【目次】
■疲れた筋肉のマッサージでミトコンドリアが増加、筋肉の炎症が減少|カナダ・マクマスター大
by Nick Webb(画像:Creative Commons)
(2012/2/6、AFPBB)
カナダ・マクマスター大(McMaster University)研究チームは、若い男性11人に疲れ果てるまでおよそ70分間のエクササイズをさせ、短い休憩の後、片方の脚にだけ10分間のマッサージを行った。
その後、被験者の両脚から細胞のサンプルを取って分析した。
その結果、マッサージを受けた筋肉には大きな変化が見られた。
細胞の中にあってエネルギーを作り出し、「細胞の発電所」とも言われるミトコンドリアが増加するとともに、筋肉の炎症が減少していたという。
マクマスター大の神経筋・神経代謝疾患部門の責任者で、研究チームのマーク・ターノポルスキー(Mark Tarnopolsky)氏によると、ミトコンドリアの増加は耐久性エクササイズの中心的な効果だと説明し、耐久性のエクササイズの後にマッサージを受けると、エクササイズの効果を高められる可能性があると語った。
カナダ・マクマスター大の研究によれば、エクササイズ後のマッサージを受けると、筋肉にはミトコンドリアが増加するとともに、筋肉の炎症が減少していたそうです。
つまり、このことはマッサージをすることが耐久性エクササイズの効果を高められる可能性があるということみたいです。
また、この研究では面白い発見があったそうです。
興味深いことに、この研究では、エクササイズ中に筋肉で生じる乳酸がマッサージによって減ることを示す証拠は見つからなかった。
マッサージによって乳酸が減るという証拠は見つからなかったというのは驚きですね。
■どのようなマッサージが良いの?
Introducing the VYPER 2.0 – Move Better|gifs.com
そこで、気になるのはどのようにマッサージをしたらよいかという点です。
例えば、肩こりをほぐすには肩甲骨はがし!2つの方法|#世界一受けたい授業(遠藤健司)によれば、肩こりを解消するために、叩いたり、押したり、揉んだりしてしまうと、こわばった筋肉が刺激から身を守ろうとして、かえって硬くなってしまうということがあり、体の疲れをとろうとしてマッサージをしたにもかかわらず、かえって悪化するということもあるからです。
(2012/2/5、Sports Watch)
「昔からフィジカルコンディションを保つためにストレッチだったり、筋トレだったり、そういうのはしてますけど。あっつい風呂は好きです。46とか47度とか。(体は)真っ赤ですよ。真っ赤にして頑張るんです。3分とかっす」という俊輔は、その理由を「水風呂一回入ってとか、それくらいにならないと自分の足がほぐれて、ゆるゆるっていうか、外人の人は筋肉がゆるむから入らないっていうけど、僕は逆で筋肉をほぐしたいので、2セットとか3セットで終わらせますけど、熱い風呂入ってそのままストレッチやマッサージをして貰うというのが日課でした」と説明する。
中村俊輔選手のインタビューによれば、筋肉をほぐすために熱い風呂に入ってストレッチやマッサージをしてもらうことを日課にしていたそうですが、以前トレーニングした直後にお風呂に入って筋肉をほぐすことはトレーニング効果を上げる上では良くないということを聞いたことがあり、どのような方法がベストなのか気になりますよね。
今回取り上げた記事によれば、マッサージは耐久性エクササイズの効果を高められる可能性があるということだったので、もしかするとトレーニングの種類によって違ってくるのかもしれません。
近年では、筋膜リリースという筋肉の繊維の束を包んでいる膜である「筋膜」をほぐす方法がメディアで取り上げられています。
筋肉の表面にある「筋膜」にシワができ、そのシワに引っ張られるように筋肉がコリ固まってしまうそうで、全身の筋膜はつながっているため、一部でも硬くなってしまうと、その影響は全身に及び、体のズレや歪みができてしまいます。
そこで、筋膜リリースを行なうことで、筋膜をほぐすことで、痛みの緩和・予防や筋肉自体の動きを良くすることを行なうことに注目が集まっています。
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- VYPER|圧力と振動を用いたローラーでウォーミングアップ、筋肉ほぐし・筋膜リリース、疲労回復
筋膜リリースは道具を使わなくてもやれる方法がありますが、ウォーミングアップ、疲労回復、筋肉ほぐし・筋膜リリースをするグッズとしてローラーがつかわれることもあります。
Introducing the VYPER 2.0 – Move Better
トリーメントしたい部位や痛みの部位に応じた使い分けができ、凸凹の部分は筋膜リリースに最適なデザインとなっており、滑らかな部分は全身の筋肉を広範囲にほぐすのに使用できます。
例えば、圧力と振動を用いたローラーの「VYPER」は振動レベルを調整することにより、ウォーミングアップ、疲労回復、筋肉ほぐし・筋膜リリースに活用できるそうです。
NASM-PESの考案者であるマイク・クラーク博士率いるHYPERICE社のスポーツ医科学チームと、スポーツ医科学分野で著名なダーリン・パドア教授率いるノースカロライナ大学チャペルヒル校のチームとで共同研究を2015年10月から行ってきて、2017年5月に発表できた最新の研究結果では、VYPER、VYPER2.0の振動効果によって関節可動域が最大40%向上する科学的根拠のあるデータが得られました
【参考リンク】
- HYPERICE Announces Study Validating Positive Influence of Local Muscle Vibration during Foam Rolling on Range of Motion and Pain(2017/5/17、hyperice)
■まとめ
マッサージはやり方しだいによっては効果的にもなり、悪化する原因にもなると考えられます。
適切なマッサージのやり方を習うようにしましょう。