■健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっている
by The Next Web Photos(画像:Creative Commons)
(President)
グラフには、最も医療コストがかかる10大慢性疾患に対する社員一人あたりの平均支出が表されている。
医療、欠勤(アブセンティーイズム)、業務遂行障害(プレゼンティーイズム)の三つのコストのうち、治療にかかる医療費や欠勤による損失よりも、プレゼンティーイズムによる損失が大きなコストになっていることがわかる。
このグラフによれば、治療にかかる医療費や欠勤による損失よりも、業務遂行障害(プレゼンティーイズム)による損失が大きなコストになっているようです。
【補足】アブセンティーイズムとプレゼンティーイズムとは
米国でよく比較対照に使われる「アブセンティーイズム」と「プレゼンティーイズム」に注目したい。
前者は疾病により欠勤している状態であり、後者は出社こそしているものの、何らかの疾病で業務遂行に障害が起き、労働生産性が下がっている状態をいう。
つまり、この結果によれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。
また、喫煙も生産性損失コストを大きくしている要因のようです。
次に、喫煙者の生産性損失はどうだろうか。
喫煙者の年間生産性損失時間は130時間弱に及び、そのうちプレゼンティーイズムが76.5時間を占める(図表2)。
金額にすると一人あたり4430ドル(うちプレゼンティーイズムが2619ドル)の損失となる(図表3)。
このグラフによれば、喫煙をしている人は、生産性を大きく落としているということが分かります。
そして、肥満も業務遂行障害に大きく影響しているようです。
米国では肥満による健康リスクも大きな問題になっている。
肥満の労働者は、メタボリック・シンドロームになるリスクが健康な労働者の約9.4倍、高血圧のリスクが4倍にもなることがわかっている。
さらに、注目に値するのは肥満労働者の業務遂行障害が2.3倍にもなるという事実である。
記事では、企業側は、社員の健康を十分にケアをすることによって、生産性損失コストが削減できると伝えています。
ダウ・ケミカルのCEOアンドリュー・リバリス氏は、「我々が使う機械と同様に、社員も十分にケアすれば、有病率が減り、医療費、業務遂行障害、生産量低下によるコスト(=損失)が削減できる」と述べている。
■まとめ
(2016/1/10、ZUU)
順天堂大学の伊藤弘明氏の試算では、職場で発症した腰痛(職業性腰痛)の直接医療費は2011年度で821億円となっている。
遠隔リハビリアプリ「Regain」|理学療法士と腰痛など身体に不調を持つユーザーをマッチング|メインターゲットは企業で紹介した順天堂大学の伊藤弘明氏の試算では、職場で発症した腰痛(職業性腰痛)の直接医療費は2011年度で821億円となっているそうです。
ただ、この数字は直接的なものだけであり、腰痛によって生産性が下がることを含めると、その数字はもっと大きなものになると予測されます。
アメリカでは年間800億ドルもの労働生産力が腰痛のために失われているという試算があるそうです。
企業側が生産性を考えるのであれば、従業員の健康をいかにケアし、生産性損失コストを削減していくようにしていく必要があるのではないでしょうか。
こうした流れを受けて各企業が「健康経営」をすすめていこうという流れになっているのだと思います。
→ これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの? について詳しくはこちら