by Andrei Niemimäki(画像:Creative Commons)
> 健康・美容チェック > 目の病気 > アイメイクのトラブル!目のトラブルで救急患者も発生中
(2010/5/25、サイゾーウーマン)
順天堂大学医学部附属静岡病院眼科の土至田宏准教授 インタビュー
■女性に起こりやすい目のトラブルとは?
土至田宏准教授(以下、土至田) 最近増えているのは、まつ毛エクステンションによるもの。
いわゆるエクステを使っていた19歳の女性は、「目が痛く、特に上まぶたの奥まったあたりが痛い」ということで来院されました。
まぶたをめくってみると結膜炎が起きていたんです。
おそらく、エクステンションそのものがその方の体質に合わなかったか、グルー(糊)の成分が目に入って炎症を起こしたのではと考えられますね。
以前「まつ毛エクステで視力障害も-国民生活センター」ということがニュースになりましたが、まつ毛エクステによる施術でトラブルが起きているようです。
その問題点としては、
●厚生労働省は、まつ毛の施術は美容師法の美容に当たるとの通知を出しているが、美容師の資格を持たない者が施術していると見られるケースもある
●まつ毛エクステは目元の施術であり接着剤の使用など、危害が生じる要素が多い
などがあるようです。
■アイメイクによる炎症
土至田 アイメイクが好きな女性は多いと思うんですが、ある27歳の女性は、毎日まつ毛の生え際だけでなく、まぶたギリギリまでアイシャドーを塗っていました。
化粧品の色素が涙に溶けて目の中に入って刺激することにより、炎症を起こしてもおかしくありません。
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最近では「目が大きくはっきり見える」として、まつげの間を埋めるようにアイラインを塗ったり、下まぶたの際の粘膜にアイシャドーを塗る化粧法が紹介されています。
このような化粧法と目の病気との関係性に調べた医師によると、まぶたの縁には目を保護する油を出す分泌腺(マイボーム腺)があり、最近流行しているまぶたの縁にアイライン・アイシャドウを塗る化粧法をすると、その分泌腺が化粧でふさがれてしまい、目の表面を覆う涙の層がはげることや厚さが均一にならないなどの症状が出て、ドライアイの状態(目のかすみや痛みといった症状が現れた)になったそうです。
⇒ ドライアイ についてはコチラ。
■アイライナーのペンを目にさしてしまった女性も
さらにこの方は、あまりに一所懸命にまつ毛の際まで塗ろうとしたばかりに、アイライナーのペンを自分の目に刺してしまったんです。
電車でメイクをしている女性もいますが、こうしたことがあるということを知っておいてほしいですね。
■コンタクトレンズのトラブル
土至田 コンタクトレンズをしている女性のトラブルも多発していますよ。
下まぶたにアイライナーを塗っていた44歳の女性は、目に溶けたアイライナーの成分のせいで、レンズも角膜も汚れていました。
視界をよくしたいから装着するはずのコンタクトレンズなのに、見えなくなってしまったら元も子もありませんよね。
化粧品の色素などによって角膜に傷がつくと炎症を起こしたり、そこから菌が繁殖して、感染を起こしてしまうんです。
コンタクトレンズのずさんな手入れによる感染症を引き起こすトラブルが増えているようです。
最近、眼科医を中心に指摘されている「アカントアメーバ角膜感染症」。
充血や視力障害、さらには失明といった深刻な事態を引き起こす感染症だ。
アカントアメーバは、汚れた淡水や土中、室内のほこりにも存在する微生物。
レンズに付着して目に入り、角膜のキズに侵入して感染する。
厚生労働省もソフトコンタクトレンズはこすり洗いを、漬け置きでは不十分と呼びかけています。
土至田宏准教授による目の病気に関するアンケートがありましたので、ご紹介します。
一つでも当てはまる人は目のトラブルになる可能性があるそうです。
■メイクをしてからコンタクトをつける。または、メイクを落としてからコンタクトをはずしている
メイクを落としてからコンタクトをはずすと、落ちたメイクが目に入り、コンタクトに色素が付着してしまいます。そうなると炎症の元となり、角膜に傷がついてもおかしくありません。順序を逆にしてください。コンタクトをつけてからメイク、コンタクトをはずしてからクレンジング。どちらもコンタクトのほうが先ですよ。
■アイメイクは欠かせない
やってはいけないというわけではありませんが、やっている人のほうがリスクは高いと思われます。
■目の充血がとれない
目が乾きやすい、コンタクトが合っていないなど何か理由があるはず。原因を探りましょう。
以下は、コンタクト使用における基本的なことですが守れていない方が多いのではないでしょうか。
・コンタクトのこすり洗いをしていない
・コンタクトの使用期限、使用法を守っていない
・コンタクトケースに保存液を入れっぱなし
目の病気にならないようにきちんとしたケアを行いましょう。
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