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■変形性関節症の人はメタボリックシンドロームや認知症になるリスクが高くなる|東大チーム疫学調査
by dion gillard(画像:Creative Commons)
(2009/7/1、日本経済新聞)
東京大学医学部付属病院の吉村典子特任准教授らの研究チームの疫学調査によれば、変形性関節症の患者は、メタボリックシンドロームや認知症になるリスクが高いそうです。
なぜ変形性関節症の人はメタボリックシンドロームや認知症になるリスクが高くなるのでしょうか。
■変形性関節症と認知症の関係
認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病によれば、認知症のリスク要因として「運動不足」が挙げられており、変形性関節症になると運動をやらなくなるため、認知症になりやすくなるのではないかと考えられます。
参考画像:高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省スクリーンショット
「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!によれば、「フレイル」とは加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態です。
高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。
要介護者等の状況|平成22年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、介護が必要となった主な原因を要介護度別にみると、要支援者では「関節疾患」が19.4%で最も多くなっています。
ひざ痛中高年1800万人 要介護へ移行リスク5.7倍で紹介した厚生労働省研究班の調査によれば、膝関節の軟骨がすり減って痛むようになると、要介護に移行するリスクが5.7倍高いそうです。
介護施設で「パワーリハビリ」を導入 約8割に介護度を改善したり重症化を防ぐ効果|弘前によれば、弘前市内の介護施設が専用マシンで筋力アップのトレーニングを行う「パワーリハビリ」を取り入れたところ、約8割の人に介護度を改善したり重症化を防ぐ効果があったそうで、要介護状態になる前段階である「フレイル(フレイルティ)」の段階で、筋力アップのトレーニングを行う「パワーリハビリ」を行なうことにより、筋肉量の減少や筋力の低下、運動機能の低下を抑えることができれば、要介護状態になる高齢者を減らすことにつながることが期待されます。
■変形性関節症とメタボリックシンドロームの関係
参考画像:臨床リウマチ医のための基礎講座 メタボリックシンドローム(MetS)と変形性関節症(OA)|JSTAGE|スクリーンショット
臨床リウマチ医のための基礎講座 メタボリックシンドローム(MetS)と変形性関節症(OA)|JSTAGEによれば、メタボリックシンドロームと変形性膝関節症には加齢と慢性炎症(Inflammaging)、高脂血症、肥満、糖尿病(耐糖能異常)、高血圧といった共通のリスク要因が多いそうです。
■ロコモチェック
(1)片脚立ちで靴下がはけない
(2)家の中でつまずいたり、滑ったりする
(3)階段を上るのに手すりが必要
(4)横断歩道を青信号の間に渡りきれない
(5)15分くらい続けて歩けない
上記の5種類のうち1つでも当てはまれば、「ロコモ」の可能性があるそうです。
■ロコモにならないための運動「ロコトレ」
●開眼片足立ちの方法
1日3回、左右1分間ずつ、床につかない程度に片足を上げる。
※骨の強度が弱まることを防ぐとともに、バランス能力を鍛えて転倒しにくくする。
●スクワットの方法
1日に3度(1度に5・6回ずつ)椅子に腰をかけるようにお尻をゆっくり下ろす。
※お尻や太ももの筋肉のトレーニング
■まとめ
変形性関節症の患者は、メタボリックシンドロームや認知症になるリスクが高いそうです。
→ 膝が痛い|関節痛・変形性膝関節症 について詳しくはこちら
メタボリックシンドロームや認知症を予防するためにも、変形性関節症にならないようにするアプローチをしていくことが重要になりそうです。
【参考リンク】
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