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がんになっても長生きできる生活習慣|#たけしの家庭の医学

2009年10月27日放送のたけしの本当は怖い家庭の医学では、104歳のおばあちゃんが実践している長生きできる生活習慣を紹介しました。

※愛知県がんセンター研究所室長 松尾恵太郎先生 による

厚生労働省のがん予防研究班

大規模なアンケート調査をもとに病気の要因を調べる疫学研究という方法で、がんのリスクにかかわる生活習慣を調べ、日本人のがん予防法を研究している

【目次】





■どんな生活を送れば、がんになっても長生きできるのか?

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by Fabian Reus(画像:Creative Commons)

がんを乗り越えた100歳の女性の生活習慣を名医が分析したところ、4つのキーワードがでてきました。

1.大豆イソフラボン

大豆に含まれるイソフラボンが乳癌のリスクを下げると報告されている。

国立がんセンター・愛知県がんセンター含む8つの研究の統合解析によると、毎日イソフラボンの摂取量が20mg以上の場合、5mg以下の摂取に比べて、乳癌リスクが30%減少することが分かったそうです。

なぜ大豆ががんのリスクを下げるのか?

大豆イソフラボン研究の権威 家森教授

女性ホルモン・エストロゲンが強すぎると乳癌を起こさせやすい。

イソフラボンはエストロゲンの強すぎる作用を邪魔してくれる。

そのため、がんを抑える効果があると考えられる。

2.果物(1日200g程度)

毎日果物を食べる女性は、胃がんのリスクが下がる(愛知県がんセンターによると)

栄養学のスペシャリスト 高橋徳江先生

果物には、がんの発生を抑える抗酸化作用がある

マンゴーや柿に含まれるβカロテン、ブドウに含まれるアントシアニンには、がん発生の原因となる活性酸素を除去する働きがある。

野菜・果物摂取と胃がん発生率との関係について|多目的コホート研究によれば、野菜・果物は少量の摂取で胃がんの発生率を下げると考えられます。

野菜・果物に含まれるがんを予防する成分には、カロテノイド、葉酸、ビタミンC、フラボノイド、フィトエストロゲン、イソチオシアネート、食物繊維などが上げられます。 

3.日々の活発な身体運動

高齢者医療のスペシャリスト 新開省二先生

体をよく動かしていることが、食欲の増進、それに伴う十分な栄養の摂取につながっている。

それらがトータルとして、病気に対する抵抗力・防衛体力を高めている。

つまり、がんに対する抵抗力が高まっていると考えられる。

4. 糖尿病になっていない

糖尿病の方は、がんのリスクがそうでない方に比べ、約2割高くなっている。

なぜ糖尿病ががんのリスクを上げるのか。

糖尿病の権威 小田原雅人先生

糖尿病では、インスリンの効きが悪くなります。

その結果、インスリンが過剰に分泌されて、多くが血中にとどまります。

過剰なインスリンががん細胞の増殖につながるケースがある。




■がんのリスクを上げることをしない・がんのリスクを下げることを続ける

がんのリスクを上げることをしない

がんのリスクを下げることを続ける

これが、がんになっても長生きできる秘訣

がんのリスク問診

がんのリスクを上げる条件は、「はい」の点数だけグラフが上がっていく

がんのリスクを下げる条件は、「はい」の点数だけグラフが下がっていく

がんのリスクを上げる条件

  1. 年齢が50代以上である
  2. 両親・兄弟姉妹の中でがんにかかった人がいる
  3. 今たばこを吸っている(2点)
  4. 過去に一年以上たばこを吸っていたことがある=今吸っている方も含む
  5. 毎日2合以上に相当する飲酒をしている
  6. 味付けは濃いほうが好き
  7. 肥満体である
  8. 糖尿病にかかっている

がんのリスクを下げる条件

  1. 野菜を毎日小鉢で5皿以上食べている
  2. 果物を毎日1皿以上食べている
  3. 週2回以上息がはずむ程度の運動をしている
  4. コーヒーを毎日飲んでいる
  5. 大豆製品を毎日食べている
  6. 1日2回以上歯を磨いていいる
  7. 緑茶を毎日5杯以上飲んでいる

問診の点数(合計2点以上)が高いと、生活習慣を改善しないと、がんになったら長生きできない可能性が高い人なのだそうです。

がんのリスクを上げる条件

1.加齢

がん全般

2.家族歴

大腸がん乳がん・子宮体がん・卵巣がん・前立腺がんなど

3.4.喫煙

肺がん・胃がん・食道がん・肝臓ガンすい臓がん・口腔がん・膀胱がんなど

5.大量飲酒

肝臓がん・大腸がん・食道がん・乳癌(閉経後)・口腔がんなど

※1日1合以内に抑える

6.濃い味

胃がん

7.肥満

乳癌(閉経後)・肝臓がん・大腸がん

8.糖尿病

肝臓がん

がんのリスクを下げる条件

1.野菜

食道ガン・胃がん

 

2.果物

食道ガン・肺がん・胃がん

 

3.運動

大腸ガン・乳癌(閉経後)・子宮体がん

4.コーヒー

肝臓がん

※カフェイン以外のコーヒー特有の成分が関係していると考えられる

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5.大豆

乳癌・前立腺がん

6.歯磨き

食道ガン・咽頭癌・口腔がん

※がん発生にかかわる物質を作る常在菌を洗い流すため

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7.緑茶

胃がん(女性)







2012年に「がん」と診断された人は約86万人|11年よりも1万4000人増加

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by Nicolas Alejandro(画像:Creative Commons)

> 健康・美容チェック > がん > 2012年に「がん」と診断された人は約86万人|11年よりも1万4000人増加

【目次】




■2012年に「がん」と診断された人は約86万人

がん患者、12年86万5238人に増加 男性の大腸がん急増

(2016/6/29、日本経済新聞)

国立がん研究センターによる全国47都道府県のがん患者数の最新データによれば、2012年にがんと診断された人は約86万人と過去最多だったそうです。

国立がん研究センターによれば高齢化の進行が原因としています。

推計値と実測値(47都道府県単純合計値)の比較 グラフ

参考画像:日本のがん罹患数・率の最新全国推計値公表2012年がん罹患数86.5万人|国立がん研究センタープレスリリース(2016/6/29)

■男性では大腸がんの患者が急増

男性では、11年に4位だった大腸がんの患者が急増して2位となった。

<中略>

部位別にみると、男性が胃、大腸、肺、前立腺、肝臓の順になった。前立腺がんは増勢が止まったものの、大腸がんが増えている。女性は乳房、大腸、胃、肺、子宮の順で11年と同じだった。

男性のがん、「大腸がん」が初の1位、「胃がん」を抜き(2015/8/4)で紹介した国立がん研究センターが公表した「がん診療連携拠点病院」(409施設)の2013年の診療実績によれば、男性の部位別症例数では、大腸がんが初めて1位になっており、今回の記事を合わせても、男性の大腸がんが増えていることがわかります。

がん診療連携拠点病院」(409施設)の2013年の診療実績による部位別症例数のデータは次の通り。

【日本の男性】

  1. 大腸がん
  2. 胃がん
  3. 前立腺がん
  4. 肺がん

【女性】

  1. 乳がん
  2. 大腸がん
  3. 肺がん
  4. 胃がん




■がんの種類に地域差がある

がんの種類によって罹患率に地域差があり、胃がんは東北地方や日本海側で高い傾向にあることも分かった。肝がんは西日本で高い傾向がみられた。乳がんは東京で非常に高かった。

●胃がん

胃がん

参考画像:日本のがん罹患(りかん)数・率の最新推計値公開|国立がん研究センタープレスリリース

以前も取り上げましたが、なぜ胃がん患者は日本海側で多い傾向にあるのか?で紹介した国立がん研究センターによるがんと診断された患者数の都道府県別の推計値によれば、「胃がん」は、特に地域の特徴が顕著に現れており、日本海側の県で平均よりも多い傾向にありました。

なぜ、胃がん患者は日本海側で多い傾向にあるのでしょうか?

理由としては、今回の記事によれば、食塩の摂取量といった食生活が関係しているのではないかということでしたが、一番大きな要因はピロリ菌を持っているからではないでしょうか。

胃がんの原因としては、最近の研究によって、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が大きく関わっているのではないかと考えられています。

ピロリ菌感染者6000万人!|あさイチ(NHK)によれば、胃がん患者の98パーセントがピロリ菌の感染者であったという調査結果があるそうです。(もちろん、ピロリ菌感染者が必ず胃がんになるわけではありません。)

もしかすると、日本海側ではピロリ菌に感染しやすい環境、例えば、ピロリ菌感染者の親が口をつけた食べ物を子供に与える習慣を持つ家庭が多い、ピロリ菌がいる井戸水を使用していたりといったことがあるのかもしれません。

→ 胃がん|胃がんの症状・原因 について詳しくはこちら

●肝がん

肝がん

参考画像:日本のがん罹患(りかん)数・率の最新推計値公開|国立がん研究センタープレスリリース

肝臓がんは近畿以西の西日本に多い傾向があります。

肝臓がんになるほとんどの原因はウイルス性肝炎(B型肝炎・C型肝炎)から肝硬変になったものであるため、肝臓がんの予防するためには、肝硬変になる前に、肝炎ウイルス検査や肝機能検査を行ない、肝炎を早期に発見し、治療を行うことが第一です。

また、糖尿病の人はそうでない人に比べて、肝臓ガンになるリスクは1.97倍高いそうです。

→ 肝臓がん について詳しくはこちら

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●乳がん

乳がんは東京で非常に多かったそうですが、乳がんが高くなる要因に当てはまる人が多いのかもしれません。

乳がんリスクが高くなる要因

  • 初潮が早い(11歳以下)
  • 閉経が遅い(54歳以上)
  • 初産年齢が高い(30歳以上)
  • 妊娠・出産歴がない
  • 授乳歴がない
  • 祖母、親、子、姉妹に乳がんの人がいる
  • 肥満度が高い(閉経後)
  • 喫煙している
  • 大量に飲酒する習慣がある
  • 運動不足

→ 乳がんの症状・原因・ステージ分類・検査・予防法 について詳しくはこちら







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がん患者、初の100万人超 死亡は37万人 16年予測|国立がん研究センター

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by Guilhem Vellut(画像:Creative Commons)




がん患者、初の100万人超=16年予測、死亡は37万人―がんセンター

(2016/7/15、時事通信)

同センターが過去の患者数や推計人口を基に予測した。発症は男性が57万6100人で、女性が43万4100人。部位別では大腸がんが14万7200人と最も多く、胃がん肺がんが13万人台で続く。前立腺がん、乳がんもそれぞれ9万人を超えるとみられる。

 死亡では肺がんが7万7300人と最多。男性が約7割を占め、喫煙者の割合が多い団塊の世代の高齢化が影響しているとみられる。次いで大腸がん、胃がん、膵臓(すいぞう)がん肝臓がんが多くなりそうという。

国立がん研究センターによれば、今年新たにがんと診断される患者は101万200人で、死亡する患者は37万4000人に上るとの予測を発表しました。

このデータを昨年の予測と比べてみましょう。

がんにかかる人、今年の予測は98万人 大腸がんが1位|国立がん研究センター(2015/4/28)

部位別では大腸がんが13万5800人で最も多く、肺がん13万3500人、胃がん13万3000人、前立腺がん9万8400人、乳がん8万9400人の順。

死亡者数の予測は37万900人で昨年の推計値より約4千人増えた。部位別では、肺がんが最多で7万7200人、大腸がん5万600人、胃がん4万9400人、膵臓(すいぞう)がん3万2800人、肝臓がん2万8900人の順だった。

1年前は、部位別で3位だった大腸がんが、胃がんや肺がんを抜いて一位になることが大きなニュースになりましたが、今年の予測は今年新たにがんと診断される患者が100万を超えることが大きなことで、その他は昨年と大きな違いはないようです。

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コホート研究|葉酸とうつ|前立腺がんと薄毛|ほくろの数と乳がん|脈拍と糖尿病|ヨーグルトと糖尿病|ヤセと認知症|#世界一受けたい授業

Nurse

by Walt Stoneburner(画像:Creative Commons)




2015年9月5日放送の世界一受けたい授業のテーマは「コホート研究でわかったこと」です。

解説 池谷敏郎先生

 

■コホート研究とは

精神保健疫学・コホート研究|国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神保健計画研究部

コホート研究とは、疫学研究の中でも、特定の集団(コホート)を対象として長期的に経過を追跡する調査手法のことを言います。

特定の集団を長期的に追跡調査する手法をコホート研究といいます。

■葉酸が自殺の原因となるうつに効果的

食事パターンと自殺との関連について|多目的コホート研究

今回の研究では、男女ともに、野菜や果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海そう類、脂の多い魚、緑茶などが関連した健康型食事パターンにより自殺のリスクが低下するという結果が得られました。この理由として、この食事パターンのスコアが高い群では、葉酸や抗酸化ビタミン(ビタミンCやカロテン)の摂取が多いことによると考えられます。葉酸や抗酸化ビタミンは、自殺の危険因子として知られているうつに対して予防的に働くことが報告されており、食事パターンとして総合的にみることで、これらの栄養素の相乗効果も期待できます。

→ 葉酸とは|葉酸の多い食べ物・葉酸の効果・妊娠と葉酸 について詳しくはこちら

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■前立腺がんと薄毛に関連がある

アメリカの国立がん研究所による調査によれば、薄毛(おでこが後退し、頭頂部が薄い)だと、前立腺がんの発症する確率が39%アップするそうです。

男性ホルモンと前立腺がんに関係していることが考えられます。

→ 薄毛・抜け毛の原因・対策・予防 について詳しくはこちら

 

■ほくろの数が多いと、乳がんリスクが高くなる!?

アメリカの看護師7万人を調査した結果、腕に3ミリ以上のほくろが15個以上ある場合は35%乳がんリスクが高くなるそうです。

→ 乳がんの症状・原因・検査・予防法 について詳しくはこちら

 

■脈拍の速い人は糖尿病になりやすい!?

脈拍の正常値は50から100回なのですが、100回を超えると糖尿病リスクが23%高くなるそうです。

→ 糖尿病 について詳しくはこちら

 

■ヨーグルトを食べると糖尿病になりにくい!?
  • ヨーグルトをスプーン2杯半食べるだけでリスクが下がる
  • ヨーグルトの乳清(汁のようなもの)は捨てないようにする
  • 食事前に食べると、血糖値の上昇を抑えてくれる

→ 血糖値(正常値・食後血糖値・空腹時血糖値)・血糖値を下げる食品 について詳しくはこちら

 

■痩せている人が認知症になりやすい!?

BMI(肥満度)が20以上の人と20未満の人を比べると、35%も違うそうです。

肥満度を表現する指標として体格指数=BMIが用いられます。

BMI(body mass index)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

BMI22が基準で、BMI25以上を肥満とされています。

→ 認知症の症状|認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

 

■標高が高いところに住んでいると肥満になりにくい!?

A:124m未満 B:455m未満 C:456m以上

AとBは肥満になり、Cは体型が変わらなかった

→ 肥満 について詳しくはこちら







がんにかかる人、今年の予測は98万人 大腸がんが1位|国立がん研究センター




国立がん研究センターの予測によれば、今年国内でがんにかかる人が98万人となる予測で、部位別では、昨年3位だった大腸がんが、胃がんや肺がんを抜いて一位になるそうです。

昨年1位だった胃がんが相対的に伸び率が低く、順位が変わった。センターは、衛生状態が良くなり胃がんの原因となるピロリ菌の感染率が下がっていることが主な理由とみている。

胃がんの原因となるピロリ菌の感染率が下がっていることによって胃がんの順位が低くなったと考えられるそうです。

死亡者数の予測は37万900人で昨年の推計値より約4千人増えた。部位別では、肺がんが最多で7万7200人、大腸がん5万600人、胃がん4万9400人、膵臓(すいぞう)がん3万2800人、肝臓がん2万8900人の順だった。

すい臓がん肝臓がんは発見が遅れやすいということが原因なのかもしれません。

【追記(2015/4/29)】

がん患者、高齢化で「大腸」1位に…15年予測

(2015/4/29、読売新聞)

同センターによると、大腸がんの増加は主に高齢化の影響で、肺がんは、喫煙率が最も高かった1960年代に20~30代だった男性が高齢になり、発症が増えたためという。胃がんが3位になったのは、原因の一つとなるピロリ菌の感染者数の減少によるとみられる。

肺がんの発症が増えているのは、喫煙率が高かった年代の男性が高齢になっていることが関係しているようです。

ただ、高齢化の影響は全体に及ぶと考えられるので、大腸がんの増加は別のところにあるのではないのでしょうか。

例えば、この年代から食習慣が変わってきている、仕事の働き方・ライフスタイルが変わってきている、などです。

1975年型食事が健康によい!?|世界一受けたい授業 4月25日によれば、2000年代は脂質が多くなってくるのですが、肉を多く食べると大腸がんになるリスクが高いによれば、肉を多く食べる日本人は大腸がんになるリスクが高いことが、約8万人を対象にした約10年におよぶ国立がん研究センターの追跡調査でわかっています。

また、長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいで紹介したアメリカン・ジャーナル・オブ・エピデミオロジー誌に発表された研究によると、デスクワーク(長時間椅子に座ったままでの仕事など)は大腸がんのリスクを増加させる可能性があるそうです。

その他にも、糖尿病の人の大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いによれば、日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会の報告では、糖尿病の人はそうでない人に比べて大腸がんになるリスクは1.4倍なのだそうです。

糖尿病の患者数の増加に伴い、大腸がんになる人も増えていると考えられないでしょうか。

どのようなことが関係するのか、ぜひ知りたいですね。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

 → 大腸がん危険度チェック について詳しくはこちら