普段私たちが何気なくしている呼吸ですが、呼吸法によって不健康になることがあります。
特に、口呼吸は健康に悪くて、鼻呼吸することが大事といわれますが、そもそも鼻呼吸のメリットと口呼吸のデメリットは何なのでしょうか。
【目次】
■鼻呼吸のメリット
by Patricia Espedal(画像:Creative Commons)
鼻呼吸のメリットをまとめます。
- 鼻にある鼻腔(びくう)には、吸う空気を温め、適度な湿度を与える天然のエアコン機能があります。
- また、鼻腔には、ゴミ(ほこり・粉塵)や細菌、ウイルスなどをブロックし、肺などを守るフィルター機能があります。
- 鼻呼吸のほうが集中力が長く続き、睡眠の質が高い。
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■口呼吸のデメリット
by Shélin Graziela(画像:Creative Commons)
風邪や花粉症で鼻づまりのために口呼吸になっている人もいると思いますが、そうではなく、つねに口呼吸になってしまっている人がいます。
なぜ口呼吸は健康においてよくないのでしょうか。
●口呼吸には、エアコン機能とフィルター機能がない
口呼吸では、鼻呼吸と違い、エアコン機能とフィルター機能がないため、ゴミやウイルスが除去されておらず、冷たく乾燥した空気がのどに直接襲います。
その結果、風邪やインフルエンザなどの細菌やウイルスに感染してしまうなど様々な病気も引き起こしてしまうのです。
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●口の乾燥で咽頭炎になりやすくなり、口臭がひどくなる恐れがある
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鼻づまりで口呼吸になると、口の中が乾燥する。
すると、「粘膜保護作用が低下して、ちょっと硬い食べ物でも傷付き、病原菌も増殖して、咽頭炎になりやすい。
古い粘膜層が唾液(だえき)で洗い流されず、カビが生じたり舌苔(ぜったい)が増えたりして口臭の原因にもなる」。
つまり、口呼吸になると、口の中が乾燥してしまうため、粘膜による保護ができずに、咽頭炎になりやすくなったり、口臭がひどくなる恐れがあるそうです。
また、口呼吸の人は口臭やイライラ、肌荒れなどに悩んでいる人が多かったそうです。
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●睡眠時無呼吸症候群の原因に
口呼吸は、睡眠時無呼吸症候群の原因の一つともいわれているそうです。
鼻呼吸なら気道を確保できても、口呼吸は口をぽかんと開けているため、口の周りの筋肉が弛緩し、舌が気道を塞いでしまうのだ。
悪くすると心臓に負担をかけ高血圧や突然死をも誘発しかねないというから、聞き捨てならない。
さらには、舌の粘膜の乾燥による味覚障害、鼻の機能低下による嗅覚障害の可能性も示唆されている。
睡眠時無呼吸症候群とメタボリックシンドロームが関係しているといわれています。
そして、頻繁にいびきをかく人は、無呼吸症候群になる可能性があり、いびきによって血圧が上昇と降下を繰り返す危険があるため、心筋梗塞になるリスクが高くなります。
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■睡眠時の口呼吸の原因
寝ているときに口呼吸になっている人もいますが、これは何が原因なのでしょうか。
睡眠時の口呼吸は、鼻づまりや鼻咽頭閉鎖、舌根の落ち込みによるいびきが原因だ。
「鼻とのどを仕切る鼻咽頭が加齢や飲酒でたるむと、あおむけに寝たときに鼻側をふさいでしまう。
二重あごの人は舌根が落ち込んで気道をふさぎがち」
■口呼吸をやめて、鼻呼吸にする方法
口呼吸ではなく、鼻呼吸にするためには、粘膜の充血を鎮める点鼻スプレーや小鼻を広げるテープなどで鼻呼吸をしやすくする必要があります。
また、口呼吸の原因となる鼻咽頭閉鎖や舌根落ち込みを予防する筋肉トレーニングも紹介しています。
「鼻咽頭は、軟口蓋(なんこうがい)つまり口の天井の奥を上と横に思い切り広げることで周囲の筋肉を鍛えられる。
舌根はのど仏の上の舌骨についた筋肉を鍛える。
舌を突き出して上下左右に動かしたり、左右にねじったりする。気が付いたとき1、2分行えばいい」という。
口呼吸は、咽頭炎や口臭の原因となるだけでなく、口の半開きによる表情のたるみ、集中力低下などの弊害ともなる可能性があるため、きちんとした対策が必要なようです。
■呼吸不足の人がいる!?
「呼吸不足による症状」の原因は、パソコンを長時間使用する際に“息を詰めている”ことにあるという。
舌が口の中でリラックスできず、緊張してこわばっている状態だ。
そうなると“十分に呼吸ができていない”状態に。
舌を上あごや下の歯に押し付けてしまう人もいるのだそうだ。
パソコンの画面に意識が集中することによって起こるのだが、こうなってしまうと、喉の奥で起こっている“呼吸に関する緊張”を緩めなければならないそう。
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■息を吐くことを意識して呼吸をしよう
by Brynn Tweeddale(画像:Creative Commons)
自律神経とは、呼吸・心臓の動き・血の巡りなど体の基本的な働きをコントロールしている神経系です。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2種類があります。
- 交感神経:血管を収縮。アクティブ
- 副交感神経:血管を拡張。リラックス
男性30代、女性40代になると、副交感神経の働きが急激に低下するそうです。
交感神経の働きが優位になると、血管が収縮し、血流が悪くなり、肩こり・高血圧・むくみ・便秘になりやすく、最悪の場合、脳梗塞・心筋梗塞の危険性が高まるそうです。
順天堂大学医学部教授の小林弘幸先生によれば、さまざまな症状の原因が実は交感神経と副交感神経のバランスが崩れたことにあるのではないかと考えられ、反対に考えると、交感神経と副交感神経のバランスを上手にコントロールできるようになれば、病気になりにくくなると考えられるということです。
それでは、どのようにすれば、自律神経のバランスをコントロールすることができるのでしょうか?
それは、呼吸法を変えること。
吐く息を意識し「4秒かけて吸う、8秒かけて吐く」ようにするとよいそうです。