(2025年8月15日、山形大学)

山形大学および山形県立米沢栄養大学の共同研究チームが行った研究によれば、週3回以上のラーメン摂取は、高BMI、喫煙、飲酒、糖尿病高血圧との関連が認められ、週3回以上の摂取群で死亡リスクが1.52倍高い傾向が見られました。

特に、70歳未満の群、アルコール摂取群、麺のスープを半分以上の飲む群では、死亡リスクの上昇がみられたことから、ラーメンを食べすぎると食塩の過剰摂取を通して健康に悪影響を及ぼす恐れがありますので、注意しましょう。

【参考リンク】







スルフォラファングルコシノレートを継続的に摂取することで肝臓のダメージを軽減し血中 ALT 値の改善




機能性成分“スルフォラファングルコシノレート”は、中高年世代において、肝臓のダメージを軽減し、血中 ALT 値(肝臓の健康状態を示す指標の一つ)を改善することを確認(2019年11月21日、カゴメ)によれば、東海大学医学部付属東京病院の西﨑康弘教授による監修のもと研究を実施し、機能性成分スルフォラファングルコシノレートを継続的に摂取することで、日常生活からくる酸化ストレスによる肝臓のダメージを軽減し、血中 ALT 値(肝臓の健康状態を示す指標の一つ)を改善する作用があることがわかりました。

スルフォラファングルコシノレートはブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれており、解毒作用、抗酸化作用、抗炎症作用などを示すことから、様々な疾病の予防・改善に有効である可能性が多数報告されています。

■背景

これまでの研究で、肝機能マーカー(ALT、AST、γ-GTP)の値が高い男性において、SGS を継続的に摂取することが、肝臓のダメージを軽減し、血中 ALT、γ-GTP の値を改善することがわかっています。

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■結果

中高年世代(45-64歳)に限定すると、スルフォラファングルコシノレートを摂取した群は摂取していない群と比較して、血中ALT 値が有意に低い値を示しました。

■まとめ

健康な中高年世代において、機能性成分“スルフォラファングルコシノレート(SGS)”を継続的に摂取することは、酸化ストレスによる肝臓のダメージを軽減し、血中ALT値を改善することが明らかになりました。

肝臓の数値・検査値|ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTP

ALT(GPT)の基準値|ALTが高い原因

AST(GOT)の基準値|ASTが高い原因

γ-GTPの基準値|γ-GTPが高い原因







ケトジェニックダイエット(糖質制限+脂質を主なエネルギー源とする食事法)を長期的に続けると高脂血症や脂肪肝、糖尿病のリスクが高くなる可能性!




ある研究によれば、炭水化物を減らし脂肪を多く摂取する食事法「ケトジェニックダイエット」は短期的には体重減少に効果的でも、長期的に続けると脂肪肝や糖尿病、高脂血症のリスクが高くなる可能性があるそうです。

■ケトジェニックダイエット(KD)とは?

ケトジェニックダイエットは、炭水化物を極端に減らし、脂肪を多く摂取する食事法で、肥満や2型糖尿病の治療として注目されています。

■研究の主な発見

●体重への影響

ケトジェニックダイエットを続けたマウスは、体重増加が抑えられ、体重減少が見られました。これはダイエットの短期的な効果として期待される結果です。

●代謝への悪影響

しかし、時間が経つにつれて、以下のような健康問題が現れました。

高脂血症:血液中の脂質(脂肪)が異常に増える状態。
脂肪肝:肝臓に脂肪が蓄積する状態。
耐糖能障害:血糖値を正常に保つ能力が低下する状態(糖尿病のリスク増加)。

●インスリン分泌の問題

通常の高脂肪食を摂ったマウスと異なり、ケトジェニックダイエットのマウスはインスリン感受性(インスリンが血糖を下げる能力)は保たれていましたが、インスリンの分泌量が低下していました。

実験により、インスリンを分泌する膵臓の細胞に問題があることが分かりました。

●細胞レベルの異常

膵臓の細胞を詳しく調べた結果、ケトジェニックダイエットにより、細胞内の「小胞体(ER)」や「ゴルジ体」にストレスがかかり、インスリンを運ぶ仕組みがうまく働かなくなっていました。

電子顕微鏡で観察すると、ゴルジ体の構造が異常になり、インスリン分泌に必要な「インスリン顆粒」の輸送が妨げられていることが確認されました。

■まとめ

ケトジェニックダイエットが短期的には体重減少に効果的でも、長期的に続けると、高脂血症脂肪肝、耐糖能異常(糖尿病のリスク増加)といった健康リスクを引き起こす可能性があります。

このように考えると、ケトジェニックダイエットは短期間にした方がよさそうですね。

【参考リンク】







なぜ京丹後市の高齢者に健康で長生きの人が多いの?日本食と腸内細菌とフレイルの関係




「京丹後長寿コホート研究」によれば、京丹後市では100歳以上の「百寿者」の割合が全国平均の約3倍なのですが、ただ長生きではなく「健康的で長生き」している人が多く、その元気の秘訣が腸内細菌の多様性が高いことであり、特に短鎖脂肪酸の一種で、腸の炎症を抑えたり、免疫力をアップさせたりするスーパー成分である「酪酸」を作る「酪酸産生菌」がたくさんあるそうです。

■研究の背景(なぜ京丹後?場所と特徴)

京都府の丹後半島(京丹後市、宮津市、与謝野町、伊根町)では超高齢化が進んでいて、65歳以上の人が全体の38%以上なのですが、100歳以上の「百寿者」の割合が全国平均のなんと約3倍で、ただ長生きじゃなく「健康的に長生き」してる人が多いそうです。

そこで、なぜ京丹後市の高齢者が元気なのかについて、特に、腸内細菌(お腹の中の善玉菌や悪玉菌のバランス)、食事習慣、**フレイル(体の弱りや衰え、例えば筋肉減少や疲れやすさ)**の関係を調べました。

■主な結果

●腸内細菌の違い

京丹後の高齢者は、都市部の人より腸内細菌の多様性が高く、特に「酪酸産生菌」(RoseburiaやCoprococcusみたいな菌)がたくさんでした。酪酸は、短鎖脂肪酸の一種で、腸の炎症を抑えたり、免疫力をアップさせたりするスーパー成分です。

●フレイルと細菌の関係

フレイルの人は、悪い菌(StreptococcusやEnterobacteriaceae)が多くて、良い酪酸産生菌(AnaerostipesやBifidobacterium)が少なく、逆に、良い菌が多い人はフレイルになりにくいです。つまり、腸内細菌が体の老化をコントロールしてる可能性が大きいです。

●食事の影響

水溶性食物繊維(海藻や果物に多い、腸で溶ける繊維質)や総食物繊維が少ないとフレイルリスク↑。

●日本食パワー

米、味噌、魚、緑黄色野菜、豆類をたくさん食べる人は、フレイルが少なく、認知症予防にもつながります。

しかも、これらの食事が酪酸産生菌を増やしてると考えられます。

■まとめ

東北大学名誉教授近藤正二が実施した「日本の長寿村・短命村」研究9)においても日本人の長寿には緑黄色野菜・海藻・大豆の重要性が明らかにされている.家森ら10)も大豆に含まれるイソフラボンやマグネシウム,魚に含まれるタウリンが,日本人の健康長寿の一因と報告している.

日本人の長寿には米、味噌、魚、緑黄色野菜、豆類をたくさん食べることが関連していて、中でも水溶性食物繊維、イソフラボン、マグネシウムタウリンが健康長寿に関連していると考えられます。

将来のフレイルリスクを下げ、認知症予防のためにも腸内細菌をよくする日本食を意識しましょう!

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青年期の心肺持久力(心肺機能)が低いと、将来(中年期)労働能力が低下し病欠が多くなる!?




フィンランドの 1,207 人を対象としたコホート研究によれば、青年期の心肺機能(CRF)の高さは、筋骨格機能や体格指数(BMI)ではなく、中年期における労働能力の高さや病欠の少なさと関連していることがわかりました。

また、この研究を参考にする若者の体力の低さは将来の労働能力低下のサインとなる可能性があるため、子供の時に心肺機能を高めることが将来の労働能力を高めることにつながると考えられます。

【参考リンク】

■まとめ

成功する人は体力オバケが多い!?体力オバケになる方法とは?なぜ定期的に有酸素運動をすると疲れにくくなるの?では体力オバケの人を次のように定義しました。

1)心肺機能が強い=心臓と肺が効率よく酸素を供給できるために疲労回復が早い人

2)定期的な運動でミトコンドリアが増え、疲労物質(乳酸)の蓄積が少ない人

3)血流改善や免疫系の強化が優れているため免疫力とスタミナが抜群な人

4)酸素摂取の効率が良く、ミトコンドリアの働きが優れているため、エネルギーを無駄なく使い、長時間活動できる、エネルギー効率が高い人

つまり、体力がある人というのは疲労回復が早く、疲れが蓄積しにくく、エネルギー効率が高い人であり、先ほど紹介した研究と合わせて考えると、心肺機能の高さと労働能力の高さ、病欠が少ないと予想できますよね。

心肺持久力と握力の両方が低い中学生は代謝異常リスクが高い!|心肺持久力が低いと血圧やnon-HDLコレステロールは高い!|新潟大学でしょうか舌新潟大学と新潟県阿賀野市による共同研究によれば、体力テストで心肺持久力を測るシャトルランと上肢筋力を測る握力の両方が低い中学生は代謝異常(メタボまたは生活習慣病)リスクが高いことがわかったそうです。

また、血圧および動脈硬化促進性の血中脂質であるnon-HDLコレステロールは、心肺持久力が低いと有意に高くなったそうです。

つまり、子供の時にシャトルランを行って心肺機能が低いということがわかれば、病気のリスクが高いサインと考えて、運動を勧めて心肺機能を高めていくことが将来の病気のリスクを減らすと同時に仕事のパフォーマンスを挙げることにつながるのではないでしょうか?

最近は健康経営に注目が集まっています。

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているで紹介した「アブセンティーイズム(疾病により欠勤している状態)」と「プレゼンティーイズム(出社こそしているものの、何らかの疾病で業務遂行に障害が起き、労働生産性が下がっている状態)」を参考に考えると、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

体調不良を押してまで頑張ってもパフォーマンスが落ちてしまっているという結果が出ています。

今回の研究は青年期における心肺機能が中年期の労働能力の高さと関連するというものでしたが、中年期でも心肺機能を高められるというものであるならば、心肺機能を労働生産性を見るサインと考えて、健康診断や体力テストなどで心肺機能をチェックし、低い場合には運動を勧めていくということが大事になっていくでしょう。