なぜ糖尿病になると歯周病になりやすくなるのか?
実は、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周病にかかっている人が多いといわれています。
それは、糖尿病になると、唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能や組織修復力が低下して、歯周病が発症・進行しやすくなるからだと考えられます。
様々な調査研究で糖尿病と歯周病の関係についてわかってきています。
糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加によれば、糖尿病と歯周病の関連性は疫学調査や動物実験などで明らかにされており、糖尿病を多く発症する米アリゾナ州のピマインディアンを対象にした調査では、歯周病の発症率が糖尿病ではない人に比べて二・六倍高い、といったことも分かっているそうです。
なぜ、糖尿病の人は歯周病になりやすく、また治りが遅いのでしょうか?
高血糖状態が長く続くと、血液中に体内のタンパク質に糖が結合した糖化たんぱくが増加し、体内に侵入した細菌やウィルスを捕食・消化し、その情報をリンパ球に伝える働きを持つマクロファージを刺激し、ある特定のサイトカイン(細胞同士の情報伝達を担うタンパク質で、過剰に分泌されると、自らの組織が破壊されることがある)の分泌量が増え、歯周病が悪化するのではないかと考えられるそうです。
糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加で紹介した愛知学院大歯学部歯周病科(名古屋市)の野口俊英教授によれば、糖尿病と歯周病には5つの共通点があるそうです。
- 初期に顕著な自覚症状がない
- 罹患率が高い
- 生活習慣病
- 慢性疾患
- 病気の進行のメカニズムが似ている
つまり、糖尿病と歯周病には共通点が多いことから、糖尿病を予防することは歯周病予防にもつながるということです。
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