【衝撃】寺田心、週6ジム通いで体重62kg→82kgに 110kgのベンチプレス持ち上げる姿披露(2026年8月7日、モデルプレス)によれば、寺田心さんは元々自重のみでしたが、更に筋肉を大きくするためジム通いを開始し、筋肉増量のためおにぎり10個、ゼリー飲料3~4本、パスタと毎日4千kcalオーバーの食事を摂取し、増量したそうです。
そこで生まれた疑問は「なぜ筋肉を増量するためにはおにぎり10個、ゼリー飲料3~4本、パスタと毎日4千kcalオーバーの食事を摂取する必要があるの?」。
筋肉を大きくするには「カロリー余剰(消費より摂取が多い状態)」が基本的に必要です。
寺田心さんのケースは、フィジーク大会を目指して「一旦大きく増量してから絞る」という典型的なバルク→カット戦略を取ったものです。
「バルク→カット戦略」とは、バルクアップ(増量期)で筋肉を最大化し、カッティング(減量期)で脂肪を落として筋肉を残す方法で、効率よく体を大きく引き締める手法です。
■なぜカロリー余剰が必要なの?
筋肉の成長(筋肥大)は、筋トレによる刺激で筋タンパク質の合成が高まるプロセスです。
この合成や修復、成長自体がエネルギーを大量に消費する作業です。
摂取カロリーが消費カロリーを下回る状態だと、体は筋肉を分解してエネルギーを優先的に使う方向に傾きやすく、成長が制限されます。
維持カロリーでもある程度の筋肉はつきますが、最大効率で大きくするには余剰が有利と考えられています。
【参考文献】
- Schoenfeld, B. J., & Aragon, A. A. (2020). Magnitude and Composition of the Energy Surplus for Maximizing Muscle Hypertrophy: Implications for Bodybuilding and Physique Athletes. Strength & Conditioning Journal, 42(5), 79–86. https://doi.org/10.1519/SSC.0000000000000539
余剰カロリーがあると、筋トレのパフォーマンスが上がり(グリコーゲン補給で高強度を維持しやすい)、筋タンパク質合成の材料とエネルギーが十分に供給され、ホルモン環境なども成長寄りになりやすいのです。
寺田さんの場合は結果として、体重が62kg→82kg(約20kg増)という大幅な変化につながりました。
もちろん全部が筋肉ではなく脂肪も増えますが、その後の減量で絞る前提です。
■なぜ「おにぎり10個+ゼリー+パスタ」のような食事なの?
18歳で週6ジム、ハードにトレーニングする男性の場合、維持カロリー自体がすでに高め(活動量次第で2500〜3500kcal前後)になりがちです。
そこに筋肉を最大化するための余剰を乗せるとなると、4000〜5000kcal程度が目安になってきます。
普通の食事だけでこれを毎日達成するのはかなり大変(満腹感が強い)ので、おにぎり(炭水化物中心で消化しやすくカロリーが取りやすい)、ゼリー飲料(液体で素早くカロリーを追加)、パスタ(同じく炭水化物の塊)のような「食べやすい高カロリー食」が選ばれます。
ボディビルダーやフィジーク選手の増量期では、炭水化物を多めに取ることでトレーニングの質を保ちつつ、総カロリーを稼いでいます。
ただし、余剰が大きすぎると脂肪の割合が増えやすく、後の減量がキツくなります。
また、カロリーだけでなくタンパク質も十分に摂取することが重要です。
初心者や遺伝的に筋肉がつきやすい人ほど「食べて大きくなる」効果が出やすい一方、すでに鍛え込んでいる人では余剰の恩恵は相対的に小さくなります。
【補足】
■遺伝的に筋肉がつきやすい人ほど「食べて大きくなる」効果が出やすいとはどういう意味?
同じトレーニングをしても、筋肉の増え方には人によって大きな差があります。
ある人はどんどん筋肉がつくのに、同じように頑張っているのにほとんど変わらない人もいます。
この差の大きな原因のひとつが「遺伝」です。
生まれつき筋肉がつきやすい体質の人は、「余分に食べたカロリーを、より効率よく筋肉に変えやすい」傾向があります。
逆に、筋肉がつきにくい体質の人は、同じようにたくさん食べても、筋肉よりも脂肪としてつきやすくなったり、筋肉の増え方が少なくなったりしやすいです。
わかりやすく言うと、「遺伝的に筋肉がつきやすい人ほど、『たくさん食べて大きくする』というやり方の効果がより出やすい」ということです。
ただし、遺伝がすべてではありません。
トレーニングの質や量、睡眠、タンパク質の摂取なども大事です。
遺伝的に有利な人でも、ちゃんとトレーニングしなければ筋肉は増えません。
1. 筋肥大の「反応性」には大きな個人差がある
同じレジスタンストレーニングをしても、筋肥大の量には非常に大きな個人差があります。
Bammanらの研究(16週間の下肢トレーニング)では、被験者を反応性で分けると
Extreme responders(上位):筋線維断面積が平均約58%増加
Modest responders:約28%増加
Non-responders(下位):ほとんど増加なし(またはわずかに減少)
Hubalらの大規模研究(585人、12週間の上腕トレーニング)でも、上腕二頭筋の断面積変化は「ほぼ変化なし」から「+59%」まで幅があった。
これらの差は、トレーニング量・強度・アドヒアランスが同程度でも生じます。
つまり「刺激に対する生物学的な応答能力」の違いが大きい。
2. 遺伝的要因がこの反応性を大きく規定している
除脂肪体重(lean mass)の個人差のうち、遺伝的要因が説明する割合は約50%前後(双子研究など)。
トレーニングへの適応(筋力・筋肥大)にも遺伝的寄与があり、推定で30〜70%程度の範囲で報告されています。
候補となる遺伝的要因の例:Myostatin(MSTN)関連多型:筋肥大を抑制する遺伝子。特定の多型(例:K153R)は筋肥大反応がより大きい傾向。
ACTN3などの筋線維タイプ関連遺伝子。
リボソーム生合成(ribosome biogenesis)の能力差:高反応者はトレーニング中にリボソーム密度がより増加しやすく、タンパク質合成能力が高まる。
筋内アンドロゲン受容体量、IGF-1関連シグナル、衛星細胞(satellite cell)の増殖能力などの違い。
Robertsら(Frontiers in Physiology, 2018)のレビューでは、「高反応者は『良い遺伝』を持つ可能性が高い」としつつ、単一遺伝子の寄与は小さく、複数の要因が絡むpolygenicな形質だと整理されています。
3. カロリー余剰との関係(「食べて大きくなる」効果)
ここがポイントです。
過食(overfeeding)研究(特にBouchardらの一卵性双生児研究)が重要です。
同じ余剰カロリー(約1000kcal/日を100日間)を摂取させても、体重増加量は4.3〜13.3kgと大きくばらつき、双子内の類似性が高く、双子ペア間で差が大きい。
脂肪量と除脂肪量への振り分け(partitioning)にも遺伝的影響が見られる。
つまり「余剰エネルギーを筋肉(除脂肪組織)にどれだけ回せるか」に遺伝的な違いがある。
レジスタンストレーニング+余剰の組み合わせでは、以下のメカニズムが考えられます。
高反応者は筋タンパク質合成(MPS)の能力や、mTORC1シグナル、リボソーム生合成、衛星細胞活性化などが優れている。
そのため、余剰エネルギーとトレーニング刺激を「筋肉の材料としてより効率よく使える」。
低反応者は同じ余剰でも、相対的に脂肪増加の割合が高くなったり、筋肥大量が少なくなったりしやすい。
つまり「遺伝的に筋肉がつきやすい人」は、余剰カロリーを筋肥大に変換する効率が高い傾向がある、という解釈が成り立ちます。
逆に低反応者は、余剰を取っても思ったほど筋肉が増えにくいケースがある。
4. 注意点・限界
高反応者と低反応者で、自己申告のカロリー・タンパク質摂取量自体に大きな差がない、という報告もあります(Mobleyらなど)。
差が出るのは「摂取量」より「体がどう応答するか」の部分です。
遺伝は「上限と速度」を大きく左右しますが、トレーニングの質・量、睡眠、タンパク質摂取、全体のエネルギーバランスがなければ、遺伝的に有利でも効果は出ません。
「遺伝的に有利」な人でも、余剰が大きすぎれば脂肪増加が優位になります(クリーンバルクの重要性)。
つまり、遺伝的要因により筋肥大の反応性に大きな個人差があり、高反応者ほどカロリー余剰を筋肉増加に効率よく変換しやすい傾向がある。
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