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「健康になりたければ病院を減らせ」の因果関係について考えてみた|#AIに聞いてみた|#NHKスペシャル




【目次】

■AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン

ARTIFICIAL INTELLIGENCE FROM GOOGLE: THE FUTURE TECHNOLOGIES

by Strelka Institute for Media, Architecture and Design(画像:Creative Commons)

2017年7月22日放送のNHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』では、公的な統計データや民間のデータ、大学や研究機関の調査など700万を超えるデータを「パターン認識」や「機械学習」という手法を用いて、社会に関する5000種類の情報の「つながり」や「近さ」をネットワークとして描き出した図を作成したそうです。

AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン|NHK

学習させたのは、経済産業省や総務省などの公的な統計データから、ハンバーガー店やラーメン店の数といった民間のデータ、さらには20代から80代までの個人を10年以上追跡している大学や研究機関の調査など700万を超えるデータです。
番組で紹介する”社会構造のネットワーク”は、膨大なデータの中から特徴を見つけ出すことができる「パターン認識」や「機械学習」という手法を用い、さらに、WikipediaやNHKのニュース原稿など、100万本を超える記事を「ディープラーニング」によって学習させることで、社会に関する5000もの情報の「近さ」や「つながり」を描き出した図です。数値的な振る舞いがただ「似ている」だけなく、現実世界で私たちが共に語る”近しい関係”といった概念もネットワークには色濃く反映されています。そのため、明らかに相関のないものがつながることもあります。

ここでまず行われる議論の一つとして、「AIに聞いてみた」とあるが「人工知能(AI)の定義とは何か?」がわかっていないため、本当にAIに聞いてみたことになるのか、単なるビッグデータでは?という意見です。

人工知能の定義について調べてみると、総務省によれば、『知性』や『知能』自体の定義がないことから、人工知能を定義することは難しいそうです。

【参考リンク】

最初の時点で言葉の定義がはっきりしていないことにより、計算能力が高いものをAIと呼んでしまっていることも多く、そのため、AIとAIもどきの区別がつかないと思って、AIもどきの製品が商品化されている状況にあるくらいなのだそうです。

AIもどきではなく本当のAIを作るために重要なことは、1.世界に共通した人工知能(AI)の定義を作ること、2.学習用データ(現実世界の情報)を持っていることをを示すこと、だと思います。

今回NHKが開発した「社会問題解決型AI」は、公的な統計データ、民間のデータ、大学や研究機関の調査など700万を超えるデータが入っているということでしたので、加工されていないリアルな世界の一次情報ではないものの、一般の研究者ができる範囲を超えたデータ量・種類であると感じます。

AIが学習したデータ|「NHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』」
AIが学習したデータ|「NHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』」

参考画像:AIが学習したデータ|「NHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』」|NHKスクリーンショット

Twitterのハッシュタグ「#AIに聞いてみた」を見てみると、相関関係と因果関係が混同しているという意見が目立ちました。

データとデータを糸でつなぎ、ある一点をつまむと、全く関係のないと思っていた項目が引きずられて出てきたというのが今回の番組の印象だったのですが、相関関係と因果関係が混同しているという意見が出てきたのは、学習用データの質・量に問題があるのか、開発したAI・製作者側に問題があるのか、どういうものであれば相関関係と因果関係が混同していないものができたのか、についてはわかりません。

ただ、そうしたもの全部含めて、いったん棚上げして(専門家に任せるしかわからない)、番組で出てきた提言について考えてみました。




■健康になりたければ病院を減らせ

前置きが長くなりましたが、「健康になりたければ病院を減らせ」という提言について考えてみたいと思います。

健康になりたければ病院を減らせ|NHKスペシャル
健康になりたければ病院を減らせ|NHKスペシャル

参考画像:健康になりたければ病院を減らせ|NHKスペシャル|スクリーンショット

病院の数が多い(医師の数が多い)というのは安心材料の一つでもあり、病院に近いところを選ぶというのは不動産選びの材料の一つになっているものだと思っていました。

しかし、今回NHKが開発したAIは、「健康になりたければ病院を減らせ」という提言をしています。

その理由について想像してみました。

※ここからの意見は番組内容をまとめたものではなく、「健康になりたければ病院を減らせ」という提言について、こういう因果関係があるのではないかと勝手に想像したものですので、ご了承ください。

※因果関係がないといわれているものに勝手に因果関係をつけて考えるとどうなるかという実験ともいえるかもしれません。

●病院の数が減ることで優秀な医師が残るようになるから

年齢が若い医師のほうが患者の死亡率が低い!|年長の医師のほうが経験年数の少ない医師に比べて医学的知識が少なく、ガイドラインに合わせた治療を行わない!?で紹介したBMJ(英国医師会雑誌)に掲載された研究によれば、年齢が若い医師のほうが患者の死亡率が低いということが分かったそうです。

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医者と、遊びでテニスをしている人たちとのこうした類似点を指摘したのは2005年にハーバードメディカルスクールの研究チームが発表した論考だ。彼らは医師が提供する治療の質が時間とともにどのように変化するかに関する研究を幅広く調べている。医者としての活動年数が長いほど能力が高まるのであれば治療の質も経験が豊富になるほど高まるはずである。しかし結果まさにその逆だった。論考の対象となった60あまりの研究のほぼ全てにおいて医師の技能は時間とともに劣化するか良くても同じレベルにとどまっていた。年長の医師のほうがはるかに経験年数の少ない医師と比べて知識も乏しく適切な治療の提供能力も低く研究チームは年長の医師の患者はこのために不利益を被っている可能性が高いと結論づけている。p184

簡単にまとめると、長年経験を積んだ医師のほうが知識も技能が蓄積されていると期待している人が多いと思いますが、60ほどの研究によれば、医師の技能は時間とともに劣化してしまうものであり、また年長の医師のほうが経験年数の少ない医師に比べて医学的知識が少なく、ガイドラインに合わせた治療を行わない傾向になるため、年長の医師の患者は質の低い医療を受けている可能性があるというものです。

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特に複雑な症例の診断を下す医師は患者の状態について膨大な情報集めそれを吸収し適切な医学知識と結びつけて結論を導き出さなければならない。その過程では少なくとも3つの異なる作業が必要になる。それは患者についての情報を集めること、関連する医学知識を思い出すこと、そして情報と医学知識を総合して「おそらくこれだろう」と思われる症例を絞り込み想定される診断を特定して適切なものを選ぶことである。p108

病気を診断するにあたって、患者のデータと医学知識を組み合わせて適切なものを選択する必要がありますが、医師は、常に新しい知識をアップデートしていかなければ、患者にとって質の低い治療を行なってしまう恐れがあるのです。

C型肝炎の治療薬は劇的に進歩し、今では90%近くの患者が治る!によれば、C型肝炎治療薬は劇的に進歩し、今では90%近くの患者が治るようになっているそうですが、その一方で、10年20年以上前の知識を持った医師たちによって、治療が勧められないというケースもあるそうです。

病院の数を減らすということは、優秀な医師が残りやすくなるということによって、健康になるということは考えられないでしょうか?

●病院の数が減る=病院が集約されることにより、システム投資が進む

また、病院数が減るというとネガティブなイメージがありますが、病院が集約されると考えると、システムに投資ができるとも考えられます。

病院のネットワークシステムを改善することによる医療者と患者のメリットとは?|群馬大病院とNECネッツエスアイのケースによれば、従来とのシステムと比べて高速化したことにより、患者・医療者にとっての負担軽減につながり、また、データの確認がすぐにできることにより安全性もアップすることが期待されるそうです。

また、患者と医療者がコミュニケーションをとる時間も多く取れるようになるとも考えられます。

女性医師の治療を受けた患者は生存率が高い!?|医師の患者に対する共感・コミュニケーションが重要な役割を果たしている?によれば、医療における医師と患者のコミュニケーションの重要性は高まっています。

コミュニケーションの重要性が高まっているのには以下のような理由があります。

  • 主たる病気が生活習慣病へ移行したことで、ケア(care)やマネジメント(management)が大きな位置を占めるようになった
  • 患者が医療情報に触れる機会が増えたが、その情報に混乱している患者も増加
  • 医学の進歩により市民の一部は医学を万能と考えるようになり、医療への過度の期待を生んでいる

患者に対して適切な医療を行うためには、医師が患者の言葉に耳を傾け(傾聴)、気持ちを受け入れ(受容)、そのうえで医師として適切な情報を患者にわかりやすい言葉で伝えることが重要になります。

また、患者が持っている間違った医学的知識を訂正することは重要ですが、そのやり方が重要だということですよね。

まずは、患者がどのような悩み・苦労を抱えているのか、患者の声に耳を傾け、それを受け入れることによって、医師と患者間での信頼関係が生まれ、その後のケアやマネジメントが良好になると考えられます。

しかし、従来のシステムではそうした患者とのコミュニケーションにかけられる時間が少なくなってしまったり、コミュニケーションにかける時間を増やそうとすると、労働時間が増えることにより、医療者の心身の負担が増加してしまっていたのではないでしょうか。

そこで、病院が集約され、ネットワークシステムに投資することができれば、患者と医療者のコミュニケーションが増え、より良いケアができるようになることになり、健康になると考えられるのではないでしょうか?

【関連記事】

●病院の数が減ることにより、予防医療に重点がおかれるようになる

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで取り上げた日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が高齢化や医療技術の進歩で治療費が高額になっていることにより国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

病院数が減ることを前提に考えると、できるだけ病気にならないようにすることが重視され、予防医療・予防医学・予測医療が進められていくのではないでしょうか?

がん検診といった予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、定期検診などの予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

今後は、医療とテクノロジーを組み合わせて、深刻な病気になる一歩前の段階、未病の段階で治療を行なっていくかがカギになっていくと思います。

今回のテーマと併せて考えると、病院の数を減らすと、病気にならないように予防医療への関心が高まり、病気になる一歩前の段階の未病の段階で治療が行われるようになって、病気による死亡リスクが低下し、健康になると考えられないでしょうか?

■まとめ

今回の提言は因果関係がわからないというのがポイントで、これからの時代はこうした形になっていくような予感もあります。

つまり、コンピュータが出した答えに対して、人間が後付けで理論や因果関係を考えていくという形です。

天才プログラマーが予測する「AIが導く未来」 人間の「なんとなく」は合理的に判断される

(2017/8/24、東洋経済オンライン)

言い方を変えると、今までのコンピュータによる最適化の能力では、答えは基本的に1つしかない。それがディープラーニングだと、答えがそもそもないのです。「確たる答えはないけど、なんとなくこう」っていうのがディープラーニングです。

電王・Ponanza開発者が語る、理由がわからないけどスゴイ“怠惰な並列化”

(2016/10/26、ASCII.jp)

体感で言えば、LazySMPは実はプログラマーには人気がない手法です。なぜかと言えば、前述のように結局のところどうしてうまくいくのか、その正確なところがプログラマーにはわからないからです。ディープラーニングも本質的にどうしてうまくいくのかわかっているプログラマーがいません。あくまで将棋プラグラム業界では、という話ですが。

<中略>

近代科学は対象を分解して、理由を解明していくことで世界を解き明かしてきました。しかし、近年の情報科学は人間の解釈性が著しく悪いアルゴリズムが時代の先端を走り始めています。要素を分解していっても、そこに本質を発見できていないのです。人間にはある程度以上の複雑な挙動がわからないのです。

このように、答えや本質的にうまくいっている理由はわからないけど、うまくいっているということだけはわかるということがこれからは多くなってくるでしょう。

自分の理解を上回ってしまったときに、それをコントロールすることができないため選択しないという人もいるでしょうし、理由はわからないけどうまくいっているのだからやってみようという人もいるでしょう。

電王・Ponanza開発者が語る、“自転車置き場の議論”に陥った指し手生成祭り

(2016/11/29、ASCII.jp)

人間は難しい問題に直面してしまった時、簡単な切り口を探しがちです。それ自体はまったく間違った行為ではないのですが、いつまでも簡単な切り口を求め続けることは必ずしも正しい判断ではないでしょう。人間はわからない状態をわからないままにしておくことにもストレスを感じ、わからないところに無理やり理由をつけようと考えるのが常です。

難しい問題の時には議論が起こらないのに、自分の理解ができる問題の時には議論が白熱するようなことを「パーキンソンの凡俗法則」や「自転車置き場の議論」という呼び方をするそうですが、これからは、「わからない」「理解できない」ことに対して、安易に答えを出すことなく、あきらめずにわからないままの状態で真正面から向き合い続ける姿勢が重要になってくるのではないでしょうか。

まずは理解できない自分を認め、それでもそれに向き合い続けることが、現代科学を理解して紐解く鍵となるでしょう。理解できると傲慢になるのではなく、理解できないと空虚に走るでもなく、ただ見えないものを見ようとし続けることこそが、唯一この先を見る方法になると私は信じています。

わからないまま向き合い続けるというのはストレスがかかることかもしれませんが、これから先の未来では必要な資質となるのではないでしょうか。

「AlphaGo Zero」は、過去の打ち手のデータで強化学習をするのではなく、囲碁の基本ルールだけを教えて、対局を繰り返す(3日間で500万回の対戦)ことで上達し、トップ棋士を破ってきた「AlphaGo」に対して、100勝0敗という結果を出したそうです。

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P.S.

Twitterのハッシュタグ「#AIに聞いてみた」を見てみると、みなさんさまざまな感想を持っているようです。

ただ、例えば、病院の診断支援システムにAIが導入されたとして、「因果関係はわからないけど、あなたはこういう病気の可能性が高い」といわれたときに、医師や患者はどう判断するのでしょうか。

どんなに医療にAIを活用しようとしても、医師や治療を受ける患者がその判断に疑いを持てば、利用することはできません。

つまり、AIに対する信用度を高めていく必要があるわけです。

そういう意味でも、今回の「AIに聞いてみた」という番組には価値があったのではないでしょうか?







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英、ピザにカロリーの上限を検討 子供の肥満対策のため




■英、ピザにカロリーの上限を検討 子供の肥満対策のため

Pepperoni Pizza from Joseph's

by Tom Ipri(画像:Creative Commons)

Pizzas must shrink or lose their toppings under Government anti-obesity plan

(2018/10/11、テレグラフ)

Under the draft proposals, a standard pizza for one should contain no more than 928 calories – far less than many sold by takeaways, restaurants and shops. And the recommendations suggest that a savoury pie should contain no more than 695 calories.

英国政府は子どもの肥満対策のために、レストランやスーパーマーケットで販売されている食事のカロリーに上限を設ける規制を検討しているそうです。

英保健省(Public Health England:PHE) は、テイクアウトやレストランなどで提供されるピザに928キロカロリー、パイに695キロカロリーの上限を設ける方向で検討しているそうです。

国を挙げてダイエット呼びかけ、20%のカロリー削減要請 英(2018/3/7、CNN)によれば、英保健省が国民の肥満対策として、食品業界に対し、主な食品のカロリーを2024年までに20%削減するよう要請しています。

【参考リンク】

すでにこうした取り組みが行われており、「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルによれば、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことによって、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功しています。

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

食文化に与える影響を考えると、食事にカロリー制限を設けるというのは難しい問題ですが、一人一人に健康への意識の高さに任せてしまうよりも、レストランやスーパーマーケット、食品メーカーが健康的な食品づくりに取り組みことによって、人々の健康を守っていくというのは良い取り組みだと思います。




■まとめ

日本でも、一生涯のうち、認知症や寝たきりにならないで、健康で自立して生活できる期間を示す「健康寿命」を伸ばそうという取り組みが行われています。

→ 健康寿命を延ばすにはどうしたらいいの?|2030年代には健康寿命を5歳延伸|新産業構造ビジョン についてくわしくはこちら

肥満が世界的に問題になる中、個人個人の取り組みに任せてしまうのには限界があります。

そこで、行なわれているのは大きく分けるとアメとムチの戦略です。

「肥満税」というムチを使って肥満を減らそうという取り組みが行われていたり、保険会社や企業は健康増進活動をしたユーザーに対して特典を付けるアメを使って健康な人を増やそうという取り組みが行われています。

こうした取り組みが増えているのも、国民医療費の増大が問題になっていることが考えられます。

アマゾン、バークシャー、JPモルガンが新しいヘルスケア企業を設立 医療費削減を目指すによれば、アメリカでも医療費が膨らんでいることが問題となっており、多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているそうで、高齢化や医療の進歩に伴い、企業への負担が大きくなってきています。

日本でも同様で、2016年度(平成28年度)の医療費は41.3兆円|診療報酬改定で薬価が引き下げられたことやジェネリック医薬品の使用割合が増えたことが医療費減少の要因によれば、国民医療費は増加傾向が続いています。

医療費の動向|平成28年版厚生白書
医療費の動向|平成28年版厚生白書

参考画像:医療費の動向|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

平成28年版厚生白書

国民医療費とは、医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものであり、具体的には、医療保険制度等による給付、後期高齢者医療制度や公費負担医療制度による給付、これに伴う患者の一部負担などによって支払われた医療費を合算したものである。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランによれば、健康保険組合連合会(健保連)は、2025年度に団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため、健康保険組合の4分の1超が解散危機を迎えるという試算を発表しました。

一つの企業だけ、一つの自治体だけ、ある業界だけ、ある国だけが医療費の減少のために取り組むのではなく、社会全体で医療費の減少に取り組む時が来ていると思います。

『サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る』(著:スティーブ・ケース)では、第三の波(あらゆるモノのインターネット)によって、あらゆるモノ・ヒト・場所が接続可能となり、従来の基幹産業を変革していく中で、企業や政府とのパートナーシップが重要になると書かれています。

サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

第二の波では、インターネットとスマートフォンの急速な普及によってソーシャルメディアが激増し、盛況なアプリ経済が誕生した。その中でもっとも成功を収めたスナップチャットやツイッターのような企業は、小規模なエンジニアリング・チームからスタートして一夜にして有名になり、第一の波の特徴であったパートナーシップをまったく必要としなかった。しかし、こうしたモデルは現在がピークであり、新たな時代は第二の波とはまったく違う―そして最初の波とよく似た―ものになることを示す証拠が増えている

この第三の波には「インパクト投資」も含まれているそうです。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|#サキドリ↑(NHK)によれば、「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のことです。

「IoT」や「インパクト投資」といった「第三の波」で社会は大きく変化をしていきますが、社会問題を解決する手段として、一人の力ではなく、これからますますいろんな人たちとのパートナーシップが重要になってくるでしょう。







P.S.
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ZOZOSUITで体型をチェックするダイエットアプリのアイデア|フィットネスジムが導入するとより効果がわかりやすくなる!

ダイエット > ZOZOSUITで体型をチェックするダイエットアプリのアイデア|フィットネスジムが導入するとより効果がわかりやすくなる!




■ZOZOSUITで体型をチェックするダイエットアプリのアイデア|フィットネスジムが導入するとより効果がわかりやすくなる!

zozosuit
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参考画像:体型計測スーツ ZOZOSUIT|YouTubeスクリーンショット

#スタートトゥデイ、採寸用ボディスーツ 「#ZOZOSUIT」を無料配布|体型データの活用によってファッションECの課題であるサイズの不安を解消|プレタポルテからオートクチュールの時代が来る!?で取り上げましたが、スタートトゥデイはスタートトゥデイ研究所で自社開発した“ZOZOSUITS”を使うことを発表しました。

体型計測スーツ ZOZOSUIT

Twitterの反応を見ているとこのスーツのテクノロジーに対してショックを受けている意見も見られました。

ただ、大事なのは、どんな体型計測スーツにすべきかというものではなく、スタートトゥデイが目指すのは、一人一人にピッタリの服を提供するという考え方なのです。

そして、これが無料で提供されるわけですから、私たちはこのメリットをうまく活用していきたいものです。

例えば、3Dスキャンしたボディーラインの変化をチェックできる体組成計|NAKED 3D FITNESS TRACKER・SHAPESCALEでは、3Dスキャンしたボディーラインの変化をチェックする方法で体型を維持するアイデアを考えましたが、無料で配布されるゾゾスーツを活用して、これをボディメイクに活かしてみてはいかがでしょうか?




■体重計ではなく鏡やデニムの履き心地でスタイル管理

芸能人の中にも体重計ではなく、鏡や洋服の履き心地でスタイルを管理している人がいます。

●モデル・マギーさん

モデル・マギーのスタイル管理は体重計やサイズではなく、見た目のラインでチェックするによれば、モデルのマギーさんは、スタイルのチェックは体重やサイズで管理するのではなく、見た目のラインで管理するようにしているそうです。

鏡やデニムの履き心地で、自分の体の変化を察知する!?では、体重計を使うのではなく、デニムやパンツの履き心地や鏡に映った自身の体の映り方で自分の体型を把握する方法を紹介しました。

毎日体重を測って、グラム単位で増えた減ったを見ると、精神的にもあまりよいようには思えません。

体重計で自分の体を把握するのではなく、自分の持っている感覚で自分の体の変化を気づけるというのは、それだけ自分の体を知っているということにつながるという考えがあります。

●女優・加藤あいさん

加藤あい、ダイエットの目標は体重を減らすことではないと気づくでも紹介しましたが、ただ単に体重が減っただけではお腹は出ていなくても、ハリがなくなってしまいます。

●女優・釈由美子さん

釈由美子さんのような美脚になるための方法とは?(2010/4/27)によれば、釈由美子さんは体重計には乗らないのだそうです。

それは、体重ではなく、「見た目の美しさ」を重視しているからなのだそうです。

体重だけに重点を置くと無理なダイエットに走る危険もあり、やはり以前無理なダイエットによる摂食障害を経験した釈さんだからこそ、体重だけが減っても体のバランスが崩れてしまっては意味がないという考えになったのではないでしょうか。

【関連記事】

●ミス・ユニバース・ジャパン ファイナリスト

ミス・ユニバース・ジャパン ファイナリストのスタイルキープのための運動方法・ボディのチェック方法

服を着る時、お風呂に入る前、入った後に自分の全身を鏡でチェックすることですね。これは、ファイナリストになってから始めたことですが、自分の体って毎日一緒にいるからこそ、なかなか変化に気づけないんですよね。なるべく客観的に自分の体を見て、どこに筋肉が必要で、どこの脂肪を落とすべきか考えることが大切だと思います。

<中略>

鏡の前で全身裸になって自分の体をよく見ること。自分の体をあまり見たくないという女性も多いと思いますが、裸になることで自分体の改善点も見えてくるし、意識も高まると思います。

●橋本マナミさん

#橋本マナミ さんの美ボディーの秘訣とは?|鏡でスタイルチェック・ウォーキング|#メレンゲの気持ちによれば、橋本マナミさんのご自宅は鏡張りで、いつも裸で鏡を合わせ鏡にしながら、横のラインやバックショットをチェックしているそうです。

橋本マナミさんによれば、鏡でチェックするようになってから太らなくなったそうです。

●馬場ふみかさん

パーフェクトボディ!「NON・NO」モデル #馬場ふみか さんのスタイルキープの秘訣(食事・運動)とは?によれば、裸で鏡の前に立ち、見た目のラインをチェックして、気になる部分をマッサージしているそうです。

この考え方とゾゾスーツを組み合わせれば、日ごろのトレーニングの成果をゾゾスーツでチェックしていくことにより、どれくらい体が鍛えられているかをしっかりとチェックすることが可能になるのではないでしょうか?

多くのフィットネスジムでこのアイデアが使われるようになるはずです!

ぜひみなさんも試してみましょう!

【追記(2018/7/3)】

→ FINCプレミアム|専門家への相談・ジムやスパ、マッサージの優待サービス・ポイントとヘルスケアグッズの交換・体組成計の無料レンタル! について詳しくはこちら







【年代別ダイエット関連記事】
続きを読む ZOZOSUITで体型をチェックするダイエットアプリのアイデア|フィットネスジムが導入するとより効果がわかりやすくなる!

簡単!ホットケーキミックスと手作りリコッタチーズを使ったパンケーキ(ホットケーキ)のレシピ・作り方




■おすすめリコッタチーズレシピ・作り方

牛乳・生クリーム・砂糖・塩・レモン汁を鍋に入れて温める。
牛乳・生クリーム・砂糖・塩・レモン汁を鍋に入れて温める。
軽く沸騰したものを濾し布(キッチンペーパー)で濾し、ホエイと分ける。
軽く沸騰したものを濾し布(キッチンペーパー)で濾し、ホエイと分ける。
ホエイと分けたリコッタチーズをさらに滑らかにするためにミキサーにかける。
ホエイと分けたリコッタチーズをさらに滑らかにするためにミキサーにかける。
リコッタチーズの出来上がり!
リコッタチーズの出来上がり!




■リコッタチーズを使ったパンケーキ(ホットケーキ)

リコッタチーズパンケーキの材料
リコッタチーズパンケーキの材料は、ホットケーキミックス・卵黄・卵白・リコッタチーズです。
卵白を泡立てる(メレンゲ)
ボウルに卵白を入れて泡立てます。
卵黄・リコッタチーズ・牛乳を入れて混ぜた後、ホットケーキミックスを混ぜます。それに、泡立てた卵白をさっくり混ぜます。
卵黄・リコッタチーズ・牛乳を入れて混ぜた後、ホットケーキミックスを混ぜます。それに、泡立てた卵白をさっくり混ぜます。
フライパンでパンケーキを焼く
フライパンにバターを入れて溶けた後、生地を入れて焼きます。※予めフライパンを一度温めて濡れ布巾で冷ましておくときれいに焼けます。

パンケーキの焼き加減
片面を焼き、ポツポツと穴が開き、側面が乾いてくると焼き加減をチェックしましょう。いい焼き加減でしたら、ひっくり返します。
ふんわりパンケーキの出来上がり
側面が生っぽくなければ出来上がりです。切るとふっくらしているのがわかると思います。







【関連記事】

Google Coach|グーグルは健康とフィットネスのウェアラブル向けAIアシスタントを開発中!?




■Google Coach|グーグルは健康とフィットネスのウェアラブル向けAIアシスタントを開発中!?

Reviewing notifications on smart watch

by Intel Free Press(画像:Creative Commons)

Exclusive: Google is developing a wearable health and fitness assistant called ‘Google Coach’

(2018/8/15、Android Police)

Android Policeによれば、Googleはウェアラブルデバイス向けに健康とフィットネスのコーチをする「Google Coach(発売前に名前が変更される可能性がある)」の開発を進めているそうです。

Google Coachは、フィットネストラッカーとしてだけでなく、健康的な食事のプランや買い物リストの作成、外食先の提案、薬の服用、水分の摂取などを勧めたりもしてくれるそうです。

つまり、Google Coachは、Googleの持つデータとAI(人工知能)を活用して、健康的なライフスタイルを応援するアシスタントになるというわけですね。

アマゾン、バークシャー、JPモルガンが新しいヘルスケア企業を設立 医療費削減を目指すによれば、アマゾン、バークシャーハザウェイ、JPモルガン・チュースが共同で米国で働く従業員を対象としたヘルスケアサービス会社を設立すると発表しましたが、アメリカでも医療費が膨らんでいることが問題となっており、多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているそうで、高齢化や医療の進歩に伴い、企業への負担が大きくなってきています。

Fitbit、従業員の健康管理とコーチングを推進するプラットフォーム「Twine Health」買収によれば、「Twine Health」は、人々がより良い健康成果を達成できるようにし、保健システム、保健計画、職場保健医療従事者の医療費の削減に役立っているそうです。

もしかすると、Google Coachを従業員を対象としたヘルスケアサービスとして提供し、医療費削減を目指すかもしれませんね。

■まとめ

Google Coachのアイデアは、「#NOOM」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始に近いものですね。

その際にも書きましたが、健康的な生活習慣に変えるためには、人間の心理をうまく活用する必要があります。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の、じつに40%がその場の決定ではなく習慣

なのだそうです。

習慣の力 The Power of Habit

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(2017/1/22 17:05時点)

また、「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、反対に考えると、変化を起こしたいときには、自動化された行動=習慣を変えなくてはならないのです。

では、どのようにすれば習慣を変えることができるのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、Google Coachにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?







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