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グルコサミンは口から摂取しても、膝や股関節の関節痛には効果がない!?|研究【論文・エビデンス】

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■グルコサミンは口から摂取しても、膝や股関節の関節痛には効果がない!?|研究【論文・エビデンス】

Kneed

by dion gillard(画像:Creative Commons)

Runhaar J, Rozendaal RM, Middelkoop MV, et al Subgroup analyses of the effectiveness of oral glucosamine for knee and hip osteoarthritis: a systematic review and individual patient data meta-analysis from the OA trail bank Annals of the Rheumatic Diseases Published Online First: 28 July 2017. doi: 10.1136/annrheumdis-2017-211149

Glucosamine was no better than placebo for pain or function at short (3 months) and long-term (24 months) follow-up. Glucosamine was also no better than placebo among the predefined subgroups. Stratification for knee OA and type of glucosamine did not alter these results.

衝撃の報告「グルコサミンは効かない」! サプリメントの過剰摂取で副作用の危険も

(2017/8/15、HealthPress)

今回の最新研究では、それらの「グルコサミンのサプリメントを摂取した(3カ月間~2年間)グループと摂取しないグループを比べた」エビデンスレベルのいちばん高い「ランダム化比較試験」を集めて比較した。
 
 その結果、性別にかかわらず、関節に炎症が生じているグループ、過体重なグループ、痛みが強いグループなどすべての群において、短期間(3カ月)でも長期間(2年間)でも「グルコサミンは飲んで飲まなくて結果に差がない」というのだ。

グルコサミンサプリメントを経口摂取した(3か月~24か月)グループと摂取しないグループを比べた実験によれば、関節に炎症が生じているグループ、過体重グループ、痛みが強いグループなどすべてのグループにおいて、また期間に関係なく、プラセボより優れていなかったという結果が出たそうです。

同様の実験がBBCでも行われています。

Does glucosamine really help joint pain?

(2016/9/22,BBC)

In the group that took the supplement pill, 55% reported a significant reduction in pain – an improvement of around 30% or more. In fact, many in the group were extremely enthusiastic about the effect this supplement had, one saying she felt “like a new person”.
In the group that were given exercises to do, 80% reported the same reduction in pain. So, the exercises were much more effective than the supplement – but the supplement was still very good at reducing our volunteers’ pain.
So what was this marvellous pill? As you’ve probably already guessed by now, it was just a placebo. Placebo works very well for joint pain. Glucosamine “works” – but the evidence is that it doesn’t work much better than placebo.

「グルコサミンって本当に効くの?」 BBCの「意地悪実験」結果に「まさか」

(2016/10/7、Jcast)

2カ月後、サプリメントのグループは55%の人が痛みはかなり和らいだと評価した。多くの参加者はサプリメントの効果を信じ、「まるで別人になったみたい」と熱っぽく語った女性もいたほどだ。

一方、毎日、運動をしていたグループは80%の人がサプリメントと同様の効果が見られたと報告した。運動の方が効果的という数字だがサプリメントの効果も大きかったようだ。

BBCの番組で、リーズ大学(University of Leeds)のフィル・コナハン(Phil Conaghan)教授が、膝の関節痛に悩む80人をサプリメントグループ40人と毎日の運動(エクササイズ)指導グループ40人に分けて、グルコサミンの検証実験を行なったところ、サプリメント・運動ともに同様の結果が得られたそうです。

ただ、実験に使われたサプリメントはプラセボという偽薬で、サプリメントの効果というよりもサプリメントを信じる効果によって症状が緩和されたというのが今回の実験のポイントです。




■まとめ

口からグルコサミンサプリメントを摂取しても効果がないという実験結果には驚きました。

今回の研究結果を参考にすれば口からグルコサミンサプリメントを摂取しても効果がないとしても、膝の関節痛の方が多いのは事実で、これから何らかの対策を行わなくてはなりません。

平成25年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

介護が必要となった主な原因を要介護度別にみると、要支援者では「関節疾患」が 20.7%で最も多く、次いで「高齢による衰弱」が 15.4%となっている。要介護者では「脳血管疾患(脳卒中)」が 21.7%、「認知症」が 21.4%と多くなっている。

厚生労働省の平成25年国民生活基礎調査の概況によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因の第一位は「関節疾患」となっています。

ひざ痛中高年1800万人 要介護へ移行リスク5.7倍|厚生労働省研究班(2013/8/13)で紹介した厚生労働省研究班の調査によれば、膝の痛みで悩む中高年が1800万人に上ると推計されるそうで、また、膝関節の軟骨がすり減って痛むようになると、要介護に移行するリスクが5.7倍高いそうです。

膝の関節痛に悩む人への対策として確実な方法は2つ。

1つは、筋力を鍛えること、もう1つは、膝の関節痛の人が生活しやすい街づくりです。

1.筋力を鍛える

Does glucosamine really help joint pain?

(2016/9/22,BBC)

As Phil explains: “A lot of the pain is coming from the tendons and structures around the joint. If you have trouble getting out of a chair, or trouble undoing a jar, you’re at risk of joint pain because your muscles are weak.”

リーズ大学のフィル・コナハン教授によれば、多くの痛みは間接周りの腱や構造から来ていて、もし椅子の立ち上がりやビンの開閉が難しい人は、筋肉の衰えによる関節痛のリスクがあるそうです。

ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法によれば、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害のために要介護となる危険の高い状態のことを言います。

加齢による筋力やバランス能力の低下によって、ロコモティブシンドロームになっているそうです。

老化のスピードが速い大腿筋を鍛える方法|大腿筋の老化のスピードは最も速いで紹介した石井直方さん(東京大学大学院筋生理学・トレーニング科学専門)によれば、筋肉量は30歳をピークに減少し始めるそうです。

なかでも大腿筋の老化は深刻で、30~70才までの40年間で、前側(大腿四頭筋)は2分の1、後ろ側(ハムストリングス)は3分の2にまで落ちることが実証されているそうです。

筋肉(とくに前側の筋肉)が衰えると、

  • 椅子から立ち上がれない
  • 転びそうになっても体を支えられない
  • 骨は、筋肉を使えば使うほど刺激を受けて強化され、基本的に、太ももの筋量が多い人ほど骨の強度も高いそうなのですが、筋肉が衰え、活発に動けなくなると骨への刺激も減るため、転倒や歩行困難、最悪の場合は寝たきりになるおそれもある

になることが考えられます。

ロコモティブシンドロームの考え方は、痛みに対する治療だけでなく、筋力強化などもあわせて運動の状態を向上させ、QOL(生活の質)を保つことを目指すというものです。

現在の筋肉を維持しようという人がウォーキングだけをしても、筋肉は衰えていってしまいます。

筋肉を衰えさせないためにも、筋トレが必要。

ロコモティブシンドロームを予防するトレーニングとして紹介されているのは、「片脚立ち」と「スクワット」です。

片手だけまたは手を使わずに床に座ったり立ったりできる人は長生きできる?によれば、中高年で床に座ったり立ったりが片手だけで、または手を使わずにできる人は筋骨格がしっかりしており、それができない人に比べて長い寿命が期待できるそうです。

また、おすすめなのが「スロトレ」。

スロトレは、軽い負荷でありながらも、、すべての動作を“ゆっくり、止めずに、連続して行う”ことで筋肉が力を発揮している時間を引き延ばし休ませないため、筋肉量が増えるのに効果的なトレーニング方法です。

また、軽い負荷であるため、次のような方にもおすすめができます。

→ → スロトレ(スロートレーニング)|スロトレ 効果・スロトレダイエット・やり方 について詳しくはこちら

2.膝の関節痛の人が生活しやすい街づくり

膝や足首への負担を軽減!階段の上り下りをアシストするエネルギーリサイクル階段|ジョージア工科大学・エモリー大学で紹介したジョージア工科大学(Georgia Tech University)とエモリー大学(Emory University)の研究者が開発したのは、階段を降りるときのエネルギーを格納し、登るときにエネルギーを解放して、階段の上り下りをアシストする装置です。

Assistive Stairs Make Going Up and Down Easier

階段を降りるときにスプリング式の階段が圧縮されることで、足首への衝撃が26%軽減され、階段を上るときにはその時に蓄えられたエネルギーを解放し増幅させて、膝への負担が37%減るそうです。

【参考リンク】

こうした仕組みを街全体に取り入れることで膝の関節痛に悩む人が暮らしやすい街づくりを行えば、悩んでいない人も快適に過ごせる街になっていくはずです。

膝の関節痛に悩む人の要介護リスクは高いので、今後様々な対策に取り組んでいく必要があるため、良いアイデアが実行されるといいですね。

→ 膝が痛い|関節痛・変形性膝関節症 について詳しくはこちら







【ロコモ 関連記事】
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ヤチャイカ(YaCHAIKA)|疲れにくく、関節痛が予防できるハイヒールが開発される




YaCHAIKA

参考画像:YaCHAIKA – comfy high heels|Vimeoスクリーンショット

【動画】中央大学研究者が開発、快適性と安全性を追求したハイヒールがダイソン アワード入賞

(2015/9/25、Fashionsnap.com)

2枚の湾曲した板バネと減衰性の高いゴム板を用いた衝撃吸収機能を搭載したハイヒールで、ファッション性と快適性の両立などが評価されてノミネート。

中央大学研究開発機構の山田泰之機構助教はハイヒール「ヤチャイカ(YaCHAIKA)」を開発し、「第10回 ジェームズ ダイソン アワード」の国内一次審査では2位に選ばれたそうです。

ハイヒール愛用者はケガにご注意-豪研究によれば、日常的にハイヒールを履いていると、以下のようなことが起こるそうです。

  • 歩幅が狭く、より足に力が入っており、膝が曲がったまま、いつも爪先立ちをしているような状態で歩いている
  • ふくらはぎの筋肉繊維が短くなってしまっており、ハイヒールを愛用していないグループよりも大きな力学的負荷がふくらはぎにかかっていた
  • ハイヒール愛用者は腱をあまり使わず筋肉に頼る歩き方をしており、アキレス腱などの腱が弱くなってけがをしやすくなっている
  • ハイヒール愛用者の歩き方は、底が平らな靴を履いている人よりもエネルギーが必要で、筋肉が疲れやすい

今回の作品は、2枚の曲がった板バネとゴム板を用いることで、衝撃を吸収する機能を持ちながら、ファッション性も兼ね備えていることがポイントです。

ヤチャイカは、従来のハイヒールが着用者の立ち姿と足取りの美しさを主に考えてデザインされているために疲労や姿勢の悪化、関節痛などを起こしやすい問題を解決するために開発された作品。

ハイヒールを履くと足首を使った歩行が難しく、着地時の衝撃がそのまま身体負荷となってしまうことに着目し、板バネとゴム板による衝撃吸収機能有したヒール部を搭載することで足首を動かして衝撃の少ない自然な歩行と疲労軽減を可能にした。

■まとめ

人が抱えている悩みをデザインとテクノロジーによって解決しようとするのが面白いですよね。







【関連記事】

活動休止を発表したレディーガガ(Lady Gaga)さんの病気は「線維筋痛症(fibromyalgia)」|線維筋痛症の症状・原因

Lady GaGa - Monster Ball - Nashville, TN

by Philip Nelson(画像:Creative Commons)




■活動休止を発表したレディーガガ(Lady Gaga)さんの病気は「線維筋痛症(fibromyalgia)」

レディーガガ(Lady Gaga)さんは全身に痛みを引き起こす可能性がある病気「線維筋痛症(fibromyalgia)」のため休養することを発表しています。

また、以前レディーガガさんはInstagramで慢性的な痛みに対する対処法について投稿していました。

I was so overwhelmed by the empathy, confessions & personal stories of chronic pain in response to my previous post I thought what the hell. Maybe I should just share some of my personal remedies I've acquired over the past five years. Everyone's body and condition is different U should consult w ure Dr. but what the heck here we go! When my body goes into a spasm one thing I find really helps is infrared sauna. I've invested in one. They come in a large box form as well as a low coffin-like form and even some like electric blankets! You can also look around your community for a infrared sauna parlor or homeopathic center that has one. I combine this treatment with marley silver emergency blankets (seen in the photo) that trap in the heat and are very cheap, reusable and effective for detox as well as weight loss! In order to not overheat my system and cause more inflammation i follow this with either a VERY cold bath, ice bath (if u can stand it, it's worth it) or the most environmentally savvy way is to keep many reusable cold packs in the freezer ( or frozen peas' n carrots'!) and pack them around the body in all areas of pain. Hope this helps some of you, it helps me to keep doing my passion, job and the things I love even on days when I feel like I can't get out of bed. Love you and thank you for all your positive messages.

A post shared by xoxo, Gaga (@ladygaga) on




■「線維筋痛症(fibromyalgia)」とは?

線維筋痛症ガイドライン2013|日本線維筋痛症学会

線維筋痛症は、原因不明の前身の疼痛(wide-spread pain)を主症状し、不眠、うつ病などの精神神経症状、過敏性腸症候群、逆流性食道炎、過活動膀胱などの自律神経系の症状を随伴症状とする病気である。近年、ドライアイ・ドライマウス・逆流性食道炎などの粘膜系の障害が高頻度に合併することがわかってきている。

線維筋痛症の症状としては、全身疼痛、ドライマウスドライアイ、関節痛、うつ状態不眠過敏性腸症候群、筋緊張、過活動性膀胱、しびれ、倦怠感、肩こり、痙攣、こわばり、めまい、むくみ、筋肉痛といった症状が現れ、症状の重複が多いそうです。

疼痛の発症要因は、外傷、手術、ウイルス感染などの外的要因と離婚・死別・別居・解雇・経済的困窮などの生活環境のストレスに伴う内因性の要因に大別される。これは慢性ストレスとして、神経・内分泌・免疫系の異常により、疼痛シグナル伝達制御のシステムが著しくかく乱し、このため、さらに多様な精神症状、疼痛異常を招いている悪循環が生じていると考えられる。

心因性のストレスのほか、温度や気圧の変化、騒音などの外因性のストレスが疼痛の原因となってしまうとのことです。

【参考リンク】

■まとめ

全身に痛みが広がる病気というニュースを聞いて、以前、Lady Gaga、難病「全身性エリテマトーデス」の検査を受ける(2010/5/24)によれば、自己免疫疾患の一種である全身性エリテマトーデスの検査を受けていたことを思い出します。

全身性エリテマトーデスは、遺伝的な要因が関係しているため、また10代から40代で発症することが多いことから検査を受けたということですが、当時からそうした慢性的な痛みに悩まされていたのかもしれません。







【関連記事】

帰国者に「デング熱」増加|夏の海外旅行前に注意呼びかけ




Dengue mosquito

by Oregon State University(画像:Creative Commons)

帰国者に「デング熱」増加 夏の海外旅行前に注意呼びかけ

(2010/7/20、産経新聞)

海外からの帰国者に「デング熱」の感染者が増えている。

10年前には年10人程度だったのが、最近は100人前後で推移。

今年も7月15日時点ですでに64人の感染者が確認されている。

死亡するケースもあるだけに、夏の海外旅行シーズンを前に厚生労働省では注意を呼びかけている。

海外旅行からの帰国者に「デング熱」の感染者が増えているそうです。

 

■デング熱とは

デング熱とはどんな病気なのでしょうか。

デング熱は、デングウイルスを持つ蚊を媒介して感染する。

2~15日の潜伏期間を経ての急な発熱が特徴で、その後、38~40度の高熱が5~7日間続き、激しい頭痛や関節痛なども伴う。

まれにだが、皮下や歯ぐきから出血するデング出血熱を発症し、死亡するケースもある。

大人よりも子供の方が発症することが多く、特に注意が必要だ。

ワクチンや治療薬はなく、「蚊に刺されないようにすることが唯一の予防策」(厚労省)という。

まとめてみます。

●蚊を媒介にして感染

●急な発熱

●38から40度の高熱が約1週間続く

●頭痛や関節痛を伴う

●子供のほうが発症することが多い。

●デング熱の予防法は、蚊に刺されないようにすることが唯一の方法

 

海外旅行先の情報を調べてから行くようにしたいですね。







【参考リンク】

  • デング熱 - 国立感染症研究所 感染症情報センター
  • デング熱 - 海外旅行者のための感染症情報(厚生労働省検疫所)