「カルシウム」タグアーカイブ

【あさイチ】女性の新型栄養失調「鉄・亜鉛・カルシウム不足」の改善方法は「トッピング」!




【目次】

■女性の新型栄養失調

Untitled

by dz roman(画像:Creative Commons)

2018年7月4日放送のNHK「あさイチ」では「女性の新型栄養失調」について取り上げました。(今回のリポーターは馬場典子さん)

これまでにもこのブログではさまざまな「隠れ栄養失調」について取り上げてきました。

【関連記事】

今回取り上げたのは「鉄・亜鉛・カルシウム不足」です!

■鉄分

約8割の女性が貧血を感じたことがある|貧血が女性に多い理由で取り上げた『ルナルナ』がユーザーに行なったアンケート調査によれば、約8割の女性が貧血を感じたことがあると回答しています。

貧血の症状には、不眠、息切れ、だるさ、口内炎、乾燥肌、抜け毛、爪の変形、氷食症、嚥下障害などがあるそうです。

新型鉄不足(フェリチン不足)で肌荒れ、不眠、うつ状態、疲労感?|#あさイチ ・ためしてガッテン(NHK)によれば、フェリチンが不足すると、うつや睡眠障害だけでなく、肌荒れ、イライラ、疲労感などが起こることがあるそうです。

鉄分が体に吸収されると、身体の中の様々なところでフェリチン(鉄入りの倉庫をイメージ)に貯蔵されるのですが、フェリチンの鉄が不足していると、細胞増殖などの身体における様々な反応を手助けすることができずに、肌荒れしても新しい細胞に入れ変わらなかったり、免疫細胞が減少してしまったり、脳の働きに欠かせないセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質が不足してしまったりするそうです。

貧血の症状・原因・数値・改善・食事(食べ物) について詳しくはこちら

【関連記事】

【ガッテン】だるさ・スタミナ切れ・乾燥肌の原因は貧血?|酸素不足で体調不良|ラグビー選手と貧血の関係|鉄分補給のコツ|4月25日では鉄分を補給する方法を紹介しました。

●食事で鉄分を補給

鉄の吸収率が5から20%(だいたい10%程度と考えましょう)なので、少し多めを心がけるとよいようです。

また、激しい運動をすると鉄分が不足してしまいがちなので、多く摂取することを心がけましょう。

 border= 肉類

豚・鳥・牛など肉類のレバー・赤身の肉

 border= 魚介類

カキ・シジミ・アサリなどの貝類やイワシ・煮干し・青魚

 border= 野菜

ひじき(鉄釜)、青のり、パセリ、ほうれん草、海藻類、大豆製品(納豆など)

→ 鉄分の多い食品 について詳しくはこちら

【補足】

野菜や海藻の鉄分は肉や魚よりも体内での吸収が悪いので、吸収を良くするための工夫としては、食後のデザートに柑橘系の果物を食べるようにする。

野菜や海藻の鉄分は、一般的に酸素と結びついた状態であることが多いため、吸収率が低くなる傾向があります。

ビタミンCを摂ることで、ビタミンCの還元作用により、鉄が体内で吸収されやすい状態に変わります。

食品成分表、5年ぶり改訂|干しひじきの記載を見直しによれば、鉄製の釜で蒸し煮にしていたため鉄分が多かったそうですが、現在の主流であるステンレス釜で作った製品では鉄分が減っているそうです。

鉄分を強化した小麦粉で鉄欠乏症・貧血を予防している国がある!|#たけしの家庭の医学によれば、鉄分の中には、食べて吸収されやすい鉄と吸収されにくい鉄があります。

吸収されやすい鉄とは、マグロの赤身や豚レバー、牛肉、鶏レバーなど動物や魚に含まれる鉄分である「ヘム鉄」です。

吸収されにくい鉄とは、切り干し大根や小松菜、ほうれん草、ひじきなど野菜や海藻に含まれる鉄分である「非ヘム鉄」です。

ヘム鉄と非ヘム鉄では食べた時の吸収率が異なり、ヘム鉄10~30%であるのに対して、非ヘム鉄は1~8%なのだそうです。

※「鉄剤の適正利用による貧血治療指針」(響文社刊)

日本人が食事から摂る鉄分は約85%以上が吸収されにくい鉄である「非ヘム鉄」なのだそうです。

※妊産婦のための食生活指針(厚生労働省)

【関連記事】

●鉄製の調理器具を使う

スキレット鍋や中華鍋などの鉄鍋で料理をしたり、南部鉄器に代表される鉄器でお湯を沸かしたりすると、鉄が溶けだすことで鉄分補給ができます。

番組でおすすめしていたのは、鉄鍋や中華鍋で味噌汁を作る方法。

水をじっくりと(10分ほど)加熱してから味噌汁を作ると、鉄分が溶けだして、鉄分補給ができるそうです。

デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったのですが、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

そこで、「Lucky Iron Fish」という鉄の塊を鍋に入れることにより、摂取する鉄分を増やすことができたそうです。

日本でも昔は南部鉄器などに代表される鉄瓶や鉄鍋を使っていましたので、料理を作る際に鉄瓶や鉄鍋から溶け出した鉄分を補給するとよいのかもしれません。

→ 貧血によい食べ物・食事 について詳しくはこちら

ただ、サプリメントをとる際には一日の摂取目安量を守るようにしてくださいというアドバイスがありました。




■亜鉛

【#たけしの家庭の医学】亜鉛を含む食品(卵・粉チーズ・ゴマ)で血管年齢改善!血管の老化防止で動脈硬化予防!で紹介した番組による野菜をたくさん食べる、間食をあまりしない、カロリーを調整して肥満予防、減塩、食物繊維の摂取、カロリーに気をつけるといった、栄養に気を配っている14人の方の亜鉛の量を測定すると、6名中5名が基準値を下回っていたということがわかったそうです。

亜鉛が多く含まれている食材は、カキ、プロセスチーズ、ナッツ、肉類。

→ 牡蠣(カキ)の栄養 について詳しくはこちら

東京慈恵会医科大学の柳澤裕之先生によれば、潜在的な亜鉛不足の人が増加していて、特に高齢者に亜鉛不足が多いそうです。

その理由は、亜鉛が含まれる肉を高齢になると食べなくなったり、吸収が悪くなることが関係していると考えられるそうです。

また、糖尿病の原因の1つに亜鉛の分泌量不足の可能性が浮上|順天堂大などによれば、順天堂大学は、理化学研究所、杏林大学、慶應義塾大学との共同研究によれば、これまで糖尿病の原因は、「膵β細胞からのインスリン分泌の低下」と「末梢組織でのインスリン感受性の低下」により説明されていましたが、「亜鉛分泌が少ないことによって起こる肝臓におけるインスリン代謝の亢進」も糖尿病発症に関わることを明らかにしました。

亜鉛不足チェック|亜鉛を含む食品 についてはこちら

■カルシウム

カルシウム、女性の99%超が不足 やせ傾向、朝食抜く人ほどで紹介したダノン健康・栄養普及協会によれば、女性の99%がカルシウム不足なのだそうです。

やせ傾向の人に不足が目立ち、朝食を抜いたり夕食を外食で済ませることが多い人ほど不足している傾向にあったそうです。

BMI値が低い人ほど骨粗しょう症になりやすい!?|カルシウムと骨粗鬆症の関係によれば、ダノン健康・栄養普及協会が2009年3月に全国の20代から50代の女性722人を対象に「現代女性の栄養知識調査」を実施した結果、「誤った栄養知識を持っている人が多い」ということがわかったそうです。

ダイエットのために低カロリーの食事が様々なメディアで紹介されていますが、その食事がビタミンやミネラルなどの栄養バランスが崩れた食事だった場合、体調を崩す恐れがあります。

カルシウムの多い食品には次の食品が挙げられます。

●牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品

●納豆・豆腐などの大豆製品

●ほうれん草、小松菜などの野菜

●しらす、ししゃもなどの小魚

●ごま

骨粗しょう症予防にゴマ(カルシウム・マグネシウム・亜鉛)|#たけしの家庭の医学によれば、骨を健康に保つには6つの栄養素が重要です。

その6つの栄養素は、次の通り。

  1. カルシウム
  2. タンパク質
  3. ビタミンD
  4. ビタミンK
  5. マグネシウム
  6. 亜鉛

6つの栄養素の中で現代女性に足りないといわれるのが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛の3つの栄養素。

ゴマにはこの3つの栄養素がバランスよく含まれています。

今回番組で取り上げた女性の新型栄養失調では「鉄・亜鉛・カルシウム」が不足しているということでしたので、ゴマを食生活の中に取り入れるとよいのではないでしょうか?

→ ごま(ゴマ)の栄養・健康効果(効能) について詳しくはこちら

→ 骨粗しょう症の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ カルシウムの多い食べ物 について詳しくはこちら

■新型栄養失調をトッピングで改善

●冷蔵庫チェック

新型栄養失調をチェックする方法として、冷蔵庫の中身をチェックすることで食事のバランスがとれているかを紹介しました。

ポイントは5つの色!

野菜や果物の赤・黄・緑・黒・白をバランスよくとり、また、女性に不足しがちなたんぱく質を赤(肉類)・青(魚介類)・黄(卵)・白(乳製品)・茶(豆)を目安にストックすることで足りない食材を買い足すようにするとよいそうです。

●トッピングで改善

  • カットわかめ
  • 海苔(のり)
  • ツナ
  • ミックスビーンズ
  • ごま
  • かつお節
  • ちりめんじゃこ
  • さくらえび
  • 切り干し大根
  • 高野豆腐
  • プルーン
  • ナッツ

●噛む回数を増やす

噛む(咀嚼)ことによる3つの健康効果(唾液を多く出す・食べ過ぎを防ぐ・脳への刺激を増やす)によれば、噛んだ回数に比例して唾液は分泌され、その唾液には消化吸収を助ける成分が含まれています。







【関連記事】

「骨密度は維持はできても上げる方法はない」は本当?論文ベースで調べてみた!




骨密度は維持はできても上げる方法がないと以前医師から聞きました。

しかし、検索をすると一昔前は難しかったが骨密度を上げる方法があると明治薬科大学の記事にありました。

【参考リンク】

骨粗しょう症

「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。

骨粗しょう症は、転倒から骨折、寝たきりになる危険性が高まることで知られていますが、自覚症状に乏しく、骨折してはじめて病気に気づく人も少なくありません。

60代女性の3人に1人がかかるとされる骨粗鬆症であり、骨粗鬆症の潜在患者は1千万人以上といわれるそうですが、自覚症状に乏しいため、実際に治療を受けている人は1割程度なのだそうです。

閉経後の女性の場合、女性ホルモン(エストロゲンは骨の形成に関わる細胞の働きを促進し、骨吸収を抑制する働きがある)の分泌が低下して骨量が急激に減るので、注意が必要です。

■骨密度が上がることはない?を論文ベースで調べてみる!

論文ベースでこの件について調べてみようと思います。

骨密度を上げることは従来難しいとされてきましたが、最近の研究では生活習慣の改善や特定の介入により骨密度の向上が可能であることを示す論文が増えているそうです。

1. 明治薬科大学の研究について

明治薬科大学セルフメディケーション学研究室の研究(2019年)は、生活習慣の改善が骨密度向上に有効であることを示しています。

研究内容:39名のモニターを対象に、カルシウム摂取や運動を中心とした生活習慣介入を6か月間実施。踵部の骨密度(YAM%)が平均6.7%向上した。これは、骨粗鬆症治療薬であるアレンドロン酸ナトリウム(6か月で平均4%改善)よりも高い効果を示した。

介入の詳細:

食事:カルシウムを意識的に摂取(牛乳は推奨せず、代替のカルシウム源を活用)。

※牛乳やチーズ、ヨーグルトは、カルシウムを豊富に含んでいるものの、脂肪分も多く含むため、コレステロールや中性脂肪、体脂肪率などが、どんどん上昇してしまうリスクがあるので、じゃこやしらす干などの小魚、にぼし粉それとお魚の缶詰を推奨

運動:ウォーキングや軽い筋トレなど、骨に適度な負荷をかける運動。

意義:薬物療法に頼らず、生活習慣の改善だけで骨密度向上が可能であることを実証。

【参考リンク】

2. 骨密度向上に関する最近の論文ベースの知見

骨密度の向上には、栄養、運動、薬物療法、またはそれらの組み合わせが関与します。以下に、論文や信頼性の高い研究に基づくエビデンスをまとめます。

(1) 栄養と骨密度

カルシウムとビタミンD:

カルシウムは骨の主要構成要素であり、ビタミンDは腸でのカルシウム吸収を促進する。1日あたりカルシウム700~800mg、ビタミンD800IUの摂取が推奨される。

論文例:Sozen et al. (2017, World Journal of Orthopedics) は、カルシウムとビタミンDの適切な摂取が骨密度の維持と向上に寄与し、特に閉経後の女性で骨折リスクを低減すると報告。

【参考リンク】

【関連記事】

ビタミンKとマグネシウム

ビタミンKは骨へのカルシウム取り込みを促進し、骨破壊を抑制。マグネシウムは骨質の強化に寄与。

論文例:Rondanelli et al. (2021, Nutrients) は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウムのバランス摂取が骨密度向上に有効であると結論。

【参考リンク】

【補足】

骨粗しょう症を未然に防ぐためにも、若いうちから骨密度を高めるために、骨を健康に保つ6つの栄養を摂るようにしましょう。

  1. カルシウム
  2. タンパク質
  3. ビタミンD
  4. ビタミンK
  5. マグネシウム
  6. 亜鉛

2019年2月5日放送の「たけしの家庭の医学」では「骨粗しょう症」を取り上げました。

骨が折れやすくなる原因である骨粗しょう症の街の人の対策はカルシウムの摂取ですが、中村幸男先生(信州大学医学部附属病院)によれば、栄養を適切に摂取し運動をしても骨折する患者がいるそうです。

中村先生によれば、カルシウム、ビタミンDの他に骨の健康に欠かせない重要な栄養素があり、それが「亜鉛」!

亜鉛の摂取を指導したところ、骨密度が大幅に改善し、また、何歳でも骨密度は上がるそうです。

→ カルシウムの多い食べ物 について詳しくはこちら

→ 亜鉛の多い食べ物 について詳しくはこちら

また、日を浴びることや運動をすることも骨を強くすることになるので、天気のいい日は運動をするように心がけましょう。

骨密度が治療が必要なほど低い場合には、薬や注射による治療を行なう必要があります。

骨折をしないためにも、また骨折治療をした後も骨粗しょう症治療をしていた患者さんの方が治りやすいので、しっかりと骨粗しょう症の治療を行ないましょう。

(2) 運動と骨密度

負荷をかける運動:

骨は物理的刺激により強化される。ウォーキング、ジョギング、筋力トレーニング(例:スクワット、かかと落とし)が有効。

論文例:Zhao et al. (2015, Osteoporosis International) は、週3回以上の重量負荷運動(例:レジスタンストレーニング)が閉経後女性の腰椎および大腿骨の骨密度を有意に向上させると報告。

【参考リンク】

【関連記事】

高強度インターバルトレーニング(HIIT):

HIIT(週3回)とビタミンD(800IU/日)の併用が、腰椎・股関節の骨密度を単独介入よりも大きく改善。骨形成マーカー(オステオカルシン)の増加とBMI低下が関連。

論文例:Marques et al. (2020, Journal of Strength and Conditioning Research) は、HIITが骨代謝マーカーを改善し、骨密度向上に寄与すると報告。

【参考リンク】

【補足】

運動習慣がないと、骨粗しょう症になりやすい理由としては、その前にスクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法(ランニング・水中ウォーキング・ヨガ・ストレッチ)のコツと注意点|#NHKスペシャル #人体を参考に、骨が作り替えられるメカニズムについて簡単にまとめてみたいと思います。

骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっています。

骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているます。

作り替えのペースを指示するのが「骨細胞」であり、「骨細胞」が骨を作る・骨を壊すという「メッセージ物質」によって作り替えの指示を行なっているのですが、作り替えのバランスが崩れると骨粗鬆症を起こしてしまいます。

「スクレロスチン」はメッセージ物質の一つで、「骨を作ることをやめる」というメッセージを持っており、通常は骨の量が増え過ぎないように「スクレロスチン」によって「骨芽細胞」の数を減らしているのですが、この「スクレロスチン」が大発生すると、骨量が減ってしまうのです。

それでは、なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうのでしょうか?

骨細胞には骨にかかる衝撃を感知するという働きを持っており、その衝撃があるかないかによって、骨を作るペースを決めているそうです。

骨に衝撃がかからない生活をすると、骨を作らないでよいと考えてしまい、骨細胞が「スクレロスチン」を大発生させることによって、骨芽細胞の数を減らし、骨を作ることを休んでしまい、骨量が減ってしまうのです。

骨に衝撃がかからない生活というのは、運動をしないで一日中座っているような生活です。

つまり、運動習慣がないというのは、骨粗しょう症になりやすいということになります。

(3) 薬物療法と骨密度

ビスホスホネート:

骨吸収を抑制し、骨密度を増加させる。例:アレンドロン酸は6か月で約4%の骨密度向上を示す(明治薬科大学研究で比較)。

論文例:Black et al. (2007, New England Journal of Medicine) は、ビスホスホネートが椎体および大腿骨骨折リスクを有意に低減し、骨密度を増加させると報告。

抗スクレロスチン抗体:

骨形成を促進し、骨吸収を抑制。月1回の注射で骨密度を大幅に向上させる。

論文例:Cosman et al. (2016, New England Journal of Medicine) は、ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)が閉経後女性の骨密度を12か月で10%以上増加させたと報告。

テリパラチド:

骨形成を促進する注射薬。重度の骨粗鬆症患者で骨密度向上に有効。

論文例:Neer et al. (2001, New England Journal of Medicine) は、テリパラチドが腰椎骨密度を9%増加させ、骨折リスクを65%低減すると報告。

(4) 生活習慣の改善

禁煙・節酒:

喫煙と過度な飲酒は骨密度低下のリスク因子。禁煙により骨密度低下が抑制される。

論文例:Yoon et al. (2012, Bone) は、喫煙が骨密度低下を加速し、禁煙が骨代謝マーカーを改善すると報告。

日光浴:

ビタミンD生成を促進。1日10~30分の日光浴が推奨される。

論文例:Holick (2011, Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism) は、適度な日光浴が血中ビタミンD濃度を増加させ、骨密度維持に寄与すると報告。

3. 医師の「骨密度は上げられない」発言とのギャップ

医師が「骨密度は維持できても上げるのは難しい」と述べる背景には、以下の理由が考えられます:

年齢や状態による限界:特に高齢者や重度の骨粗鬆症患者では、骨密度の大幅な向上は困難。治療の主目標は「現状維持」や「骨折予防」に設定されることが多い(例:)。

薬物療法の限界:従来の薬物療法(例:ビスホスホネート)は骨密度を数%向上させるが、成長期のような劇的な増加は期待できない。

生活習慣介入の認知不足:明治薬科大学の研究のような生活習慣による骨密度向上のエビデンスは比較的新しく、医療現場での普及が遅れている可能性。

しかし、明治薬科大学の研究や上記の論文が示すように、若い年齢層や早期介入の場合、また適切な栄養・運動・薬物療法の組み合わせにより、骨密度の向上が可能であることが科学的に裏付けられています。

4. 論文ベースでの推奨事項

以下の介入が骨密度向上に有効であると論文で支持されています:

栄養:

カルシウム(700~800mg/日):小魚、乳製品、緑黄色野菜。

ビタミンD(800IU/日):魚類、きのこ、日光浴。

ビタミンK(納豆、ブロッコリー)、マグネシウム(ナッツ類)、タンパク質(肉、魚、大豆)。

運動:

週3回以上のウォーキング(8000歩以上)、筋トレ、HIIT。

かかと落としやスクワットなど、骨に負荷をかける運動。

生活習慣:

禁煙、節酒、スナック菓子やインスタント食品の過剰摂取を避ける。

薬物療法(必要に応じて):

ビスホスホネート、抗スクレロスチン抗体、テリパラチドを医師と相談。

5. 注意点と今後の研究

個別性:骨密度向上の効果は年齢、性別、骨密度の初期値、併存疾患に依存する。高齢者では効果が限定的な場合も。

研究の限界:明治薬科大学の研究は小規模(39名)であり、大規模なランダム化比較試験(RCT)による検証が必要。

X投稿の扱い:HIITとビタミンDの研究は興味深いが、原論文を確認しない限り確定的な結論は避けるべき。

継続性:骨密度向上には数か月以上の継続が必要。短期間での劇的な変化は期待できない。

6. 結論

明治薬科大学の研究や最近の論文は、骨密度を上げる方法が存在することを示しています。

特に、栄養(カルシウム、ビタミンDなど)、運動(負荷をかける運動、HIIT)、生活習慣の改善が有効です。

医師の「骨密度は上げられない」発言は、高齢者のケースや従来の常識を反映したものと考えられますが、現在では早期介入や適切な生活習慣により骨密度向上は可能だということですね。







ビタミンDとカルシウム摂取で糖尿病の発症のリスクを「低減させ得る」|厚労省研究班

健康・美容チェック > 糖尿病 > 糖尿病の予防 > カルシウム > ビタミンDとカルシウム摂取で糖尿病の発症のリスクを「低減させ得る」|厚労省研究班




■ビタミンDとカルシウム摂取で糖尿病の発症のリスクを「低減させ得る」|厚労省研究班

生しらす。

by PooWho(画像:Creative Commons)

ビタミンDとCa摂取で糖尿病リスク低減も

(2010/2/22、医療介護CBニュース)

厚生労働省の研究班はこのほど、ビタミンDとカルシウムの摂取により、糖尿病の発症のリスクを「低減させ得る」とする研究結果を発表した。

研究班では「一般的に日本人の食事にはカルシウムが不足しており、その摂取量を増加することにより、糖尿病を予防する可能性が考えられる」としている。

厚生労働省研究班によれば、ビタミンDとカルシウムを摂取することで、糖尿病を予防する可能性があるそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら




■カルシウムとビタミンDの摂取と糖尿病の関係

カルシウムとビタミンD摂取量と糖尿病との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

ビタミンDは、すい臓のβ細胞に直接作用してインスリン分泌に関与していること、カルシウムは細胞内のインスリンのシグナル伝達に関与していることが報告されています。これらが不足するとインスリン感受性が低下するという報告もあることから、両者が糖尿病の発症に関連している可能性が考えられます。加えてビタミンDは、カルシウムの吸収に関与していることから、2つの栄養素が高い群で相乗効果となり、糖尿病のリスクが低くなったと考えられます。

カルシウム・ビタミンDともに糖尿病の発症に関連している可能性が考えられ、カルシウムとビタミンDを摂取することにより、糖尿病の発症リスクが低くなったと考えられます。

糖尿病を予防するためにも、カルシウム・ビタミンDを不足していると感じた人は栄養不足を補うようにしてみてはいかがでしょうか。

→ カルシウムの多い食品 について詳しくはこちら

→ 糖尿病を予防する方法 について詳しくはこちら







【関連記事】

糖尿病関連ワード

続きを読む ビタミンDとカルシウム摂取で糖尿病の発症のリスクを「低減させ得る」|厚労省研究班

骨粗しょう症予防にゴマ(カルシウム・マグネシウム・亜鉛)|#たけしの家庭の医学

健康・美容チェック > 骨粗しょう症 > ごま > 骨粗しょう症予防にゴマ(カルシウム・マグネシウム・亜鉛)|みんなの家庭の医学

2015年10月20日放送のたけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学のテーマは「名医が認めた医食同源SP」です。




■骨粗しょう症予防にゴマ

sesame seeds

by Nate Steiner(画像:Creative Commons)

Yahoo!テレビ番組予告

骨を若く保つ食材!南の島の骨賢者たちは○○を食べていた!

要介護や寝たきりになる最大の要因と言われている「骨粗しょう症」。

その予防に最適で、不足しがちな栄養素が一気に摂れる食材とは?古くから和食や和菓子に使われている日本ではお馴染みのもの…取材班は鹿児島県・喜界島へ!?

喜界島の農産物といえば、黒砂糖が有名ですが、実は白ごまの産地としても有名です。

【参考リンク】

骨粗しょう症はカルシウム不足が主な原因ですが、実はゴマにはカルシウムが多く含まれています。

■骨を健康に保つ6つの栄養素

骨を健康に保つには6つの栄養素が重要です。

その6つの栄養素は、次の通り。

  1. カルシウム
  2. タンパク質
  3. ビタミンD
  4. ビタミンK
  5. マグネシウム
  6. 亜鉛

6つの栄養素の中で現代女性に足りないといわれるのが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛の3つの栄養素。

→ カルシウムの多い食べ物 について詳しくはこちら

ゴマにはこの3つの栄養素がバランスよく含まれています。

→ ごま(ゴマ)の栄養・健康効果(効能) について詳しくはこちら

【追記(2019/2/5)】

2019年2月5日放送の「たけしの家庭の医学」では「骨粗しょう症」を取り上げました。

骨が折れやすくなる原因である骨粗しょう症の街の人の対策はカルシウムの摂取ですが、中村幸男先生(信州大学医学部附属病院)によれば、栄養を適切に摂取し運動をしても骨折する患者がいるそうです。

中村先生によれば、カルシウム、ビタミンDの他に骨の健康に欠かせない重要な栄養素があり、それが「亜鉛」!

亜鉛の摂取を指導したところ、骨密度が大幅に改善し、また、何歳でも骨密度は上がるそうです。

→ 骨粗しょう症の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ 亜鉛 について詳しくはこちら

→ 【奥薗レシピ】減塩&亜鉛たっぷりソース焼きそばの作り方|#たけしの家庭の医学 について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 骨粗しょう症予防にゴマ(カルシウム・マグネシウム・亜鉛)|#たけしの家庭の医学

ホットヨーグルト(蜂蜜入り)で体を温める|体温を上げるのに役立つ3つの栄養素とは?

健康・美容チェック > 低体温> ホットヨーグルト(蜂蜜入り)で体を温める|体温を上げるのに役立つ3つの栄養素とは?

2011年2月14日放送のDONでは、冬を乗り切る ほかほかレース 2011!!を特集していました。




■ホットヨーグルト(蜂蜜入り)で体を温める|体温を上げるのに役立つ3つの栄養素とは?

Vegan Yogurt

by Mattie Hagedorn(画像:Creative Commons)

Q. 飲んで20分後一番体が温まるのは?

1.ホットヨーグルト(ハチミツ入り)

2.ホットアップル

3.ホット豆乳(ハチミツ入り)

【ルール】

身長、体重が同じ3人が飲んだ20分後の体温を比較する

【結果】

ホットヨーグルト(ハチミツ入り)が1位となりました。




●なぜホットヨーグルト(ハチミツ入り)が一番体を温めたのか?

「糖質」には、すぐに体温を上げる働きがある。

今回それぞれの糖の量はほぼ同じだったがリンゴには、他の成分が少なく、吸収が早かったので最初の10分の時点では、一番早く温まった。

そのため、飲んですぐ体を温めたい人は、ホットアップルを選ぶと良いようです。

【糖質】の次に大切なのはタンパク質。

3つの中ではヨーグルトが一番多く、さらにヨーグルトは発酵しているのでよりタンパク質の吸収が良かった。

そしてさらに、カルシウムも関係している。

最新の研究によるとカルシウムも熱を作るのに役立つことが分かってきた。

体内で脂肪分を燃やすのを促すそうそのカルシウムが一番多いのがヨーグルト。

糖質、タンパク質、カルシウムと3つが含まれているので、20分後にからだが1番温まった。(体温の上がり方には個人差があります)

糖質・たんぱく質・カルシウムを摂ることにより、一番体を温めることができるようです。

※ミネラル・ビタミンが不足してしまうと、食べ物からエネルギーや熱を作ることができず、体温が上がらなくなり、低体温になってしまうといわれています。

【関連記事】

体温を上げる方法 についてはこちら

低体温|低体温の改善・原因・症状 についてはこちら

冷え性改善方法 についてはこちら