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肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが運動の効果を無効にする|運動効果に個人差がある原因の一つを解明|金沢大学【論文・エビデンス】

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肝臓で作られるホルモン「セレノプロテインP」が血糖値を上げ、インスリンによる糖尿病治療を邪魔していることを発見されていましたが、今回の研究では、セレノプロテインPが、運動の効果を無効にすることがわかりました。




【目次】

■肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが運動の効果を無効にする

肝臓から分泌されたヘパトカインであるセレノプロテインPは、筋において受容体LRP1を介して作用し、運動抵抗性を誘導する
2型糖尿病や脂肪肝の患者の一部では、過剰に産生されたセレノプロテインPが受容体LRP1を通じて筋肉で作用します。筋に取り込まれたセレノプロテインPは、GPX1やSeWなどの抗酸化タンパクを誘導します。その結果、運動で生じる活性酸素の量が抑えられてしまうため、運動したとしてもその健康増進効果が出ない病態「運動抵抗性」に陥ります。

参考画像:肝臓ホルモン「ヘパトカイン」が運動の効果を無効に 運動の効果に個人差がある原因の一つを解明!(2017/2/28、金沢大学・同志社大学・筑波大学・科学技術振興機構(JST))|スクリーンショット

肝臓ホルモン「ヘパトカイン」が運動の効果を無効に 運動の効果に個人差がある原因の一つを解明!

(2017/2/28、金沢大学・同志社大学・筑波大学・科学技術振興機構(JST))

研究グループは、2型糖尿病、脂肪肝の患者、高齢者で多く発現している「ヘパトカイン」であるセレノプロテインP注3)に着目して研究を行いました。

マウスや細胞の実験によって、過剰なセレノプロテインPは、受容体であるLRP1注4)を介して筋肉に作用することで、運動したにもかかわらず、その効果を無効にする「運動抵抗性」という病態を起こすことを見い出しました。

また、セレノプロテインPを生まれつき持たないマウスでは、同じ強さ・同じ時間の運動療法を行っても、通常のマウスと比べて運動のさまざまな効果が倍増することが分かりました。

さらに、健常者を対象にした臨床研究では、血液中のセレノプロテインPの濃度が高かった人は、低かった人に比べて、8週間の有酸素運動トレーニングをしても運動の効果が向上しにくいことが分かりました。

金沢大学の金子周一教授、篁俊成教授、御簾博文准教授らの研究グループによれば、肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが、受容体であるLRP1(Low densiity lipoprotein receptor-related protein 1)を介して骨格筋に作用することで、運動を行なってもその効果を無効にしてしまう「運動抵抗性」という病態を起こしていることを発見したそうです。




■研究の背景

運動不足が肥満糖尿病高血圧脂肪肝などの様々な生活習慣病につながっており、これらの生活習慣病の予防や治療には運動することを薦められていますが、運動してもあまり効果が得られない人がいることがわかっていたそうです。

■金沢大学における「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPに関する研究

血糖値上げる肝臓ホルモン「ヘパトカイン・セレノプロテイン P」発見=糖尿病の新たな治療法に期待|金沢大(2010/11/6)

金沢大の金子周一教授らの研究チームは、
肝臓で作られるホルモン「セレノプロテインP」が血糖値を上げ、インスリンによる糖尿病治療を邪魔していることを発見しました。

糖尿病患者を調査したところ、抗酸化物質セレンを運ぶ役割を持つ「セレノプロテインP」と呼ばれるホルモンの血中濃度が高いことに着目し、マウス実験でセレノプロテインPを打ったマウスは血糖値が上がりインスリンが効きにくくなることや肝臓でのセレノプロテインP生成を抑える薬を打ったマウスは血糖値が下がることも分かったそうです。

肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、他の臓器におけるインスリン抵抗性が強い!?|金沢大学(2014/3/28)

金大医薬保健研究域の篁俊成教授と金子周一教授らの研究グループは、肝臓に付いた脂肪が、血糖値を下げるインスリンの働きを、筋肉など肝臓以外の部位でも妨げることを確認しています。

この研究のポイントは、肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、肝臓と離れた場所に存在する骨格筋でインスリン抵抗性が強いということです。

※インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪などでのインスリンの働きが低下する状態で、インスリン抵抗性が強いと、糖尿病脂肪肝メタボリックシンドローム高血圧脂質異常症高脂血症)・動脈硬化を招く原因となります。

骨格筋についた脂肪は他の臓器におけるインスリン抵抗性とは関連しておらず、肝臓に蓄積した脂肪が多いほど他の臓器におけるインスリン抵抗性が強いことから、肝臓と全身をつなぐ何らかのネットワークが存在すると考えられるそうです。

1.肝臓の脂肪量は、肝臓だけでなく、骨格筋のインスリン抵抗性と強く関連する

肝臓に蓄積する脂肪量が多いほど、肝臓および肝臓と離れて存在する骨格筋のインスリン抵抗性が強いそうです。

2.骨格筋についた脂肪は、肝臓などのほかの臓器のインスリン抵抗性と関連しない

3.体脂肪量は、脂肪組織のインスリン抵抗性と関連しない

以上のことから、脂肪肝の悪化は、肝臓だけでなく、全身のインスリン抵抗性の悪化において中心的な役割を果たしており、また肝臓と骨格筋を結ぶ何らかのネットワークの存在があることが考えられます。

研究グループによれば、肝臓から分泌される「ヘパトカイン」が骨格筋のインスリン抵抗性の原因になっている可能性があると考えて研究を進めているそうです。

■まとめ

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by ThoroughlyReviewed(画像:Creative Commons)

セレノプロテインPの血中濃度は、2型糖尿病や脂肪肝の患者、高齢者で上昇していることが報告されています。このような方たちは、セレノプロテインPが過剰にあるため、運動を行ったにもかかわらず、その効果が起こらないという病態が身体の中で生じている可能性があります。
今後、セレノプロテインPの肝臓での産生を抑える薬や、筋肉での受容体であるLRP1に拮抗する薬を探すことで、運動の効果を高める「運動効果増強薬」の開発につながることが期待されます。

今回の研究で、肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが骨格筋に作用することで、運動を行なってもその効果を無効にしてしまうことがわかりました。

これまでこのブログでは脂肪肝の予防・改善に運動をすすめていましたが、人によってはその効果が得にくい人がいることがあるとわかりました。

【関連記事】

今後この研究が進むことで、血液中のセレノプロテインP濃度をあらかじめ測ることによって、事前に運動効果が得られやすい方と得られにくい方を予測したり、セレノプロテインPの産生を抑える薬や、筋肉での受容体であるLRP1に拮抗(互いに反対の作用を同時に行う)する薬を探すことで、運動の効果を高める「運動効果増強薬」の開発ができれば、同じような運動効果を得られるようになることが期待されます。







【参考リンク(論文・エビデンス)】
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還暦を迎える1959年生まれの人の4人に1人の貯蓄額が「100万未満」!|PGF生命




■還暦を迎える1959年生まれの人の4人に1人の貯蓄額が「100万未満」!|PGF生命

還暦人の貯蓄額平均2,956万円、一方4人に1人が「100万円未満」2019年の還暦人(かんれきびと)に関する調査
還暦人の貯蓄額平均2,956万円、一方4人に1人が「100万円未満」|2019年の還暦人(かんれきびと)に関する調査(PGF生命)

参考画像:2019年の還暦人(かんれきびと)に関する調査(2019/6/12、PGF生命)

2019年の還暦人(かんれきびと)に関する調査

(2019/6/12、PGF生命)

全回答者(2,000名)に、現段階の貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)を聞いたところ、「100万円未満」(24.7%)が4人に1人の割合となりました。

プルデンシャル・ジブラルタ・ファイナンシャル生命保険(PGF生命)が行なった、還暦を迎える1959年生まれの男女を対象にした「人生の満足度に関する調査2019」によれば、4人に1人の貯蓄額が「100万未満」だということがわかりました。

金融庁が老後を豊かに95歳まで生きるには夫婦で老後2千万円の蓄えが必要と試算したことが大きな話題になりましたが、今回の調査結果を参考にすれば、4分の1の人はまったく足りない状況にあるといえます。

■まとめ

老後への備え(公的年金、個人年金保険など)について、現時点でどの程度満足しているか|「人生の満足度に関する調査2017」|PGF生命
老後への備え(公的年金、個人年金保険など)について、現時点でどの程度満足しているか|「人生の満足度に関する調査2017」|PGF生命

参考画像:「人生の満足度に関する調査2017」(2017/12/5、PGF生命)|スクリーンショット

昨年の調査結果と比較すると、「100万円未満」は2018年20.6%→2019年24.7%と、4.1ポイント上昇しました。一方で、平均額は2018年2,725万円→2019年2,956万円と、231万円上昇し、今年の還暦人は貯蓄の格差が開く結果となりました。

貯蓄の平均額を見ると2019年のほうが上昇していますが、貯蓄額2000万円以上でも3人に1人が老後への備えに不満を感じている!?という結果も出ていますので、長生きリスクを漠然と抱えながら過ごしている人が多いということではないでしょうか?

老後の備えに対する不安や危機感を感じている人は、少しずつでもお金に対する知識を身につけ、少額投資もできるようになっていますので、実践しながら学んでいきましょう。

→ 【初心者向け】老後の資産を作る!定期預金・IDECO・NISA・保険の特徴を知り、少額・分散投資ができることを知ろう! について詳しくはこちら







【老後の悩み 関連記事】
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「抗尿酸値ドリンク」|アンセリンとは?なぜ尿酸値を下げるの?|2019年ヒット予測ランキング

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■「抗尿酸値ドリンク」|アンセリンとは?なぜ尿酸値を下げるの?|2019年ヒット予測ランキング

asia feet

by Mu zI(画像:Creative Commons)

「日経トレンディ」が発表した「2019年ヒット予測ランキング」の中で健康が気になる人が注目するのが第17位の「抗尿酸値ドリンク(アンセリン)」です。

「アンセリン」は抗疲労ブームで人気になった「イミダゾールジペプチド」の一種で、2015年9月20日放送の「健康カプセル!ゲンキの時間」ではマグロには疲労回復効果のあるアンセリンが含まれていると紹介され、また、2015年8月17日放送の「解決スイッチ」でアンセリンを摂取することで疲労回復効果が期待できることから、ハラミやタンといった赤身肉、鶏むね肉、マグロ・カツオの赤身をおすすめしていました。

今回はアンセリンと尿酸の関係がポイントです!

アンセリンの尿酸値降下作用|焼津水産化学工業によれば、アンセリンには(1)尿酸を作られ過ぎることを抑える、(2)作られ過ぎた尿酸の体外への排泄の促進、という2つの効果から、尿酸値を下げる働きがあると考えられるそうです。

アンセリンはマグロ・カツオに含まれているので食品としても摂取ができますが、カツオやマグロには尿酸のもととなるプリン体が多く含まれているため、尿酸値が気になる人には食品として摂取するのが難しいということですね。

そこで、プリン体をカットし、アンセリンだけを摂ることができる健康食品素材として商品化され、すでにアンセリンの健康食品が販売されています。

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ただ、機能性表示食品のように効能をうたうことができていなかったのですが、2019年に「尿酸値上昇を抑制する」ことをうたうことができる機能性表示食品として届け出が受理されれば注目が集まりそうです。




■まとめ

#笑福亭鶴瓶 さんの病気は「痛風」|痛みを座薬で抑える鶴瓶さんに #中居正広 さんがイタズラ|#仰天ニュース【痛風有名人】によれば、痛風の芸能人は鶴瓶さんの他にも多く、さまぁ~ずの三村マサカズさんや陣内智則さん、華原朋美、品川庄司の品川祐さん、ケンドーコバヤシさんも痛風になっていたことを告白しています。

痛風は、風が吹いても痛いということから由来がきているそうですが、痛風の症状は、足の指が腫れ、針で刺したようにジンジンとした痛みが現れます。

→ 痛風とは|症状(足の痛み)・原因・食事 についてくわしくはこちら

高尿酸血症・痛風の最近のトレンドとリスク|高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版によれば、高尿酸血症・痛風の患者は増加傾向にあるそうです。

痛風を予防するためには生活習慣を改善する必要がありますが、でも「できたら生活習慣の改善なく予防出来たらなー」というのが心の声というもの。

そうした心の声を商品化した「抗尿酸値ドリンク(アンセリン)」に2019年は注目です!

→ 痛風・高尿酸血症の食事|プリン体の多い食品とは? についてくわしくはこちら







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カメラに指を置くだけ!自律神経をスマホアプリで測る「CARTE(カルテ)」|CA・順天堂大学




■カメラに指を置くだけ!自律神経をスマホアプリで測る「CARTE(カルテ)」|CA・順天堂大学

CARTE
CARTE – 自律神経をスマホで測れる! カメラに指を置くだけ、自律神経がわかるインナーパワーで評価!

参考画像:CARTE – 自律神経をスマホで測れる!カメラに指を置くだけ、自律神経がわかるインナーパワーで評価!|iTunes(iOS)|スクリーンショット

サイバーエージェントが順天堂大学と共同で自律神経のセルフコントロールをサポートする アプリ「CARTE(カルテ)by CyberAgent」の提供を開始~自律神経の状態を把握する独自指標“インナーパワー”を数値化~

(2018/8/21、サイバーエージェント)

自律神経は、内臓器官と血液をコントロールしている神経で、体を緊張させる交感神経と体をゆるめる副交感神経の両方が高いレベルで安定していることが、心と体にとって最も良い状態であるといわれています。「CARTE」では、自律神経の活動量とバランスを掛け合わせた独自の指標を“インナーパワー”として数値化。スマートフォンのバックカメラに60秒間指を当てるだけで、ユーザーの脈拍から心拍変動解析に基づいた自律神経の状態を1~100の数値で算出します。

サイバーエージェントは、順天堂大学との産学共同プロジェクトとして、自律神経研究の第一人者である小林弘幸順天堂大学医学部教授監修による自律神経のセルフコントロールをサポートするアプリ「CARTE(カルテ)by CyberAgent」をリリースしました。

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■まとめ

今後も、解析エンジンとアルゴリズムの改良を行い、測定時間の短縮化を図ると共に、ビッグデータを活用した機械学習を取り入れることで、測定時の心身のコンディションや前後の行動の記録、地域や天気によっての自律神経の状態などを総合的に分析できるようにし、更にセルフコントロールや病気予防に寄与できるサービスを目指して機能拡充を行う予定です。

予防医療が広がることで、自分の健康状態を天気予報を見るようにダッシュボードで見て予測できるような未来になる!?でも取り上げましたが、最近では予防医療・予防医学に関しても注目が集まっています。

在日米国商工会議所(ACCJ:The American Chamber of Commerce in Japan)と欧州ビジネス協会(EBC:European Business Council in Japan)は、持続的な経済成長を促すことを目的に、健康寿命を延ばし病気による経済的負担を軽減するための政策を提言した「ACCJ-EBC医療政策白書2017年版」を共同で発表し、病気の予防や早期発見、早期治療を柱とする「予防型医療」への転換の重要性を訴えています。

ザッカーバーグ夫妻、人類の病気を予防・治療するプロジェクトで30億ドルを投資で紹介したザッカーバーグさんはこのようにコメントしています。

ザッカーバーグは「アメリカでは病気にかかった人々を治療するための支出に比べて、そもそも人々が病気にならないように研究するための支出はわずか50分の1しかない」と述べた。

ザッカーバーグさんのコメントは、病気を発症してからではなく、病気予防に重点を置くという考え方は、東洋医学の「未病」という考え方に近いと思います。

人によっては、健康診断などの検査結果で異常がないにもかかわらず、体がだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい、眠れないなどといった体の不調に悩まされた経験もあるのではないでしょうか。

「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、未病の考えでいう健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないでしょうか。







【自律神経関連記事】

2018年介護報酬改定のポイントは「自立支援」強化|介護ロボット(夜間見守りシステム)を導入で加算!?脱おむつで介護報酬アップ!?




【目次】

■介護報酬の改定のポイントは「自立支援」強化|介護ロボット(夜間見守りシステム)を導入で加算!?

自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|新産業構造ビジョン|経済産業省
自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

夜間見守り介護ロボット導入の施設に報酬加算へ

(2017/11/24、NHK)

新たに対象となるのは、高齢者がベッドから落ちそうになったり、はいかいしたりした場合、センサーが感知して知らせる機器などを入所者数の15%以上の数設置した施設のうち、配置する職員が基準を1割下回る施設です。

一方、高齢者を抱え上げる作業などを手助けする機器は、職員の業務時間の短縮にどこまでつながるか見極めた上で加算の対象にすべきか検討することにしています。

介護労働安定センターの調査によりますと、見守りシステムなどのいわゆる介護ロボットを導入している施設は去年の時点で全体のおよそ2割にとどまり、多くの施設は、予算がないため導入できないとしています。

厚生労働省はこうした方針を来週開かれる審議会で示したうえで加算の金額などを検討することにしています。

介護の現場では肉体的・精神的負担が大きいという負担を減らすことにより職場に定着してもらうことが課題となっていますが、厚生労働省では、2018年4月に行われる介護報酬の改定で、介護ロボットの一つとして考えられる夜間に高齢者を見守るシステムを導入した場合には、配置する職員が基準よりもやや少なくても介護報酬を加算するというように条件を緩和する方針を決めたそうです。

施設によりますと、このシステムが備わったベッドでは、転落事故が起きなくなったほか、夜間の見回りを減らすことができ、職員が巡回を行う時間は平均して1日50分ほど短くなったということです。

一方で、導入費用は1台30万円かかり、購入できたのはまだ7台にとどまっています。

ベッドの上の高齢者の動きをセンサーで感知するシステムによって、ベッドからの転落事故が起きなくなったり、職員による夜間の巡回を行う時間が短くなることで、介護者・被介護者の負担が軽減することができるものの、価格が高いため導入しづらいというのが難点なのだそうです。




■脱おむつで介護報酬アップ!?

介護「脱おむつ」支援の事業者は高報酬に 厚労省が方針

(2017/11/25、朝日新聞)

まず、おむつを使う入居者に「ポータブルトイレをベッド脇に置けば自分でできる」などの目標を立てる。そして、実現に向けての支援計画を作り、計画を実施した場合に報酬を加算する方針だ。事業者が加算を得るために入居者に強要することを防ぐため、医者がおむつを外せると判断し、本人が望む場合に加算対象を限定する。

例えば、高齢者の「自立支援」を促す仕組みの具体策として、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などがおむつをしている入居者がおむつなしで暮らせるように支援すると介護報酬を手厚くする方針を固めたそうです。

■まとめ

要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省|スクリーンショット

75歳以上同士の「老老介護」初の30%超|65歳以上同士の「老老介護」は過去最高54%に|平成28年国民生活基礎調査によれば、介護をする側と介護を受ける側の両方が高齢者の組み合わせである「老老介護」が話題になっていますが、平成28年国民生活基礎調査で発表された、同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、60歳以上同士70.3%、65歳以上同士54.7%、75歳以上同士30.2%となっており、また年次推移でみると、上昇傾向にあるのがわかります。

介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円によれば、今後高齢者人口と高齢者世帯の増加に伴いサービス市場は拡大し、介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円に迫るそうですが、介護職員は2025年には約38万人不足するおそれがあるそうです。

介護福祉士ピンチ!?介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%によれば、公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」の調査によれば、2016年度の介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%だったそうです。

入学者割合の低下には、重労働の割に賃金が低い処遇が影響しているのではないかということが理由として挙げられています。

大事なのは、介護に対する負担が大きいにもかかわらず、賃金や労働環境に恵まれていないことです。

介護する側の負担を減らす方法には大きく分けて2つあります。

1.介護度を改善すること、または介護度を悪化させないこと

2.テクノロジーを活用することによって、より簡単な介護をできるアシストをしたり、やらなくてもよい仕事を減らすこと

最近の傾向としては、【IOT×介護】溺水事故を防ぐ!マイクロ波を使った「浴室センサー」|失禁への不安を軽減!排尿センサー|SOMPOのように、介護する側の負担をテクノロジーを活用することによって軽減することを目指すものが増えているように感じます。

介護保険制度の改定のポイントとなっているのも、リハビリなどで利用者の介護状態を改善させた事業者への報酬を加算する仕組みを導入する「自立支援」の強化です。

自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|新産業構造ビジョン|経済産業省
自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最大化に向けて、⾼齢となっても⾃分らしく生きることの出来る「生涯現役社会」の実現に向けて、⾃立支援に向けた介護や質・生産性の⾼い介護の提供の実現が必要であるとして、できないことのお世話中心の介護から、自立支援に軸足を置いた介護への移行が必要であり、効果のある自立支援の取り組みが報酬上評価される仕組みを確立すべきとあります。

要介護度等の改善に対するインセンティブの例として、品川区や川崎市、岡山市や福井県など複数の自治体がインセンティブ措置を講じているそうです。

最近では、介護度改善を応援する国内初の専用保険『明日へのちから』|介護度が軽くなると保険金が払われる保険|アイアル少額短期保険のように、介護度が軽くなると保険金が払われる保険で出てきました。

ここまでみると、利用者の介護状態を改善させた事業者に介護報酬を加算する仕組みというのはすばらしい取り組みかと思いますが、気になる点もあります。

それは、介護保険制度の改定によって、介護報酬が見直されることにより、病気やケガの中には現時点では治る見込みのない被介護者へのケアが行き届かなくなり、サービスの質が低下するのではないかという不安であり、事業者によってはサービスの継続が難しくなるところも出てくるのではないかという意見もあります。

こうしたときに役立つ考え方が「インクルージョン」です。

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?によれば、「インクルージョン(Inclusion)」とは、包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れるという考え方です。

「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

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インクルージョンには様々な側面がある。社会的、経済的、人種的な強者による支配を終わらせること。体の状態や性別、ジェンダーアイデンティティー、性的嗜好によって差別されないということ。生まれた場所や逮捕歴、支持政党などによって参加を阻まれないこと。p69

自分にはどうすることもできない状態で弱者となってしまったと想像してみてほしいのです。

健康で、若く、経済的にも苦境に立たされることなく、性別における差別もなく、生まれた場所も平和で、家族に逮捕歴などもないというような恵まれた状況にあると、見えてこない世界があるかもしれません。

どんなに自分は大丈夫だと思っていても、ある日突然、事故や病気に合ったり、日本円が使えなくなったり、戦争状態に陥ったりしてしまうと、弱者の側に立たされてしまうかもしれません。

「インクルージョン」という考え方を持ちながら、アイデアとテクノロジーによって、介護者・被介護者の介護における負担を軽減するにはどうしたらよいかについて考えていくともっとみんなにとってやさしい世の中になっていくのではないでしょうか?







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