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脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病のリスクが高くなる!?

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【目次】

■脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病のリスクが高くなる!?

mexico city burger

by Brandon(画像:Creative Commons)

脂肪肝で腎臓病のリスクが増加

(2015/8/18、MEDLEY)

今回の研究は、8,329名の腎機能が正常な男性のアルコール摂取量、肝臓や代謝の機能、腹部エコーなどを評価し、その後の追跡調査によって慢性腎臓病との関連性を検証しました。

<中略>

非アルコール性脂肪性肝疾患により慢性腎臓病となるリスクが1.55倍なるという結果でした。

今回紹介したのは、脂肪肝非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病となるリスクが高くなるという論文を紹介している記事です。

脂肪肝の原因の主なものとして、カロリーオーバーな食事が挙げられますが、同様に腎臓に負担がかかる原因に、糖分の多い食事や高脂肪の多い食事があります。

糖分の多い食事や高脂肪の多い食事が続くと、血液中に「糖」や「脂肪」が増加し、それによってろ過する穴を広げてしまうため、糸球体のろ過する機能がうまく働かなくなってしまうからです。

このように、様々な病気が密接に絡み合っています。




■メタボと慢性腎臓病の関係

メタボを放っておくと、慢性腎臓病になる恐れがあるそうです。

なぜメタボと腎臓が関係があるのでしょう。

メタボ→高血圧高血糖動脈硬化→糸球体のろ過機能低下→腎臓機能低下

*メタボリックシンドロームになると、高血圧、高血糖などが原因で全身の血管が動脈硬化を起こします。

*腎臓の血管でも動脈硬化が起こり、腎臓にある糸球体(血液をろ過する腎臓の血管)が動脈硬化を起こすことで、濾過する能力が低下。

*その結果、腎機能の低下が起こる。

■まとめ

糖尿病高血圧脂質異常症高脂血症)といった生活習慣病の恐れがあると言われた時や「コレステロール値が高い」「中性脂肪が高い」といわれた時には、これまでと同じようなライフスタイルではいけませんよというサインだと思って、一度生活習慣を見直してみてくださいね。

→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら







腎臓関連ワード

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慢性腎臓病(CKD;シーケーディー)静かに進行、透析必要に 重症化する前に発見することが重要

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■慢性腎臓病(CKD)静かに進行、透析必要に 重症化する前に発見することが重要

Framed Embroidery Kidney Anatomy Art. Hand Embroidered.

by Hey Paul Studios(画像:Creative Commons)

 慢性腎臓病 静かに進行、透析必要に 早期発見へ対策急務

(2008/8/4、FujiSankei Business i. )

自覚症状のないうちに静かに進行し、気付いたときには透析が必要な状態になることも珍しくない腎臓の病気を「慢性腎臓病(CKD)」と名付け、早期発見や治療に結びつけようという動きが日本でも広がってきた。最新の推計では、国内の患者は1300万人を超えるとされる。

慢性腎臓病(CKD)は2002年に米国で提唱された概念です。

糖尿病高血圧などさまざまな原因で腎臓の障害や機能低下が3カ月以上続けば「慢性腎臓病」と診断されます。

記事によると、「昨年末時点で国内の慢性透析患者は約27万5000人と、20年前の3・4倍」と透析患者は急増しているそうです。

透析患者数は32万448人|糖尿病腎症・慢性糸球体腎炎で全体の7割を占める|日本透析医学会で紹介した日本透析医学会によれば、2014年末現在の日本の透析人口は32万448人となっています。

しかし、慢性腎臓病は程度が軽ければ改善できる例もあるそうです。

定期的に検診を受けるようにして慢性腎臓病を予防しましょう。

■成人の8人に1人の新国民病「慢性腎臓病」

【主治医が見つかる診療所】新国民病!慢性腎臓病|高血圧が慢性腎臓病の引き金になる!によれば、慢性腎臓病とは、慢性的にかかる腎臓病の総称のことで、糖尿病の合併症の一つである糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎(IgA腎症)、腎硬化症、膜性腎症など様々な病気が含まれています。

慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)とは、簡単に言うと、腎臓の機能が60%未満に低下することを言います。

腎臓の機能が低下し、血液中の水分や老廃物のろ過機能が低下してしまい、症状が悪化すると、人工透析が必要となります。

慢性腎臓病は、自覚症状がほとんどなく、気付いた時には重症化してしまい、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

慢性腎臓病の患者数は推定1330万人で、日本人の成人の実に8人に1人が患っていることから新国民病の一つともなっています。

慢性腎臓病を発症すると人工透析が必要になってしまうケースもあり、重症化する前に発見することが重要です。

→ 慢性腎臓病とは|慢性腎臓病(CKD)の症状・原因・チェック について詳しくはこちら







【腎臓の病気 関連記事】
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頻尿の原因となる病気|男性の前立腺肥大症や過活動膀胱・女性のぼうこう瘤や慢性ぼうこう炎・糖尿病・腎機能低下・更年期障害

頻尿の原因となる病気についてまとめてみました。




【目次】

■男性の前立腺肥大症

Meón

by Daniel Lobo(画像:Creative Commons)

<医療>残暑の日 危険な「尿が出ない頻尿」に注意!

(2016/9/4、毎日新聞)

前立腺は尿道とぼうこうのつなぎ目にあり、クルミぐらいの大きさをしていますが、60代以降になると大きく肥大し、時にはこぶし大になることがあります。そのために起きる代表的な病気が前立腺肥大症で、排尿したい感じが強くなり(尿意切迫感)、何度も排尿に行き(頻尿)、排尿しても出し切れない(残尿感)などの不快感が付きまといます。

 前立腺肥大症は、前立腺への血行が悪くなると症状が強くなります。肥満の人は脂肪に圧迫されて前立腺やぼうこう、直腸などを含む「骨盤内臓器」への血行が悪くなります。すると前立腺の新陳代謝は悪くなり、むくみやすくなって、前立腺肥大症が悪化します。長時間座ったままも同様です。また加齢とともに血管自体も衰えて血液の流れが悪くなるため、高齢の人はさらに症状が強くなります。

【前立腺肥大症の症状】

  • 排尿したい感じが強くなる(尿意切迫感)
  • 何度も排尿に行く(頻尿)
  • 排尿しても出し切れない(残尿感)

前立腺肥大症は、肥満や加齢、長時間座ることなど前立腺への血行が悪くなると、その症状が強くなるそうです。

おしっこの知られざる一般法則

(2013/11/14、WIRED)

アトランタのジョージア工科大学のパトリシア・ヤンとその同僚たちは、おしっこをするときに起きることを説明する一般法則をまとめ上げた。それは、科学者たちの数学的モデルによると、大型、中型のあらゆる哺乳類の動物は、膀胱を完全に空にするのにだいたい21秒を要するというものだ。

この考えをもとに考えられる仮説として、排尿に21秒超えている人は前立腺肥大の可能性があるというものです。

<健康>哺乳類はみんな「おしっこ21秒」の不思議

(2017/5/13、毎日新聞)

しかし高齢になると、男女ともぼうこうの筋力が低下することで、男性はさらに前立腺の肥大によって、排尿を21秒で終えることが難しくなります。見方をかえれば、排尿時間が21秒を超えるようになった人を高齢者と言ってよいかもしれません。

順天堂大学 堀江重郎教授によれば、排尿時間が21秒を超えている人は、加齢によって膀胱の筋力が低下している、もしくは前立腺の肥大の可能性があるようです。

【参考リンク】

■女性のぼうこう瘤や慢性ぼうこう炎

<医療>残暑の日 危険な「尿が出ない頻尿」に注意!

(2016/9/4、毎日新聞)

たとえば高齢女性に見られる、骨盤の中の筋肉が衰えて、ぼうこうが膣(ちつ)から落ちてくる「ぼうこう瘤(りゅう)」という病気の人は、ぼうこうにつながる血管が長く伸びているために血行が悪化し、頻尿になりがちです。そのような人が暑気あたりになると、ぼうこうへの血行がさらに悪化し、さらに重症の頻尿になります。

 またぼうこう炎を繰り返して抗生物質をずっと服用している人は、ぼうこうの中にカビである真菌が増え、その死骸を餌にして細菌が増えることがあります。その結果、ぼうこうがむくみ、頻尿になる人がいます。これは慢性ぼうこう炎の原因の一つなのですが、このような患者さんも暑気あたりで頻尿の症状が増します。尿があまり出ないのは男性の例と同じです。

「ぼうこう瘤」(骨盤の中の筋肉が衰えて、ぼうこうが膣から落ちてくる)の女性は、血行が悪化し、頻尿になりがちなのだそうです。

また、慢性ぼうこう炎の女性もぼうこうがむくみ、頻尿になりますが、膀胱炎の女性が暑さで体調を崩す暑気あたりになると頻尿の上昇が増すそうです。

■糖尿病

糖尿病が原因の頻尿と通常の頻尿の見分け方によれば、男性の頻尿の原因には過活動膀胱(overactive bladder: OAB)や年齢による膀胱筋力の低下、腹部の圧迫によるもの、前立腺肥大症や前立腺がんなどの疾患によるものがあります。

過活動膀胱は、蓄尿(尿を溜める)という膀胱機能の障害です。

過活動膀胱になると、膀胱の柔軟性が低下し、膀胱が過敏に反応して、少量の尿でも尿意を感じ、我慢できなくなります。

糖尿病が原因の場合は、血液内の血糖値を下げるために口渇が強くなり飲水量が増えることと、脳の排尿機能が糖尿病によって障害されてしまうことから頻尿になると考えられます。

通常の頻尿と糖尿病が原因の場合の頻尿の違いの見分け方は、頻尿以外に「のどが渇く」「水分を多く摂るようになる」「多尿」といった症状が併せて起きる場合には、糖尿病の疑いがあります。

腎機能低下によって尿の回数が増える例としては、糖尿病が挙げられます。

糖尿病とは、血糖値が高くなる病気で、簡単にいうと、上手くブドウ糖を取り入れられない病気です。

糖尿病になると、ブドウ糖がエネルギーを必要としている細胞の中に運ばれなくなり、血液の中にあふれてします。

その血液の中にあふれた大量のブドウ糖を排出するため、尿の量が増え、尿(おしっこ)の回数が増えてしまいます。

尿の量・回数が増えている人の中で、特におしっこの泡が消えない人は注意が必要です。

泡がきめの細かいクリーミーで消えない人は、糖尿病の合併症である糖尿病腎症のおそれがあります。

→ 糖尿病腎症の症状・原因・治療 について詳しくはこちら

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頻尿|なぜ腎機能が低下すると尿(おしっこ)の回数が増えるのか?

腎臓の機能として最も大事なのが、体の中に溜まった老廃物などをろ過して尿を作る機能です。

腎機能が低下すると、尿を濃縮できなくなり、頻尿(夜間頻尿症)という症状が起こります。

一般的な人の尿の回数は、昼5回、夜が0から1回なのだそうです。

健康な状態の時には、夜間は腎臓が尿から水分を吸収して尿量を減らして濃縮しているために、夜の尿の回数が減少しています。

しかし、腎臓からSOSが出ている場合、昼夜逆転現象が起きてしまうそうです。

昼間は、腎臓の処理能力が追い付かないため、尿の量が減り、夜(睡眠)になると、腎臓の処理能力が回復し、尿の量が増えてしまい、夜にトイレに行きたくなり頻繁に目が覚める(頻尿)ということが起きてしまいます。

【関連記事】

頻尿・尿もれ|何度もトイレに行きたくなる原因|女性の更年期障害の症状

頻尿とは、通常よりも何度もおしっこをしたくなることを言います。

頻尿になると、夜寝ていても尿意を感じて目を覚ましてしまい眠れなくなったり(睡眠の質が悪くなる)、何度もトイレに行く必要があるなど生活の質が低下します。

また、立ち上がった時や、くしゃみをした時に思わず尿がもれてしまったり、尿意を感じても間に合わずに漏らしてしまうというような「尿漏れ」も起きやすくなります。

光浦靖子さんは更年期障害の疑いあり!?「微熱」「異常に抜け毛が多い」「頻尿」|私の何がイケないの?によれば、一日に20回ほどトイレに行くほどの頻尿の症状があることを告白していましたが、なぜ更年期になると頻尿・尿もれが起こるのでしょうか?

大きく分けると、2つの原因が考えられます。

1つは、加齢による骨盤底筋の衰え、もう1つは、自律神経の乱れです。

●加齢による骨盤底筋の衰え

骨盤底筋とは、骨盤の底で膀胱や子宮、直腸などが下がらないように骨盤から支えている筋肉群です。

この骨盤底筋が弱くなると、頻尿や尿もれの原因となります。

骨盤底筋を鍛える体操(肛門と膣を締める・緩めるを繰り返す)をしましょう。

ちなみに、後ろ向きに歩くと、骨盤底筋群と大殿筋というお尻の筋肉が鍛えられるそうです。

【追記(2016/10/20)】

2016年10月19日放送のガッテンでは「快尿!おしっこトラブル 全部解決の5秒ワザ」を取り上げました。

「おしっこが近い」「尿もれ」「残尿感」といった現象は膀胱が硬くなっていることが原因の一つです。

膀胱というのは風船のようなイメージで、尿をためて出し切るのが仕事なのですが、加齢とともに柔らかさが失われていきます。

そこで、「頻尿」「尿もれ」「残尿感」といった症状を改善するには、ぼうこうの柔らかさを取り戻す「お尻体操」を紹介しました。

【お尻体操のやり方(方法)】

  1. 5秒間お尻の穴を締めたあと、ゆっくり緩める。

※1日合計20回行い、毎日少しずつでも続けると効果があるそうです。

※効果が出てくる目安は4週間。3か月で症状の改善が期待できるそうです。

※3つのポーズ(1.椅子に座りながら、2.つま先立ち、3.仰向けに寝て膝を立てお尻をあげた姿勢)で行うとより効果的なのだそうです。

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●自律神経の乱れ

エストロゲン(女性ホルモン)の減少によって、自律神経などの身体の重要な働きをコントロールする役割を持つ視床下部が混乱します。

自律神経が乱れることによって、膀胱が過度に収縮することにより、尿が膀胱にたまっていなくても尿意を感じてしまい、頻尿になると考えられます。

→ 更年期障害の症状・原因・チェック|40代・50代の更年期の症状 について詳しくはこちら

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■まとめ

「尿の回数が増えた」「少量の尿でも尿意を感じ、我慢できなくなった」「排尿しても出し切れない(残尿感)」といった症状を感じている人は、一度泌尿器科で診てもらってはいかがですか?







慢性腎臓病(CKD)は検査による早期発見と生活習慣改善が予防のカギ

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【目次】

■CKDの定義とは

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慢性腎臓病 生活習慣改善で予防 健診で早期発見、進行を抑制

(2016/2/1、毎日新聞)

CKDの定義は(1)尿や血液検査、画像診断で腎障害の存在が明らか。特に尿蛋白(たんぱく)の存在が重要(2)腎臓の働きを表す、糸球体濾過(ろか)量が60ミリリットル/分/1・73平方メートル未満。(1)(2)のいずれか、または両方が3カ月以上持続する状態です。

慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)とは、簡単に言うと、腎臓の機能が60%未満に低下することを言います。

国民のほぼ1割、1,300万人の腎機能が60%以下に低下していると言われ、慢性腎臓病は、“新たな国民病”として注目されています。

腎臓の機能が低下し、血液中の水分や老廃物のろ過機能が低下してしまい、症状が悪化すると、人工透析が必要となります。

米国腎臓財団が提唱したCKDの定義は次の通り。

(1)尿や血液検査、画像診断で腎障害の存在が明らか。特に尿蛋白(たんぱく)の存在が重要

(2)腎臓の働きを表す、糸球体濾過(ろか)量が60ミリリットル/分/1・73平方メートル未満。

(1)(2)のいずれか、または両方が3カ月以上持続する状態を慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)と定義するそうです。

■なぜ生活習慣病で腎機能が低下するの?

慢性腎臓病 生活習慣改善で予防 健診で早期発見、進行を抑制

(2016/2/1、毎日新聞)

腎臓の機能は体内の老廃物をろ過して尿を作ることです。ろ過機能を担当しているのが糸球体と呼ばれる毛細血管の塊です。成人では片方の腎臓に約100万個、左右で200万個もあるとされています。CKDは糸球体が障害を受けることが大きな原因となっています。高血圧や糖尿病などの生活習慣病に共通しているのは動脈硬化を起こすことです。糸球体の毛細血管の動脈硬化が、腎機能低下の一因となります。

メタボを放っておくと、慢性腎臓病になる恐れがあるそうです。

メタボ→高血圧高血糖動脈硬化→糸球体のろ過機能低下→腎臓機能低下

メタボリックシンドロームになると、高血圧、高血糖などが原因で全身の血管が動脈硬化を起こします。

腎臓の血管でも動脈硬化が起こり、腎臓にある糸球体(血液をろ過する腎臓の血管)が動脈硬化を起こすことで、濾過する能力が低下します。

その結果、腎機能の低下が起こります。

そして、生活習慣を改善することなくそのままの生活を続けてしまうと、さらに腎臓機能が低下して、老廃物が血管の内皮細胞を傷つけることによって、慢性腎臓病から慢性腎不全・脳卒中心筋梗塞を引き起こす可能性があります。

→ 慢性腎臓病(CKD)の症状・原因 について詳しくはこちら




■CKDを早期発見するには

CKDかどうかは尿検査と血液検査で知ることができます。

尿タンパク検査

糸球体のろ過機能に異常があるかどうかを調べる「尿検査」では、主に尿にたんぱくが混じっているかどうかを調べます。

尿に蛋白が混じっているということは、毒素や老廃物をろ過する糸球体がうまく機能していない、つまり腎臓の機能が低下しているということが考えられます。

血清クレアチニン検査

「クレアチニン検査」とは、腎臓のろ過機能がどれくらい残っているかがわかる検査です。

クレアチニンとは、筋肉中のたんぱく質が代謝された時に発生する老廃物で、腎臓のろ過機能を示す指標です。

CKDは早期では症状がないため、定期的に検査を受けることが重要になります。

→ 腎臓の数値|クレアチニン・eGFR について詳しくはこちら

■CKDの治療

CKDは前述しましたように一つの病気ではありませんので、腎機能を低下させている原因を明らかにして、治療していきます。腎臓のろ過能力によって重症度が5段階のステージに分けられます。さらに、尿蛋白量によって重症度が変わります。例えば、糖尿病が原因のCKDで早期であれば、血糖値のコントロールを第一に行い、進行を抑えるようにします。ステージが進行すれば腎臓の機能低下に伴う合併症の治療を行います。末期腎不全になれば透析療法や腎移植が必要な状態となります。

CKDは原因となる病気を問わず慢性的に腎臓の機能が60%未満に低下した状態を指しているため、治療に当たっては、腎機能低下の原因を明らかにすることがまずは重要です。

糖尿病が原因で腎機能が低下している場合には、血糖値のコントロールを行ない、そのうえで、腎機能の低下を抑えるように治療していくそうです。

腎臓のろ過能力によって重症度が5段階のステージに分けられており、それぞれのステージに合わせた治療を行なっていくようです。

−末期腎不全になってしまったら。
◆透析療法か腎移植が必要になります。透析療法には腹膜透析と血液透析があります。
<中略>
腎移植に関しては、近年症例数もかなり増加してきています。安全で、効果的な免疫抑制薬の開発や移植医の努力のたまものだと思っています。

糖尿病や腎炎、高血圧などで腎臓の働きが低下すると、血液中の老廃物や余分な水分を尿として体外に排出しにくくなります。

放置すれば生命の危険もあり、健康時の1割程度になると、腎臓の働きを代行する人工透析が必要になります。

人工透析は身体的にも、経済的にも、時間的にも、患者に負担がかかってきます。

できるだけ人工透析を避けられるように生活習慣を改善していきたいですね。

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■CKDにならないようにするためには

健康診断受診者のデータから10年間で軽度のCKDになってしまうリスクは加齢、血尿、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満と喫煙です。

CKDのリスク要因は、加齢、血尿、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満と喫煙なのだそうです。

そのため、カロリーや脂質を摂り過ぎないバランスのとれた食事や運動、ダイエット(肥満解消)、塩分少なめの食事、水分補給、禁煙が重要です。

特に注意しなければいけないのは糖尿病です。透析療法が必要となる原因の第一位は糖尿病です。さらに、高血圧が合併しているとより危険度が増します。

糖尿病の人は、高血圧になる可能性が高いともいわれます。

それは、糖尿病と高血圧の危険因子が同じだからだと考えられています。

その他にも、高脂血症脂質異常症ともリスク要因が重なる部分が多いため、注意が必要です。

→ 慢性腎臓病(CKD)の症状・原因 について詳しくはこちら







【参考リンク】
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MCI(軽度認知障害)は女性の方が速く悪化し、腎機能の低下という特徴がみられる|東大教授の調査

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■MCI(軽度認知障害)は女性の方が速く悪化し、腎機能の低下という特徴がみられる|東大教授の調査

Continuing Studies

by Simon Fraser University – University Communications(画像:Creative Commons)

軽度認知障害、女性の方が速く悪化…東大教授らのグループ調査

(2018/8/21、ヨミドクター)

認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)の女性は、男性より症状が悪化しやすいとの研究結果を東京大教授の岩坪威さんらのグループがまとめ、米科学誌に発表した。認知障害の悪化が速い女性には腎機能の低下がみられるという特徴もあり、生活習慣病の影響がうかがわれた

東大教授の岩坪威さんらのグループによれば、軽度認知障害(MCI)の女性は男性よりも症状が悪化しやすく、また、認知障害の悪化が早い女性には腎機能の低下がみられるという特徴がみられたそうです。

気になるポイントは、男性よりも女性のほうが症状が悪化しやすいことと認知障害の悪化が早い女性には腎機能の低下がみられるという特徴があること。

データ解析を担当した東大講師の岩田淳さんは「糖尿病や高血圧などの生活習慣病は腎機能を低下させるほか、動脈硬化を引き起こして神経細胞が壊され、認知機能の悪化を招く」と説明する。

その理由としては、男性よりも女性のほうが血管が細く、その影響を受けやすく、また、生活習慣病の影響により、腎機能が低下し、動脈硬化を引き起こすことで認知機能の悪化を招くと考えられるそうです。

■認知症と生活習慣病の関係

認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病によれば、認知症の予防につながるリスク要因の喫煙・運動不足・高血圧・肥満・2型糖尿病の5つに共通するのは、心臓に良い生活習慣は脳にも良いということです。

国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かったそうですが、脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多いです。

高血圧:定期的に血圧を測り、高血圧の人は治療をしましょう。
糖尿病:血糖値を測り、糖尿病または糖尿病予備軍の人は治療を受けましょう。
●不整脈:不整脈が見つかったら、病院に行きましょう。
●タバコ:禁煙しましょう。
●アルコール:飲酒は控えめにしましょう。
コレステロール脂質異常症高脂血症)と診断された人は治療を受けましょう。
●運動:運動することが脳卒中予防につながります。
●塩分・脂肪分:食事の塩分を控えめに、低脂肪の食事をしましょう。
肥満:太りすぎは糖尿病や脂肪肝などの生活習慣病のリスク要因です。
●脳卒中の症状があればすぐに受診。

より具体的に見ていくと、糖尿病と認知症には何らかの関係があるという研究は何度も取り上げてきました。

アルツハイマー患者の脳内、糖尿病と同じ状態に 九大の解剖で判明

(2013/5/7、日本経済新聞)

九州大の生体防御医学研究所によれば、アルツハイマー病患者は、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することがわかったそうです。

【参考リンク】

糖尿病患者の半数でアルツハイマーの初期症状を確認で紹介した加古川市内の病院に勤務する医師らの臨床研究によれば、糖尿病の通院患者の半数以上に、「海馬傍回(かいばぼうかい)」と呼ばれる脳の部位が萎縮(いしゅく)するアルツハイマー病の初期症状がみられることがわかったそうです。

インスリンには記憶、学習機能を高める作用もあり、糖尿病でインスリン反応性が低下することが、アルツハイマー病発症につながっている可能性があるようです。

インスリン抵抗性を伴った2 型糖尿病にアルツハイマーのリスク|九大研究によれば、インスリン抵抗性を伴った2型糖尿病の場合、アルツハイマーの発症に関係があるとされるプラークが形成されるリスクが高くなるという研究結果が発表されたそうです。

九州大学の研究によれば、血糖値の異常が認められた患者にはプラークが形成されるリスクが高いという結果がでたそうです。

九州大学(Kyushu University)の研究チームは福岡県久山(Hisayama)町の135人(平均年齢67歳)を対象に研究を行った。

対象者に血糖値の検査を行い、その後10~15年間にわたってアルツハイマーの兆候がないか観察した。

研究期間中に対象者の約16%がアルツハイマーを発症した。

対象者の死後に研究チームが脳を調べたところ、65%にプラークが見られたという。

研究チームは、血糖値の異常が認められた患者には、プラークが形成されるリスクが高いとの結果をまとめた。

論文を執筆した九州大学の佐々木健介さんによれば、インスリン抵抗性がプラーク形成の原因と結論するにはさらに研究を進める必要があるものの、糖尿病をコントロールすることによってアルツハイマーを予防できる可能性があるとしています。

糖尿病になると、認知症の発症リスクが2倍高くなる!?で紹介した東京大の植木浩二郎特任教授によれば、糖尿病になると認知症の発症リスクが2倍高くなるそうです。

駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があり、アルツハイマー病の発症リスクは、糖尿病だと2倍、高血圧だと2倍、脂質異常症だと3倍になると紹介していました。

糖尿病がアルツハイマーのリスク高める?

(2015/5/26、WSJ)

ワシントン大学の研究者らは、マウスの実験で血糖値を異常に高い値に引き上げたところ、脳内のアミロイドベータの生産も増加し、双方に何らかの相関性があることを突き止めた。

ピッツバーグ大学で実施された約180人の中年の成人を対象とした試験では インスリン依存型(1型)糖尿病の患者は、この疾患を持たない被験者と比べ、はるかに多くの脳内病変が認められ、認知機能は低下していた。

血糖値の高さが脳に影響を及ぼす可能性があることが、2つの研究で示されています。

なぜ血糖値が高いとアミロイドβが生産されアルツハイマーのリスクが高まるのでしょうか。

インスリンはアミロイドから脳を守り、ニューロン(神経単位)と記憶の形成のつながりを改善するとされる。

<中略>

セントルイスのワシントン大学のマウスの実験で医師のデビッド・ホルツマン氏は、糖が脳内のニューロンに刺激を与え、さらにアミロイドが作られると示唆している。

インスリンには血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を調節する働きがありますが、今回の記事によれば、インスリンはアミロイドから脳を守る働きもあるそうです。

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパクが脳にたまることで、神経細胞が死滅し、萎縮し、認知機能が低下することから起きると考えられています。

つまり、インスリンの分泌が低下したり、生成されなくなるということは、アミロイドから脳を守ることができなくなり、認知機能が低下してしまうと考えられます。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら




【関連記事】

■軽度認知障害とは?

MCI(軽度認知障害)|認知症予防にカマンベール|#世界一受けたい授業によれば、MCI(Mild cognitive impairment:軽度認知障害)とは、認知症の前段階で、認知機能が年相応といえない程度に低下している状態を指します。

認知症はじめの一歩|国立長寿医療研究センター もの忘れセンター

MCIでは記憶症状ではなく、言葉が出にくい、道を間違ったりするといった記憶以外の脳機能低下も含まれます。MCIでは、年間約10%が認知症に進行することが知られています。健常者より4-5倍危険性が高い状態です。逆に、MCIから健常に戻る場合もあります。

【参考リンク】

■軽度認知障害の特徴・サイン

認知症|厚生労働省

失語:言葉の障害(言葉が理解できない、言おうとした言葉を言うことができない、など)
失認:対象を正しく認識できない:知り合いの顔、色、大小などを認識できない、など
失行:くわえたタバコにライターの火をつけられない、服を着ることができない、茶葉とお湯と急須を使ってお茶を入れることができない、など
実行機能の障害:計画をたててその計画通りに実行していくなどができない

軽度認知障害のサインは、認知症の症状と判断するほどではなくても、同世代よりももの忘れの程度が強く、失語・失認・失行・実行機能という認知機能に障害があると感じられ、認知症にまで進行する可能性があるものだと考えられます。

■まとめ

MCI(軽度認知障害)の14%が認知症に進み、46%は正常に戻る|国立長寿医療研究センターで紹介した国立長寿医療研究センターによれば、「MCI(軽度認知障害)」の65歳以上の愛知県大府市の住民を4年間追跡調査したところ、14%が認知症に進んだ一方、46%は正常に戻ったそうです。

つまり、このことは、認知症の前段階であるMCIになったからといって、すべての人が認知症に進むわけではないということであり、一つの可能性として、認知症対策を行うことで回復したのではないかと考えられます。

うつ病性仮性認知症対策|前頭葉の血流を増やす方法は有酸素運動(散歩など)+知的刺激(川柳など)|たけしのみんなの家庭の医学によれば、国立長寿医療研究センターでは、暗算やクイズなどの課題を解きながら速足で歩いたりするような、頭を使いながら有酸素運動する、「コグニション」(認知)と「エクササイズ」(運動)を組み合わせ「コグニサイズ」を勧めており、週1回90分の運動プログラムを10か月間参加したグループでは、認知機能や言語機能が維持されており、また脳の特定部位の萎縮傾向がなかったそうです。

エゴマ油摂取+脳トレ=認知症予防効果がある!?で紹介した公益財団法人しまね産業振興財団、しちだ・教育研究所、島根えごま振興会、島根大、島根県立大の研究チームが行なった実験によれば、毎日スプーン1杯分のエゴマ油を摂取し、週に1回、計算や読み書きなどの脳トレを実施したグループは何もしないグループよりも記憶力や論理的思考力などの知的柔軟性の評価項目が高くなったという結果が出たそうです。

また、腎臓は『肝腎連関』『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要|#NHKスペシャルで紹介した京都大学大学院医学研究科の柳田素子教授によれば、腎臓は『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』『肝腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要となっているそうです。

もしかすると、認知症を予防するためには、認知症の前段階と言われる軽度認知障害(MCI)の段階で食い止める対策をすることに加えて、『脳腎連関』の可能性を踏まえて腎機能をチェックすることが重要になるかもしれませんん。







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