糖尿病の治療・治す方法|大学・企業による最新研究まとめ


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 糖尿病の治療・治す方法

糖尿病の治療法としては、初期段階なら食事療法と運動療法です。

進行したら薬物療法が必要になります。

糖尿病の治療法(食事療法・運動療法・薬物療法)、糖尿病治療の最新研究についてまとめました。



【目次】



糖尿病の治療法

愛知医大などの研究チームによれば、糖尿病患者の平均年齢は日本人全体の平均寿命より短いという結果が出ているそうです。

しかし、中村二郎・愛知医大教授(糖尿病内科)によれば、栄養管理や治療法、薬剤の進歩によって糖尿病患者の体調管理が良くなっていることで、糖尿病患者の死亡時平均年齢が伸びていると考えられるそうです。

また、糖尿病の早期の段階での治療を怠った患者の生涯治療費が5000万円超と、糖尿病治療に励んでいる患者の6倍になるそうです。

糖尿病患者はしっかりと治療に取り組んでいきましょう。

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糖尿病の食事

糖尿病と診断されてしまったら、日常の生活強度に合った食事をする必要があります(食事療法)。

糖尿病食で食べてはいけないものはありませんが、自分にあった分量の食事で、必要とする全ての栄養素をとるように工夫します。

バランスのとれた食事になるので、家族と一緒に食べられます。

なお、医師の指導に従ってください。

糖尿病の食事(食事療法) について詳しくはこちら


糖尿病の運動療法

食事療法と同様、運動療法でも医師の指導に従って、自分にあった運動メニューを作ります。

糖尿病の場合、急に激しい運動をしてはいけませんし、運動量が足りなすぎても効果がありません。

糖尿病の運動(運動療法) について詳しくはこちら


薬物療法

主な薬物療法は、血糖を下げるための経口血糖降下薬(oha: oral hypoglycemic agent)という飲み薬と、インスリンがほとんど分泌されない人や不足の人のためのインスリン注射です。

薬物療法が必要になるのは、1型糖尿病の人です。

1型糖尿病の場合、体内でインスリンを作れないため、必ずインスリン注射が必要になります。

それ以外の型でも、食事療法や運動療法を続けても効果が現れない場合、薬物療法を行います。

どちらも医師に相談せず、勝手にやめたり、多く使ってはいけません。

薬を飲み始めて調子が悪くなったら、必ず医師に相談するようにしてください。

*糖尿病治療の際は、必ず専門医にご相談ください。

→ 「糖尿病」専門医の選択がポイント|糖尿病の専門医はどう探せばいいの?探す目安 について詳しくはこちら




糖尿病治療の最新研究

不眠治療

大阪市立大の稲葉雅章教授らのグループの研究によれば、糖尿病治療と一緒に不眠治療を行うことで、糖尿病が改善し、血管障害(血糖値動脈硬化)を予防できる可能性があるそうです。

→ 糖尿病治療と一緒に不眠治療を行うことで、糖尿病が改善し、血管障害を予防できる可能性がある!?|大阪市立大 について詳しくはこちら

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睡眠障害のある患者は、糖尿病・高血圧・動脈硬化になりやすい?


インクレチン

インクレチンというホルモンは、血糖値が高いときはインスリン分泌を促進する一方、血糖値が低いときはあまり作用しないという特徴を持つそうです。

インクレチンは炭水化物や脂質を摂取した後に腸から分泌されるホルモンの総称で、代表的なインクレチンとしてGLP−1とGIPの二種類が知られているそうです。

GLP−1は、主に小腸下部から分泌され、膵臓におけるインスリン分泌の促進と血糖値を上げるグルカゴン分泌の抑制をする作用を持っているそうです。

GIPは小腸上部から分泌され、同じような作用を持つが、インスリン分泌作用はGLP−1の方が数倍強いとされているそうです。

→ 進歩する糖尿病治療 インスリン分泌を保たせる について詳しくはこちら


スマート・インスリンパッチ

米ノースカロライナ大学とノースカロライナ州立大学の研究チームは、血糖値の上昇を検知して、適量のインスリンを放出するスマート・インスリンパッチを開発したそうです。

→ 糖尿病治療用「スマート・インスリンパッチ」が開発される について詳しくはこちら


インスリン製剤を注射ではなく、点鼻薬のように鼻に噴霧する手法で投与する技術

東レと星薬科大学は糖尿病治療に使うインスリン製剤を注射ではなく、点鼻薬のように鼻に噴霧する手法で投与する技術を開発したそうです。

→ 糖尿病治療に使うインスリン製剤を注射ではなく、点鼻薬のように鼻に噴霧する手法で投与する技術を開発|東レと星薬科大学 について詳しくはこちら


膵臓β細胞を移入するための注射をするだけで、自らインスリンを生産できる治療法

マサチューセッツ工科大学(MIT)とハーバード大学の研究チームは、2〜3年に一度、膵臓β細胞を移入するための注射をするだけで、自らインスリンを生産できる治療法を開発し、2〜3年以内には臨床試験を開始したいとしています。

→ 1型糖尿病患者に朗報!?毎日のインスリン注射が不要になる治療法が開発|MIT・ハーバード大学 について詳しくはこちら


人工知能(AI)を使って糖尿病の改善や予防につなげる助言システムの開発

経済産業省は、患者の運動量や食事、体重変化などのデータを蓄積し、人工知能(AI)を使って糖尿病の改善や予防につなげる助言システムの開発を2017年度中の完成をめどに行なっていくそうです。

→ 人工知能(AI)を使って糖尿病の改善や予防につなげる助言システムの開発|経済産業省 について詳しくはこちら

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人工知能(AI)で糖尿病患者の電子カルテを分析|日本IBMと藤田保健衛生大学など


2型糖尿病の発症にかかわるたんぱく質「CD44」の働きを抑えて血糖値を下げる

糖尿病になるのは、肥大化した脂肪細胞が炎症を起こし、インスリンの働きを妨げる物質を分泌していると考えられているそうですが、北里研究所とスタンフォード大学の研究によれば、「CD44」というたんぱく質の働きを抑えることで、血糖値を下げるだけでなく、脂肪細胞の炎症も抑えられることができることがわかり、このことによって糖尿病の根本的な治療につながる可能性があるそうです。

→ 糖尿病の新治療法に期待 「CD44」の働きを抑えると、血糖値を下げるだけでなく、脂肪細胞の炎症も抑えられる|北里大・スタンフォード大 について詳しくはこちら


血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイス

韓国の基礎科学研究院の研究者たちが糖尿病患者のためにデザインしたのは、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスです。

→ 糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンド について詳しくはこちら


SGLT2阻害薬

東北大学病院糖尿病代謝科の今井淳太講師、川名洋平医師、片桐秀樹教授らのグループの研究によれば、脂肪萎縮性糖尿病に対して、尿中へのブドウ糖排泄を促進することにより血糖値を低下させる作用をもつ経口糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬を投与したところ、脂肪肝が減少し、インスリン抵抗性(インスリンが効果を発揮しにくくなる状態)が改善することがわかったそうです。

→ SGLT2阻害薬により脂肪萎縮性糖尿病に治療に成功|脂肪肝が減少し、糖尿病、インスリン抵抗性が改善|東北大 について詳しくはこちら

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オートファジー

順天堂大などによれば、血糖値を下げるインスリンの正常な分泌に、「オートファジー」(自食作用)と呼ばれる細胞内のたんぱく質分解機能が関わっており、この機能を活性化させることで2型糖尿病の治療に役立つ可能性があるそうです。

→ オートファジー(自食作用)が血糖値を下げるインスリンの正常な分泌に関わっている!?|2型糖尿病の治療に役立つ可能性|順天堂大 について詳しくはこちら


「セレノプロテインP」

金沢大の金子周一教授らの研究チームによれば、肝臓で作られるホルモン「セレノプロテインP」が血糖値を上げ、インスリンによる糖尿病治療を邪魔していることがわかったそうです。

→ 血糖値上げる肝臓ホルモン「ヘパトカイン・セレノプロテイン P」発見=糖尿病の新たな治療法に期待|金沢大 について詳しくはこちら

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ウェアラブルデバイス

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糖尿病患者の症状が悪化する原因の一つである患者行動「受診中断」を予測するシステム

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症を予防するには、医師と相談しながら、治療を継続していく必要があり、患者の大半もその治療方針を理解し、治療の重要性を認識しているのですが、治療を継続していくことができない人が半数もいるそうです。

糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がる|国立病院機構京都医療センターで紹介した国立病院機構京都医療センターによれば、糖尿病予備軍の人に電話で予防のアドバイスを続けることで、発症率が4割下がったそうです。

NTTと東京大学は共同で、NTTグループのAI技術を活用し、約900名の糖尿病患者の電子カルテデータを利用して、糖尿病患者の症状が悪化する原因の一つである患者行動「受診中断」を予測するシステムを開発したそうです。

→ AIで糖尿病患者の症状が悪化する原因の一つである「受診中断」を予測するシステムを開発|NTT・東大 について詳しくはこちら


ビッグデータを用いて、新たな患者の症状の進行や薬の効果を予測するシステム

国立病院機構長崎川棚医療センターと富士通などが開発したのは、過去の糖尿病患者の治療経過を集めたビッグデータを用いて、新たな患者の症状の進行や薬の効果を予測するシステムです。

→ 過去の糖尿病患者のビッグデータを用いて、新たな患者の症状の進行や薬の効果を予測するシステムを開発|国立病院機構長崎川棚医療センターと富士通など について詳しくはこちら

日立製作所は、ユタ大学が有する約9000症例の糖尿病患者の電子カルテデータのうち、約6800症例のデータを基に、機械学習を活用し解析することで、糖尿病治療薬の効果を予測し、比較する技術を開発したそうです。

→ 機械学習を活用した電子カルテデータの解析により、糖尿病治療薬の効果を予測・比較する技術を開発|日立製作所 について詳しくはこちら


糖尿病アプリ

糖尿病患者向けの生活習慣の改善や糖尿病の自己管理のためのアプリ「DialBetics」を使った実験によれば、測定群では、食物繊維を多く摂取し、炭水化物は減らすなど生活習慣に変化が見られ、また測定結果も空腹時血糖値や収縮期血圧などが試験前より改善する傾向があったそうです。

→ 糖尿病アプリで行動が変化し、空腹時血糖値や収縮期血圧が試験前より改善|東大病院 について詳しくはこちら


マイクロRNAによる膵β細胞の再生を促進

糖尿病マウスにマイクロRNA(miRNA)の静脈注射による投与をした実験によれば、膵β細胞が増殖することによってインスリン分泌が回復し、高血糖が改善したそうです。

→ マイクロRNAの静脈投与による膵Β細胞が増殖したことによってインスリン分泌が回復し、高血糖が改善|東北大 について詳しくはこちら


IPS細胞で作った膵島を移植

東京大学 宮島篤教授ら研究チームによれば、ヒトのiPS細胞で作った膵島数万個をチューブに封入し、糖尿病モデルの「マーモセット」に移植したところ、数日後に血糖値が正常値まで下がり、その効果は20日後まで持続したことを確認したそうです。

→ ヒトのIPS細胞で作った膵島を糖尿病モデルの「マーモセット」に移植し血糖値が下がる|東大など について詳しくはこちら


ウェアラブル人工膵臓

米Pancreumは糖尿病患者のインスリン治療を支援するウェアラブル人工膵臓を開発中なのだそうです。

→ 「ウェアラブル人工すい臓」、機能ごとにモジュール化|インスリン治療を低コストにするアイデアとは? について詳しくはこちら


アディポネクチン

東大などのチームの研究によれば、脂肪燃焼や血糖値低下を促すホルモン「アディポネクチン」には、運動しなくても運動と同様の効果を起こせる機能があるそうです。

→ アディポネクチンとは・増やす方法 について詳しくはこちら

→ 脂肪燃焼ホルモン「アディポネクチン」に運動同様の効果|東大が仕組みを解明 について詳しくはこちら


酸化ストレス

酸化ストレスが糖尿病を引き起こすメカニズムがわかり、また、転写因子Nrf2を活性化することによって、視床下部領域の酸化ストレスを抑制し、肥満や糖尿病の発症が予防できたことから、酸化ストレス抑制による新しい糖尿病の治療法が開発されることが期待されます。

→ 酸化ストレスが糖尿病を引き起こすメカニズム解明|東北大・筑波大 について詳しくはこちら


糖尿病自己管理教育に関するチーム対抗のオンラインゲーム

ボストンヘルスケアシステムの研究チームが『Diabetes Care』に発表した研究によれば、2型糖尿病患者が糖尿病自己管理教育(DSME)に関するチーム対抗のオンラインゲームに参加すると、血糖値(HbA1c)のコントロールが長期にわたって改善できるということがわかったそうです。

→ 2型糖尿病患者が糖尿病自己管理教育に関するチーム対抗のオンラインゲームをすると、血糖値(HbA1c)のコントロールが長期にわたって改善 について詳しくはこちら


腸内フローラのバランスを整える

順天堂大学の研究グループによれば、プロバイオティクス飲料の継続摂取が日本人2型糖尿病患者の腸内フローラを変化させ、慢性炎症の原因となる腸内細菌の血液中への移行を抑制することを明らかにしたそうです。

→ プロバイオティクス飲料の継続摂取が日本人2型糖尿病患者の腸内フローラを変化させ、慢性炎症の原因となる腸内細菌の血液中への移行を抑制|腸管バリア機能強化による慢性炎症抑制の可能性|順天堂大学 について詳しくはこちら

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オクタン酸

東北大の研究グループによれば、「オクタン酸」というにおい物質が、この膵臓β細胞にある嗅覚受容体の一つ(Olfr15)によって感知されると、血糖値が高いときにだけインスリン分泌が促進し、血糖値が改善することがわかったそうです。

→ におい物質「オクタン酸」でインスリン分泌が促進され高血糖改善!新しい糖尿病治療薬となる可能性も|東北大 について詳しくはこちら



飲むだけでインスリンがとれるカプセル「S.O.M.A」

MITの研究者らのチームは、注射器でインスリンを投与することなく、飲むだけでインスリンをとることができる薬剤カプセルを開発しました。

→ 飲むだけでインスリンがとれるカプセル「S.O.M.A」を開発|糖尿病患者の注射に取って代わる可能性|MIT【動画・論文】 について詳しくはこちら





→ 糖尿病改善・予防する方法(食べ物・運動) について詳しくはこちら




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by John Loo(画像:Creative Commons)


実際の糖尿病については、専門医の受診をおすすめいたします。


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