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鶏の生レバーで食中毒が話題に|「新鮮なら大丈夫」は本当?カンピロバクターとギラン・バレー症候群のリスク

2026年10月10日、Xで「鶏の生レバーを食べて食中毒になった」という投稿が話題になっています。

投稿では、

「鶏の生レバーって、法的・保健所的に良かったんでしたっけ?」

という疑問も投げかけられており、「鶏レバーの生食は法律的にはどうなの?」「新鮮な鶏なら大丈夫なの?」といった議論が広がっています。

話題になっているXの投稿

※個別の食中毒については原因食品や原因菌が公的に確定された情報を確認できていないため、この記事ではこの投稿そのものの原因を断定せず、一般的な「鶏レバーの生食とカンピロバクター」のリスクについて紹介します。

■鶏の生レバーは法律で禁止されているの?

ここは少しややこしいポイントです。

牛レバーは2012年7月から、食品衛生法に基づいて生食用として販売・提供することが禁止されています。また豚肉や豚レバーなどの内臓も、2015年6月から生食用として販売・提供することが禁止されています。

では鶏肉はどうなのでしょうか?

東京都保健医療局は、

「鶏肉には、生食用の基準はありませんが、加熱調理が前提です」

と説明しています。また、鶏肉については牛レバーや豚肉と同じような法規制はないものの、カンピロバクターやサルモネラなどの食中毒菌が検出されているため、生や加熱不十分な状態で食べると食中毒のリスクが高まると注意喚起しています。

つまり、

「牛・豚のような生食禁止の法規制がない」ことと、「生で食べても安全」はまったく別の話

なのです。

■「新鮮な鶏レバーなら大丈夫」ではない

今回の話題からもう一つ押さえておきたいのが、

「新鮮=生で食べても安全」ではない

ということです。

農林水産省は鶏肉やレバーなどについて、

「新鮮だから安全」とは限りません

と注意喚起しています。

カンピロバクターは生きた鶏などが保菌している場合があるため、鶏肉や内臓は「新鮮だから生で食べられる」とは限りません。

これは肉の腐敗とは違う問題だからです。

見た目やにおいから「新鮮だから大丈夫そう」と判断できるものではありません。

■鶏レバーで注意したい「カンピロバクター」とは?

鶏の生食で特に問題になる細菌の一つがカンピロバクターです。

厚生労働省によると、カンピロバクター食中毒は日本の細菌性食中毒の中で近年発生件数が最も多く、年間約200件、患者数1,000~2,000人程度で推移しています。

原因として強く示唆されているのが、

生の鶏肉
加熱不足の鶏肉
調理中の二次汚染

などです。

2025年に国内で発生したカンピロバクター食中毒でも、鶏肉が疑われた原因食品には、鶏レバーやささみなどの刺身、鶏肉のタタキ、鶏わさなどの半生製品、加熱不足の調理品が含まれていました。

■カンピロバクター食中毒になるとどんな症状が出る?

厚生労働省によると、主な症状は、

下痢
腹痛
発熱
悪心
吐き気・嘔吐
頭痛
悪寒
倦怠感

などです。

また、食べてすぐ症状が出るとは限らず、一般的な潜伏期間が1~7日間と比較的長いことも特徴です。多くの患者は1週間ほどで治癒するとされています。

そのため、食中毒が起きた際に「直前に食べたもの」だけが必ずしも原因とは限らない点にも注意が必要です。

■食中毒だけではない。ギラン・バレー症候群との関係

そして、ハクライドウで以前から取り上げてきたのがここです。

カンピロバクター感染の後に、ギラン・バレー症候群を発症する場合があることが知られています。

厚生労働省は、カンピロバクターに感染した数週間後に、

手足の麻痺
顔面神経麻痺
呼吸困難

などを引き起こす「ギラン・バレー症候群」を発症する場合があると説明しています。

食品安全委員会も、カンピロバクター感染後にまれにギラン・バレー症候群を発症することがあるとして注意喚起しています。

ハクライドウでも以前、ギラン・バレー症候群について取り上げた際に、

生の鶏肉によるカンピロバクター食中毒がきっかけになる場合がある

ことを紹介しました。過去記事では厚生労働省の資料を基に、感染後に筋力低下やしびれなどが現れることについても紹介しています。

→ 過去記事:ギラン・バレー症候群について

今回の鶏レバーの話は、単に「お腹を壊すかもしれない」という話だけではないわけです。

■では鶏レバーはどうやって食べればいい?

結論はシンプルです。

中心部まで十分に加熱することです。

厚生労働省は、鶏肉について中心部を75℃で1分間以上加熱することを食中毒予防として案内しています。

農林水産省も、鶏レバーを含む鶏肉・内臓について、中心部まで十分に加熱するよう呼びかけています。

また家庭で鶏肉を扱う場合には、肉そのものの加熱だけではなく、

生の鶏肉を他の食材に触れさせない
生肉を扱った調理器具を適切に洗浄・消毒する
生の鶏肉を触った後は手を洗う
生肉をつかむ器具と加熱後の食品を扱う器具を分ける

といった二次汚染対策も重要です。

さらに農林水産省は、鶏肉を洗った際の水はねによって、周囲の食材やキッチンが食中毒菌で汚染される可能性があるとして、鶏肉を洗わないことも呼びかけています。

■まとめ|「禁止されていない」と「安全」は別の話

今回の話題で一番重要なのは、この点ではないでしょうか。

「法律で禁止されていないのだから安全なのでは?」

と思ってしまいがちですが、食品安全では、

法的に禁止されているか

と

健康上のリスクがあるか

は分けて考える必要があります。

鶏肉には牛レバーや豚肉と同様の生食禁止の法規制はありませんが、東京都保健医療局は「加熱調理が前提」と説明しています。

そして厚生労働省は、鶏レバーやささみの刺身、鶏肉のタタキ、鶏わさなどをカンピロバクター食中毒との関連で挙げています。

さらに重要なのは、

「新鮮だから安全」でもありません。

農林水産省も明確にこの点を注意喚起しています。

そしてカンピロバクター感染は、腹痛や下痢などの食中毒症状だけでなく、感染から数週間後にギラン・バレー症候群を発症する場合もあります。

「新鮮だから大丈夫そう」

「お店で出てきたから大丈夫だろう」

ではなく、

鶏肉や鶏レバーは中心部までしっかり加熱して食べる。

これが最も大切な食中毒対策です。

【参考資料】

厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」

農林水産省「鶏料理を楽しむために~カンピロバクターによる食中毒にご注意を!」

食品安全委員会「カンピロバクターによる食中毒にご注意ください」

厚生労働省「牛レバーを生食するのは、やめましょう」

ハクライドウ・過去記事「ギラン・バレー症候群」







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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脂質を糖質より先に摂ると食後血糖が緩やかに 「食べる順番」の仕組みを京大などがマウスで解明/なぜ「食べる順番」で血糖値が変わる?

「野菜から先に食べると血糖値が上がりにくい」

いわゆる「ベジファースト」という食べ方を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?

一時期は「食べる順番ダイエット」として紹介されることもありました。

しかしその後、ベジファーストについては、

「野菜から食べれば痩せる」

「とにかく野菜を最初に食べればいい」

といった形で、本来の研究結果よりも単純化されて広まってしまったという指摘も出ています。

ハクライドウでも以前、糖尿病診療ガイドライン2024や食事摂取基準から削除された!?ベジファーストは本当に意味がないの?という記事で、この問題を取り上げました。

では「食べる順番」そのものには意味がないのでしょうか?

実はそう単純ではなさそうです。

2026年10月、京都大学などの共同研究グループが、脂質を糖質より先に摂るとなぜ食後血糖の上昇が緩やかになるのかについて、その仕組みをマウスで詳しく調べた研究を発表しました。

ポイントになったのは「野菜」ではなく、

胃から腸へ食べ物を送り出すスピード

でした。

■「ベジファースト」から「炭水化物を最後に」へ

そもそも「ベジファースト」という言葉からは、

野菜を最初に食べることが重要

という印象を受けます。

ところが、話はもう少し複雑です。

以前の記事で紹介した2020年版「日本人の食事摂取基準」では、食物繊維に富んだ野菜を先に食べることで食後血糖の上昇を抑えたという報告が紹介される一方、野菜だけではなく、タンパク質などの主菜を先に摂り、その後に炭水化物を食べることでも食後血糖上昇が抑制されたという報告が紹介されていました。

つまり、

「野菜を最初に食べる」

という見方だけではなく、

「炭水化物を最後に食べる」

という見方もできるわけです。

■魚や肉を先に食べても血糖値の上昇が緩やかになる?

ハクライドウでは以前、魚や肉を米より先に食べる研究についても紹介しています。

この研究では、魚や肉を米より先に食べることで、食後血糖の上昇が抑えられました。

興味深いのは、すでにこの段階で「胃排出」が重要なポイントとして登場していることです。

食べる順番によってGLP-1やGIPといったインクレチンの分泌が促され、胃の運動が緩やかになり、胃で消化された米飯が小腸へ移動するまでの時間が延長したことが報告されています。

ここから考えると、

「野菜に特別な力があるから」ということだけでなく、炭水化物より先に一定の食品を食べることで、胃腸やホルモンが反応し、その後に入ってくる糖質の吸収のされ方が変わるのではないか?

という疑問が出てきます。

■「脂質を先に食べる」という考え方

さらにハクライドウでは、脂質起動とは?/脂質を先に摂ることで血糖値の上昇を抑える/脂質をとる食事ほど、逆に血中中性脂肪が下がりやすくなる!?という記事でも、「脂質を糖質より先に摂る」という考え方を取り上げています。

ここで一つ面白い疑問が出てきます。

サラダを食べるとき、野菜だけを食べる人ばかりではありません。

たとえば、

野菜+オリーブオイルを使ったドレッシング

を食べてから、ご飯やパンを食べることがあります。

そう考えると、「ベジファースト」で観察される現象のすべてを野菜だけに帰属させるのではなく、一緒に食べる食品や栄養素、その後に炭水化物を食べることなどを含めて考える必要がありそうです。

以前の記事でも、この「脂質を先に摂る」可能性について触れていました。

そして今回、その疑問を考えるうえで非常に興味深い研究が発表されました。

■オリーブ油をブドウ糖より先に与えるとどうなる?

京都大学などの研究グループは、マウスを使って、

オリーブ油 → ブドウ糖

という順番で与えた場合と、

ブドウ糖 → オリーブ油

の場合などを比較しました。

すると、オリーブ油をブドウ糖より先に与えたマウスでは、胃から腸へ内容物を送り出す「胃排出」が遅くなり、糖負荷後早期の血糖上昇が抑えられました。

またこのとき、グルカゴン、GIP、GLP-1の分泌増加も観察されています。

これを一般の人にもわかりやすくすると、

オリーブ油を先に摂る

↓

体が脂質を感知してホルモンなどが反応

↓

胃から腸へ送り出すスピードが遅くなる

↓

後から入ってきた糖が一気に腸へ届きにくくなる

↓

糖負荷後早期の血糖上昇が緩やかになる

というイメージです。

つまり今回の研究で注目したいのは、

血糖値は「糖を処理する能力」だけでなく、「糖がどのくらいのスピードで腸へ到達するか」によっても変わる

という点です。

■カギを握っていた「グルカゴン」と「GLP-1」

ここから研究者は、さらに詳しく仕組みを調べました。

オリーブ油を先に与えることで増加したホルモンのうち、特に研究されたのが、

グルカゴンとGLP-1

です。

GLP-1は糖尿病や肥満症の治療薬との関連から、耳にする機会が増えたホルモンです。

一方のグルカゴンは一般的に、

「血糖値を上げるホルモン」

と説明されます。

そのため、

「グルカゴンが増えたら血糖値が上がるのでは?」

と思うかもしれません。

しかし今回のマウス研究では、グルカゴンとGLP-1が胃排出の調節にも関係することが示されました。

■グルカゴンとGLP-1はお互いを補っていた

さらに興味深い実験があります。

GLP-1受容体を欠損したマウスでは、オリーブ油を先に与える効果は大部分が保たれました。

また、グルカゴンまたはGLP-1の受容体のどちらか一方だけを遮断した場合でも、効果はおおむね保たれました。

ところが、両者の受容体シグナルを同時に遮断すると、血糖上昇を抑える効果が弱まり、胃排出を遅らせる効果が検出されなくなりました。

研究者らは、この結果から両者が部分的にお互いを補いながら働いていると考えています。

つまり、

GLP-1だけ

あるいは、

グルカゴンだけ

という単純な仕組みではなかったわけです。

■さらに「迷走神経」も関わっていた

話はホルモンだけでは終わりません。

研究者がマウスの横隔膜下の迷走神経を両側で結紮(けっさつ;管をしばって内容物が通らないようにすること。)したところ、グルカゴンやGLP-1の分泌は維持または増強されたにもかかわらず、オリーブ油による胃排出の遅延と血糖上昇の抑制効果は弱くなりました。

つまり今回見えてきたのは、

脂質

↓

グルカゴン・GLP-1など

↓

迷走神経も関与

↓

胃排出を調節

↓

食後血糖の上がり方が変わる

という、ホルモンと神経が連携した仕組みです。

食べ物は単に「カロリー」や「糖質○g」として体に入っているわけではありません。

何をどの順番で食べたかによって、胃、腸、ホルモン、神経の反応まで変わる可能性があるというところが、この研究の面白いところではないでしょうか。

■では「ベジファースト」は間違いだったの?

ここで再びベジファーストに戻ってみましょう。

ベジファーストをめぐっては、

「ガイドラインなどから消えたのだから意味がなかった」

と理解してしまうのも、

「野菜を最初に食べれば痩せられる」

と理解してしまうのも、どちらも話を単純化しすぎています。

ハクライドウの過去記事で確認したように、2020年版「日本人の食事摂取基準」ではベジファーストに関連する研究は「推奨」というより研究報告として紹介されていました。

その後の2025年版では「2-9 食事摂取パターン(eating pattern)とシフトワーカー」の章立て自体が削除されています。

したがって、「ベジファーストが間違いと判明したため削除された」と解釈するのは適切ではありません。

一方で、

食べる順番によって食後血糖が変わる現象

について研究が終わったわけでもありません。

今回の研究はむしろ、その先にある

なぜ順番によって血糖値が変わるのか?

を掘り下げています。

■「ベジファースト」より「カーボラスト」?

ここまでの研究を並べてみると、見方が少し変わってきます。

野菜を先に食べる

ということだけに注目するより、

炭水化物の前に何を食べるか

あるいは、

炭水化物を食事のどこに配置するか

という視点です。

たとえば、

サラダ+オリーブオイル
→ 肉や魚などのおかず
→ ご飯

という普通の食事を考えてみます。

ここには、

野菜
食物繊維
脂質
タンパク質
炭水化物を後にする

という複数の要素があります。

だから「ベジファースト」という一言だけでは、この食べ方によって体内で起こっていることを全部説明できないのかもしれません。

■「オリーブオイルを食前に飲もう」という研究ではありません

ただし、ここは非常に重要です。

今回の研究はマウスを使った実験です。

したがって、

「人間も食事の前にオリーブオイルを飲めば血糖値が下がる」

と今回の研究だけから結論づけることはできません。

論文でも、今回の知見を踏まえて人間における食事の順序を評価していくことが示されています。

まして、

オリーブオイルを飲めば痩せる

という研究でもありません。

ここは、かつて「食後血糖」という話だったベジファーストが「ダイエット法」として独り歩きしたことを考えても、注意したいところです。

■まとめ 「○○ファースト」から「食事全体の順番」へ

ベジファーストの話を振り返ってみると、私たちの「食べる順番」に対する理解は少しずつ変わってきたように見えます。

最初は、

「野菜を先に食べよう」

という非常にわかりやすいメッセージでした。

しかし研究を見ると、

野菜 → 炭水化物

だけではなく、

肉・魚 → 炭水化物

や、

脂質 → 炭水化物

についても研究されています。

そして今回のマウス研究では、その背景の一つとして、

グルカゴン・GLP-1・迷走神経
→ 胃排出の調節
→ 食後早期の血糖上昇の変化

というメカニズムが示されました。

大切なのは「野菜が最初」「油が最初」という新しいルールを作ることではないのかもしれません。

むしろ、

食事は「何を食べるか」だけではなく、「何と組み合わせ、どの順番で食べるか」によっても体の反応が変わりうる。

そんなふうに「食べる」という行為全体を考えることが、これからますます重要になってくるのではないでしょうか。

【参考文献・参考記事】







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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糖尿病予備群はみんな同じではない?日本人男性を3タイプに分けると発症リスクに約10倍の差

「糖尿病予備群」と言われたら、何をすればいいのでしょうか?

食生活を見直す。
運動する。
体重を減らす。

これまで、「糖尿病になる前」の段階から生活習慣を見直すことの重要性を紹介してきました。

さらに、「生活習慣を変えたほうがいい」と分かっていても、一人で続けるのは難しいため、電話などを通じて継続的に支援することが糖尿病予防につながるのではないかという研究も紹介してきました。

ところが今回、これまでの考え方をもう一歩進める興味深い研究が発表されました。

実は、同じ「糖尿病予備群」でも、みんな同じ状態ではないのではないか?

日本人男性の糖尿病予備群を分析した研究では、BMI、空腹時血糖値、ALT、non-HDLコレステロールという4つの指標から、特徴の異なる3つのグループが見いだされました。

しかも、その後の2型糖尿病の発症しやすさには大きな差がありました。

つまり、「糖尿病予備群だから生活習慣改善」というところからさらに進んで、

「その人がどんな特徴を持つ糖尿病予備群なのかを見る」

ことが重要になる可能性があるのです。

研究のもとになったのは「J-DOIT1」

今回発表されたのは、

Identification of distinct metabolic subtypes among Japanese men with prediabetes: a data-driven cluster analysis from the J-DOIT1 study

という研究です。

「Diabetology International」に2026年7月に掲載されました。

実は、まったく新しい人たちを集めて行った研究ではありません。

使われたのは、糖尿病予防研究「J-DOIT1」のデータです。

そして、このJ-DOIT1はハクライドウでも以前取り上げています。

2021年に「糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がる」という記事を紹介していました。

当時の記事では、減量が順調でなければ励ます、長続きする運動法を一緒に考える、食生活改善を勧めるといった電話支援について紹介しています。

今回の論文は、同じJ-DOIT1を「糖尿病予備群の中にも異なるタイプが存在するのでは?」という別の視点から再分析した研究なのです。

ここが今回の研究の面白いところです。

■健診でもおなじみの4項目から分類

今回の分析対象は、J-DOIT1に参加した人のうち、空腹時血糖値100~125mg/dLだった日本人男性2,172人です。

研究者らが分類に使ったのは次の4項目です。

・BMI
・空腹時血糖値(FPG)
・ALT
・non-HDLコレステロール

特別な最先端検査ばかりではありません。

健康診断などで目にすることのある指標です。

研究者らは、この4項目を標準化してk-meansクラスター分析を行い、3つのグループを見いだしました。

■糖尿病予備群は3つのタイプに分かれた

第1群「Metabolically resilient」

1,149人が分類されました。今回使われた代謝指標から、研究では「metabolically resilient phenotype(MRP)」とされています。

第2群「肥満・インスリン抵抗性型」

581人。

肥満やインスリン抵抗性を特徴とするグループ(OFIP)です。

第3群「非肥満・高血糖型」

442人。

第2群とは異なり、非肥満でありながら高血糖を特徴とするグループ(NOHP)です。

そして5年間の糖尿病非発症生存を調べると、3群には大きな違いが現れました。

■糖尿病発症率は0.70%、2.73%、6.73%

年間の2型糖尿病発症率は、

第1群:0.70%
第2群:2.73%
第3群:6.73%

でした。

さらに第1群を基準として比較すると、調整後ハザード比は、

第2群 3.95(95%CI 2.64~5.92)

第3群 9.81(95%CI 6.75~14.26)

となりました。

同じ「糖尿病予備群」とされた人たちなのに、その後の糖尿病への進みやすさは同じではなかったわけです。

■一番リスクが高かったのは「肥満型」ではなかった

ここで注目したいのは、第3群です。

今回最も糖尿病発症リスクが高かったのは、肥満・インスリン抵抗性型ではなく「非肥満・高血糖型」でした。

糖尿病というと、

「太っている人が注意する病気」

というイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし今回の研究結果を見る限り、少なくともこの日本人男性の集団では、肥満だけを見て糖尿病への進みやすさを判断できないことが分かります。

「太っていないから自分は大丈夫」と考えるのではなく、血糖値などの検査結果にも目を向けることが重要だと考えさせられる結果です。

■ここで「電話による生活習慣支援」の話が面白くなる

さらに今回の研究では、生活習慣への介入との関係も分析されています。

すると第2群の「肥満・インスリン抵抗性型」では、生活習慣介入による糖尿病発症リスクの有意な低下がみられ、ハザード比は0.59(95%CI 0.36~0.97)でした。

一方、今回の研究では有意なリスク低下が確認されたのは第2群でした。

ここは非常に重要です。

第1群や第3群では「生活習慣改善が無意味だった」という意味ではありません。

今回の解析では、統計学的に明確な差として示されたのが第2群だった、ということです。

研究者らも、肥満や脂質異常と関連したインスリン抵抗性を持つ人では、ターゲットを絞った生活習慣介入が特に有効である可能性を指摘しています。

■昔のJ-DOIT1研究が、新しい意味を持ってきた

ここでハクライドウの過去記事に戻ってみましょう。

J-DOIT1の原研究では、参加者を介入群と対照群に分け、介入群では1年間に3回、6回、10回という異なる頻度で電話による生活習慣支援が行われました。両群には体重計や歩数計なども提供されています。

興味深いことに、介入群全体で見ると、5.5年間における2型糖尿病発症のハザード比は1.00(95%CI 0.74~1.34)で、介入群全体について糖尿病発症が減少したとはいえませんでした。

一方、最も頻繁に電話支援を受けたサブグループでは、対照群に比べてハザード比0.59(95%CI 0.42~0.83)でした。

ハクライドウが2021年に紹介した「発症率が4割下がる」という話は、この高頻度電話支援グループについての結果でした。実際、当時の記事でも「1年間に10回電話を受けたグループ」と紹介しています。

そして今回、そのJ-DOIT1のデータを別の角度から分析したことで、

「どんな特徴を持った人に生活習慣支援の効果が表れやすいのだろう?」

という、さらに一歩進んだ問いが見えてきたのです。

■糖尿病予防研究は「個別化」の方向へ?

こうして研究の流れを追ってみると興味深いことが分かります。

これまでの考え方は、

糖尿病予備群を見つける
↓
生活習慣を改善する
↓
それを続けられるように支援する

というものでした。

今回の研究によって、そこにもう一段加わります。

その人は「どんな特徴を持つ糖尿病予備群なのか」を見る

という考え方です。

これは、「糖尿病予備群にこの方法を行えばいい」と一律に考えるのではなく、その人自身の特徴に応じて予防を考える方向につながっていくのかもしれません。

■ただし「私は第3群だ」と自己診断しない

ここは今回の記事で必ず押さえておきたいところです。

今回の3分類は、医療現場で「あなたは第2群です」「あなたは第3群です」と診断するために作られた分類ではありません。

研究者が4項目を標準化し、統計的なクラスター分析によって見いだした分類です。

さらに対象は日本人男性2,172人です。

したがって、女性や他の集団でも同じ3分類、同じリスク差がそのまま当てはまるとは、この研究からは判断できません。

まして、

「第3群だから糖尿病になる」

「第1群なら安心」

というものでもありません。

あくまで、この研究集団の中で見いだされたリスクの違いです。

「糖尿病予備群」は、一つの大きな箱の名前なのかもしれない

今回の研究を一般の人向けに考えるなら、私はこのイメージが一番分かりやすいと思います。

■「糖尿病予備群」は、一つの大きな箱の名前なのかもしれない。

同じ箱に入っていても、中には違う特徴を持った人がいる。

体格が違う。

血糖値が違う。

脂質の状態が違う。

そして、その違いによって、その後の糖尿病への進みやすさも違う可能性がある。

今回の研究では、それをBMI、空腹時血糖値、ALT、non-HDLコレステロールという4つの指標から示しました。

だからといって、

「これまで言われてきた生活習慣改善は意味がなかった」

ということではありません。

むしろ逆です。

糖尿病になる前に気づく。
生活習慣を見直す。
一人で続けにくいなら支援する。
そしてこれからは、その人がどのような特徴を持っているのかも考える。

糖尿病予防の考え方が、少しずつ精密になってきたと捉えるとよいのではないでしょうか。

「糖尿病予備群だから、とにかく痩せましょう」という一律の考え方から、

「この人の場合、何を重点的に見て、どんな支援をすればいいのだろう?」

という個別化された糖尿病予防へ。

今回の研究は、その可能性を考えさせてくれる研究ではないでしょうか。

→ 糖尿病の症状(初期症状)チェック について詳しくはこちら

【参考文献】

Sakane N, Takahashi K, Domichi M, Suganuma A, Kuzuya H. Identification of distinct metabolic subtypes among Japanese men with prediabetes: a data-driven cluster analysis from the J-DOIT1 study. Diabetology International. 2026;17(3):62. doi:10.1007/s13340-026-00917-2. 日本人男性2,172人をBMI、空腹時血糖値、ALT、non-HDLコレステロールを用いて3つの代謝サブタイプに分類し、その後の2型糖尿病発症との関連を分析した今回の原著論文です。
Springer Natureの原著論文

Sakane N, Kotani K, Takahashi K, et al. Effects of telephone-delivered lifestyle support on the development of diabetes in participants at high risk of type 2 diabetes: J-DOIT1, a pragmatic cluster randomised trial. BMJ Open. 2015;5:e007316. doi:10.1136/bmjopen-2014-007316. 1年間の電話による生活習慣支援と、その後の2型糖尿病発症について調べたJ-DOIT1の原報です。
BMJ Openの原著論文

【関連記事】

ハクライドウでは2021年に、J-DOIT1について「糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がる」という記事を掲載しています。今回確認すると、この「4割」はJ-DOIT1全体ではなく、1年間に10回という高頻度の電話支援を受けたサブグループについての結果として理解するのがより正確です。

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「鮭は焼かずに茹でる」が話題!ゆで鮭はいつからある?高タンパク・アスタキサンチン・ビタミンDから考える鮭の魅力

「鮭は焼かずに茹でる」

そんな鮭の食べ方がSNSで話題になっています。

話題の投稿では、

「鮭を焼かずに茹でると、冷凍の鮭でもふっくらしっとり仕上がる」

という調理法とともに、「タンパク質」「アスタキサンチン」といった美容や健康に関心がある人ならつい気になってしまうキーワードが紹介されています。

この投稿を見ていて面白いと思ったのは、

1.鮭はタンパク質を摂れる食材
2.鮭にはアスタキサンチンが含まれる
3.「焼く」ではなく「茹でる」という意外性

の3つが重なっていることです。

さらに考えていくと、鮭にはビタミンDというもう一つの特徴もあります。

でも、その前に一つ気になることがあります。

そもそも「鮭を焼かずに茹でる」という調理法は、最近生まれたものなのでしょうか?

以前ハクライドウでは、SNSで話題になった「アイラップでにんじん1本まるごとレンチン7分」について、その起源を調べました。

すると、SNSによって突然新しい調理法が誕生したというより、以前から存在していたアイデアが、SNSによって「これ便利じゃない?」と再発見されたという流れが見えてきました。

→ 「アイラップでにんじん1本まるごとレンチン7分」の起源は? バズる前からあったアイデアを調べてみた

そこで今回は「ゆで鮭」について調べてみました。

■「鮭は焼かずに茹でる」は最近生まれた調理法?

結論からいうと、

「鮭を茹でる」という調理法そのものは、今回のSNS投稿で初めて生まれたものではありません。

前回調べたところ、少なくとも2021年には料理メディアで、

「鮭は焼かずにゆでるべし!」

として「ゆで鮭」が紹介されています。

その後も「焼かずに茹でる」「茹でるとしっとり仕上がる」といった鮭の調理法はたびたび紹介されていました。

さらに広い視点で見ると、魚を液体の中で穏やかに加熱すること自体、珍しい調理方法ではありません。

西洋料理にも「ポシェ(poaching)」と呼ばれる、水やスープなどの液体を使って魚などを加熱する調理法があります。

つまり、

「鮭を茹でる」という技術そのものが新しいわけではない。

むしろ面白いのは、

昔からある調理法が、SNSによって「焼かなくてもいいんだ!」と再発見されていること

なのではないでしょうか。

■SNSで「茹で鮭」「鮭は焼かずに茹でる」が話題になったのはいつ?

X上の関連投稿の由来は、主に脱サラ料理家・ふらおさん(@furafurafufu)の投稿がきっかけで「茹で鮭」「鮭は焼かずに茹でる」の話題が広がったそうです。

作り方は「塩鮭は焼かずに、酒大さじ3を加えた水で5〜6分茹でる」で、メリットとして「しっとりふっくら」「優しい塩味」「グリルが汚れない」を挙げています。

2025年9月30日の投稿が特に大きな反響で、「何度でも伝えたい 『塩鮭』は焼かずに食べると美味しい」で、焼くデメリット(グリル汚れ・パサつき・塩辛さ)を挙げた上で茹で方を紹介し、いいね約1.5万、表示回数100万超規模のバズになりました。

この投稿は複数のニュースサイト(Yahoo!ニュース)でも取り上げられています。

2015年頃:フーディストノートなどで「え、塩鮭をゆでちゃうの?」という記事が出ており、「テレビでも紹介され話題になった」と記載。酒を入れた弱火で5〜6分ゆでる基本レシピが既に広がっていました。

2022年頃:「「鮭」はもう焼かない。冷めてもふっくらしっとりする「鮭」の簡単調理術」などのWeb記事で同様の方法が紹介されています。

クックパッドなどにも「鮭は焼かずに茹でる!」系のレシピが複数あり、つくれぽも付いています。

2026年2月頃、スーパー・マルエツ公式(@maruetsu1945)の鮮魚部バイヤー投稿(同様の酒入りゆで方)もいいね2万超と大きく広がりました。

■なぜ鮭を茹でると「ふっくら・しっとり」が注目されるの?

鮭を焼いたときにありがちな失敗が、

火を入れすぎて身がパサパサになってしまうこと。

そこで「茹でる」という方法が注目されます。

過去に紹介されている「ゆで鮭」でも、

「しっとり」

「ふっくら」

「やわらかい」

といった食感がメリットとして紹介されています。

ただし、ここで重要なのは、

「茹でれば必ず柔らかくなる」という意味ではない

ということです。

加熱時間や温度によって仕上がりは変わるため、「焼くより茹でる方が優れている」というより、鮭をおいしく食べるための調理法の選択肢が一つ増えた、と考えるのがよさそうです。

そう考えると、

「焼くか茹でるか」

という二者択一というより、

鮭をおいしく食べるための選択肢が一つ増えた

と考えるのがよさそうです。

■鮭がバズる理由(1)「プロテイン代わり」という見方

ここから今回の話が面白くなります。

鮭は単に「焼かずに茹でるとおいしい魚」というだけではありません。

今の食生活のトレンドと非常に相性がよい食材です。

その一つが、

タンパク質。

タンパク質を意識して摂る場合、

プロテイン
鶏むね肉
サラダチキン
卵

などを思い浮かべる人も多いでしょう。

でも、鮭もタンパク質を摂ることのできる食品です。

実はハクライドウでは以前、プロテイン価格の上昇をきっかけに、

「プロテインだけを見るのではなく、魚や大豆などのリアルフードを含めた食生活を考えてみてはどうか?」

という記事を書いています。

→ プロテイン価格の急上昇はホエイプロテインから魚肉(特に銀鮭)やソイプロテインを含めた『リアルフードを中心とした食生活』へのシフトを加速させる!?プロテイン値上げの背景にあるのは?

「プロテイン」と「鮭」のどちらかを選ぶという話ではありません。

大事なのは、

普段の食事からどのようにタンパク質を摂るか

ということ。

ご飯と味噌汁に鮭を一品。

昔からある日本の食事ですが、見方を変えれば「リアルフードからタンパク質を摂る食事」でもあるわけです。

今回「鮭はタンパク質が豊富」とSNSで注目されたのも、現在の高タンパク・プロテインへの関心とつながっているのかもしれません。

■鮭がバズる理由(2)「アスタキサンチン」

そして今回のSNS投稿で、タンパク質以上にインパクトを持っているのが、

アスタキサンチン

です。

アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、鮭の赤い色にも関係しています。

美容や健康に関心がある人なら、

「抗酸化」

「アスタキサンチン」

という言葉を一度は聞いたことがあるかもしれません。

→ アスタキサンチンの健康効果・食べ物

今回の投稿でも、

「アスタキサンチンの抗酸化力はビタミンCの6000倍」

という非常にインパクトのある数字が紹介されています。

ところが、この「6000倍」という数字には注意が必要です。

■「ビタミンCの6000倍」は、身体への効果が6000倍という意味ではない

この「約6000倍」という数字は、アスタキサンチンとビタミンCについて、特定の実験条件下で一重項酸素に対する消去能力を比較した研究に由来します。

つまり、

鮭を食べれば、人間の体内でビタミンCの6000倍の抗酸化作用が得られる

という意味ではありません。

ここはSNSで数字だけが一人歩きすると誤解されやすいところです。

アスタキサンチンが興味深い成分であることと、

「6000倍」という数字が何を意味しているのかは、

分けて考える必要があります。

「○○倍」という数字を見たときには、「何と何を、どのような条件で比較した数字なのか」を確認することが大切です。

■鮭がバズる理由(3)実は「ビタミンD」も見逃せない

今回のSNSではアスタキサンチンが主役になっています。

でも、鮭の栄養を考えると、もう一つ忘れてはいけないのが、

ビタミンD

です。

ハクライドウでは以前、ビタミンDについて調べた記事でも、ビタミンDを含む食品として魚類に注目しています。

→ ビタミンDはどんな栄養素?必要摂取量は?ビタミンDを含む食品・サプリメントがこれからの健康食材としてビジネスの将来性はある?ない?どっち?

つまり鮭という食材を改めて見直してみると、

タンパク質
+アスタキサンチン
+ビタミンD

という複数の視点から見ることができます。

SNSでは一つの栄養成分が大きく取り上げられがちですが、

食品は一つの栄養素だけでできているわけではありません。

そこがサプリメントやプロテインと「食べ物」の違いを考える上でも面白いところです。

■そして「焼かずに茹でる」という意外性

ただ、

「鮭にはタンパク質があります」

「鮭にはアスタキサンチンがあります」

「鮭にはビタミンDがあります」

だけだったら、ここまでSNSでは話題にならなかったかもしれません。

今回、非常に強いフックになっているのが、

「焼かずに茹でるのです……」

という部分です。

私たちにとって鮭といえば、

「焼き鮭」

というイメージがあります。

そこに、

焼かない。

茹でる。

という提案が来る。

すると、

「えっ?鮭って茹でていいの?」

という小さな驚きが生まれます。

これはSNSで情報が広がる上では、とても大きなポイントなのではないでしょうか。

■実はもう一つある。「冷凍鮭でもできる」

そして今回の投稿でもう一つ重要だと思ったのが、

「冷凍の鮭でも」

という部分です。

どれだけ健康にいい食品でも、

高い
手に入りにくい
調理が難しい
面倒

となるとなかなか続きません。

ところが、

冷凍庫に鮭をストックしておく
↓
食べたいときに調理する
↓
タンパク質を摂れるおかずになる

ということであれば、普段の生活にも取り入れやすくなります。

健康習慣では、

「何が体にいいか」だけでなく「続けられるか」

も大切です。

アスタキサンチンの「6000倍」という派手な数字以上に、「冷凍鮭を普段の食事に取り入れやすい」という点の方が、実生活では意味があるのかもしれません。

■「焼き鮭」と「ゆで鮭」、結局どちらがいいの?

ここまで読むと、

「じゃあ鮭は焼かずに茹でた方がいいの?」

と思うかもしれません。

しかし、

焼き鮭をやめて、すべてゆで鮭にする必要はないでしょう。

焼いた鮭には焼いた鮭のおいしさがあります。

茹でる方法には、

「焼くとパサついてしまうのが苦手」

「冷凍鮭をしっとり食べたい」

「違う食べ方を試してみたい」

というときの選択肢になる可能性があります。

また、アスタキサンチンについてネット上では「焼くより茹でた方が残りやすい」といった説明も見かけますが、加熱方法には温度や時間などの条件も関係します。

単純に、

「健康のためには焼き鮭よりゆで鮭が正解」

と考えるのは避けた方がよさそうです。

それより、

自分がおいしく、無理なく鮭を食べ続けられる調理法を増やす

という考え方の方が実用的ではないでしょうか。

■昔からある料理法が「健康ハック」として再発見される

ここまで調べていて、以前の「アイラップでにんじん1本まるごとレンチン7分」の記事と似ていることに気づきました。

→ 「アイラップでにんじん1本まるごとレンチン7分」の起源は? バズる前からあったアイデアを調べてみた

SNSを眺めていると、

「ものすごく新しい料理法が発明された!」

ように感じることがあります。

ところが遡って調べてみると、実は似たアイデアが以前から存在している。

では、なぜ改めて注目されるのでしょうか?

今回の「ゆで鮭」の場合、

●高タンパク

プロテインなどを通じて、タンパク質を意識する人が増えている。

●アスタキサンチン

美容・健康との関連から注目されやすい。

●ビタミンD

鮭をはじめとする魚類を見るもう一つの栄養的な視点になる。

●焼かずに茹でる

「鮭=焼くもの」という先入観をひっくり返す意外性がある。

●冷凍鮭でもできる

特別な材料を必要とせず、日常生活に取り入れやすい。

こうした要素が一つにまとまった結果、

昔からある「鮭を茹でる」という料理法が、現代の健康習慣として再発見された

と考えると面白いのではないでしょうか。

■まとめ|鮭は「焼く」だけじゃない。昔からある知恵を今の食生活に

「鮭は焼かずに茹でる」という食べ方がSNSで話題になっています。

でも調べてみると、「ゆで鮭」という料理法そのものは今回突然生まれたものではなく、以前から紹介されてきました。

今回面白いのは、

昔からある調理法に、現代の健康トレンドが重なったこと

なのだと思います。

鮭を、

「焼き鮭」

として見るだけではなく、

タンパク質を摂れるリアルフード

として見る。

さらに、

アスタキサンチンを含む食品

として見る。

そして、

ビタミンDを含む魚

として見る。

昔から私たちが食べていた食材でも、時代によって見る角度が変われば、新しい価値が見えてきます。

そして「茹でる」という選択肢を知れば、

焼く・蒸す・茹でるなど、その日の気分や料理に合わせて鮭を食べる方法そのものが増える。

「健康にいいから鮭を食べなければ」と考えるより、「こんな食べ方もあるんだ」と選択肢が一つ増えること。

それが結果として、無理なく魚を食べる習慣につながるのかもしれません。

そして今回調べていて改めて面白いと思ったのは、SNSで話題になる健康・料理ハックは、必ずしも「新発明」とは限らないということです。

昔からあった調理法や食材が、時代が変わり、別の視点から見直されることで、新しい価値を持つことがあります。

今回の「ゆで鮭」でいえば、昔から身近にあった鮭という食材と「茹でる」という調理法が、現代の「高タンパク」「アスタキサンチン」「ビタミンD」「冷凍食品」「簡単調理」といった関心と結びついた。

新しい料理が生まれたというより、昔からあった知恵が、今の時代に合った形で再発見された。

そう考えると、SNSで次にバズる料理や健康法も、実は私たちが昔から知っている食材や調理法の中に眠っているのかもしれません。

【参考リンク】

2021年には「鮭は焼かずにゆでるべし!」として「ゆで鮭」が紹介されています。
https://www.lettuceclub.net/news/article/1025835/

2022年にも「鮭は焼かずに茹でる」方法が紹介されています。
https://saita-puls.com/22518

2025年には実際に茹で鮭を作り、時間が経っても柔らかかったという記事があります。
https://ameblo.jp/socchidiary/entry-12906809984.html

アスタキサンチンの「ビタミンCの約6000倍」は、一重項酸素消去に関する特定条件下での比較です。
Comparison of Astaxanthin’s Singlet Oxygen Quenching Activity with Common Fat and Water Soluble Antioxidants







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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おいしいアボカドの選び方|『柔らかさだけ』で選ぶと失敗する?見るべき5つのポイント

「ちゃんと柔らかいものを選んだはずなのに、切ってみたら中が黒い……」

「筋っぽくて、思っていたアボカドと違った……」

アボカドを買うとき、こんな経験をしたことはありませんか?

SNSでも、

アボカド、念入りに選んだつもりがいつもハズレ引いちゃうのなぜ…!!

という投稿が話題になっていました。

きっかけになったX投稿を見る

これに対して紹介されていたのが、

色むらが少ない
しっかりツヤがある
ヘタのところに少しだけ隙間がある
ヘタが取れている場合は、ヘタの跡がしっかりしている
柔らかさだけで判断しない

という選び方でした。

アボカドの選び方を紹介したX投稿を見る

実はアボカド選びが難しいのには理由があります。

■アボカドは「収穫してから熟す」果物

アボカドは、木になった状態で食べ頃になる果物ではありません。

UC Davis(カリフォルニア大学デービス校)によると、アボカドは木の上では熟さず、収穫後にエチレン生成が増加して追熟が進みます。

熟してくると果肉が軟らかくなり、ハス種など一部の品種では皮の色も緑から黒っぽく変化します。

つまり、

店頭に並んでいるアボカドは、それぞれ追熟の進み具合が違う可能性がある

ということ。

これが「外から食べ頃を見抜くのが難しい」理由のひとつです。

■スーパーではこの5点をチェック

1)皮の色を見る

最初から指で押すのではなく、まず外観をチェック。

ハス種の場合、追熟すると皮が緑色から黒っぽい色へ変化します。

すぐ食べるアボカドを探す場合、この色の変化は熟度を判断する手掛かりのひとつになります。

2)色むらや傷など、皮全体を見る

単に「黒ければOK」ではなく、皮全体の状態も確認します。

色むらが少なく、大きな傷や傷みがないものを候補にします。

UC Davisでも、アボカドの品質指標として皮の色や、傷・擦れなどの欠陥がないことなどを挙げています。

ただし皮の色だけで「食べ頃」と断定するのも禁物。

品種によって特徴が異なり、ハス種では熟す過程で緑から黒へ変化します。

3)ツヤを見る

SNSで紹介されていた方法では、「色むらが少なく、しっかりツヤがある」ことがポイントとして挙げられています。

4)ヘタを見る

さらに注目したいのがヘタ。

紹介されていた方法では、ヘタのところに「ちょっとだけ隙間ができている」ものがおすすめとされています。

ヘタがすでに取れている場合には、その跡の状態も確認します。

5)最後に柔らかさを見る

そして、おそらく多くの人がやっているのが、

「指で押して柔らかければ食べ頃」

というチェック。

果肉が軟らかくなること自体は、アボカドの追熟を示す指標です。

UC Davisも「flesh softening」を熟度の指標として挙げています。

ただしSNS投稿では「柔らかさだけで選ぶと筋や変色したものに当たりやすい」と指摘されています。

そこで、

「柔らかい=絶対に中身がおいしい」と考えず、外観やヘタなども合わせて見る

というのが今回のポイントです。

■結論:「1つのサイン」で決めない

アボカドを選ぶときは、

1)皮の色 → 2)皮全体 → 3)ツヤ → 4)ヘタ → 5)柔らかさ

の順番でチェックしてみるとよさそうです。

UC Davisによると、アボカドは収穫後に追熟し、熟すにつれて果肉が軟化します。

またハス種では緑色から黒っぽい色への変化も熟度の指標になります。

一方、品質を見る際には皮の色だけでなく、傷や果肉の褐変、病害なども重要です。

特に大事なのは、

「柔らかいから大丈夫」と1つの条件だけで決めないこと。

アボカドは収穫後にも追熟していく果物です。

だからこそ、スーパーで完璧な1個を見抜こうとするより、いくつかのサインを組み合わせて食べ頃に近いものを選ぶと考えた方がよさそうですね。







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単発の健康情報やレシピの話ではありません。

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「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

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