■サッカー日本代表 #長友佑都 選手が脳しんとうで離脱
by University of the Fraser Valley(画像:Creative Commons)
長友、脳しんとうで離脱!ハリル日本、サイドバック人材難
(2016/10/8、スポーツ報知)
練習で頭部を強打し、埼玉県内の病院で精密検査を受けた結果「脳しんとう」と診断された。ナショナルチームダイレクターの霜田正浩氏によると、意識ははっきりとしており、痛みもない状態だが、2次的な被害を防ぐ目的で日本サッカー協会が示した「脳しんとうに対する指針」に基づき、「帯同をあきらめた」(同氏)という。
長友佑都選手が練習中に頭部を強打し脳震盪で日本サッカー協会が示した「脳しんとうに対する指針」に基づきサッカー日本代表チームを離脱したそうです。
また、日本代表GK中村航輔がまたも脳震盪…他競技は「1年に2度目」を危険視(2018/7/19、ゲキサカ)によれば、1年以内に2度脳振盪と診断されていますが、IRB(国際ラグビー評議会)脳振盪ガイドラインによれば、
1度または2度目の衝撃によって、死に至る場合も含めた、稀ではあるが危険な神経学的な合併症を、より起こしやすい。
1年以内に2回以上の脳振盪の既往のあるアスリートは、さらなる脳の外傷や回復が遅れるリスクがより高まるため、プレーへ復帰する前には、脳振盪の治療経験のある医師の診察を受けるべきである。
とあり、ラグビーにおける基準に当てはめると復帰に当たっては段階を踏みながらの経過観察が求められます。
現在スポーツ界においては脳しんとうに対して慎重な対応が求められています。
それは、サッカー界も同様です。
サッカーにおける脳振盪に対する指針|日本サッカー協会
サッカーにおける脳振盪は、決して珍しいスポーツ外傷ではありません。選手が脳振盪になったときに、意識が戻ったら試合に復帰させていませんか?今、脳振盪に対して慎重な対応が世界中で求められています。それは、脳振盪を複数回生じると記名力障害や集中力の低下など、社会生活にも支障をきたすような慢性期症状が生じる可能性があるからです。
アメリカサッカー協会では、10歳以下の子供はヘディングを禁止、11歳~13歳の子供にはヘディング回数を制限する規定を設けたそうです。
脳震盪には脳にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
米NFLでは「CONCUSSION(脳震とう)」問題が起きている!?|脳震盪によって起こる脳損傷・脳しんとう対策とはによれば、米フロリダ州立大のチームがNFL選手の脳について調べたところ、40人の元選手のうち43%にあたる17人が「外傷性脳損傷」と診断されたそうです。
「外傷性脳損傷(がいしょうせいのうそんしょう)」とは、交通事故や転落事故などで脳に強い衝撃を受ける場合と同じで、脳が傷ついて出血し、半身まひ、感覚・記憶・注意力障害などの症状が起こるそうです。
さらに、30%にあたる12人にはさらに深刻な軸索損傷がみられたそうです。
「軸索損傷(じくさくそんしょう)」とは、脳深部にある軸索がねじれて断裂する症状で、半身まひや記憶障害の後遺症から回復することが非常に難しくなるそうです。
■サッカーにおける脳震盪に対する指針
by University of the Fraser Valley(画像:Creative Commons)
サッカーにおける脳震盪に対する指針とはどういうものなのでしょうか?
サッカーにおける脳振盪に対する指針|日本サッカー協会
脳振盪が疑われた場合、短時間で症状が回復した場合も含めて、以下のような手順で選手を扱うのが望ましい。
●タッチライン沿い、ベンチあるいは控室などで休息をとる。この間はチームドクターあるいはATなどが頻回に選手の状態をチェックする。可能であれば、SCAT2(付図2)を用いて、脳振盪の状況を客観的に評価する。
●受傷時に数秒単位以上の意識消失や健忘があった場合には、たとえ意識が正常に復したと思われても病院へ搬送をする事が望ましい。
●頭痛、吐き気、嘔吐などが新たに出現してきたり、一向に改善しない、あるいは悪化するようであれば、専門施設へ搬送する。これは脳振盪に併発し得る外傷性頭蓋内出血の可能性を考慮してのことである。
●経過が良好のときは帰宅を許可するが、24時間以内は単独での生活は避け、のちに頭痛、吐き気などが生じた場合には即座に病院を受診するように指導する。
脳震盪が起きた場合には、症状が回復した状態であっても、すぐに練習に復帰せず、段階的を踏んで復帰するようにしているそうです。
参考画像:サッカーにおける脳振盪に対する指針|日本サッカー協会|スクリーンショット
■まとめ
脳震盪の後遺症はサッカー人生だけでなく、その後の人生にも影響を与えてしまうかもしれないので、多くのスポーツ関係者が脳震盪に対する対応について知ってほしいですね。
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