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■うつ病が胃薬「テプレノン」で予防できる!?|HSP(ヒートショックプロテイン)がうつ病の発症に関係|岡山理科大学・徳島大病院
by Hsing Wei(画像:Creative Commons)
(2017/6/1、毎日新聞)
研究グループは、縄張り意識が強い大きなマウスがいるケージに小さいマウスを入れ、攻撃されるなどしてストレスがかかってうつ病のような状態になった小さいマウスの脳内を解析した。その結果、記憶や学習能力をつかさどる「海馬」のHSP発現量が通常のマウスと比べて大幅に低下したことが分かった。
そこで、テプレノンを経口投与したところ、他のマウスを怖がらなくなり、うつ病のような症状が改善した。HSPが増加すると、神経の成長や再生を促す物質で、抗うつ効果がある「神経栄養因子(BDNF)」の発現量が増えることが確認され、症状改善に至るメカニズムも解明した。
(2017/6/1、時事通信)
研究グループは、ストレスを与えてうつ状態にしたマウスの脳の海馬で、HSP105と呼ばれるタンパク質が著しく減少したことに着目。
岡山理科大学と徳島大病院の共同研究グループが行なったマウスの実験によれば、胃薬の「テプレノン」を飲めばうつ病のような症状が改善することが分かったと発表しました。
テプレノンには「熱ショックたんぱく質(HSP)」の発現を促進させる効果を持っており、今回の研究で、HSPがうつ病の発症に関わっていることが分かったそうです。
■ヒートショックプロテインとは?
ヒートショックプロテインとは、熱による負荷で生まれるたんぱく質のこと。
ヒートショックプロテインは、傷ついた部分を直してくれる万能なたんぱく質と言われている。
体の中で起こる異常(ケガ・病気・筋肉痛)はたんぱく質の異常とも言えるが、体内のたんぱく質が外からの影響が受けないようにヒートショックプロテインが防いでいる。
ヒートショックプロテインが体に増えると疲労しにくい。そのため、運動能力がアップする。
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■まとめ
今回の研究はマウスによる実験であったため、人への効果を確認するため、米食品医薬品局(FDA)のデータベースを分析したところ、テプレノンとうつ病との関係をうかがわせるデータがあったそうです。
肝炎などの治療薬「インターフェロン」は副作用でうつ病になることが知られているが、併せてテプレノンを服用していた場合は、うつ病を発症する確率が4割ほど低くなっていたことも明らかにした。
今回の研究成果を活かせば、HSPを増やす方法を実践することで、抗うつ効果があるとされる「BDNF(Brain-derived neurotrophic factor、脳由来神経栄養因子)」を増やして、うつ病を予防する方法がつかわれるようになるかもしれません。
以前、寝る子は「海馬」も育つ|脳で記憶や学習を担う部分によれば、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者、高齢のアルツハイマー病患者では海馬が縮小している場合があると紹介しましたが、子供の頃から海馬の体積を大きくしておくことがうつ病の発症を予防する一番の方法なのかもしれません。
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