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Clubhouseの盛り上がりはVRとライブコマースの普及の序章に過ぎない!?




Clubhouseの盛り上がりはVRとライブコマースの普及の序章に過ぎない!?
Clubhouseの盛り上がりはVRとライブコマースの普及の序章に過ぎない!?

ウィリアム・クラウゼ|unsplash

Clubhouseのような音声メディアには直接リンクも貼れず、購買への導線設計もどうしたらいいかわからないが、異常なエンゲージメントの高さと消費時間の多さがあるわけで、そこに何か次のヒントがあると考えます。

「ミライをつくろう!」ではVRが一般的に普及するためには3つのことを経る必要があると書かれています。

1)VRよりもARが先に伸びる
2)音のARによる一般化(例:減損現実)
3)HMDをずっとつけたままにすること

ARが、着ける人々が便利になるメガネのような機器の延長線上にあるものとして登場し見慣れるようになる。(例:ARを着けることで人の情報が表示される、産業分野など)

「音のAR」の役割として、ヘッドホン・イヤホンによるナビゲーション、スマホと連動した音声操作、ノイズをカットするといったことが一般的になる。

イヤホンの進化において重要なのは、外の音を拾うことができるようになったこと。

このことにより、イヤホンを着けたままの状態で周りと会話ができるようになりました。

つまり、イヤホンをずっとつけたままにできるようになったわけです。

すでにイヤホンの存在はVRが一般化するための条件を備えているといえます。

最近ではポッドキャストが注目されていますが、こうしたことを踏まえると、イヤホンの一般化が重要な役割を果たすのではないかと考えられます。

●常にイヤホンを着けた状態が珍しくなくなってきた(例:AirPodsを着けると耳からうどん)
●ノイズキャンセリング率を100%にして仕事や勉強に集中する
●通勤・通学中にオーディブルを聴く(忙しい人はビジネス書の朗読を聴ける)
●耳が遠くなった人は音を大きく調整できる
●エンタメとして音楽を聴いたり、ラジオやポッドキャストを聴いたり、ASMRを楽しんだり
●仕事や日常生活でリマインダーや秘書(AIアシスタント)サービスを音声で受ける
●スマートスピーカー的(モビリティのあるイヤホン)に活用して買い物の指示をしたり、Nestなどのスマートホームアプリと連携して、話しかけるだけで、料理や洗濯で忙しいときでも、照明などのスマートホーム デバイスを操作したり。

音声メディアの普及はVRの一般化の直線状にあるものであり、Clubhouseのような音声型SNSが盛り上がるのは必然だったのでしょう。

そして、もう一つはライブ配信からのライブコマースという流れです。

ここには短尺動画で人気があるTikTokがライブ配信を始めたことがつながっていくのではないかと考えました。

TikTokのライブ配信・マネタイズ手段の導入によって、短尺動画業界、ライブ配信業界、YouTubeの勢力図が変わっていく

■2021年のTikTokは「直線的な『回答』から曲線的な『回遊』への転換」

■「興味からいきなり購買へと駆り立てられる『興味突破』の購買行動が起きている」

■なぜTikTokはライブ配信をはじめたのか?

2021年のTikTokでは「欲しい回答を求めてインターネットを検索する時代は終わり、検索するのさえも面倒くさがる人たちが回遊しながら情報を得る場が求められている」ことから「直線的な『回答』から曲線的な『回遊』への転換」が起こっていきます。

そして、すでに「興味からいきなり購買へと駆り立てられる『興味突破』の購買行動が起きている」という兆しが出てきています。

また、TikTokはライブ配信を確立された収益化のモデルだと理解しながらも、ショー形式を優先することなく、強力なインタラクティブツールであり、フォロワーとの緊密なつながりを保てることを活かして、ショッピング機能を重視する、つまりライブコマースを重要な収益源を選ぶのではないかと考えられます。

つまり、音声メディアの盛り上がり→音のAR→HMDの常時着用→VRという一つの流れと短尺動画の人気→ライブ配信→ライブコマースというもう一つの流れがあり、その二つの流れが重なった時に「VR×ライブコマース」という大きな波が訪れるのではないかと考えられるのです。

VRとライブコマースの組み合わせという大きな波が来る前に少しずつ試していきましょう!

ライブ配信(ライバー)・ライブコマース(FACEBOOKショッピング)…「ライブ」の価値が高まっている!

「ライブ配信」「常時接続」の時代を見越して、ライブ配信にチャレンジ!どうすればいいライブ配信ができるようになるの?







イヤホンの常時着用時代にはイヤホンを清潔に保つケアビジネスが注目される!




イヤホンの常時着用時代にはイヤホンを清潔に保つケアビジネスが注目される!
イヤホンの常時着用時代にはイヤホンを清潔に保つケアビジネスが注目される!

AlexBlăjan|unsplash

「ミライをつくろう」によれば、VRの普及はまず音のARから始まるとあり、その兆しとしてイヤホンをずっとつけている人がいても違和感がなくなってきていることがあります。

イヤホンを常時着けていることが普通になることがVRの普及の始まりである一方、イヤホンを常時着用することは健康への影響が出てくる可能性があります。

耳疾患(中耳炎や外耳炎など)が小中高で過去最高!その理由とは?|耳あかが詰まる「耳垢栓塞」の増加やイヤホン、耳掃除との関係はあるの?|2017年度学校保健統計調査で紹介した文部科学省の調査によれば、中耳炎や外耳炎など耳の病気にかかる子どもの割合が過去最多になっており、文部科学省によればスマホの普及でイヤホンを使用する頻度が増えていることが影響している可能性があるそうです。

また、日本耳鼻咽喉科学会によれば、耳あかが詰まる「耳垢栓塞(じこうせんそく)」が増えているそうです。

イヤホンを使用する頻度が高くなり耳を触る頻度が高くなっていることが「外耳炎」や「中耳炎」になるリスクが高めている可能性があります。

イヤホンを常時着ける時代に安全に使うために参考になるのが「コンタクトレンズ」です。

<コンタクトレンズ>増える角膜感染症 汚れによる傷が原因、失明も(2010年)によれば、コンタクトレンズの使用者は年々増える中で、これに伴う目の病気も増加傾向にあるとありました。

角膜感染症が増えている背景の一つには、コンタクトレンズケア用品が進歩したことにより、ケア方法が簡便になることで、誤ったケアをする人が増えていることがあるようです。

コンタクトレンズは医療機器でありながら、一定の割合でケアを怠ってしまう人が出てきて、それが問題になってきました。

だからこそ、イヤホンの常時着用時代には、コンタクトレンズのケアと同じようなケアが必要になってくるでしょうし、そうしたサポートするビジネスが必要になるわけです。




■まとめ

VRが今後普及するようになれば、それに伴って様々なビジネスに変化が起きるでしょう。

どういうものが必要になるか、今自分がやっている仕事に関わりがないかを想像してみるのもいいのではないでしょうか?







【#落合陽一】網膜投影のメガネ型HMDで近視も遠視も老眼の人も見えるようになる!【#情熱大陸】|これまでの網膜投影システムのメリットとデメリット




【目次】

■網膜投影のメガネ型HMDで近視も遠視も老眼の人も見えるようになる!|#情熱大陸 #落合陽一

2017年11月19日放送の「情熱大陸」では、落合陽一さんが研究している網膜投影のメガネ型HMD(ヘッドマウントディスプレイ)が紹介されていました。

【参考リンク】

目はよく「カメラ」に例えられます。

モノを見るとき、私たちはモノを「光」として認識しています。

瞳を通して入った光は網膜という膜の上に像を結びます。

網膜はちょうどフィルムにあたり、角膜と水晶体がピントを調節する役割をしていて、水晶体がカメラのレンズにあたり、厚くなったり薄くなったりしてピントを合わせています。

しかし、強度近視は第2位の失明原因|強度近視で起こりやすい4つの病気によれば、近視は多くの場合、「眼軸長(がんじくちょう)」(角膜から網膜までの眼球の長さ)と呼ばれる眼球の奥行きが異常に延び、像が網膜より手前で結んでピンボケになりますが、強度近視では、この眼軸長が正視(像が正しく網膜に結ぶ)より3・5ミリ以上長いことが推定されています。

また、【この差って何ですか?】緑内障になりやすい人、なりにくい人の差は近視|6月12日によれば、緑内障患者の約6割が「近視」なのだそうです。

近視の人の目は眼球が歪んでおり、正常の眼球が23mmであるのに対し、近視の眼球は最大28mmになり、眼圧が高くなくても、圧力を受けてしまっているようです。

【関連記事】

同様に老眼や遠視も水晶体による調節ができづらくなることにより起きているのですが、網膜投影はこのピント調節をすることなく、直接網膜に光を届けることによりモノを見るという考え方です。

そこで、落合陽一さんがCEOを務めるPixie Dust Technologies(ピクシーダストテクノロジーズ)が製品化を進めているのが「Air Mount Retinal Projector」です。

【参考リンク】

先日、拡張現実(AR)のための広視野角の透過型HMDを実現する映像投影技術「Air Mounted Eyepiece」を発表しています。

Air Mounted Eyepiece – Digital Nature Group

こうしたアイデアを組み合わせることで、広い視野角でなおかつ、透過型で、網膜投影ができるHMDであれば、ARの分野だけでなく、医療などの様々な分野でも応用できるのではないでしょうか?




■これまでの網膜投影システムのメリットとデメリット|まとめ

Google glass front

by Bill Grado(画像:Creative Commons)

※イメージであり、今回の記事とは関係ありません。

[E3 2015]西川善司の3DGE:網膜投射型デバイスを採用するHoloLens,試して分かったMR対応型HMDのすごさと課題

(2015/6/20、4gamer)

網膜投射型システムでは,眼球内の瞳に映像光を直接注入し,網膜自体をスクリーンにして映像を結像させる仕組みになる。この方式の利点は,事前に視力に合わせた焦点距離調整を事前に行ってしまえば,視力矯正が不要なところにある(※だからブースでは最初に両目の間の距離を計測したのだ)。つまり,どんな視力の人でも裸眼で利用できることになる。

ただ,弱点もある。

それは,網膜に直接映像を投射する構造上,映像面積が比較的小さく見える点だ。

眼球内の開口部である瞳の中の穴を狙って映像を投射しているわけなので,瞳がズレれば,映像が消えたり見切れたりする。

網膜投影にはメリットとデメリットがあるそうです。

メリットは先ほど紹介したように、どんな視力の人でも視力矯正が必要なくモノを見ることができるようになるということ。

デメリットは、網膜に直接映像を投影するため、ずれると映像が見えなくなるということです。

この弱点を補うためには、複数の映像を投影する、もしくは眼球の動きを追跡するアイトラッキングなどの解決策があるそうですが、そうなるとコストが高くなってしまいます。

ピクシーダストテクノロジーズの「Air Mount Retinal Projector」のページには、このように書かれています。

我々はシンプル+小型+透過型+広視野角+低消費電力のHMDを実現しうる網膜投影光学系を発明しました。

おそらく先ほど紹介した網膜投影方式の弱点を改善したものであるはずですので、どんなものになるのか気になるところです。

今回紹介したものは網膜投影方式によって角膜や水晶体によるピント調節に頼らずモノも見ることができるようになるというもので、なおかつARにも活用できるというものですが、AR(拡張現実)技術とは、コンピュータを使って、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する技術のことであり、グーグルグラスに代表される眼鏡型ウェアラブルデバイスやコンタクトレンズ型、HoloLensに代表されるヘッドマウントディスプレイ型がありますが、OMEGA OPHTHALMICSはセンサー、ドラッグデリバリーデバイス、AR/VRを取り込むことができる目のインプラントプラットフォームの提供を目指すでは、「Omegaophthalmics」が開発しているのは、眼の中に外科的に眼内レンズ埋め込む侵襲的アプローチを紹介しました。

また、「見る」ということに関しては、様々なアプローチが行なわれています。

グーグルが目の中に電子デバイス埋め込み視力改善する特許出願では、Googleが特許を出願した眼球に直接挿入する視力矯正用電子デバイスで、眼球内の水晶体を取り除いて、その水晶体を覆っていた水晶体嚢に、データ記憶装置、センサー、通信機、バッテリー、電気的に焦点を調整できるポリマー製レンズでできたデバイスを埋め込み、外部のコンピューターと通信しながら、見ている映像の光が網膜上に焦点を結ぶように、レンズの厚みをリアルタイムで調整するシステムに関するアイデアを紹介しました。

国内初、網膜色素変性症の患者の視力回復に成功|大阪大では、人工網膜や人工視覚システムというアプローチを紹介しました。

脈絡膜上経網膜電気(STS)法による人工視覚システムの臨床応用
脈絡膜上経網膜電気(STS)法による人工視覚システムの臨床応用

脈絡膜上経網膜電気(STS)法による人工視覚システムの臨床応用 大阪大学大学院医学系研究科感覚機能形成学 不二門 尚|厚生労働省|スクリーンショット

脈絡膜上経網膜電気(STS)法による人工視覚システムの臨床応用 大阪大学大学院医学系研究科感覚機能形成学 不二門 尚|厚生労働省によれば、次のようなシステムになると考えられます。

ビデオカメラで画像を取り込み

→画像処理

→体外の無線コイルから信号を体内埋め込み装置に伝える

→眼球の強膜内に設置された電極チップに伝えられ、電気刺激により網膜が興奮し、擬似視覚が得られる。

感覚系による人工臓器-人工網膜|大阪大大学院医学系研究科 神田寛行、不二門尚によれば、人工網膜には3つの方式があります。

1.網膜上刺激方式(Epi-retinal Stimulation)

網膜タックを使って網膜上(網膜と硝子体の境界)に多極電極を固定する方式で、網膜神経節細胞に近いところで刺激が行なうことができるため、刺激効率が良い。一方で、多極電極を網膜へ安定に固定することが難しい点が課題である。

南カリフォルニア大学はSecond Sight社と共同で、網膜上刺激方式を採用して、人工網膜の開発を進めているそうです。

2.網膜下刺激方式(Sub-retinal Stimulation)

これは多極電極を網膜下(網膜と脈絡膜の間)に埋植し網膜を刺激する方式で、多極電極の基板上に受光素子を組み込むことができる。そのため、眼球運動に応じた画像情報を得ることができる。また対外装置にビデオカメラを必要としない。一方、埋植手術の際に網膜剥離を作る必要があり、網膜への侵襲性が高いという課題がある。

ドイツのチュービンゲン大学はRetina Implant社と共同で、網膜下刺激方式を採用して、人工網膜の開発を進めているそうです。

3.脈絡膜上経網膜刺激方式(Suprachorodal-transretinal Stimulation)

STS方式は網膜への侵襲が少ないだけでなく、広い視野を確保できるという利点を持つ。

大阪大学が選択したのは、「脈絡膜上経網膜刺激方式(STS)」です。

このほかにも様々なアプローチで解決しようというところがあります。

【関連記事】

今後も、この分野には様々なアプローチで取り組む人が出てくると思いますので、大変楽しみですね。







【関連記事】

【参考リンク】

■落合陽一さんまとめ

情熱大陸を見て落合陽一さんに興味を持った人は書かれている著書・アート作品・研究・講演などをぜひ見てみてくださいね。

そこで、どういう風に考えが変わったのか、変わっていないものが何なのかを考えてみるのも面白いのではないでしょうか?

J-WAVE THE HANGOUT 宇野常寛 2014年12月8日 with 落合陽一

発明王・エジソンに影響を受けた?“現代の魔法使い”メディアアーティスト・落合陽一「人とロボットの区別はやがてつかなくなる」|2021 未来のテラピコ

【SoftBank World 2017】特別講演 落合 陽一 氏

Fairy Lights in Femtoseconds: Tangible Holographic Plasma (SIGGRAPH)

Levitrope (2017, Mixed Media) / Yoichi Ochiai

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【関連記事】

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?では、「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)で書かれている「インクルージョン」という考え方を紹介しました。

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

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インクルージョンには様々な側面がある。社会的、経済的、人種的な強者による支配を終わらせること。体の状態や性別、ジェンダーアイデンティティー、性的嗜好によって差別されないということ。生まれた場所や逮捕歴、支持政党などによって参加を阻まれないこと。p69

自分にはどうすることもできない状態でいわゆる弱者(と呼ばれる状態)となってしまったと想像してみてほしいのです。

健康で、若く、経済的にも苦境に立たされることなく、性別における差別もなく、生まれた場所も平和で、家族に逮捕歴などもないというような恵まれた状況にあると、見えてこない世界があるかもしれません。

どんなに自分は大丈夫だと思っていても、ある日突然、事故や病気に合ったり、日本円が使えなくなったり、戦争状態に陥ったりしてしまうと、弱者の側に立たされてしまうかもしれません。

包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れるという「インクルージョン(Inclusion)」という考えをもって想像するとまた違ったアプローチができるのではないでしょうか?

【関連記事】

Cardiolens|Hololensを使って相手のバイタルサイン(心拍数・脈拍数)をリアルタイムで可視化するAR・MRアプリ|Microsoft Researchら

> 健康・美容チェック > 脈拍 > Cardiolens|Hololensを使って相手のバイタルサインをリアルタイムで可視化するAR・MRアプリ




■Cardiolens|Hololensを使って相手のバイタルサインをリアルタイムで可視化するAR・MRアプリ

Cardiolens|Hololensを使って相手のバイタルサインをリアルタイムで可視化するAR・MRアプリ
Cardiolens|Hololensを使って相手のバイタルサインをリアルタイムで可視化するAR・MRアプリ

参考画像:Cardiolens: Remote Physiological Monitoring in a Mixed Reality Environment|スクリーンショット

Microsoft Researchら、HoloLens越しに見る相手のバイタルサイン(心拍数や脈波など)をリアルタイムに測定・可視化するARアプリ「Cardiolens」を論文にて発表

(2017/5/26、Seamless)

Microsoft Researchと国立民間航空学院の研究者は、HoloLensなどのARヘッドセットを使用してバイタルサインのリアルタイムな可視化を可能にする生理学的測定ツール「Cardiolens」を論文にて発表しました(PDF)。

ウェアラブルデバイスなどをつけることにより、血圧や脈拍数、体温などのバイタルサインをセンサーで読み取り表示する仕組みをこれまでいくつも紹介してきました。

今回紹介する論文によれば、MicrosoftのHoloLensを用いて”相手のバイタルサイン”をリアルタイムに見ることができるツールが考え出されているようです。

周囲の光とデジタルカメラを使って、肌から反射された光の小さな変化によって血液量パルス(BVP:Blood Volume Pulse)を測定し、また、脈拍数や呼吸数などのバイタルサインを計算します。

15秒間見ると、心拍数と脈拍が表示される仕組みになっています。




■まとめ

以前、血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学では、ビデオカメラとコンピューターを内蔵した鏡型ディスプレーの前に立つだけで、その時の血行状態などが分かる血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」を開発したニュースを紹介しましたが、その「鏡」がHoloLensになったという感じでしょうか。

Visualizing blood flow in different parts of the body in real-time would be useful for surgeons in an operating theatre.

論文の中では、リアルタイムで血流を視覚化することが手術する外科医にとって有益であるとありましたが、血行状態が視覚化することができれば、病気になる前に病気のサインを見つける未病対策にも役立つのではないでしょうか。

ザッカーバーグ夫妻、人類の病気を予防・治療するプロジェクトで30億ドルを投資で紹介したザッカーバーグさんはこのようにコメントしています。

ザッカーバーグは「アメリカでは病気にかかった人々を治療するための支出に比べて、そもそも人々が病気にならないように研究するための支出はわずか50分の1しかない」と述べた。

ザッカーバーグさんのコメントは、病気を発症してからではなく、病気予防に重点を置くという考え方は、東洋医学の「未病」という考え方に近いと思います。

日本でも2015年度の医療費は41.5兆円|高齢化や抗がん剤などの高額な新薬が増えているがニュースになりましたが、予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。







【参考リンク】
続きを読む Cardiolens|Hololensを使って相手のバイタルサイン(心拍数・脈拍数)をリアルタイムで可視化するAR・MRアプリ|Microsoft Researchら

Omega Ophthalmicsはセンサー、ドラッグデリバリーデバイス、AR/VRを取り込むことができる目のインプラントプラットフォームの提供を目指す




■Omega Ophthalmicsはセンサー、ドラッグデリバリーデバイス、AR/VRを取り込むことができる目のインプラントプラットフォームの提供を目指す

参考画像:Omegaophthalmics|スクリーンショット

Omega Ophthalmics is an eye implant platform with the power of continuous AR

(2017/8/4、TechCrunch)

Google and other tech companies have come up with glasses and contact lenses for the purposes of AR, but Omega Ophthalmics is taking a much more invasive approach by using surgically implanted lenses to create a space for augmented reality inside the eye.

AR(拡張現実)技術とは、コンピュータを使って、現実の風景に情報を重ね合わせて表示する技術のことであり、グーグルグラスに代表される眼鏡型ウェアラブルデバイスやコンタクトレンズ型、HoloLensに代表されるヘッドマウントディスプレイ型がありますが、「Omegaophthalmics」が開発しているのは、眼の中に外科的に眼内レンズ埋め込む侵襲的アプローチです。

【参考リンク】

【関連記事】

SFの世界のような話と思う人もいるかと思いますが、実は眼内レンズはすでに一般的に利用されています。

現在白内障の手術では、日常生活に支障が出るほど視力が低下すると、水晶体を取り除き、代わりに、眼内レンズをはめ込む手術が行われています。

Thoughts on Cataract Surgery: 2015

(2015/3/9、Review of Ophthalmology)

Cataract surgery is the most common procedure performed by the ophthalmic surgeon. This year, 3.6 million cataract procedures will be performed in the United States and more than 20 million will be performed worldwide, according to estimates.

2015年にはアメリカで360万件の白内障手術が行われ、世界中では2000万人以上の手術が見込まれるほど、白内障手術は眼科医が行なう一般的な手術となっています。

【関連記事】

Co-founder and board-certified ophthalmologist Gary Wortz saw an opportunity here to offer not just a lens but a platform to which other manufacturers could add different interactive sensors, drug delivery devices and the inclusion of AR/VR integration.

「Omegaophthalmics」がサイト内で公開している動画を見ると、「Gemini Refractive Capsule」という眼内レンズを埋め込みで目の中に空間を作り、視力改善だけにとどまらず、様々なインタラクティブセンサー(対話するような形式で操作する)、ドラッグデリバリーデバイス(ナノカプセルの中に薬を入れて、体の中の疾患部位にその薬を届けるという技術)を追加できるプラットフォームの提供を考えているようです。

【関連記事】

グーグルが目の中に電子デバイス埋め込み視力改善する特許出願で取り上げたアイデアに近いものがあるように感じます。

Googleが特許を出願したのは、眼球に直接挿入する視力矯正用電子デバイスで、眼球内の水晶体を取り除いて、その水晶体を覆っていた水晶体嚢に、データ記憶装置、センサー、通信機、バッテリー、電気的に焦点を調整できるポリマー製レンズでできたデバイスを埋め込み、外部のコンピューターと通信しながら、見ている映像の光が網膜上に焦点を結ぶように、レンズの厚みをリアルタイムで調整するシステムでしたが、「Omegaophthalmics」のアイデアはさらに発展させたアイデアのように感じます。




■まとめ

AR/VR技術としては、グーグルグラスに代表される眼鏡型ウェアラブルデバイスやコンタクトレンズ型、HoloLensに代表されるヘッドマウントディスプレイ型が出ていますが、眼内レンズ(Intraocular lens, IOL)型というコンセプトのものが実際に実現するようになれば、未来感がありますね。

眼内レンズ型に変わるとどう変化するでしょうか?

Google Research and Daydream Labs: Headset Removal

グーグル、VRゴーグルが透けて装着者の顔が見えるMR技術–VRの没入感を共有

(2017/2/24、cnet)

装着者向けの映像に装着者の姿を合成する複合現実(Mixed Reality:MR)のような技術を使うと、ある程度は没入感を共有できる。その場合も、顔を覆うVRゴーグルに装着者の表情が隠されてしまうため、つい現実に引き戻されてしまう。

 この問題を解消しようと、Googleの研究チームがVRゴーグルに装着者の表情を合成するMR技術を開発した。これにより、VRゴーグル装着者の顔が透けているように見え、周囲の人も没入感をより自然に共有できるようになる。

以前、Googleが開発した、VRゴーグル装着者の表情が透けているように見えることで、周りの人も共有しやすくなるという「3D表情&視線モデル」のニュースを紹介しましたが、これはゴーグルをつけている違和感を消すというものであり、眼内レンズ型の場合、こうしたことを考える必要がありません。

また、以前VRゲームとワークアウトを組み合わせたフィットネスマシンが開発されたというニュースを紹介しましたが、ゴーグルをつけることとフィットネスには違和感を感じてしまう点があるのは否めませんが、眼内レンズ型となれば、自然にフィットネスしながらAR・VRゲームができるようになるかもしれません。

眼内レンズ型×AR・VR×スポーツを組み合わせれば、新しいスポーツも生まれるのではないでしょうか?

ゲームをつくり続ける理由。あるいは選択、失敗、そして挑戦について──小島秀夫

(2017/8/12、WIRED)

映画ができた100年前、リュミエール兄弟が成し遂げた二次元世界をつくる手法がやがて進化し、テレビになってそれはいま、スマホになりました。しかしその100年間で、スクリーンという考え方そのものは何も変わっていません。でも、VRには、それがないんです。その没入感こそが、画期的だと思っています。

スクリーンの文化が消えるとき、その没入感をどう使うのか。スクリーンを眺めながらストーリーテリングをやってきた人たちは、スクリーンじゃないVRでどういうストーリーテリングを奏でるのか。ライヴやスポーツ観戦はどうなるか。シミュレーターとしてどういう発展の仕方があるか。いくらでも広がりはあると思います。

ただ、AR/VRになって今までと同じようなスクリーンの文化で表現をしていくのか、それともAR/VR独自の表現の仕方をしていくのかは気になるところです。







【VR 関連記事】
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