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スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法(ランニング・水中ウォーキング・ヨガ・ストレッチ)のコツと注意点|#NHKスペシャル #人体

健康・美容チェック > 骨粗しょう症 > スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法|骨が作り替えられるメカニズム|#NHKスペシャル #人体

2018年1月7日放送のNHKスペシャル「人体」のテーマは「骨」。

今回はその中でも「スクレロスチン(Sclerostin)」についてまとめてみたいと思います。




【目次】

■スクレロスチンと骨粗鬆症の関係

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by Adriano Amalfi(画像:Creative Commons)

骨粗鬆症は高齢者だけの病気ではなく、若い人でも骨粗鬆症を発症する患者も多いそうで、その場合「スクレロスチン」が大発生していることが関係しているのだそうです。

なぜ「スクレロスチン」が大発生すると骨粗鬆症になるのでしょうか?

■骨が作り替えられるメカニズム

その前に、まずは骨が作り替えられるメカニズムについて簡単にまとめてみたいと思います。

骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっているそうです。

骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているそうです。

■なぜ「スクレロスチン」が大発生すると骨粗鬆症になるの?

作り替えのペースを指示するのが「骨細胞」であり、「骨細胞」が骨を作る・骨を壊すという「メッセージ物質」によって作り替えの指示を行なっているのですが、作り替えのバランスが崩れると骨粗鬆症を起こしてしまいます。

「スクレロスチン」はメッセージ物質の一つで、「骨を作ることをやめる」というメッセージを持っており、通常は骨の量が増え過ぎないように「スクレロスチン」によって「骨芽細胞」の数を減らしているのですが、この「スクレロスチン」が大発生すると、骨量が減ってしまうのです。




■なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうの?

それでは、なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうのでしょうか?

骨細胞には骨にかかる衝撃を感知するという働きを持っており、その衝撃があるかないかによって、骨を作るペースを決めているそうです。

骨に衝撃がかからない生活をすると、骨を作らないでよいと考えてしまい、骨細胞が「スクレロスチン」を大発生させることによって、骨芽細胞の数を減らし、骨を作ることを休んでしまい、骨量が減ってしまうのです。

骨に衝撃がかからない生活というのは、運動をしないで一日中座っているような生活です。

■スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法

NHKスペシャル「人体」で紹介された米ミズーリ大学のヒントン博士の研究によれば、週に6時間以上ランニングまたは自転車に乗っている男性の骨量を調べたところ、骨粗鬆症予備軍とされる人の割合が自転車に乗っている人が63%だったのに対して、ランニングしている人は19%だったそうです。

ポイントは、「自転車では骨への衝撃が伝わらないから」という点。

ヒントン博士の研究によれば、週3回30分の「ジャンプ運動」を骨粗鬆症予備軍の男性にしてもらったところ、スクレロスチンの値が下がり、骨量が増えたそうです。

高齢者は「水中ウォーキング」や「ヨガ」「ストレッチ」もおすすめなのだそうです。

■まとめ

【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!では、耳石は、全身の筋肉や内臓・血管をコントロールしている自律神経とつながっており、耳石が動いている状態だと、全身の筋肉や自律神経の働きが良くなることによって、心臓などの働きが良くなって血流がよくなったり、コレステロールや糖の代謝も良くなるそうですが、耳石があまり動かないと状態だと、全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、免疫力低下、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起きてしまうと紹介しました。

近年の研究によれば、「長時間座り続けること」がその原因となっていたのですが、「骨」という視点から考えると、「長時間座り続けること」=「骨に衝撃がかからない生活」とも考えられますよね。

長時間座ることはどのくらい健康に悪いのか?によれば、長時間座ることの健康への影響は次のようなものが挙げられています。

  • 脂肪を分解する酵素が90%減少
  • インスリン値は下がる
  • 善玉コレステロール減少
  • 血圧は上がる(高血圧
  • 脚の筋肉で支えていた体重は首と背骨にかかり、座ることで脳の血栓ができやすくなる
  • 肥満糖尿病、心循環系の病のリスクも高まり、心臓病のリスクも2倍になる
  • 乳がんにも悪影響を与える

長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいによれば、座っているときは、体の代謝に必要な仕組みがストップされているそうです。

普段からよく歩く人達に歩く量を減らしてもらう実験を行うと、糖分や脂肪の代謝機能が低下し、体脂肪率が増加したそうです。

オステオカルシン(骨ホルモン)をかかと落としで増やして血糖値を下げる!|オステオカインが全身の臓器を制御している|#ガッテンによれば、「オステオカルシン」を増やす方法として、骨に衝撃をかけることが重要であると紹介していました。

「骨に衝撃がかからない生活」をしないように「骨活」をやっていきましょう!

→ オステオポンチン|免疫力をコントロールするメッセージ物質|#NHKスペシャル #人体 について詳しくはこちら







【参考リンク】
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ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法




【目次】

■ロコモティブシンドロームとは?

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by Jaka Ostrovršnik(画像:Creative Commons)

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。

骨や筋肉、関節など運動器の働きが衰え、生活の自立度が低くなり、要介護の状態や要介護となる危険の高い状態のことをいう。

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害のために要介護となる危険の高い状態のことを言うようです。

■ロコモティブシンドロームの原因

ロコモティブシンドロームの原因は何なのでしょうか。

原因は、加齢による筋力やバランス能力の低下が考えられる。

加齢による筋力やバランス能力の低下によって、ロコモティブシンドロームになっているそうです。

老化のスピードが速い大腿筋を鍛える方法|大腿筋の老化のスピードは最も速いで紹介した石井直方さん(東京大学大学院筋生理学・トレーニング科学専門)によれば、筋肉量は30歳をピークに減少し始めるそうです。

なかでも大腿筋の老化は深刻で、30~70才までの40年間で、前側(大腿四頭筋)は2分の1、後ろ側(ハムストリングス)は3分の2にまで落ちることが実証されているそうです。

筋肉(とくに前側の筋肉)が衰えると、

  • 椅子から立ち上がれない
  • 転びそうになっても体を支えられない
  • 骨は、筋肉を使えば使うほど刺激を受けて強化され、基本的に、太ももの筋量が多い人ほど骨の強度も高いそうなのですが、筋肉が衰え、活発に動けなくなると骨への刺激も減るため、転倒や歩行困難、最悪の場合は寝たきりになるおそれもある

になることが考えられます。




■ロコモティブシンドロームに当てはまる運動器の障害とは?

どういった運動器の障害がロコモティブシンドロームに当てはまるのでしょうか。

介護が必要となる運動器の障害には、関節の軟骨がすり減って痛む「変形性ひざ関節症や腰椎(ようつい)症」、骨量の減少で骨が弱くなり骨折しやすくなる「骨粗鬆(そしょう)症」、背骨の内部の神経が圧迫されて足腰のしびれや痛みが出る「脊柱(せきちゅう)管狭窄(きょうさく)症」などがある。

変形性膝関節症骨粗鬆症、脊柱管狭窄症などが代表例といえそうです。

●変形性膝関節症

関節痛は、高齢になると、ほとんどの方が持っているといわれています。

その関節痛の多くが、関節軟骨の磨耗が原因の、「変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)」です。

通常、軟骨は、柔軟性と弾力性、なめらかさを持っており、関節のスムーズな動きを支えています。

しかし、老化や過激な運動などで、軟骨の消耗が進むと、骨同士が直接こすれあい、強い痛みを感じます。

つまり、変形性膝関節症とは、膝関節のクッションである軟骨のすり減りなどが原因となって、関節が変形したり、膝関節に炎症が起きたりすることで痛みが生じる病気です。

変形性膝関節症(関節痛や膝痛)に当てはまる方は、正座のしにくい方や階段の上り下りがつらい方、立ち仕事の多い方に多いです。

→ 膝が痛い|関節痛・変形性膝関節症 について詳しくはこちら

●脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症とは、神経の通り道である脊柱管(せきちゅうかん)が狭くなり、神経の通りが悪くなることで、背骨の内部の神経が圧迫されて足腰のしびれや痛みが出る病気です。

●骨粗しょう症

骨粗しょう症の原因は、カルシウム不足です。

血中のカルシウム濃度は一定ですので、カルシウムが不足し始めると、骨のカルシウムから補填をするようになります。

つまり、血中のカルシウムが不足すればするほど、骨のカルシウムも減っていくことで、骨がもろくなり、骨粗しょう症につながっていきます。

また、日光にあたることもなく運動もあまりしない生活を続けていると、骨の形成に大切なビタミンDが活性化されず骨粗鬆症になってしまいます。

→ 骨粗鬆症とは|骨粗しょう症の症状・原因・予防する方法(食べ物・運動) について詳しくはこちら

■ロコモティブシンドロームの予防

ロコモティブシンドロームを予防するには、どうしたらよいのでしょうか。

ロコモティブシンドロームの考え方は、痛みに対する治療だけでは不十分で、筋力強化なども併せて運動の状態を向上させ、QOL(生活の質)を保つことを目指す。

それが、介護予防にもつながる。

痛みに対する治療だけでなく、日頃から筋力を強化することで運動の状態を維持していくことが、大事なようです。

毎日運動している人としていない人との間には体力に大きな差がある!?|2014年度体力・運動能力調査で紹介したスポーツ庁の2014年度体力・運動能力調査によれば、高齢者(65~79歳)で、ほとんど毎日運動している人と運動をしない人では、体力に大きな差があることがわかりました。

記事の中には、ロコモティブシンドロームの予防に取り組む目安の五項目が紹介されています。

日本整形外科学会は、予防に取り組む目安として五項目を紹介している。

片脚立ちで靴下がはけない
▽階段を上るのに手すりが必要
▽横断歩道を青信号で渡りきれない
▽十五分くらい続けて歩けない
▽家の中でつまずいたり滑ったりする-。

この5項目のうち、一つでも当てはまる人は、ロコモティブシンドロームを予防するロコモーショントレーニングを薦めているそうです。

効率よく筋力強化ができるのが目を開けての「片脚立ち」。

松井医長によると、片脚立ちは両脚立ちに比べ二・七五倍の負荷がかかり、一日三回、左右一分間の片脚立ちは、約五十三分間の歩行に相当するという。

支えが必要なら、机に手をついて行ってもよい。

「スクワット」はお尻を低く下ろせばより筋力が鍛えられるが、継続するには浅い角度の方が安全だ。

脚はかかとから三〇度くらい外側に開き、体重が脚の裏の中央にかかるように意識する。

現在の筋肉を維持しようという人がウォーキングだけをしても、筋肉は衰えていってしまいます。

筋肉を衰えさせないためにも、筋トレが必要。

ロコモティブシンドロームを予防するトレーニングとして紹介されているのは、「片脚立ち」と「スクワット」です。

片手だけまたは手を使わずに床に座ったり立ったりできる人は長生きできる?によれば、中高年で床に座ったり立ったりが片手だけで、または手を使わずにできる人は筋骨格がしっかりしており、それができない人に比べて長い寿命が期待できるそうです。

また、おすすめなのが「スロトレ」。

スロトレは、軽い負荷でありながらも、、すべての動作を“ゆっくり、止めずに、連続して行う”ことで筋肉が力を発揮している時間を引き延ばし休ませないため、筋肉量が増えるのに効果的なトレーニング方法です。

また、軽い負荷であるため、次のような方にもおすすめができます。

→ → スロトレ(スロートレーニング)|スロトレ 効果・スロトレダイエット・やり方 について詳しくはこちら







【ロコモ 関連記事】
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糖尿病患者は糖尿病でない人と比べると骨密度が10年程度早く低下する傾向がある|奥羽大

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【目次】

■糖尿病患者は糖尿病でない人と比べると骨密度が10年程度早く低下する傾向がある

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by Eric Schmuttenmaer(画像:Creative Commons)

糖尿病患者に警鐘 骨密度低下10年早く 奥羽大の衛藤教授ら

(2016/9/6、福島民報)

臨床研究では、糖尿病の女性127人と、糖尿病ではない女性622人の骨密度を50代から80代まで10年ごとの年代別に調べた。その結果、どの年代でも糖尿病患者は、糖尿病ではない人と比べて骨密度の低下が確認された。

奥羽大薬学部の衛藤雅昭教授、斉藤美恵子非常勤講師らの研究チームによる臨床研究によれば、糖尿病患者は糖尿病でない人と比べると骨密度が10年程度早く低下する傾向があることがわかったそうです。

研究では、50代の糖尿病女性は84%で糖尿病ではない60代の83%とほぼ同じ水準となった。60代の糖尿病女性の78%は糖尿病ではない70代の79%とほぼ同水準だった。他の年代でも同様の傾向が表れており、糖尿病患者の骨密度低下の進行は、糖尿病ではない人よりも10年程度早いことを示しているという。

糖尿病の合併症には、3大合併症ともいわれる糖尿病網膜症糖尿病腎症糖尿病神経障害がありますが、今後骨粗しょう症も含まれるようになりそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

■なぜ糖尿病の人は骨粗しょう症になりやすいのか?

糖尿病と骨粗鬆症の関係について

(2013/4、T-Friends)

最近、糖尿病の人は骨粗鬆症になりやすいことが分かってきました。

糖尿病でない人と比べ、一型糖尿病患者さんは6~7倍、2型糖尿病患者さんは1.5~2倍、骨折リスクが高いことが報告されています。

その理由の一つにインスリンが関与します。

インスリンには血糖値を下げる働きのほかに、骨芽細胞に作用して骨の形成を促す働きがあります。

1型糖尿病は、インスリンがほとんど分泌されないため、骨形成が低下して、骨粗鬆症になりやすくなります。

一方、2型糖尿病では、インスリンを分泌する能力は保たれており、骨量も減少していませんが、終末糖化産物や他の骨に悪影響を及ぼす要因が増え、骨の質が悪化するため、骨粗鬆症になりやすくなります。

糖尿病はインスリンの作用不足によって起こりますが、インスリンが作用しないと骨を作り出す細胞を減らしてしまうことなどから、糖尿病になると骨粗鬆症のリスクが高まります。

特に、合併症の一つである腎症が進むと、骨の材料になる、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの働きが低下して、骨量が減りやすくなります。

インスリンが作用しなくなると、骨を作り出す細胞が減ってしまい、骨粗鬆症になるリスクが高まります。

また、糖尿病腎症になると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの働きが低下して、骨量が減りやすくなるそうです。

ビタミンDとカルシウム摂取で糖尿病リスク低減も(2010/2/22)で紹介した厚生労働省の研究班によれば、ビタミンDとカルシウムの摂取により、糖尿病の発症のリスクを「低減させ得る」とする研究結果を発表していました。

カルシウムの摂取量を増やすことによって、骨粗鬆症の予防だけでなく、糖尿病の予防ができそうです。

→ 糖化とは|糖化の症状・糖化チェック・糖化を防ぐ方法 について詳しくはこちら

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■カルシウムチェック

簡易版カルシウムチェック表がチェックしてみましょう。

簡易版カルシウムチェック表(監修:女子栄養大学教授 上西一弘氏)

1・□牛乳をあまり飲まない
2・□ヨーグルトをあまり食べない
3・□チーズをあまり食べない
4・□納豆をあまり食べない
5・□豆腐、大豆製品はあまり食べない
6・□ほうれん草、小松菜などの野菜をあまり食べない
7・□しらす、ししゃもなどの小魚はあまり食べない
8・□朝食を抜くことが多い
9・□ダイエットをしている

チェック数:
0-2個 適量摂取できている
3-4個 不足気味
5-6個 不足
7-9個 大きく不足




カルシウムの多い食品

●牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品

●納豆・豆腐などの大豆製品

●ほうれん草、小松菜などの野菜

●しらす、ししゃもなどの小魚

●ごま

■糖尿病による脆弱性骨折

血糖値を下げる方法|血糖値を抑える食べ方|たけしの家庭の医学では「糖尿病による脆弱性骨折」を紹介していました。

骨の成分は、カルシウムとコラーゲンで構成されています。

カルシウムとコラーゲンが働くことで骨の強度は保たれています。

しかし、血糖値が高くなると、糖がアミノ酸と結びつき、ペントシジンが血液中に増加。

ペントシジンという物質が、血管を通り、骨の内部に入ると、コラーゲンの質を悪化させてしまうと考えられるそうです。

コラーゲンは、鉄筋コンクリートでいう鉄筋の役割を果たせなくなり、いつ骨折してもおかしくない状態になってしまうそうです。

近年、骨密度が高くても骨折してしまう例が数多く見られているそうです。

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■まとめ

糖尿病の合併症には、3大合併症ともいわれる糖尿病網膜症糖尿病腎症糖尿病神経障害がありますが、今後骨粗しょう症も含まれるようになりそうです。

糖尿病患者は日頃から意識的にカルシウムを摂取するようにアドバイスをされるようになるのではないでしょうか。

→ 骨粗鬆症とは|骨粗しょう症の症状・原因・予防する方法(食べ物・運動) について詳しくはこちら

→ 糖尿病の合併症 について詳しくはこちら







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高齢者が健康状態について不安に思うこととその対策|認知症/難聴/誤嚥性肺炎/骨折・転倒/骨粗鬆症




高齢者が健康状態について不安に思うこととその対策|認知症/難聴/誤嚥性肺炎/骨折・転倒/骨粗鬆症
高齢者が健康状態について不安に思うこととその対策|認知症/難聴/誤嚥性肺炎/骨折・転倒/骨粗鬆症

micheile|unsplash

高齢者が自分の健康状態について不安に思うことを参考に、その対策についてまとめてみたいと思います。

認知症

60代の先輩が早いうちからやっておけばよかったと後悔していることとは?によれば、60代になると「認知機能の低下」や「歩行困難などの運動機能の低下」、「耳が聞こえづらくなるなど聴覚機能の低下」に対する不安が増加しています。

厚生労働省の「2019年 国民生活基礎調査の概況」によれば、介護が必要となった主な原因の、第1位は認知症(要介護者)。

第1位 認知症 24.3%

第2位 脳血管疾患(脳卒中) 19.2%

第3位 骨折・転倒 12.0%

えごま油摂取+脳トレ=認知症予防効果がある!?で紹介した公益財団法人しまね産業振興財団、しちだ・教育研究所、島根えごま振興会、島根大、島根県立大の研究チームが行なった実験によれば、毎日スプーン1杯分のエゴマ油を摂取し、週に1回、計算や読み書きなどの脳トレを実施したグループは何もしないグループよりも記憶力や論理的思考力などの知的柔軟性の評価項目が高くなったという結果が出たそうです。

→ 認知症の症状・改善・予防に良い食べ物

→ 「認知症保険」保険会社各社が新商品を続々発売!介護が必要となった主な原因の第1位は認知症!

【関連記事】

■難聴

認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病で紹介した英医学誌The Lancet(ランセット)に掲載された論文によれば、中年期の聴力低下が認知症のリスク要因なのだそうで、聴力が低下すると、周囲から通常受け取るたくさんの情報が得られなくなり、社会的に孤立することにより、認知症になるリスクが高まるそうです。

難聴は認知症の最大の原因になる!?(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)によれば、難聴によって、音の刺激や脳への情報量が少ない状態になると、脳の萎縮や、神経細胞の弱まりが進み、それが認知症の発症に大きく影響することが明らかになってきているそうです。

認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、うつ傾向がある人で紹介した国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、難聴の人はない人に比べて1・4倍認知症を発症するリスクが高いそうです。

加齢性難聴は動脈硬化が原因で引き起こされる|たけしの家庭の医学によれば、40代、50代の人にも加齢性難聴の症状が出ることがあるそうです。

食べ過ぎ・飲み過ぎといった生活習慣の乱れから動脈硬化になると、血管が硬くなり、血液の流れが悪くなり、その動脈硬化こそが加齢性難聴を進行させる大きな原因の一つなのだそうです。

最近様々な研究によって、動脈硬化と難聴との関連性が明らかになってきているそうです。

【参考リンク】

動脈硬化によって血流が悪化→末端にある耳の毛細血管

音を感知する有毛細胞のある蝸牛には、たくさんの毛細血管があります。

有毛細胞はこの毛細血管から酸素や栄養素を摂取しています。

しかし、動脈硬化になると、有毛細胞は酸素不足に陥り、機能が低下し、難聴を引き起こすそうです。

高い音を感知する有毛細胞は、大量のエネルギーを必要とするため、少しでも血流が滞ると、すぐに機能が低下してしまうそうです。

加齢性難聴を進行させる危険因子として、

  • 糖尿病
  • 虚血性心疾患
  • 腎疾患など

が疫学調査などからわかっているそうです。

→ 難聴になると認知症になりやすい!難聴は認知症の最大の原因!!!

■誤嚥性肺炎

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサイン!唾液がよく出る健口体操のやり方|高齢者(老人)の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎(厚生労働省統計)で紹介した厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

厚生労働省の資料によれば、高齢者の肺炎のうち7割以上が誤嚥性肺炎です。

誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことですが、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあるため、気づきにくいです。

寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となります。

そのため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になります。

1.口腔ケア

口の中の細菌を繁殖させないようにするために、歯磨き(入れ歯の人は入れ歯の洗浄)で口の中を清潔に保ちましょう。

また、唾液の分泌が減ると、口が乾きやすくなり、雑菌だらけの唾液が肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすおそれがあるので、唾液の分泌をうながすようにしましょう。

●唾液がよく出る健口体操

童謡の「むすんでひらいて」に合わせて口を動かす

「むすんで ひらいて ベロを出して むすんで

またひらいて ベロ出して そのベロを鼻に

ベロを右に ベロを左 ベロをぐるぐる回します」

2.誤嚥を防ぐ対策(嚥下反射を改善する嚥下障害対策)

●胃液の逆流を防ぐ

誤嚥予防のために、食後すぐに横にならずに、2時間程度座った姿勢を保つことで、胃液の逆流を防ぎましょう。

→ 逆流性食道炎の症状・原因・治し方・食事 について詳しくはこちら

●嚥下体操

嚥下反射を改善させるために、嚥下体操を行ないましょう。

(1)腹式呼吸

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐きます。

吸うのを4回、吐くのを8回。

(2)首の体操

  1. 前に後ろに動かします。
  2. 右に左に動かします。
  3. 首筋を伸ばします。

(3)肩の体操・腕の体操

肩をゆっくり上げてそのままにして、ストンと落とす。

片方の腕を上げて、もう片方の手で引っ張ります。

(4)発音練習

唇を使って、「ぱっ・ぱっ・ぱっ」「まっ・まっ・まっ」と発音し、舌を使って「たっ・たっ・たっ」「らっ・らっ・らっ」と発音します。

■転倒・骨折

●筋肉の衰え

老化のスピードが速い大腿筋を鍛える筋トレ|筋肉量が減少してしまうとどうなる?|階段を降りることが怖くなってきたら筋量が落ちている危険なサイン!によれば、筋肉が衰えると、「椅子から立ち上がれない」「転びそうになっても体を支えられない」「骨への刺激がなくなり、転倒や歩行困難、最悪の場合は寝たきり」になることが考えられます。

階段を降りることが怖くなってきたら、筋量が落ちているという危険なサインです。

ゆっくりでなおかつ負担がかかりにくいスロトレのスロースクワットをしてみてはいかがでしょうか。

→ スロトレ について詳しくはこちら

●注意をうまく分散する

なぜ運動能力が高い人が転倒するの?注意をうまく分散できる人は転びにくい!【たけしの家庭の医学】によれば、注意をうまく分散できるヒトは転びにくいそうで、具体的に言えば、転倒によるリスクが低い人は、先読みして移動を行なう人です。

立ち止まって話すよりも話しながら歩くようにすることがその対策になりますね。

【関連記事】

骨粗鬆症

「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。

骨粗しょう症は、転倒から骨折、寝たきりになる危険性が高まることで知られていますが、自覚症状に乏しく、骨折してはじめて病気に気づく人も少なくありません。

60代女性の3人に1人がかかるとされる骨粗鬆症であり、骨粗鬆症の潜在患者は1千万人以上といわれるそうですが、自覚症状に乏しいため、実際に治療を受けている人は1割程度なのだそうです。

エクオールの効果|エクオールを作れる人、作れない人の違いとは?|世界一受けたい授業によれば、女性は更年期以降女性ホルモンの分泌量が減少するに伴い、骨量が減少します。

大豆イソフラボンを摂取することによって、骨からカルシウムが溶け出すことを抑えることができるのですが、エクオールを作れる人は作れない人に比べて、豆乳を飲んだ場合に、より骨密度に対して高い効果を示すことがわかったそうです。

45~60歳の閉経後女性に一年間エクオール10mgを摂取してもらったところ、エクオールが骨量の減少を50%抑えたという結果が出ています。

■まとめ

自分の健康について不安に感じること|平成28年版厚生白書
自分の健康について不安に感じること|平成28年版厚生白書

参考画像:自分の健康について不安に感じること|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

高齢期における自分の健康についてどのようなことに不安を感じているか|内閣府
で紹介した平成28年版厚生白書|内閣府の「高齢期に向けた「備え」に関する意識調査(2014年)」によれば、は「高齢期における自分の健康についてどのようなことに不安を感じているか」と質問に対しては、次のような結果となっています。

体力が衰えること 66.8%

がん、心臓病、脳卒中などの重い病気になること 61.0%

認知症になること 53.8%

介護が必要になること 53.1%

生活習慣病糖尿病高血圧など)になること 52.4%

寝たきりになること 43.6%

歯の健康を維持できないこと 30.0%

目の病気白内障緑内障など)になること 26.5%

うつ病など心の病気になること 19.2%

骨粗しょう症になること 13.6%

この結果を大きく分けると、生活習慣病などの病気になることと、「フレイル」(加齢とともに、心身の活力、例えば筋力や認知機能等が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態)の問題に分けられ、高齢期における自身の健康については、多くの人が「フレイル」に当てはまる項目で不安を感じているようです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

しっかりとフレイル対策をやっていきましょう!







糖化・AGEsのことを知って、アンチエイジング・病気予防!

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■糖化とは

Delft, tomorrow.

by zoghal(画像:Creative Commons)

シミ・シワ・たるみ…老化のサインの元は、酸化だけではなかった!今、話題の老化防止の新常識を全レクチャー!肌も体も抗糖化でアンチエイジング

(2009/12/9、美的)

「糖化」とは、私たちの体内にある大切なたんぱく質と、食事によって摂取した「糖」とが結びつくことで、糖化したたんぱく質が生成され、体内に蓄積してしまうことです。

糖化は、老化を促進するだけでなく、肌のシミ、シワ、たるみだけでなく、骨、血管、脳にも影響を与えるそうです。

→ 糖化とは|糖化の症状・原因・チェック・糖化を防ぐ方法 について詳しくはこちら

続きを読む 糖化・AGEsのことを知って、アンチエイジング・病気予防!