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なぜ農業者は長寿なのか?|「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明|早稲田大学




■なぜ農業者は長寿なのか?|「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明|早稲田大学

2012 田植え

by na0905(画像:Creative Commons)

「ピンピンコロリ」農業者は長寿で元気 国内初「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明

(2017/6/28、早稲田大学)

①自営農業者男女の際立つ寿命の長さであり、それ以外の人との差は男性が特に大きい。

②仕事の従事期間の長さでは男女ともに自営農業従事の長いことが特徴的であり、それが健康寿命の延伸化に貢献していると理解できる。

③自営農業者の引退年齢は男女ともに高齢時期を挙げ、それ以外の人の多くが定年退職の年齢を引退年齢として挙げているのとは異なる。自営農業者は70歳代前半まで健康に仕事に従事していたことが示唆されている。

④自営農業者の引退後の余命は農業者以外の人と比べ男女ともに短い。

早稲田大学の堀口健治名誉教授、弦間正彦教授は、2016年4月に自営農業者の医療費は、それ以外の人に比べ3割程度少ないとの調査結果を発表していましたが、今回の調査により、自営農業者は寿命が長く、また死亡年齢と健康寿命の差が短いことから、いわゆる「ピンピンコロリ」の特徴が示されています。

農家は長寿か:農業と疾病・健康との関係に関する統計分析によれば、農業者の方が非農業者よりも長寿であるということが推し量ることができるそうです。

最後に60歳以上を対象に死因別の分析を行うと(第3図),農業者の割合が増えると,老衰と循環器疾患(心筋梗塞や脳卒中など)による死亡率が下がることがわかります。

【参考リンク】




■まとめ

日本の健康寿命は世界一
日本の健康寿命は世界一

参考画像:スライド15|不安な個人、立ちすくむ国家(平成29年5月、次官・若手プロジェクト)|スクリーンショット

日本の健康寿命は世界一で、今回の研究によれば、農業者は健康寿命の期間が長いそうです。

気になるところは、なぜ農業者のほうが非農業者よりも長寿なのか?(要因は働き方にあるのか、体を動かすことにあるのか、食生活か、それともストレスが関係しているのかなど)という点です。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

そこで、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるというのが今注目されている考え方です。

もしかすると、農業者は、農業に携わるということを通じて、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといったフレイルになる前の状態で食い止めているのかもしれません。

例えば、【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!によれば、長時間同じ姿勢のままでいる=「耳石があまり動かないこと」が全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起こしてしまうということがわかったと紹介しました。

このことは「農業」が直接関係していることを示すものではなく、長時間同じ姿勢でいないことが健康にとって大事だということを示すものですが、現代人のライフスタイルが長時間同じ姿勢でいることにより不健康になっており、農業者のように体を動かすことが健康にとって良いことだということを示す一つの理由にはなりそうです。

また、自営農業者は定年年齢が高いことによって社会交流が減少しづらいことも今回のことに関わっているかもしれません。

第2の人生で農業を選ぶという選択が長寿の秘訣となる日が来るかもしれませんね。







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「少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンス(医療・介護など)になる!」と発想を転換してみない?




【目次】

■少子高齢化による高齢化社会

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

Population of Japan|日本の人口ピラミッド
Population of Japan|日本の人口ピラミッド

参考画像:Population of Japan|PopulationPyramid.net

2045年の人口ピラミッドを70-74歳代が最も多く、その下の若い世代はどんどん少なくなっていくと予想されます。

高齢化社会をイメージする図としてよく紹介されるのがこのような図です。

2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。
2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。

参考画像: [将来の税はどうなるの?] 少子・高齢化|国税庁スクリーンショット

高齢者が増えて子供が少なくなってしまう少子高齢化になると、その生活を支えることができなくなるとしてよくこのような図が紹介されます。

確かに、高齢者が増えると、税金が使われる医療、年金、介護などに必要なお金が増えます。

このブログでも、医療費が増加傾向にあることや国民皆保険が持続不能だと医師が答えたというニュース、75歳以上同士の「老老介護」初の30%超のニュース、老後のお金に対する不安のニュースなどに高齢化社会のネガティブな面についてこれまで取り上げてきました。

しかし、その一方で高齢化社会に対して、健康でいる期間を増やすことに取り組むといった明るい兆しのあるニュースも取り上げてきました。




■少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンスになる!?

Chance Cards

by Rich Brooks(画像:Creative Commons)

そして、もう一つの考え方として、高齢化社会をチャンスととらえようという動きも出ています。

例えば、大人用紙オムツの売上が子供用オムツの売上を追い抜いた!?|日本の紙おむつが国際規格化|高齢化社会がビジネスチャンスに変わる!?によれば、大人用紙おむつの評価方法に関する規格「ISO15621尿吸収用具―評価に関する一般的指針」が改訂し、欧米の「テープ止め型(体にテープで固定するタイプ)」ではなく、日本が提案する装着車の症状や生活環境に合わせたきめ細かい高齢者介護学科脳になるパンツ型やテープ止め型のおむつに吸着パッドを挿入するタイプなどを規格化されました。

つまり、世界に先行して高齢化社会に突入している日本は、医療費削減のアイデアやよりよい介護の方法を実行できる立場にあり、それらのやり方をスタンダードにすることができるというビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?

また、こうした考え方を発展させれば、人間と機械(人工知能・ロボット)と一体化して、人間の能力を強化・拡張していくことによって、未来の社会基盤を構築していくことにもつながると思います。

この考え方は、ヒューマンオーグメンテーション(Human Augmentation)という暦本純一さんが提唱するコンセプトで、人間とテクノロジー・人工知能が一体化することで、知覚、認知、身体、存在感の4つの分野で人間の能力を強化・拡張していくIoA(Internet of Abilities:能力のインターネット)という未来社会基盤の構築を視野に入れた、最先端の研究を体系化していく学問領域です。

【関連記事】

https://twitter.com/ochyai/status/863280246140698624で落合陽一さんはAIやロボットなど自動化技術によって、高齢化社会で成長する方法を提案しています。

自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する介護ロボットの開発・活用促進|現場ニーズに基づく介護ロボット開発支援
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参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最⼤化に向けて、⾼齢となっても⾃分らしく⽣きることの出来る「⽣涯現役社会」の実現に向けて、⾃⽴⽀援に向けた介護や質・⽣産性の⾼い介護の提供の実現が必要であるとして、ケアプラン作成を⽀援するAI(人工知能)や介護現場のニーズに基づいた介護ロボット(センサー含む)を開発・活⽤が必要になるとあります。

高齢化社会をベースにすると発想を転換すると、それに合わせたテクノロジーが生まれることによって、もしかすると、若者にとっても過ごしやすい社会になるかもしれませんし、すでにそうした兆しも見えています。

少子高齢化こそ新しいものを生み出すチャンスととらえると、また違った世界が見えてくるかもしれませんね。

The reasonable man adapts himself to the world; the unreasonable one persists in trying to adapt the world to himself. Therefore all progress depends on the unreasonable man.

- George Bernard Shaw (バーナード・ショー) -

理性的な人間(物わかりのいい人)は自分自身を世界に適応させる。
非理性的な人間(わからず屋)は世界を自分自身に適応させようと固執する。
それゆえに、すべての進歩は非理性的な人間のおかげである。

そして、少子高齢化問題における複数の問題を解決するためには、任天堂の宮本茂さんのような発想が役立つのではないでしょうか?

アイデアというのはなにか

(2007/8/31、ほぼ日)

「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」

問題となっている事象の根源を辿っていくと、
いくつもの別の症状に見える問題が
じつは根っこでつながってることがあったり、
ひとつを変えると、
一見つながりが見えなかった
別のところにも影響があって、
いろんな問題がいっしょになくなったりする。

一つの問題を解決しようとすると、「あちらを立てればこちらが立たず」というようなトレードオフの関係になってしまったり、問題の本質ではないものにフォーカスを当ててしまい、結局はまた問題が残ってしまうことがあります。

任天堂の宮本茂さんが生み出し、任天堂の岩田聡さんが広めたこの考え方を持つと見え方が変わってくるのではないでしょうか?







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「健康ポイント制度」に医療費を抑制する効果があることが初めて実証される




■「健康ポイント制度」に医療費を抑制する効果があることが初めて実証される

02a.Run.Start.AIDSWalk.WDC.26October2013

by Elvert Barnes(画像:Creative Commons)

健康ポイント制度で医療費抑制効果 初の実証

(2016/12/8、NHK)

健康ポイント制度は、運動や検診などを行った人がポイントを受け取って商品券などに交換する制度で、スポーツで住民の健康を増進し、医療費も削減しようと導入する自治体が増えています。

この健康ポイントの効果を探ろうと、国はおととしから6つの自治体を対象に調査を行っていて、これまでに運動への無関心層を掘り起こす一定の効果が確認されています。

さらに、参加した40代以上のおよそ1700人の昨年度1年間の医療費について、参加しなかった人と比べた結果、1人当たりおよそ4万3000円を抑えたことが新たにわかり、医療費抑制の効果が初めて実証されました。

運動や検診など健康づくりに取り組んだ人がポイントを受け取って商品券などに交換する「健康ポイント制度」に、医療費を抑制する効果があることが初めて実証されたそうです。

【参考リンク】

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)でも、予防・健康づくり等に向けた加⼊者の⾏動変容を促す保険者の取り組みを推進するため、保険者に対するインセンティブを強化することが必要とあります。

アメリカでは、企業が同様の取り組みを行っており、社員割引でダイエット応援|従業員が健康を改善することで企業の医療費の削減につながる|米WHOLE FOODS MARKET(2009/12/9)によれば、減量や大幅な健康改善に成功した従業員に対し、報酬として社内販売の割引率をアップするという取り組みを行っていました。

アメリカでは多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているため、企業の医療費の削減するためにも、こうした取り組みは企業にとっても、従業員にとっても、大変良いことなのではないかと思っていました。

ただ、心配な点も一つあります。

「アンダーマイニング効果(面白いことでもお金稼ぎが目的になると楽しめなくなり、自発的なやる気が低下する)」を脳科学実験で確認|玉川大などで紹介した玉川大の松元健二准教授やドイツ・ミュンヘン大の村山航研究員らが行なった脳科学実験によれば、面白いことでもお金稼ぎが目的になると楽しめなくなり、自発的なやる気が低下することが、脳活動の変化として表れたそうです。

元々自発的に進んで行動していた(内発的動機づけに基づく行動)のに、その行動に対して報酬を与えられる(外発的動機づけ)と、やる気が減少してしまうということを「アンダーマイニング効果」というそうです。

健康づくりに取り組んだ人にポイントを与えるというのは、自発的に健康になろうと進んで行動していた人にとっては、報酬を与えられることによって、やる気が減少してしまうということはないのでしょうか。

それにしても、2015年度の医療費は41.5兆円|高齢化や抗がん剤などの高額な新薬が増えているによれば、高齢化や抗がん剤などの高額な新薬が増えていることによって、2015年度の医療費は昨年度に比べて3.8%増えて、41.5兆円となったそうで、今後も医療費は増えていく予想がされています。

医療費を削減するためにも、予防医療・予防医学に取り組んでいくことは今後重要になることは間違いありません。

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また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|サキドリ↑(NHK)によれば、福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験として、高齢者100人が参加して、5か月間実験したところ、実験に参加した多くの高齢者の要介護度が下がり、公的介護費用が削減するという結果になったそうです。

※「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のこと。

また、積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、定期検診などの予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

「健康ポイント制度」には、自発的に健康を維持しようとしていた人のモチベーションを下げてしまうのではないかという心配はありますが、全体的なことを考えると、少しずつ実証実験を行なってどのくらい生活習慣が改善されたのかを試しながら仕組みを改善していくといいですね。

→ 健康ゴールド免許|定期検診などの予防医療を導入することで、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながる について詳しくはこちら







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アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデア




■アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?

Ballet and MACS at Pleasantview Care Facility

by University of the Fraser Valley(画像:Creative Commons)

米国の働き盛り世代、非就業の最大の理由は「介護」

(2017/8/29、Forbes)

米ブルッキングス研究所のハミルトン・プロジェクトが8月17日に発表した報告書によると、米国では昨年、成人の3分の1以上が仕事に就いていなかった。さらに、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業していなかった。

米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、アメリカでは2016年、成人の3分の1(37.2%)以上が仕事に就いておらず、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業していないそうです。

【参考リンク】

なぜ25~54歳の「プライムエイジ(働き盛り世代)」の人々が仕事に就いていないのでしょうか?

これらの人たちの70%は仕事に就かない理由として、「(病気の家族などの)介護」や「障害があること」、「早期退職したこと」などを挙げている。最大の理由は女性が介護で、男性は障害があることだった。

仕事に就いていないのではなくて、女性の36%が介護を理由に仕事に就けないというのが正確な理由です。

アメリカの高齢化その課題と取り組み|ILC Japan(国際長寿センター)

・介護の需要に供給が追い付かず、米国のベビーブーマー世代(1945年から1964年にかけて誕生した世代で約7,280万人)が高齢化するにつれて、状況は悪化の一途をたどることになる。

・現状では、約140万人の高齢者がナーシングホームに入居しており、600万人近くが自宅で介護を受けている。必要な援助をまったく受けていない高齢者も多い。

・各種の研究によれば、週に平均2時間以上親の介護をする女性は、女性全般に比べて労働時間が43%少なくなっている。親の介護をする53~63歳の女性は、有償労働の時間を約70%削っている。その結果、中年者が老親のインフォーマルな介護とフルタイムの仕事を両立させることは難しい、という分析結果が出ている。

アメリカのベビーブーマー世代が高齢化するにつれて、介護の需要に供給が追い付かず、自宅で介護を受けており、親の介護をする結果、就労することができないというのが現状のようです。

就労できずに自宅で親の介護をしなければならない理由としては、必要な介護を受けるための経済的な仕組みが整っていないこと、介護を必要とする高齢者の増加、そして、介護を必要とする期間の長期化が挙げられています。

アメリカの家族介護者支援:現状と課題|立命館大学 人間科学研究所

高齢者が医療・健康サービスを利用する際の公的補助としては、高齢者医療保険のメディケアMedicareや低所得者への医療費扶助のメディケイドMedicaidがあるが、介護サービスに関してこれらは必ずしも十分な補助とならない。

65歳以上の国民であれば受給できるメディケアはそもそも介護サービスの利用分を適用外としているし(Binstock, Cluff, & Von Mering, 1996)、逆に介護サービスに適用できるメディケイドの支給は低所得者に限られるからである(Weiner, Tilly, & Alecxih, 2002)。

(補注:ただしメディケイドの歳出の60%から80%は高齢者による介護サービス利用によって占められており〔Weiner et al., 2002〕、在宅介護を重視した政策への転換はこの抑制を図ってのことである。)民間の保険会社が提供する介護保険long term care insuranceもあるものの、この高価な保険に加入可能な経済力をもつのは高齢者人口の20%に限られ、実際に利用しているのはそのなかの一部の人々だけである(Weiner, Illston, & Hanley, 1994)。

施設介護から在宅介護への政策転換によって地域・在宅サービスが充実化されたとしても、高齢者本人にとっても、またその家族にとっても、必要なすべての介護をそれらサービスによって賄うことは経済的に難しい。

その一方、介護を必要とする高齢者の数が増加し、またその高齢者が介護を必要とする期間は長期化している(Stone, 2006)。結果として家族による無償の介護に依存せざるをえなくなったのである。

高齢者医療保険のメディケア(MediCare)や低所得者への医療費扶助のメディケイド(Medicaid)では介護サービスに対する十分な補助とはならず、また民間の保険会社が提供する介護保険に加入できる人は効果であるため加入できる人は限られています。

そうした背景もあって、施設介護から在宅介護へと転換しているのですが、介護を必要とする高齢者の増加、介護期間の長期化により、家族による無償の介護という結果になっているのです。

しかし、このことは、経済における大きな損失を生み出しています。

アメリカの家族介護者支援:現状と課題|立命館大学 人間科学研究所

家族内で高齢者の主介護者役割を担うのは女性が圧倒的に多いが、アメリカにおいてフルタイムで働く女性の割合は7割にのぼる(U.S. Census Bureau, 2006)。就労する女性が介護責任を引き受けることで被る経済的損失は甚大である。

たとえば、家族介護者役割を引き受けた者が失う労働収入は平均566,500ドル(日本円にして約5,600万円)にもなり、昇進機会や年金への影響も考慮すれば生涯を通して659,000ドル(約6,500万円)の損失となる(Metlife, 1999)。

その一方、アメリカの全家族介護者が無償で提供した介護労働の総計を貨幣換算すると1年間で1,960億ドル(約19兆円相当)にのぼると試算されており、施設介護(830億ドル)や在宅介護(320億ドル)に費やされている金額をはるかに上回っている(NationalAcademy on Aging, 2000)。

女性が無償の介護を行なわずに就労していた場合の収入や年金を考えると、大きな損失を生んでいることがわかります。




■【補足】各国の医療保障制度

主要国の医療保障制度の概要|平成28年版厚生白書
主要国の医療保障制度の概要|平成28年版厚生白書

参考画像:主要国の医療保障制度の概要|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

主要国の医療保障制度の概要|平成28年版厚生白書によれば、日本やドイツ、フランスは社会保険方式を採用しており、英国やスウェーデンでは、保険料ではなく「税方式」による保健サービスを採用しており、アメリカでは、高齢者及び障害者に対するメディケアと一定の条件を満たす低所得者に対する公的扶助であるメディケイドによる対応を採用しています。

■介護にかかるお金はいくら?

親にいくら貯金があれば介護離職して良いか

(2018/2/12、東洋経済オンライン)

介護にかかるお金(介護保険でカバーされない自己負担部分)がいくらくらいになるのか、誰もが不安に思っています。これを実際のデータで見ると、バリアフリー化や介護ベッド、緊急対応の交通費や宿泊費といった初期費用(一時費用/自己負担)としてかかっているのは、平均で80万~90万円程度でした(この数字はバラツキが大きいため注意も必要です)。また、毎月かかっている費用(自己負担)は、平均で7万~8万円でした。

配偶者に介護が必要になった場合に想定される介護期間は平均169.4カ月(14年1カ月)なのだそうで、毎月の自己負担は平均7-8万円であるため、単純計算で約1186万-1355万円になり、これに初期費用を加えると、1266万-1445万円を準備して置く必要があるようです。

■働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデア

この問題には、なぜか女性が無償の介護を請け負わざることをえなければならないこと、介護サービスを受けるための経済的な仕組みが不足していること、介護を必要とする高齢者の増加と介護期間の長期化ということが隠されています。

75歳以上同士の「老老介護」初の30%超|65歳以上同士の「老老介護」は過去最高54%に|平成28年国民生活基礎調査によれば、日本でも介護をする側と介護を受ける側の両方が高齢者の組み合わせである「老老介護」が話題になっていますが、平成28年国民生活基礎調査で発表された、同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、60歳以上同士70.3%、65歳以上同士54.7%、75歳以上同士30.2%となっており、また年次推移でみると、上昇傾向にあるのがわかります。

この問題に対しては、他人事ではなく自分事として考えなければなりません。

●なぜか女性が無償の介護を請け負わざることをえなければならない

本来であれば、男性と女性がその役割を分け合うというのが必要だと思うのですが、家族内で高齢者の主介護者役割を担うのはなぜか女性が圧倒的に多いそうです。

この問題を解決するためには、テクノロジーを活用して、介護負担を軽くするということが必要になるのではないでしょうか。

●介護サービスを受けるための経済的な仕組みが不足している

老後保障と介護保障の十分な準備ができておらず老後生活の不安を抱えている|平成28年度生活保障に関する調査によれば、老後生活(老後保障)と介護(介護保障)となると、十分な準備ができておらず、不安を抱えているようです。

老後を夫婦2人で暮らしていく上で、「ゆとりある老後生活費」は月額34.9万円となっているのですが、老後保障・介護保障に関しては「充足感なし」と答えた人が7割を超えており、準備手段である個人年金保険の加入率や介護保険・介護特約の加入率をみても低水準であり、十分な準備ができていないことがうかがえます。

性別(男性・女性)・年齢階級別にみる悩みやストレスの原因からわかることで紹介した厚生労働省の平成13年 国民生活基礎調査の概況にある「性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因」によれば、男性は25歳~34歳のころから「将来・老後の収入」(第4位)についての悩みを抱えているようです。

老後に対する不安は、やはり金融や保険に関する知識不足が原因にあるのではないでしょうか?

金融リテラシーが低い人は老後の不安が多い!2つの理由|健康・お金のことを学ぶことが幸せな老後の秘訣|広島大学で紹介した広島大学大学院社会科学研究科の角谷快彦准教授とムスタファ・サイドゥ・ラヒム・カン研究助手が、大阪大学が約4,500人を対象としてアンケート調査から、複利や金利、リスク回避、国債などの質問の正答率で算出される金融リテラシーが、被験者の老後の生活不安の度合いにどのような影響を及ぼしているかを分析したところ、金融に詳しい人は老後に対する心配が少ない傾向があることがわかったそうです。

逆に考えると、金融に詳しくない人は老後に対する不安が多いということが言えそうです。

「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」

(2016/9/20、生命保険文化センター)

今回調査では、自分自身の金融や保険に関する知識がどの程度かを尋ねたが、「詳しい」の割合は、「金融に関する知識」で9.3%、「保険に関する知識」で9.2%となっており、いずれの知識についても「詳しくない」が7割強となっている。

生命保険文化センターによる「平成28年度 生活保障に関する調査(速報版)」によれば、金融・保険に関するいずれの知識についても「詳しくない」と答えた人が7割強となっています。

現役世代にとっては、金融・保険に関する知識を若いうちから身につけていくことが将来の自分の身を守る手段となるので、少しずつ勉強していきましょう。

●介護を必要とする高齢者の増加と介護期間の長期化

根本的な解決をするためには、介護を必要とする期間をいかに短くするかという対策を行なう必要があると思います。

●食事(栄養管理)

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

それでは、具体的にどのように対処したらよいのでしょうか?

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省

地域在住の 70 歳代の高齢者を 3 年間観察したところ、3 年間の除脂肪体重の減少が、登録時の総エネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量に依存し、五分位で最もエネルギー摂取量当たりのたんぱく質摂取量が多い群(平均91.0 g/日、1.2 g/kg体重/日)では、最も低い群(平均56.0 g/日、0.8 g/kg 体重/日)に比較し、交絡因子で調整後においても除脂肪体重の減少が 40% 抑制されていた 39)。

また、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは 3 年後の筋力の低下と関連し 40)、さらに高齢女性の 3 年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されている 41)。

日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされている 42)。

39)Houston DK, Nicklas BJ, Ding J, et al. Health ABC Study. Dietary protein intake is associated with lean mass change in older, community-dwelling adults : the Health, Aging, and Body Composition (Health ABC) Study. Am J Clin Nutr 2008; 87 : 150─5.
40)Bartali B, Frongillo EA, Stipanuk MH, et al. Protein intake and muscle strength in older persons : does inflammation matter? J Am Geriatr Soc 2012 ; 60: 480─4.
41)Beasley JM, LaCroix AZ, Neuhouser ML, et al. Protein intake and incident frailty in the Women’s Health Initiative observational study. J Am Geriatr Soc 2010 ; 58: 1063─71.
42)Kobayashi S, Asakura K, Suga H, et al. High protein intake is associated with low prevalence of frailty among old Japanese women: a multicenter cross-sectional study. Nutr J 2013; 12: 164

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

つまりは、中高年(メタボ対策)から高齢者(フレイル対応)への食習慣の移行ができていないために低栄養になってしまっていると考えられます。

低栄養はタンパク質が不足したことで起こると考えられますが、●たんぱく質(アルブミン)不足を予防するには、肉を食べるとよいそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?で紹介した熊谷修教授(人間総合科学大学人間科学部)によれば、肉をよく食べてアルブミンを上げたグループはほとんど食べないグループに比べて死亡リスクが低いそうです。

また、アルブミン値を上げるためには、鶏のささみよりも牛肉のほうが良いそうです。

それは、牛肉に含まれる「飽和脂肪酸(アルブミンを作り出すエネルギーとなる)」を一緒に摂ることができるからなのだそうです。

お肉を選ぶ場合には、脂身のある肉(豚肉やもも肉)のほうが良いそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?によれば、「15の食生活指針」に沿った食生活を実践してもらったところ、アルブミンは増加し、血色素の低下も見られなり、つまり、栄養改善の効果があらわれたそうです。

  1. 3食のバランスをよくとり、食事を抜かずにきちんと食べましょう。
  2. 油脂類の摂取が不足しないようにしましょう。
  3. 肉、魚、乳製品、卵などの動物性たんぱく質を十分に食べましょう。
  4. 肉と魚の摂取は1:1の割合にしましょう。
  5. いろいろな種類の肉を食べましょう。
  6. 牛乳は毎日200ml以上飲むようにしましょう。
  7. 野菜は緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)や根菜(大根、ごぼう、いもなど)など、いろいろな種類を毎日食べるようにしましょう。
  8. 食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯の量を減らしましょう。
  9. いろいろな調理のしかたや、食品の正しい保存法を覚えましょう。
  10. 酢、香辛料、香り野菜(ねぎ、にんにくなど)を十分に取り入れましょう。
  11. 調味料を上手に使い、おいしく食べましょう。
  12. 和風、中華風、洋風といろいろな料理を食べましょう。
  13. 家族や友人との会食の機会をたくさんつくりましょう。
  14. 噛む力を維持するために、義歯は定期的に点検をしましょう。
  15. 「元気」のための健康情報をすすんで取り入れましょう。

※2から6までの5項目が、低栄養を防ぐための動物性食品や油脂類の摂り方に関する項目です。

お肉はタンパク質が豊富で、実はバランス栄養食品です。

野菜よりも鉄分が豊富で、かつ肉は野菜より鉄分の吸収率が5から10倍高い。

またビタミンも豊富で、特にビタミンB1は豚ヒレ肉100gでレモンの17倍含んでいるそうです。

さらにミネラルも豊富なのだそうです。

→ アミノ酸の多い食べ物・食品|アミノ酸を効果的に摂取するにはアミノ酸スコアを知ろう!

ただ、あなたやあなたの家族の食事をどのようにチェックしたらよいかわからない人もいると思います。

そこで、最近取り上げられているのが、「10食品群チェックシート」です。

「10食品群チェックシート」は、様々な種類の食材が摂れているかをチェックするシートです。

  • 牛乳(チーズなど乳製品)
  • 大豆
  • 緑黄色野菜
  • 果物
  • 海藻

10食品群チェックシート|PDF(NHKチョイス@病気になった時)

http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/pdf/160430.pdf

10品目チェックシート|PDF(NHKためしてガッテン)

http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/10hinmoku.pdf

【関連記事】

●口腔ケア・食事(食べ方)

●オーラルフレイル

オーラルフレイルを知って健康寿命を延ばそう|自分の歯が多く保たれている人は、健康寿命が長く、要介護期間が短い|東北大学によれば、東北大学の松山祐輔歯科医師が行なった研究によれば、自分の歯が多く保たれている人は、寿命が長いだけではなく、健康寿命(日常生活に制限のない期間)が長く、要介護でいる期間が短いことがわかったそうです。

食べこぼしやわずかなむせ、噛めない食品の増加というのは一つ一つを見るとささいなことですが、こうした症状が合わさって起こるということは口腔機能の低下のサインであり、オーラルフレイルという口腔機能低下を含む身体の衰えの一つです。

オーラルフレイルについて調べていたところ、「オーラルフレイル仮説」という考え方があることを見つけました。

オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)
オーラルフレイル仮説(前フレイル期・オーラルフレイル期・サルコ・ロコモ期・フレイル期)

参考画像:食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)|スクリーンショット

食(栄養)および口腔機能に着目した加齢症候群の概念の確立と介護予防(虚弱化予防)から要介護状態に至る口腔機能支援等の包括的対策の構築および検証を目的とした調査研究(2015年3月、東京大学 高齢社会総合研究機構)によれば、オーラルフレイル仮説とは「前フレイル期」「オーラル・フレイル期」「サルコ・ロコモ期」「フレイル期」と4つのフェーズ(段階)に分かれていて、フェーズが移行するに伴い、QOLの低下・日常生活機能の低下、病気にかかりやすくなる、服薬する薬の種類が増えていくという考え方です。

ポイントとなるのは、第1期の「前フレイル期」と第2期の「オーラル・フレイル期」の段階で、歯磨きをしっかり行う、歯科医院に定期的に通ってチェックしてもらうなどいかに対策を行なっていくかということです。

この考え方が浸透すれば、定期的な歯科医院でのチェックで、サルコペニアやロコモティブシンドローム、フレイルに移行する前に、何らかの対策が必要であることを促すという流れができることにより、要介護状態になることを防ぐことができるようになるかもしれません。

●嚥下障害

要介護者の約6割に咀嚼や嚥下に問題がある|嚥下障害チェックテスト・嚥下障害対策(健口体操・嚥下体操)で紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の約6割に咀嚼(そしゃく。かむこと)や嚥下(えんげ。飲み込むこと)に問題があるそうです。

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサインとは?によれば、厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

高齢者にとって肺炎は怖い病気であり、肺炎を引き起こす原因としては、「嚥下障害(えんげしょうがい)」によって起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が挙げられます。

誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことですが、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあるため、気づきにくいです。

寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となります。

そのため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になります。

1.口腔ケア

口の中の細菌を繁殖させないようにするために、歯磨き(入れ歯の人は入れ歯の洗浄)で口の中を清潔に保ちましょう。

また、唾液の分泌が減ると、口が乾きやすくなり、雑菌だらけの唾液が肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすおそれがあるので、唾液の分泌をうながすようにしましょう。

唾液がよく出る健口体操

童謡の「むすんでひらいて」に合わせて口を動かす

「むすんで ひらいて ベロを出して むすんで

またひらいて ベロ出して そのベロを鼻に

ベロを右に ベロを左 ベロをぐるぐる回します」

また、ドライマウスにも気を付けましょう。

2.誤嚥を防ぐ対策(嚥下反射を改善する嚥下障害対策)

●胃液の逆流を防ぐ

嚥下障害と誤嚥性肺炎

ゲップや胸焼けなどがある場合は、胃液の逆流が起こりえます。その場合、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できます。

誤嚥予防のために、食後すぐに横にならずに、2時間程度座った姿勢を保つことで、胃液の逆流を防ぎましょう。

→ 逆流性食道炎の症状・原因・治し方・食事 について詳しくはこちら

【関連記事】

嚥下体操

嚥下反射を改善させるために、嚥下体操を行ないましょう。

(1)腹式呼吸

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐きます。

吸うのを4回、吐くのを8回。

(2)首の体操

  1. 前に後ろに動かします。
  2. 右に左に動かします。
  3. 首筋を伸ばします。

(3)肩の体操・腕の体操

肩をゆっくり上げてそのままにして、ストンと落とす。

片方の腕を上げて、もう片方の手で引っ張ります。

(4)発音練習

唇を使って、「ぱっ・ぱっ・ぱっ」「まっ・まっ・まっ」と発音し、舌を使って「たっ・たっ・たっ」「らっ・らっ・らっ」と発音します。

【参考リンク】

●運動

ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法によれば、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)とは、運動器の障害のために要介護となる危険の高い状態のことをいいます。

加齢による筋力やバランス能力の低下によって、ロコモティブシンドロームになっているそうです。

ロコモティブシンドロームを予防するには、どうしたらよいのでしょうか。

ロコモティブシンドロームの考え方は、痛みに対する治療だけでは不十分で、筋力強化なども併せて運動の状態を向上させ、QOL(生活の質)を保つことを目指す。

それが、介護予防にもつながる。

痛みに対する治療だけでなく、日頃から筋力を強化することで運動の状態を維持していくことが、大事なようです。

毎日運動している人としていない人との間には体力に大きな差がある!?|2014年度体力・運動能力調査で紹介したスポーツ庁の2014年度体力・運動能力調査によれば、高齢者(65~79歳)で、ほとんど毎日運動している人と運動をしない人では、体力に大きな差があることがわかりました。

記事の中には、ロコモティブシンドロームの予防に取り組む目安の五項目が紹介されています。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

日本整形外科学会は、予防に取り組む目安として五項目を紹介している。

片脚立ちで靴下がはけない
▽階段を上るのに手すりが必要
▽横断歩道を青信号で渡りきれない
▽十五分くらい続けて歩けない
▽家の中でつまずいたり滑ったりする-。

この5項目のうち、一つでも当てはまる人は、ロコモティブシンドロームを予防するロコモーショントレーニングを薦めているそうです。

『要介護』招く運動器症候群 ロコモティブシンドローム

(2009/8/14、東京新聞)

効率よく筋力強化ができるのが目を開けての「片脚立ち」。

松井医長によると、片脚立ちは両脚立ちに比べ二・七五倍の負荷がかかり、一日三回、左右一分間の片脚立ちは、約五十三分間の歩行に相当するという。

支えが必要なら、机に手をついて行ってもよい。

「スクワット」はお尻を低く下ろせばより筋力が鍛えられるが、継続するには浅い角度の方が安全だ。

脚はかかとから三〇度くらい外側に開き、体重が脚の裏の中央にかかるように意識する。

現在の筋肉を維持しようという人がウォーキングだけをしても、筋肉は衰えていってしまいます。

筋肉を衰えさせないためにも、筋トレが必要。

ロコモティブシンドロームを予防するトレーニングとして紹介されているのは、「片脚立ち」と「スクワット」です。

片手だけまたは手を使わずに床に座ったり立ったりできる人は長生きできる?によれば、中高年で床に座ったり立ったりが片手だけで、または手を使わずにできる人は筋骨格がしっかりしており、それができない人に比べて長い寿命が期待できるそうです。

また、おすすめなのが「スロトレ」。

スロトレは、軽い負荷でありながらも、、すべての動作を“ゆっくり、止めずに、連続して行う”ことで筋肉が力を発揮している時間を引き延ばし休ませないため、筋肉量が増えるのに効果的なトレーニング方法です。







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#Intel はヘルスケア分野でどう取り組んでいくか?|#インテル の5つの重点分野(#AI #IoT #5G #自動運転 #ヘルスケア)




■インテルの5つの重点分野(AI・IoT・5G・自動運転・ヘルスケア)

What is 5G? | Intel Business
What is 5G? | Intel Business

参考画像:What is 5G? | Intel Business|YouTubeスクリーンショット

なぜIntelはヘルスケアに注力するのか

(2018/1/3、マイナビニュース)

Intelが将来の重点分野として掲げているのが「AI・機械学習」「IoT」「5G」「自動運転」「ヘルスケア(ライフサイエンス)」の5つです。

それぞれの分野は別の分野のように見えて、それぞれが結びついています。

ヘルスケア分野についても、AIが医師に疾病に対する知見を提供したり、画像やゲノムのスクリーニングデータから疾病の早期発見を可能とするといった動きや、新薬開発の効率化、といった取り組みなども進められるなど、活用が進むほか、ウェアラブル機器によるバイタルサインの取得や、そのデータを5Gを用いて送信といったように、ほかの重点分野の技術をも内包する形で、事業強化が図られている。

ヘルスケア分野でいえば、「AI」が医師に対して病気に対する支援を行なったり、画像や遺伝子のデータから病気の早期発見を目指していたり、「IoT」においてはウェアラブルデバイスでバイタルサインを取得し、病気の治療・予防に活かす研究がおこなわれていたり、「5G」では、センサーを活用し、リモート環境での心拍数や血圧値のモニタリングによって健康を管理したり、映像を活用して遠隔診断をするといった遠隔医療が可能になるだけでなく、映像配信やロボティクス、AR/VRを使用して、外科医が離れた場所から手術を行う遠隔手術に活用される可能性が期待されます。




■Intelはヘルスケア分野でどう取り組んでいくか?

インテルがヘルスケア分野の課題解決に貢献する事業展開をPR

(2017/12/11、innavinet)

インテルでは,このほかにもプレシジョン・メディシンに向け,医療データや日常生活から得られる健康データなどのビッグデータをクラウド上で管理し,個人が自ら健康管理を行ったり,予防医療や創薬などにデータを活用できる基盤にも技術を提供していく。

ゲノム解析が一般的なものになった時、AIが過去の文献や医学論文、データベースを探索するようになる!?によれば、現在では、抗がん剤を使用する前に、ゲノム情報を活用してどのような薬が効くのかを事前に調べて投与する「Precision Medicine(プレシジョンメディシン)」に注目が集まっていますが、インテルでは、プレシジョン・メディシンのために、医療データや健康データなどのビッグデータを管理したり、予防医療や創薬などに活用できる基盤にも技術を提供していくそうです。

What is 5G? | Intel Business

Intelによれば、世界的に医療費の支払いが問題になっていることが背景として挙げられるそうです。

背景には、世界的に医療費の支払いが問題になってきており、変革が求められるようになっていることが挙げられる。例えば、米国合衆国保健福祉省(United States Department of Health and Human Services:HHS)は、ヘルスケアに関する資源利用として、高齢者および障害者向け公的医療保険制度であるメディケアの支払いを、量ではなく、質へと転換していこうという流れを示している。これは、患者の入院に関して、定められた品質計測方法で計測したヘルスケアデータとして、The Centers for Medicare & Medicaid Services(CMS)に提供することともに公表することと引き換えに、若干高めの支払いを受ける、というもので、簡単に言うと、医療報酬を1回あたりの診療に支払うのではなく、そこで生み出されたトータルのエピソードに対して支払うというモデルとなっている。

2016年度(平成28年度)の医療費は41.3兆円|診療報酬改定で薬価が引き下げられたことやジェネリック医薬品の使用割合が増えたことが医療費減少の要因によれば、高齢化や医療技術の高度化は年々進んでいるため、今後も医療費の増加が予想されます。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることにで紹介した厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

このように考えると、ある業界だけ、自治体だけが医療費の減少のために取り組むのではなく、社会全体で医療費の減少に取り組む時が来ていると思います。

そのことが「AI・機械学習」「IoT」「5G」「ヘルスケア(ライフサイエンス)」の分野に多くの企業が取り組無ことにつながっているのではないでしょうか。

『サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る』(著:スティーブ・ケース)では、第三の波(あらゆるモノのインターネット)によって、あらゆるモノ・ヒト・場所が接続可能となり、従来の基幹産業を変革していく中で、企業や政府とのパートナーシップが重要になると書かれています。

サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

第二の波では、インターネットとスマートフォンの急速な普及によってソーシャルメディアが激増し、盛況なアプリ経済が誕生した。その中でもっとも成功を収めたスナップチャットやツイッターのような企業は、小規模なエンジニアリング・チームからスタートして一夜にして有名になり、第一の波の特徴であったパートナーシップをまったく必要としなかった。しかし、こうしたモデルは現在がピークであり、新たな時代は第二の波とはまったく違う―そして最初の波とよく似た―ものになることを示す証拠が増えている

この第三の波には「インパクト投資」も含まれているそうです。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|#サキドリ↑(NHK)によれば、「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のことです。

「IoT」や「インパクト投資」といった「第三の波」で社会は大きく変化をしていきますが、社会問題を解決する手段として、一人の力ではなく、これからますますいろんな人たちとのパートナーシップが重要になってくるでしょう。

インテルはおそらくヘルスケア分野のキープレイヤーになると思いますので、これからもインテルの動きには注目しましょう!







P.S.
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