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■糖尿病の運動療法|運動療法により得られる効果とは
by Dragan(画像:Creative Commons)
糖尿病講座:(19)運動療法とは
(2009/1/9、毎日新聞)
糖尿病の発症は食べ過ぎだけが原因でしょうか?
意外に思われるかもしれませんが、実は日本人のエネルギー摂取量は戦後間もない1950年代から現在まで約2,000kcalで大きな変化はありません。
しかし、摂取エネルギーに占める脂肪の割合は、1950年に7.7%だったのが現在では約26%と大幅に増加しております。
また自動車保有台数も年々増加しています。
実は糖尿病患者数の増加とこの脂肪摂取量の増加・自動車保有台数の増加の様子は非常によく一致します。
つまり食事の欧米化や自動車の普及による運動不足が糖尿病発症の大きな原因であると推測されるのです。
したがって糖尿病や肥満の予防および治療には食事療法だけではなく、運動不足を解消することは非常に重要な意味があると考えられます。
糖尿病の発症は食べ過ぎだけが原因ではなく、食事の欧米化(脂肪の多い食事)や運動不足も糖尿病が発症する大きな原因であると考えられるそうです。
そのため、糖尿病を予防するためにも、食事の量だけでなく、食事の内容を改善し、運動不足を解消する必要があります。
運動療法で得られる効果には短期間のうちにその効果が表れる急性のものと、運動療法を継続することで効果の表れる慢性のものがあります。
◇ 急性効果
急性効果で最も大きなものは血糖値の改善です。
運動時には筋肉がエネルギーを必要とするため、そのエネルギー源であるブドウ糖の血液中から筋肉中への取り込みが促進されます。
結果として血液中のブドウ糖量、すなわち血糖値が低下します。
食後に運動を行えば、食後の急激な血糖上昇を抑えることができ、糖尿病のコントロールをよくすることが期待できます。
運動によって爽快感を得られたりストレスを解消したりすることで生活の質を向上させることができるのも急性効果の一例です。
運動をすることでまず効果が得られるのが、血糖値が改善されること。
運動によって、血糖値の上昇を抑えることができるため、糖尿病のコントロールをすることができます。
また、ストレス解消になることも良いようです。
例えば、極端な例になりますが、1か月のハイキング生活で体はどのように変化するか?によれば、29日間で1日8~10時間のハイキングをした人は、ストレスホルモンともいわれるコルチゾールの値は平常が10-23μg/dLのところ、ハイキング前17.8μg/dL→ハイキング後10.8μg/dLと、コルチゾール濃度の正常範囲の最高値に達したそうです。
◇ 慢性効果
慢性効果として大切なのは、継続的な運動によりエネルギー消費が多くなることで減量を実現できることです。
しかも運動しながらの減量ですから、単に食事制限しただけの時と異なり、筋肉量を維持しながら脂肪だけを選択的に減少させることができます。
余分な脂肪が減少すればインスリンの効きも良くなり、血糖値の改善につながります。
また体力や心肺機能の向上、骨粗鬆症の予防、脂質異常症(高脂血症)の改善なども期待できます。
運動療法を続けることで得られるのが、減量に対する効果です。
脂肪が減少することによって、インスリンの効きがよくなり、血糖値の改善につながるようです。
糖尿病の予防には、食事だけに気をつけるのではなく、運動も取り入れましょう。
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