「大腸がん」タグアーカイブ

果物(フルーツ)の摂取量が多い人は大腸がんリスクが21%低下する!?




英国バイオバンクのデータを活用したある研究によれば、果物の摂取量が多い人は大腸がんのリスクが21%低下することが分かったそうです。

【参考リンク】

果物は健康に良い食材だと思っている方も多いと思いますが、大腸がんリスクを下げる食品としてはあまり紹介されたことがありません。

野菜・果物とがん:食物繊維とβ-カロテンで紹介した最近の研究によると、食物繊維による大腸がんの予防効果は認められていないようです。

しかし、食物繊維の摂取量が極端に少ないと、リスクが上昇するという結果は出ているそうです。

そのため、大腸がん予防のためには、食物繊維の量はある程度摂れば十分であり、多く摂ってもその予防効果は変わらない可能性が高いようです。

また、野菜・果物摂取と大腸がんとの関係について(国立がん研究センター)によれば、野菜・果物をたくさん食べても大腸がんリスクは変わらないと紹介されています。

ただだからと言って野菜や果物に大腸がん予防効果がないとは言い切れず、世界保健機構(WHO)と食糧農業機関(FAO)合同での2003年の報告では、野菜・果物にはわずかながら予防効果があるとし、また、国際がん研究所(IARC)の同じ2003年の報告では、これまでの疫学研究・動物実験などを参考にすると、野菜摂取はおそらく予防的、果物摂取も予防の可能性はあると評価されているそうです。

今回紹介した研究を参考にするならば、果物の摂取量が多い人は大腸がんのリスクが21%低下するというわけですから、これまでの研究結果とは違った結果が出たことになります。

先日nature誌で紹介された大腸がんの発症リスクを下げる食品・栄養素とは?の中でも果物は大腸がんの発症リスクを下げる食品の一つとして紹介されていましたので、大腸がん予防のためには果物を摂らないよりも摂った方がいいということが言えるのではないでしょうか?

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら







熊本市が大腸がん内視鏡検査の無償化を検討している理由について考えてみた!




【独自】大腸がん内視鏡検査、熊本市が無償化検討 実現なら全国初 50代後半対象に25年度から(2025年2月6日、熊本日日新聞)によれば、大腸がんは診断されて5年後の生存率が7割超と比較的高く、早期発見・治療が死亡率の抑制につながることから、熊本市が2025年度から、50代後半の市民を対象に大腸内視鏡検査の無償化を検討しているそうです。

なぜ熊本市が大腸がん内視鏡検査の無償化を検討しているのでしょうか?

「第5次くまもと21ヘルスプラン」(骨子案)によれば、熊本県は健康寿命(令和1年)は男性72.24年(全国37位)、女性75.59年(全国24位)とありますが、平成25年(2013年) 男性71.75年(全国8位)、女性74.40年(全国25位)であったことから、男性の健康寿命は延びているものの順位は下がっています。

がん検診(胃・肺・大腸・子宮頚・乳)の受診率は全国平均を上回っているものの、熊本県がん対策推進基本計画の目標値55%には届いておらず、令和4年度熊本県健康づくりに関する県民意識調査によれば、胃がん、肺がん、大腸がん検診については40歳~50歳代の受診率が低い傾向にあるそうです。

熊本市が50代後半の市民を対象に大腸がん内視鏡検査の無償化を検討したのには、1)大腸がん検診については40歳~50歳代の受診率が低い傾向にある、2)大腸がんは診断されて5年後の生存率が7割超と比較的高く、早期発見・治療が死亡率の抑制につながる、といった理由があるのではないでしょうか?

大腸ポリープは大腸がんのリスクを高めるリスク要因であると考えられています。

大腸がんのリスクファクター|国立がん研究センターによれば、ポリープの大きさが大きいほど大腸がんになるリスクが高くなり、また、ポリープの出来やすい人は大腸がんになるリスクが高いことから、大腸ポリープをいかに小さく、またできにくくするかは大腸がん予防の一つのアプローチといえます。

つまり、大腸がんの予防には、いかにして内視鏡検査時に前がん病変であるポリープの段階で見つけ摘除することが重要です。

大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人!初期の段階では症状がほぼ現れない大腸がんを予防する方法とは?で紹介した厚生労働省の公開したデータによれば大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人で、今後も増加が予想されます。

大腸がんはもはや高齢者の病気ではない!若い世代で大腸がんの発生率が高まっている理由とは?によれば、世界の多くの国と地域で50歳未満の若い人の大腸がんの発生率が高まっており、また2023年3月に学術誌「サイエンス」に掲載された論文によれば、1990年代以降は多くの国で、50歳未満での大腸がんの発生率が毎年2~4%ずつ増えており、30歳未満ではより顕著であり、2023年3月に医学誌「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に発表した論文でも、米国で55歳未満で診断された人の割合が1995年の11%から現在は20%まで増加しており、大腸がんはもはや高齢者の病気ではないといえます。

このことから、大腸がんを予防するためには、検診の推奨年齢を下げることが大事になってきます。

また、大腸がんのリスク要因には、家族歴があり、遺伝的要因も大きいので、家族に大腸がんの人がいる場合には早めに健診を受けることが望ましいと考えられます。

⇒ 大腸がんチェック について詳しくはこちら







【関連記事】

2月4日はWorld Cancer Day!大腸がんの早期発見をサポートする「AI内視鏡」とは?




食の欧米化で大腸がん患者数が1位に 医師の見逃し防ぐ「AI内視鏡」で発見率アップ!保険適用になったばかりの最新技術【しってる?】(2025年2月4日、FNN)では、2月4日はがんについて考えようという1日「World Cancer Day」ということで、日本国内で最も患者が多い大腸がんを検査する新しい技術「AI内視鏡」について取り上げています。

大腸ポリープ・大腸がんの早期発見率98%!AIを活用したリアルタイム内視鏡診断サポートシステム|国立がん研究センター・NECでは以前大腸ポリープ・大腸がんの早期発見を助ける、AIを活用したリアルタイム内視鏡診断サポートシステムを紹介しました。

大腸の場合、通常“がん”は前がん病変であるポリープから発生することが明らかとなっており、人間ドックや大腸がん検診で発見された場合は、積極的に内視鏡的摘除が行われています。実際に米国では、1993年に報告されたNational Polyp Studyと2012年に報告されたそのコホート研究の結果から、大腸腺腫性ポリープを内視鏡的に摘除することが大腸がんの罹患率を76%~90%抑制し、死亡率を53%抑制したことが明らかにされています。

大腸ポリープは大腸がんのリスクを高めるリスク要因であると考えられています。

大腸がんのリスクファクター|国立がん研究センターによれば、ポリープの大きさが大きいほど大腸がんになるリスクが高くなり、また、ポリープの出来やすい人は大腸がんになるリスクが高いことから、大腸ポリープをいかに小さく、またできにくくするかは大腸がん予防の一つのアプローチといえます。

つまり、大腸がんの予防には、いかにして内視鏡検査時に前がん病変であるポリープの段階で見つけ摘除することが重要なのですが、医師による見逃しの例があるという報告があります。

従って、このポリープを内視鏡検査時に見逃さないことが重要ですが、肉眼での認識が困難な病変や発生部位、医師の技術格差により24%が見逃されているという報告もあります。また別の報告では、大腸内視鏡検査を受けていたにもかかわらず、後に大腸がんに至るケースが約6%あり、その原因は内視鏡検査時の見逃し(58%)、来院しない(20%)、新規発生(13%)、不十分な内視鏡治療による遺残(9%)が挙げられています。

緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコンによれば、視神経の変形を肉眼で判定し、緑内障の分類作業を行なう上で、従来は、医師の経験や主観的な要素が大きく、また一般的な診療所では分類が難しいことが問題となっているのと同様に、肉眼では見つけにくいために見逃しが起こるだけでなく、大腸がん内視鏡検査を行う医師の技術が不足しているために見逃していたと考えられるということがあったそうです。

大腸内視鏡検査に今回開発したシステムが活用されるようになれば、従来は肉眼では認識することが困難であった前がん病変であるポリープや大腸がんを発見することができるようになることや経験の浅い内視鏡検査医でも経験豊富な医師と同様の結果を出すことが期待されます。

→ 大腸ポリープ手術までの経緯・手術内容・大腸ポリープ切除後の食事|大腸ポリープ手術を受けた患者さんにインタビュー について詳しくはこちら

→ 大腸がんの症状・初期症状・原因 について詳しくはこちら

■まとめ

ニュースの中では、大腸がんは、年々、患者や亡くなる人が増えていて、その背景には食生活の欧米化などがあると紹介しました。

大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人!初期の段階では症状がほぼ現れない大腸がんを予防する方法とは?で紹介した厚生労働省の公開したデータによれば大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人で、今後も増加が予想されます。

大腸がんはもはや高齢者の病気ではない!若い世代で大腸がんの発生率が高まっている理由とは?によれば、世界の多くの国と地域で50歳未満の若い人の大腸がんの発生率が高まっており、また2023年3月に学術誌「サイエンス」に掲載された論文によれば、1990年代以降は多くの国で、50歳未満での大腸がんの発生率が毎年2~4%ずつ増えており、30歳未満ではより顕著であり、2023年3月に医学誌「CA: A Cancer Journal for Clinicians」に発表した論文でも、米国で55歳未満で診断された人の割合が1995年の11%から現在は20%まで増加しており、大腸がんはもはや高齢者の病気ではないといえます。

このことから、大腸がんを予防するためには、検診の推奨年齢を下げることが大事になってきます。

また、大腸がんのリスク要因には、家族歴があり、遺伝的要因も大きいので、家族に大腸がんの人がいる場合には早めに健診を受けることが望ましいと考えられます。

⇒ 大腸がんチェック について詳しくはこちら







【関連記事】

ニンジンは糖尿病予防や大腸がん予防に役立つ食べ物!?




南デンマーク大学が行った2型糖尿病のマウスの実験によれば、ニンジンを摂取すると血糖値を調節する体の能力を高め、腸内細菌のバランスがより健康的な方向に変化することが分かったそうです。

今回の研究によれば、ニンジンが糖尿病に役立つ理由として「ニンジンには、細胞の糖吸収能力を高め、血糖値の調節を助ける生理活性化合物が含まれている」とあります。

【参考リンク】

メタボリックドミノを予防するカギは「腸と腎臓」!腸の炎症と慢性腎臓病を避けるにはどんな食事をするといいの?によれば、腸の炎症を起こすことが糖尿病につながると紹介しました。

肥満になっても腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい!?|慶大で紹介した慶應義塾大学医学部内科学教室の川野義長助教、中江淳特任准教授、伊藤裕教授らが行なったマウスの実験によれば、高脂肪食の過剰摂取による大腸の慢性炎症がインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病の発症につながるという新たな糖尿病発症メカニズムを解明しました。

この研究のポイントは、「肥満になっても、腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい」ことを示すものです。

【関連記事】

肥満になったからと言って必ず糖尿病になるわけでではなく、腸管で炎症が起こらないと糖尿病にはなりにくい、つまり腸管での炎症がポイントになるんですね。

また、腸の炎症を抑制するとメタボの症状が引き起こされないこともわかったことにより、メタボリックドミノは腸の炎症から始まるということもわかりました。

そして、腸の炎症が起こりやすくなる食べ方も分かったそうです。

 脂肪と糖分を同時に摂取すると、腸の炎症が起こりやすくなることがわかりました。糖分の過剰摂取は腸内細菌の働きを抑制し、腸内の免疫細胞が持つ防御力を弱めます。その後、腸管の表面を覆う細胞によって作られる防御壁が壊れ、そこから脂肪が体内に入りやすくなるのです。体内に脂肪が入り込むと、炎症を引き起こす化学物質「炎症性サイトカイン」が大量に分泌され、腸炎を起点としたメタボリックドミノの最初の駒が倒れはじめます。脂肪と糖分は過剰に摂取すると体に悪いのはもちろん、一気にメタボリックドミノを進めてしまうのです。

糖分の過剰摂取
→腸内細菌の働きの抑制・腸内の免疫細胞の防御力が弱まる
→腸管の表面を覆う細胞によってつくられる防御壁が壊れる
→脂肪が体内に入りやすくなる
→炎症性サイトカインが大量に分泌
→腸の炎症
→メタボリックドミノの進行

つまり、一つの仮説として、ニンジンを食べることで、、腸内細菌のバランスがよくなり(腸内細菌叢がよくなり)、腸の炎症を起こさなくなって、糖尿病を予防することがd系るのではないでしょうか?

【関連記事】

また、ニンジンには大腸がん予防にもよいそうです。

ニンジンが大腸がんに及ぼす影響に関する同様の研究の予備的調査結果によると、生のニンジンまたは軽く調理したニンジンを毎日30~40グラム摂取するだけで有益な効果がある可能性があると示唆されている。

がんリスクを下げる抗ガン食材とはどんな食べ物なの?によれば、βカロテンを多く含むにんじんも抗ガン食材として紹介しました。

長期追跡調査を行ったデンマークの人口 57,053 人を対象に、ニンジン摂取量から予測される 結腸直腸がん(CRC)診断リスクを調べたところ、毎週 2~4 本以上 (>32 g/日) の生ニンジンを自己申告で摂取していた人は、徹底的なモデル調整を行った後でも、生ニンジンを摂取しなかった人と比較して、平均 18 年を超える追跡調査で結腸直腸がん(CRC)リスクが 17% 低下したことがわかったそうです。

ニンジンが癌予防の役割を果たすのは、生理活性ポリアセチレンオキシリピンであるファルカリノール (FaOH) とファルカリンジオール (FaDOH) の主な食物源であるためです。

ニンジンが糖尿病予防や大腸がん予防のためにも役立つようですので、食事の中に入っているか今一度見直してみてくださいね。

→ 糖尿病の症状(初期症状)チェック について詳しくはこちら

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック・原因・予防 について詳しくはこちら







大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人!初期の段階では症状がほぼ現れない大腸がんを予防する方法とは?




桑野信義、トミーズ雅、「ガキ使」出演芸人も…「大腸がん」なぜ増加? 予防法と発症後の最新事情【専門医解説】(2024年12月27日、オリコンニュース)によれば、厚生労働省の公開したデータによれば大腸がんの国内の罹患者数は14万7,725人で、今後も増加が予想されます。そこで、初期の段階では症状がほぼ現れない大腸がんを予防する方法をアドバイスしているのでポイントをまとめました。

1)最も有効なのは内視鏡検査

最も有効なのは内視鏡検査ですが、ハードルが高い方はまず健康診断の便潜血検査を定期的に受けること。

2)生活習慣

予防策としては食物繊維の多い食事、肉の過剰摂取を控える、1日1時間程度の軽い運動、禁煙、節酒(アルコール23g以下)

大腸がんの危険度チェックによれば、以下のチェック項目のうち3つ以上リスクがある方は特に注意が必要。

1.運動不足(毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方が該当)

2.お酒をよく飲む(日本酒なら1合以上/ビールなら大瓶1本以上/焼酎や泡盛なら1合の2/3以上/ウィスキーやブランデーならダブル1杯以上/ワインならボトル1/3程度以上)

3.肉やハム、ソーセージをよく食べる(一週間に食べる肉が500g以上が該当 ※日本人の平均は約320g)

4.肥満 (男性のBMI(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))で27、女性では25を超える方が該当)

5.喫煙(一日に一本でも吸っていれば該当)

大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェックによれば、最もリスクが高いのは飲酒。

飲酒による大腸がんのリスクは一日に日本酒を1合⇒1.4倍、2合⇒2.0倍、3合⇒2.2倍、4合⇒約3倍となっているそうです。

また、大腸がんの発症確率を年齢、肥満、身体活動、飲酒、喫煙の5項目で計算|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによる大腸がんリスクチェックによれば、大腸がんとの関連が指摘されている年齢、肥満、身体活動、飲酒、喫煙の5項目で危険度に応じて点数を割り振り、合計点数で10年間の大腸がんの発症確率を導き出すのですが、ここでも重要項目で挙がっているのが、飲酒や喫煙で、飲酒や喫煙を控えれば、個人の発症確率の低下が具体的にわかります。

たとえば50歳の人は、肥満度(体格指数=BMI)、身体活動、飲酒、喫煙の4項目が最も危険が低い場合、2点になり、発症確率は0・7%、逆に最も高い場合は7点で3・3%となり、同じ年齢でも最大5倍前後の差がつくことになります。

つまり、大腸がんのリスクを下げるには、1から5の項目のうち、1)運動不足の改善、2)お酒を控える、5)禁煙をする、ことによりかなりリスクが低くなると考えられます。

大腸がんはもはや高齢者の病気ではない!若い世代で大腸がんの発生率が高まっている理由とは?によれば、大腸がんのリスク要因には、家族歴があり、遺伝的要因も大きいので、家族に大腸がんの人がいる場合には早めに健診を受けることが望ましいと考えられます。

また、3)の肉の食べすぎに気を付ける、ですが、本人の平均は約320gのため、この項目は考えすぎなくてもよいと考えます。赤肉・加工肉のがんリスクについて|国立がん研究センターでも「日本人の赤肉・加工肉の摂取量は世界的に見ても低く、平均的摂取の範囲であれば大腸がんのリスクへの影響はほとんど考えにくい」とあるので、摂りすぎていなければ考える必要はありませんね。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら