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「家庭血圧」による診断を優先する|高血圧治療ガイドライン2014

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■診察室血圧よりも家庭血圧を重視

Disposable blood pressure cuff

by Quinn Dombrowski(画像:Creative Commons)

高血圧治療ガイドライン2014 電子版 – 日本高血圧学会(PDF)

診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先する

2014年4月に5年ぶりに改訂された「高血圧治療ガイドライン」(日本高血圧学会)での大きな変更点は、「診察室血圧と家庭血圧の間に診断の差がある場合、家庭血圧による診断を優先する」という「家庭血圧」を重視している点です。

家庭血圧とは、病院ではなく家庭で血圧を測ることです。

家庭血圧が重視される一つの理由は、診察室血圧・白衣高血圧という現象があります。

白衣高血圧(白衣現象)とは|病院で緊張して血圧が上がるによれば、白衣高血圧とは、通常は血圧が正常なのに、病院で血圧を測定すると血圧の値が高くなってしまうことです。

そうしたことから、平常の血圧を測定する方法として、病院ではなく家庭で血圧を測ることが重視されるようになったようです。

また、家庭血圧を測定することによって見えてきたものもあります。

それは、「仮面高血圧」という新しい病態(病気のぐあい)です。

仮面高血圧とは?健診では正常、職場では高血圧によれば、健診や病院では正常血圧なのに、職場や家庭で血圧を測ると135/85mmHg以上になる状態を「仮面高血圧」といいます。

仮面高血圧は、正常血圧とされる一般成人の10~15%が相当するといわれており、脳卒中や心筋梗塞を併発する危険性は、正常血圧の2~3倍あり、心臓の肥大や動脈硬化の進行が非常に早いこともわかってきています。

そのため、現在では、家庭血圧(病院ではなく家庭で血圧を測ること)のほうが正しい血圧の数値がわかり、また病気の発見にもつながるため、家庭血圧が重要だと考えられているようです。




■家庭血圧の診断基準

家庭血圧の診断基準は、これまでは収縮期135mmHg以上、拡張期80mmHg以上でしたが、現在は、収縮期135 mmHg以上、拡張期85 mmHg以上となっています。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら







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塩分(ナトリウム)の多少に関わらず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすい!?

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「高血圧」という悩みを抱えていると毎日が憂鬱ですが、そんな「血圧が高い…」という悩みがなくなれば、ストレスなく楽しい毎日が過ごせますし、長生きすることもできますので、高血圧の予防法を実践していきましょう!




■塩分(ナトリウム)の多少に関わらず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすい!?

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by Jamie Caudill(画像:Creative Commons)

高血圧に重要なのはカリウム、塩分の多少にかかわらず、2万人以上の検証結果から判明

(2015/7/13、Medエッジ)

ナトリウムを取る量が多くても少なくても、カリウムを取る量が少ないと高血圧になりやすいと分かった。

食塩をとり過ぎると血圧を上げるといわれていることから、塩分(ナトリウム)の摂取量を制限する動きは世界的に広がっています。

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今回の記事で紹介されている韓国の翰林大学校医科大学を含む研究グループによれば、ナトリウムの多い少ないに限らず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすいことがわかったそうです。

影響を及ぼす要素について調整すると、高ナトリウム/低カリウムのグループと低ナトリウム/低カリウムのグループは、基準グループより高血圧のリスクが約20%高かった。

つまり、自身の食事を振り返ってみて、カリウムが少ない食事でしたら、カリウムを取る量を増やすと高血圧を防ぐために有効だといえるのではないでしょうか。

高血圧を予防・改善する食事療法「DASH(ダッシュ)食」とは?増やす食品・減らす食べ物によれば、DASH食とは、米国立保健研究所などが提唱している高血圧患者のための食事療法のことで、簡単に言えば、1 野菜・果物・低脂肪の乳製品を充分摂る、2 肉類および砂糖を減らす、という食事をすることです。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維には、増えすぎた塩分を効率よく体外へ排出させる効果があります。

カリウムは、血液での濾過装置である腎臓に作用すると考えられており、余分な塩分をより多く体外へ排出すると考えられています。

クールベジ(夏野菜)で体温下げて夏を乗り切ろうによれば、夏野菜にはカリウムを多く含んだ野菜が多く、ミニトマト、ゴーヤ、なす、きゅうりなどが代表的です。

カリウムには利尿作用があり、水分とともに体の余分な熱を体外に放出し、体をクールダウンさせる効果があるそうです。

熱を加えると、カリウムの30%程度が失われてしまうと言われているため、カリウムを食べ物から摂るためには、生のままが適しているそうです。







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温泉入浴の習慣があると高血圧になりにくい可能性がある

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■温泉入浴の習慣があると高血圧になりにくい

Hot Sulphur Springs, Colorado

by Eli Duke(画像:Creative Commons)

温泉が動脈硬化を予防?…千人超の健診結果を分析

(2016/6/23、ヨミドクター)

早坂教授は昨年、温泉入浴の習慣があると高血圧になりにくい可能性があるとの調査結果を、同市の12年度の特定健診のデータに基づいて発表していた。

自宅に温泉、割合低く 東京都市大・早坂教授に依頼、熱海市の調査で指摘 /静岡

(2015/7/23、毎日新聞)

血圧を下げる降圧剤服用者は温泉ありが30・7%で、なしの37・0%より低率だった。あり26%・なし25%だった高脂血症薬や、いずれも7%だった糖尿病薬に比べると、統計学的に意味のある差だという。

熱海市が東京都市大人間科学部の早坂信哉教授(温泉医学)に依頼した調査によれば、自宅に温泉がひかれていると高血圧症の割合が低い可能性があるそうです。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因・対策 について詳しくはこちら




■和温療法

ヒートショックプロテイン(熱ショックたんぱく質)の効果|体温アップする方法|ためしてガッテンで紹介した鹿児島大学医学部 鄭忠和教授によれば、慢性心不全の人の心臓を見ると健康な人の心臓に比べて動きが小さく、血液循環が滞ってしまい、症状が重くなると、心臓移植が必要になることもあるそうですが、和温療法を継続することで日常生活を普通にできるそうです。

【和温療法の方法】

60度のサウナに入り体温を約1度上昇させたあと、保温30分

和温療法の目的は心臓の完治ではなく、血流を良くして症状を改善すること

血管若返り=血管が柔らかくなること

血管が硬くなると、高血圧になり、心筋梗塞や脳梗塞の危険があるそうです。

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

●血管が若返る仕組み

体を温めて深部体温が上がると、熱を逃がそうとして血流が良くなります。

この時血管の内壁からNO(一酸化窒素)という物質が出てきます。

この一酸化窒素には血管を広げようとする働きがあります。

このことによって、内部の筋肉がほぐれて、血管が柔らかくなる、つまり血管が若返るそうです。

■和温療法と同じ+1℃はお風呂では何分くらいかかる?

湯温40度の状態(安全な温度)

さら湯の場合、+1℃になるまでに13分

入浴剤を入れた場合、+1℃になるまでに9分半、

※炭酸が肌から吸収されると血管が広がってその結果温まりやすくなると考えられるそうです。

※個人差があります。

■まとめ

温泉に入ることによって、高血圧が予防できるならうれしいですね。

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高血圧と尿ナトカリ比・身体活動量・睡眠状態をモニタリングしたデータとの関連を明らかにするための共同研究を開始|東北大・オムロンヘルスケア

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■高血圧と尿ナトカリ比・身体活動量・睡眠状態をモニタリングしたデータとの関連を明らかにするための共同研究を開始|東北大・オムロンヘルスケア

chemistry bottles with liquid inside

by zhouxuan12345678(画像:Creative Commons)

国立大学法人東北大学 東北メディカル・メガバンク機構とオムロン ヘルスケア株式会社は、コホート調査の参加者に尿ナトカリ計、活動量計、睡眠計を配布し、尿中のナトリウムとカルシウムのバランス、心値活動量、睡眠状態をモニタリングしてもらい、そのデータと高血圧などとの関連を明らかにするための共同研究を開始するそうです。

■この研究のポイント

高血圧の原因の一つに高塩分食がありますが、2つの理由により、減塩指導は成果を上げにくかったそうです。

■減塩によって血圧が低下する人とそうでない人がいたため、減塩の徹底がなされてこなかったこと

■簡単な塩分摂取量の評価法がなかったこと

食事中の塩分摂取量のゴールドスタンダードは、24 時間蓄尿で測定される尿中ナトリウム排泄量であり、一般の方に測定していただくのは非常に困難でした。

そこで、尿ナトカリ計を用いた研究を行うことにより、塩分感受性を明らかにすることと測定の難しさの2つが解決されることになるそうです。

この研究によって、ナトリウム(塩分摂取量)とカリウム(野菜と果物の摂取量)のバランスであるナトカリ比を低く抑えることにより血圧の上昇を抑制するという研究結果を裏付けるものとなるのか注目です。

→ 高血圧を予防・改善する食事療法「DASH(ダッシュ)食」とは? について詳しくはこちら




■尿中ナトカリ比

参考画像:簡単に塩分の摂取状況が測定できる研究用の尿中Na/K(ナトリウム/カリウム)比測定器「オムロン ナトカリ計 HEU-001F」(2014/5/14、OMRONニュースリリース)

簡単に塩分の摂取状況が測定できる研究用の尿中Na/K(ナトリウム/カリウム)比測定器「オムロン ナトカリ計 HEU-001F」

(2014/5/14、OMRONニュースリリース)

24時間蓄尿検査に代わる簡便な手法を開発する過程で、世界的な疫学研究「INTERSALT研究」*4にて、血圧との関連が示されている「尿中Na/K(ナトリウム/カリウム:ナトカリ)比」という指標に着目。滋賀医科大学との共同研究により、1日1回、1週間程度、尿をセンサーにかけるだけで計測した数値が、24時間蓄尿による従来手法とほぼ同等の数値となることが分かりました。

食事における塩分摂取良を計測するには、1日分の尿をすべてためて医療機関で分析する24時間蓄尿検査が必要だったのですが、1日1回1週間ほど尿をセンサーで計測した数値がほぼ同等となることがわかったことにより、ナトカリ比を高精度で把握することができるようになったことで、これまで把握することが難しかった塩分・カリウムの摂取の状況を数値で確認することができるようになったそうです。

【参考リンク】

ナトリウム/カリウム比率|2011 年第 6 回24 時間蓄尿塩分調査報告書

(2012 年7月、日本医療福祉生活協同組合連合会)

ナトリウム(g/日)/カリウム(g/日)比率は、塩分摂取量(ナトリウム)と野菜などの摂取量(カリウム)の関係を示す指標で、この値が低いほど食生活のバランスが良いことを表します。塩分の摂取量がより少なく、野菜の摂取量がより多いほどナトリウム/カリウム比率の値は低くなります。

ナトカリ比は低い値ほど食生活のバランスがとれていると考えられます。

ちなみに、ナトカリ比の基準値・正常値について検索してみましたが、そうした値は出ていませんでした。

■まとめ

尿ナトカリ計・活動量計・睡眠計によるモニタリングにより、生活習慣と高血圧の関係が明らかにされることが期待されます。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら




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【参考リンク】
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第一生命と日立の共同研究(医療ビッグデータ分析)の成果で、高血圧の生命保険加入基準緩和

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■第一生命と日立の共同研究(医療ビッグデータ分析)の成果で、高血圧の生命保険加入基準見直し

第一生命と日立の共同研究第一弾 生命保険のご加入範囲を拡大-医療ビッグデータ分析で、生活習慣病に起因する将来の入院可能性とその日数を予測-
第一生命と日立の共同研究第一弾 生命保険のご加入範囲を拡大-医療ビッグデータ分析で、生活習慣病に起因する将来の入院可能性とその日数を予測-

参考画像:第一生命と日立の共同研究第一弾 生命保険のご加入範囲を拡大-医療ビッグデータ分析で、生活習慣病に起因する将来の入院可能性とその日数を予測-(2017/8/31、日立製作所プレスリリース)|スクリーンショット

第一生命と日立の共同研究第一弾 生命保険のご加入範囲を拡大-医療ビッグデータ分析で、生活習慣病に起因する将来の入院可能性とその日数を予測-

(2017/8/31、日立製作所プレスリリース)

高血圧治療中の方について、本モデルを用いることで、その他に一定程度「健康を阻害する要因」がある場合でも、健康な方の入院可能性・日数との差が小さい場合があることなどが確認できたため、第一生命は該当するお客さまの一部をお引き受けできるように基準を見直しました。

今回のニュースリリースによれば、「糖尿病や血管系疾患など8大生活習慣病(高血圧性疾患、急性膵炎およびその他膵疾患、糖尿病、肝疾患、腎疾患、心血管疾患、脳血管疾患、悪性新生物の8つの生活習慣病)に起因する入院の可能性とその日数」を予測する定量評価モデルを用いることで、高血圧に該当する人でも一部の人は生命保険への加入が引き受けられるように基準の見直しが行なわれたそうです。




■まとめ

第一生命が取り組む「INSTECH」とは?|保険(INSURANCE)とテクノロジー(TECHNOLOGY)|医療ビッグデータの解析・健康な人ほど得をする保険商品の開発では、第一生命保険と日立製作所は「医療ビッグデータ」を生命保険事業に活用するための共同研究を開始し、AIの研究によって医療ビッグデータの高度な解析を目指したり、将来の疾病罹患や予後の状況を予測するモデルの構築を行なったり、これまでのデータから介護や高額な医療費を必要とする病気につながりやすい要因を解析することによって病気予防につながる情報提供や新商品・サービスの開発を行なうというニュースをお伝えしました。

医療ビッグデータ解析の結果、「血圧が高くても保険に加入できるのかな」「健康診断の結果が悪かったが保険に加入できるのかな」というように、これまで持病などにより加入できなかった人でも加入できる可能性があることがわかったそうです。

今後、医療ビッグデータ解析の結果、保険加入基準の見直しが行われるようなケースが増えてくるかもしれません。







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