磯野貴理子さん「もう使われていない田んぼを借りて、農薬を使わずにお米をつくります」




Threadsに次の投稿をしたんですが、コメントがたくさん来ています。

磯野貴理子さんが「もう使われていない田んぼを借りて、農薬を使わずにお米をつくります」というニュースを見て「農薬を使わずに米はできない」というコメントを見ました。磯野貴理子さんは過去に脳梗塞を患って健康を意識しているはずで、無農薬で作ることは確かに難しいことですが、実際にやっていらっしゃる農家さんもいるので、大変だとは思いますが、チャレンジを成功させてほしいですね。

この投稿に関してコメントを大きく分けると2つ。

1)無農薬でもできます

2)無農薬でも作っていいけど、周りの田んぼに迷惑が掛からないようにしてほしい

無農薬でもできるけど、大変だし、収量が少なくなってしまうという意見と、農薬なしでは周りの田んぼに迷惑が掛かってしまうよというコメントが来ていました。

ハウス食品が“幼児向け食品”を自主回収 調味料の原料に“基準値超え農薬”…… 「申し訳ございません」(2025年6月27日、ねとらぼ)によれば、ハウス食品は、販売する幼児向け食品に、残留農薬基準値を超えたソラマメから製造した味噌原料が含まれていたとして、「(農薬の)検出量は極めて微量であることから、喫食しても健康被害につながる可能性は極めて小さいと考えられる」が商品を自主回収すると発表しています。

このニュースを見てモヤモヤとしたものがあって、残留農薬基準値超えはやはり体には心配なのではないかということなんです。

農薬を使わないと雑草とか虫が多くて収量が少なくなって農業をするのは難しいという意見はわかります。

ただできるだけ農薬を使ったものを食べたくないという気持ちも皆さんあるはずです。

それは何となく体に悪いものという認識があるからでしょう。

特に自分が小さい子供を抱えている親だとしたら、基準値超えの農薬が原料に含まれている幼児向け食品に対して心配すると思います。

キューピー、育児食(ベビーフード・幼児食)販売終了へ:子育て世代への影響と背景について書いたときに、安心して選べる育児食(ベビーフード・幼児食)がなくなるというのは親にとってすごくショックなんだとわかりました。

でもそれっておかしくて、子供に限らず大人にとっても安心できる食べ物を食べたいというのは当然ですよね。

結局これって誰かが悪いわけじゃなくて、自分が正しいと思うことを代弁すると、いざこざの素となってしまうのだなぁと思うんです。

自分は安心できるものを食べたいから、無農薬で作りたいという思いと、無農薬で作ると周りの田んぼに迷惑がかかるという思い。

有機農家の方に尋ねたら、農薬は悪い菌をやっつけるけど、良い菌もやっつけちゃうんで土地が弱いから、ある時は自分のところの作物だけが良くて、近くのところの作物がうまくとられなかったため、妬みがあったりしたそうです。

またほかの農家の方に尋ねると、虫がいない高地で育てているので大丈夫だと聞いたこともあり、必ずしも農薬をしないといけないわけじゃなくて、どんな環境で育てているかというのも聞いてみないと、話がこんがらがってしまいます。

このあたりがどうもモヤモヤしちゃうんです。

【補足】Grokに尋ねてみた!

Q. 無農薬で稲作をすると田んぼに虫や病気が発生した時に近くの田畑に迷惑がかかるという意見があったのですが、それは本当ですか?論文や研究をベースに調べたいです。ちなみに何もしていない田んぼでも同様に虫や病気は発生しないものなのでしょうか?その場合は常に近くの田畑に迷惑が掛かってしまうのではないでしょうか?

A. 無農薬稲作における虫や病気の発生が近隣の田畑に迷惑をかけるかどうか、また管理されていない田んぼでの虫や病気の発生状況について、論文や研究に基づいて回答します。以下、質問ごとに整理して説明します。

1. 無農薬稲作が近隣の田畑に迷惑をかけるか?

無農薬稲作では、化学農薬を使用しないため、害虫や病気の発生リスクが一般的に高まると考えられています。特に、稲作において問題となる害虫(ウンカ、ヨコバイ、カメムシなど)や病気(いもち病、紋枯病など)が管理不足により増殖し、近隣の田畑に拡散する可能性が指摘されています。以下に、関連する研究や情報に基づいた考察を示します。

害虫の拡散リスク

農林水産省の情報によると、稲の害虫にはウンカやヨコバイ、カメムシなどが含まれ、これらは葉や茎から汁を吸い、ウイルス病を媒介する可能性があります。無農薬栽培では、これらの害虫を防除するための化学農薬を使用しないため、害虫の個体数が増加する可能性があります。特に、ウンカやヨコバイは繁殖力が高く、田んぼの一部を枯らすほどの被害を引き起こすことがあり、歴史的には大飢饉の原因にもなったとされています。これらの害虫が風や移動によって近隣の田畑に拡散するリスクは、理論上存在します。

例えば、Xの投稿では、ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)が無農薬の田んぼで増殖し、近隣の水田に影響を及ぼす可能性が指摘されています。ジャンボタニシは稲を食害し、田んぼの水路を通じて近隣に拡散する可能性があるため、無農薬栽培では特に注意深い管理が必要とされています。

病気の拡散リスク

稲の病気(例:いもち病、紋枯病)は、湿度や温度条件が揃うと発生しやすく、胞子が風や水を介して拡散します。無農薬栽培では、予防的な殺菌剤の散布が行われないため、病気が発生した場合に広がりやすくなる可能性があります。農研機構の研究では、病害虫の発生状況をモニタリングし、地域ごとの注意喚起を行う仕組みが紹介されていますが、無農薬田んぼでの病気の管理が不十分だと、近隣への影響が懸念されます。

研究に基づく証拠

日本植物防疫協会の調査報告では、農薬を使用しない場合の病害虫被害について、農作物の収量や品質が低下する可能性が示されていますが、近隣への直接的な影響に関する具体的なデータは限定的です。ただし、害虫や病原体の生態を考慮すると、密度依存的な拡散(害虫の個体数が増えると移動範囲が広がる)や風媒・水媒による病原体の拡散が起こり得ると考えられます。

また、千葉大学の野村昌史教授の研究では、総合的害虫管理(IPM)として天敵昆虫や物理的防除を用いることで、化学農薬に頼らず害虫を管理する方法が提案されています。これにより、害虫の拡散リスクを軽減できる可能性がありますが、無農薬栽培ではこうした代替手段の導入が不十分な場合、近隣への影響が大きくなる可能性があります。

近隣への迷惑に関する結論

無農薬稲作が近隣の田畑に迷惑をかける可能性は、害虫や病気の管理が不十分な場合に存在します。特に、ジャンボタニシやウンカのような移動性の高い害虫や、風媒で広がるいもち病などの病気が問題となる場合があります。ただし、適切な管理(例:防虫ネット、天敵利用、合鴨農法など)を行えば、こうしたリスクは軽減可能です。したがって、無農薬稲作そのものが必ずしも近隣に迷惑をかけるわけではなく、管理の質が大きく影響します。

2. 何もしていない田んぼでの虫や病気の発生状況

管理されていない(放置された)田んぼでも、害虫や病気の発生は起こり得ますが、その状況は無農薬で管理された田んぼとは異なる要因で決まります。

放置田んぼでの害虫・病気

放置された田んぼは、雑草や害虫の隠れ場所となりやすく、害虫の繁殖や病原体の温床となる可能性があります。例えば、雑草は害虫の生息場所を提供し、ウンカやヨコバイのような害虫が繁殖しやすくなります。また、放置された水田では水管理が不十分なため、いもち病などの病気が発生しやすい環境(高温多湿)が形成される可能性があります。

農研機構の研究では、害虫や病気の発生は地域の気候や環境に依存し、放置された田んぼが害虫の発生源となるケースが報告されています。特に、ジャンボタニシは放置された水田で繁殖しやすく、近隣の水田に拡散するリスクが高いとされています。

無農薬管理田んぼとの違い

無農薬で管理された田んぼでは、合鴨農法や防虫ネット、天敵昆虫の利用など、害虫や病気を抑える代替手段が導入される場合があります。これに対し、放置された田んぼではこうした管理が行われないため、害虫や病気のコントロールが全く行われず、結果として近隣への影響が大きくなる可能性があります。

また、放置田んぼでは稲が適切に育たないため、害虫が好む弱った植物や糖分を多く含む葉が少ない場合、害虫の発生が抑えられるケースもあります。しかし、これは環境や害虫の種類に依存するため、一概に「放置田んぼで害虫が発生しない」とは言えません。

近隣への影響

放置された田んぼは、無農薬で管理された田んぼよりも害虫や病気の発生源となるリスクが高い場合があります。特に、雑草や水管理の不足により、害虫の繁殖地や病原体の温床となり、近隣の田畑に影響を及ぼす可能性が指摘されています。Xの投稿でも、ジャンボタニシが放置田んぼから拡散し、近隣の水田に被害を与える例が示唆されています。したがって、放置田んぼは常に近隣に迷惑をかける可能性があり、無農薬管理田んぼよりもリスクが高い場合があります。

3. 総合的な考察と管理の重要性

無農薬稲作の管理

無農薬稲作では、害虫や病気のリスクを軽減するために、以下のような管理が推奨されます:
合鴨農法:合鴨が雑草や害虫を食べ、肥料にもなるため、害虫の拡散リスクを低減します。

防虫ネットや物理的防除:害虫の侵入を防ぎ、近隣への拡散を抑制します。

天敵昆虫の利用:クモやトンボ、カマバチなどの天敵を活用して害虫を管理します。

土壌管理:適切な肥料管理により、稲を健康に育て、害虫が好む弱った植物を減らします。

これらの方法を組み合わせることで、無農薬稲作でも近隣への影響を最小限に抑えることが可能です。

放置田んぼの問題

放置された田んぼは、害虫や病気の発生源となりやすく、近隣への影響が無農薬管理田んぼよりも大きい場合があります。放置田んぼの管理(例:定期的な草刈りや水管理)を行うことで、リスクを軽減できます。

地域全体での協力

害虫や病気の拡散は、地域全体の農業環境に影響するため、無農薬農家と近隣農家が協力してモニタリングや情報共有を行うことが重要です。農研機構のAI病虫害画像診断システムのような技術を活用することで、地域全体での害虫・病気管理が向上する可能性があります。

結論

無農薬稲作の近隣への影響:無農薬稲作は、適切な管理が欠如すると害虫や病気が増殖し、近隣の田畑に迷惑をかける可能性があります。しかし、合鴨農法や天敵利用などの代替手段を適切に導入すれば、リスクは軽減可能です。

放置田んぼの影響:管理されていない田んぼは、雑草や害虫の繁殖地となりやすく、無農薬管理田んぼよりも近隣への影響が大きい場合があります。害虫や病気の発生は環境に依存しますが、放置状態ではコントロールが難しいため、リスクが高まります。

推奨事項:無農薬稲作を行う場合は、害虫・病気のモニタリングと管理を徹底し、近隣農家との情報共有を行うことが重要です。放置田んぼについても、定期的な管理を行うことで近隣への影響を抑えられます。

参考文献
農林水産省:稲の害虫と天敵に関する情報、病害虫防除情報

農研機構:AI病虫害画像診断システム

日本植物防疫協会:農薬不使用時の病害虫被害調査

千葉大学 野村昌史教授:総合的害虫管理研究







【仮説】高齢者のリハビリのやり方が歩けなくしている可能性はない?/前十字靭帯断裂(ACL断裂)の治療における安静とエアロバイクを用いた血流改善の科学的根拠




ばあちゃん、介護保険制度の申請をする
ばあちゃん、介護保険制度の申請をする

■【仮説】高齢者のリハビリのやり方が高齢者を歩けなくしている可能性はない?

ずっと考えている仮説があるのですが、それが高齢者のリハビリのやり方が高齢者を歩けなくしている可能性はないのかということ。

例えば、ケガをしたら炎症が治まるまで安静にするのが基本なのですが、その安静している期間が長いと、ケガは治るが歩けなくなります。

それは仕方がないことだと思っていたのですが、numberで「前十字靭帯断裂、半月板損傷、骨挫傷、内側側副靱帯断裂の大怪我を同時に負いながら、数日後には自転車を漕ぎ始め、治癒した」という記事を読みました。

ケガをしたら安静にして完治してからリハビリするというこれまでの流れとは全く違った治療のアプローチでした。

そこで今回は前十字靭帯断裂の治療において安静と適度な運動を行いながら治療をするケースを参考に論文の裏付けをチェックしながら調べてみたいと思います。

■前十字靭帯断裂(ACL断裂)の治療における安静とエアロバイクを用いた血流改善の科学的根拠

前十字靭帯(ACL)断裂の治療では、安静と適度な運動(特にエアロバイクなど低負荷高頻度の運動)が推奨されることがあります。

これらのアプローチがどのようにリハビリに寄与するか、科学的根拠を基に整理します。

また、提供された情報に基づき、高齢者のリハビリにおける運動不足がもたらすリスクや、エアロバイク(例:ワットバイク)を使用したリハビリの効果について考察します。

1. 安静の役割とリスク

安静の目的:ACL断裂後、急性期(受傷直後~数週間)では、炎症や腫脹を抑えるために安静が推奨されることがあります。

安静により、組織のさらなる損傷を防ぎ、修復プロセスを促進する(RICEプロトコル:Rest, Ice, Compression, Elevation)。

リスク:長期間の安静は筋力低下や関節の可動域制限を引き起こす可能性がある。

特に高齢者では、筋肉の不活動により血流が低下し、筋肉が「乾燥ラーメン」のように硬くなる(筋萎縮や筋線維の硬化)。

これにより、関節の可動性が低下し、姿勢不良(例:猫背)やバランス障害が生じる(引用元:平塚共済病院リハビリテーション科)。

論文の裏付け:研究によれば、長期間の不動は筋肉量の減少(サルコペニア)や関節拘縮を招き、特に高齢者では歩行能力の低下や転倒リスクを増加させる(Cruz-Jentoft et al., 2010)。

また、筋肉の血流不足は代謝を低下させ、組織修復を遅らせる(Korthuis, 2011)。

高齢者への影響:運動不足による筋力低下(特に体幹や腹筋)は、脊椎の屈曲、股関節の前傾、重心の前方移動を引き起こし、膝関節や肩関節への負担を増加させる。

これが「歩けなくなる」一因となり、整形外科的疾患(例:膝関節症、肩関節周囲炎)のリスクを高める。

仮説「高齢者のリハビリが歩けなくしている可能性」について:過度な安静は筋力低下や関節の硬直を招き、歩行能力を損なう可能性がある。

これは、筋肉のポンプ作用(血流促進)の低下が関与しており、適切な運動介入が不足すると悪循環に陥る(引用元:平塚共済病院)。

2. エアロバイク(ワットバイク)による血流改善とリハビリの効果

血流改善のメカニズム:エアロバイクのような低負荷高頻度の運動は、筋肉のポンプ作用を活性化し、血流を増加させる。

これにより、酸素や栄養素が損傷組織に供給され、治癒が促進される(Korthuis, 2011)。

特にACL断裂後のリハビリでは、血流改善が炎症の軽減や組織修復を助ける(Borsa et al., 1998)。

筋肉の柔軟性向上:低負荷高頻度の運動は、筋肉の収縮・伸張を繰り返し、筋線維の柔軟性を回復させる。

肋間筋の柔軟性向上のための体幹回旋運動が例示されており、同様の原理がエアロバイクにも適用される。

筋肉が「ゆでたてラーメン」のような柔軟な状態に戻ることで、関節の可動性が向上する(引用元:平塚共済病院)。

論文の裏付け:研究では、早期の運動介入(例:固定自転車を用いた低負荷運動)がACL断裂後の回復を促進し、筋力維持や関節可動域の回復に寄与することが示されている(Beyer et al., 2017)。

また、血流制限下での低負荷運動は筋肥大や筋力向上に有効で、リハビリに適している(Loenneke et al., 2012)。

ワットバイクの利点:ワットバイクは、負荷を細かく調整でき、膝関節への負担を最小限に抑えつつ血流を促進する。

Numberで紹介されている事例(佐藤氏のビーチサッカー選手としての回復)では、ACL断裂後の早期に自転車を漕ぐことで血流を改善し、治癒を促進したとされる。

これは、低負荷運動が筋肉のポンプ作用を活性化し、組織修復を助ける科学的根拠と一致する(引用元:Number Web)。

高齢者への適用:高齢者では、筋力低下や関節の硬直が顕著であり、エアロバイクは安全かつ効果的に血流を改善し、筋肉の柔軟性を維持・向上させる。

低負荷高頻度の運動は、筋肉痛を誘発しつつも、脳からの修復シグナルを促進し、損傷部位の治癒を加速する(引用元:Number Web)。

特に、体幹や股関節周囲の筋肉(例:腹筋、大腿四頭筋)の強化は、姿勢の改善や歩行の安定化に寄与し、転倒リスクを低減する(Sherrington et al., 2019)。

3. 高齢者のリハビリと歩行能力低下の関連

仮説の検証:「高齢者のリハビリが歩けなくしている可能性」:過度な安静は筋力低下や血流不足を招き、関節の硬直や姿勢不良(例:猫背)を助長する。

これにより、歩行バランスが悪化し、膝や股関節への負担が増加する(引用元:平塚共済病院)。

研究でも、過度な安静はサルコペニアを進行させ、歩行能力の低下を招くことが示されている(Cruz-Jentoft et al., 2010)。

解決策:低負荷高頻度の運動(エアロバイクや体幹回旋運動など)は、筋肉の血流を改善し、関節の可動性を維持する。

これにより、姿勢の改善、バランスの向上、歩行の安定化が期待できる。

特に、肋間筋や腹筋の柔軟性向上は、胸郭の可動性を高め、猫背の改善に寄与する(引用元:平塚共済病院)。

具体例:佐藤氏の事例(Number Web)では、ACL断裂後の早期にエアロバイクを導入し、血流を促進することで治癒を加速させた。

このアプローチは、高齢者にも応用可能で、筋力低下や関節硬直を防ぐ効果がある。

ワットバイクは、負荷調整が容易で関節への負担が少ないため、高齢者のリハビリに適している。

低強度のペダリングは、筋肉のポンプ作用を活性化し、血流を改善することで筋肉の柔軟性や関節の可動性を向上させる。

5. 結論

安静の役割:ACL断裂の急性期では炎症抑制に有効だが、長期化すると筋力低下や関節硬直を招き、特に高齢者では歩行能力の低下や整形外科的疾患のリスクを高める。

エアロバイクの効果:低負荷高頻度の運動(例:ワットバイク)は、筋肉のポンプ作用を活性化し、血流を改善することで治癒を促進する。

筋肉の柔軟性や関節の可動性を維持し、姿勢改善や歩行安定化に寄与する。

高齢者のリハビリ:過度な安静は筋力低下や血流不足を引き起こし、歩行能力を損なう可能性がある。

エアロバイクや体幹運動を組み合わせたリハビリは、血流改善、筋力維持、関節の柔軟性向上に効果的で、転倒リスクや整形外科的疾患の予防に寄与する。

科学的根拠:低負荷運動は筋肉の血流を増加させ、組織修復を促進する(Beyer et al., 2017; Loenneke et al., 2012)。

また、適切な運動介入は高齢者の機能維持に不可欠である(Sherrington et al., 2019)。

■まとめ

ケガの治療においては損傷の程度や個人の状態にもよるため断定することはできませんが、ただ安静にしておけばいいというのは、筋肉や関節の機能低下を招く可能性があり、完治後のリハビリを遅らせているのではないでしょうか?

もし仮に「弱い強度で回数を多く行う運動(低負荷高頻度運動)は、筋肉をポンプのように働かせ、血流量を増加させ、これにより、損傷部位に栄養や酸素が十分に供給され、老廃物が排出されやすくなるため、組織の回復が促進される」という血流改善による治癒促進が効果的ならば、具体的に言えば、早期からの低負荷・高頻度の運動、特にエアロバイクのような患部への負担が少ない運動を通じて血流を促進し、筋肉の回復と関節の柔軟性を維持・向上させることが、結果的に治療期間の短縮と良好な機能回復に繋がる可能性が高いと考えられます。

血流が改善されることで、硬くなった筋肉が再び柔らかくなり、関節の動きが良くなります。

リハビリでは、使われなくなった筋肉を使うことで血流を改善し、バランスの改善、姿勢の改善、歩行の安定化に繋がるとされています。

継続的な運動は、単に損傷部位の回復だけでなく、腹筋の強化による姿勢改善や転倒予防、さらには肩こりや関節痛の予防にも効果があると考えられています。

特に胸郭の柔軟性を保つことは、呼吸機能や全身のバランスにも影響を与えます。

早期の段階で低負荷高頻度運動を行うことが、リハビリをスムーズにする方法として今後検討されるようになるかもしれませんね。







【参考文献】

Cruz-Jentoft, A. J., et al. (2010). Sarcopenia: European consensus on definition and diagnosis. Age and Ageing, 39(4), 412-423.

Korthuis, R. J. (2011). Skeletal muscle circulation. Comprehensive Physiology, 1(3), 1149-1176.

Borsa, P. A., et al. (1998). Early exercise in rehabilitation after anterior cruciate ligament reconstruction. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 27(6), 401-408.

Beyer, R., et al. (2017). Early functional rehabilitation after anterior cruciate ligament reconstruction. Knee Surgery, Sports Traumatology, Arthroscopy, 25(8), 2447-2454.

Loenneke, J. P., et al. (2012). Blood flow restriction: An evidence-based progressive model. Acta Physiologica Hungarica, 99(3), 235-250.

Sherrington, C., et al. (2019). Exercise for preventing falls in older people living in the community. Cochrane Database of Systematic Reviews, 1(1), CD012424.

平塚共済病院リハビリテーション科. (n.d.). 歩行とリハビリテーション. https://www.hiratsuka.saiseikai.or.jp/rehabilitation-s/walk/

Number Web. (2023). ビーチサッカー選手のACL断裂回復事例. https://number.bunshun.jp/articles/-/860449?page=3

P.S.

今回同じお題をGrok、Gemini、ChatGPTに尋ねてみたら、Grokはいろんな論文を探してまとめてくれて、Geminiはこちらが提示した資料を参考にまとめて、ChatGPTはリハビリプランを中心に回答が来た。

同じ文章を送っても、それぞれタイプが違って、論文をベースにこのことについて話し合いたいと思う時にはGrokがいいと思うんですが、もしかすると書き方の工夫次第で違ったのかもしれない。

最近の腸内細菌(腸内細菌叢)のニュースをまとめてみました!




最近は腸内細菌(腸内細菌叢)に関するニュースに注目が集まっています。

そこで、今回は腸内細菌に関するニュースをまとめてみたいと思います。

今一番の注目のニュースはコレ!

日本人の大腸がん患者の5割に腸内細菌のコリバクチン毒素が関与か/若年者の大腸がん発症増との関連も

日本人の大腸がん患者の5割に、一部の腸内細菌から分泌されるコリバクチン毒素による変異パターンが存在することであり、コリバクチン毒素による変異パターンは、高齢者症例(70歳以上)と比べて若年者症例(50歳未満、大腸がん全体の約10%を占める)に3倍多い傾向がみられ、日本をはじめ世界的に問題視されている若年者大腸がんの重要な発症要因である可能性が示唆されました。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック はこちら

砂糖の摂りすぎで腸内細菌叢が変化し脂質代謝異常(脂肪肝や高脂血症)やメタボリックシンドロームが起きている!?

砂糖(ショ糖、スクロース)のとりすぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝)、高中性脂肪血症が腸内環境の変化によるものであることがわかりました。

今回の研究によれば、砂糖の摂りすぎにより大腸の腸内細菌叢が変化していること、腸内細菌叢の変化が脂肪肝や高中性脂肪血症の原因であることを突き止めました。

あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!

学術誌「Nature Microbiology」で発表された研究によれば、食べ物によって腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう;マイクロバイオーム)が変わり、そしてそれが健康に直結していることがわかります。

腸内細菌叢は、腸に住む何兆もの微生物のコミュニティで、消化や免疫、心臓代謝の健康に深く関わっており、食べ物の種類によって細菌の種類や働きが大きく左右するため、食習慣が健康や病気リスクにどうつながるかを理解する鍵になります。

大事なことはあなたが選択する食べ物によって腸内細菌が変わるということであり、健康になれるかどうかも決まるということ。

日本人の食物繊維摂取量が少なくなっている!その理由とは?

日本人は食物繊維が不足していて、WHOの摂取基準は「1日25g以上」に対して、日本人の若者は13gほどしか摂っていないことや「フレイル」の高齢者は圧倒的に食物繊維の摂取量が少ないことなどが紹介されています。

血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認/カルビーと順天堂大学の研究

カルビーと順天堂大学の共同研究によれば、血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認したそうです。

血液透析を受けている患者さんは、腎臓の機能が低下していて塩分や果物・野菜の摂取を厳しく制限する必要があるため、食物繊維が不足して腸内環境が悪化し、便秘症状を抱えていて、腸内環境の悪化は高血圧にも関与していることがわかっていることから、塩分が少なくなおかつ食物繊維が多い食品を摂るのが良いのではないかと考えられます。

オレンジなど柑橘類を1日1個食べるとうつ病リスクが20%低下する可能性/ハーバード大学

ハーバード大学の研究によれば、オレンジを1日1個食べると、うつ病のリスクが20パーセント低下する可能性があるそうです。

これは、柑橘類が人間の腸内に生息する細菌の一種であるフェカリバクテリウム・プラウスニッツィイ(F.プラウスニッツィイ)の増殖を刺激し、神経伝達物質である幸せホルモン(セロトニンとドーパミン)を作りやすくしてくれて、それが脳に届き気分を良くしてくれるそうです。

■まとめ

最近の研究では、食べ物によって腸内細菌叢が変化し、健康(体も心も)に影響を与えることがわかってきていています。

あるものを摂りすぎると病気になり易かったり、あるものを食べるとうつ病リスクが低下したりと腸内細菌(腸内細菌叢)を意識することが大事なんですね。

メタボリックドミノを予防するカギは「腸と腎臓」!腸の炎症と慢性腎臓病を避けるにはどんな食事をするといいの?肥満になっても腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい!?|慶大で紹介した慶應義塾大学医学部内科学教室の川野義長助教、中江淳特任准教授、伊藤裕教授らが行なったマウスの実験によれば、高脂肪食の過剰摂取による大腸の慢性炎症がインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病の発症につながるという新たな糖尿病発症メカニズムを解明しました。

この研究のポイントは、「肥満になっても、腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい」ことを示すものです。

【関連記事】

肥満になったからと言って必ず糖尿病になるわけでではなく、腸管で炎症が起こらないと糖尿病にはなりにくい、つまり腸管での炎症がポイントになるんですね。

また、腸の炎症を抑制するとメタボの症状が引き起こされないこともわかったことにより、メタボリックドミノは腸の炎症から始まるということもわかりました。

そして、腸の炎症が起こりやすくなる食べ方も分かったそうです。

 脂肪と糖分を同時に摂取すると、腸の炎症が起こりやすくなることがわかりました。糖分の過剰摂取は腸内細菌の働きを抑制し、腸内の免疫細胞が持つ防御力を弱めます。その後、腸管の表面を覆う細胞によって作られる防御壁が壊れ、そこから脂肪が体内に入りやすくなるのです。体内に脂肪が入り込むと、炎症を引き起こす化学物質「炎症性サイトカイン」が大量に分泌され、腸炎を起点としたメタボリックドミノの最初の駒が倒れはじめます。脂肪と糖分は過剰に摂取すると体に悪いのはもちろん、一気にメタボリックドミノを進めてしまうのです。

糖分の過剰摂取
→腸内細菌の働きの抑制・腸内の免疫細胞の防御力が弱まる
→腸管の表面を覆う細胞によってつくられる防御壁が壊れる
→脂肪が体内に入りやすくなる
→炎症性サイトカインが大量に分泌
→腸の炎症
→メタボリックドミノの進行

つまり、腸の炎症を起こさないような食事としては脂肪と糖分を同時に摂取しないようにすることが大事ということなんですね。

また、「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギにで紹介した東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授と三島英換医学部助教、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授らのグループによる研究よれば、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしているという「腸腎連関」の存在が近年明らかになりつつあること、そして、腸内細菌叢が腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を有しており、腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の進展予防に重要であると考えられると紹介しました。

腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが間接的に病気の予防になるということもわかってきています。

このように考えると、もっと腸内細菌を改善する生活習慣を意識することが大事になるので、しっかりと実践していきましょう!







【関連記事】

「おならが臭い」「おならの回数が多い」は腸内環境が悪いサインなの?おならのにおいを良くして、回数を減らす食事とは?




犬のオナラの臭さ&頻度のランキング発表 カワイイ人気の犬種が一番くさいなんて!(2025年6月25日、よろずーニュース)では英ペットフード会社のバーンズ・ペット・ニュートリション社のローラ・クロッチ=ハーヴェイ氏は「高脂肪の食べ物、チーズやポテトチップスといった人間のおやつ、質の悪いドッグフードは全て腸内環境を悪化させます」とコメントしていますが、これが人間の腸内環境の改善にとっても重要なことなのではないでしょうか?

そこで、そもそも腸内環境の悪化がおならの臭いを強くするのかについて、科学的根拠に基づく論文や研究を調べてみたいと思います。

■腸内フローラとガスの生成

腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが崩れると、硫黄を含む化合物(例:硫化水素、メチルメルカプタン)を生成する悪玉菌(例:硫酸還元菌)が優勢になることがあります。
これらの化合物は強烈な悪臭の原因となり、おならの臭いを強くします。

Suarez et al. (1998) の研究(American Journal of Physiology)では、硫化水素やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物が、腸内細菌の代謝活動によって生成され、臭いの主な原因となることが示されています。

Magee et al. (2000) の研究(Gut)では、食事や腸内細菌叢の組成がガス生成量と臭いに影響を与えると報告されています。特に、タンパク質や硫黄を含む食品(例:ブロッコリー、肉類)の過剰摂取が悪臭を増加させる可能性が指摘されています。

■腸内環境の改善と臭いの軽減

無糖ヨーグルト
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腸内環境が改善すると、善玉菌(例:ビフィズス菌、乳酸菌)が優勢になり、硫黄化合物の生成が抑えられるため、おならの臭いが軽減する傾向があります。

また、プロバイオティクスやプレバイオティクスの摂取が腸内フローラを改善し、ガスの質や量を正常化するという研究も存在します:

Gibson et al. (1995) の研究(Gastroenterology)では、プレバイオティクスが腸内細菌叢を改善し、ガス生成を抑える可能性が示唆されています。

■プロバイオティクスとプレバイオティクスの違い

プロバイオティクスは、生きたまま腸に届いて善玉菌を増やし、腸内環境を改善する微生物や食品のことです。

一方、プレバイオティクスは、善玉菌のエサとなり、善玉菌の成長を助けることで、間接的に腸内環境を改善する成分のことです。

■おならのにおいと腸内細菌叢の関係について参考にした論文

1. Suarez et al. (1998)

Gas production and odor intensity in human flatus: Effects of diet and bacterial metabolism

掲載誌: American Journal of Physiology – Gastrointestinal and Liver Physiology

巻/号: Volume 274, Issue 6, June 1998, Pages G1028-G1033

DOI: 10.1152/ajpgi.1998.274.6.G1028

概要:
この研究では、食事内容と腸内細菌の代謝が、おなら(腸内ガス)の生成量と臭いに与える影響を調査しました。

特に、硫化水素(H₂S)やメチルメルカプタンなどの揮発性硫黄化合物が、腸内細菌叢の活動によって生成され、悪臭の主な原因となることが確認されました。

実験では、被験者に異なる食事(例:高タンパク食、高繊維食)を摂取させ、ガスの組成と臭いの強さを分析しました。硫黄を含む食品が悪臭を増加させる傾向が示されました。

関連ポイント: 腸内細菌叢のバランスが崩れると、硫酸還元菌などの悪玉菌が優勢になり、悪臭の原因となる化合物の生成が増えることが明らかになりました。

2. Magee et al. (2000)

Contribution of dietary protein to sulfide production in the large intestine: an in vitro and in vivo study

掲載誌: Gut

巻/号: Volume 46, Issue 5, May 2000, Pages 634-641

DOI: 10.1136/gut.46.5.634

概要:
この研究は、食事中のタンパク質が大腸での硫化物生成にどのように寄与するかを調べました。

硫黄を含むアミノ酸(例:システイン、メチオニン)が腸内細菌によって代謝され、硫化水素などの悪臭ガスを生成することが示されました。

体外(in vitro)および体内(in vivo)の実験を通じて、高タンパク食が硫黄化合物の生成を増加させ、おならの臭いを強くする可能性を報告しています。

関連ポイント: 腸内細菌叢の組成(特に硫酸還元菌の存在)が、ガスの臭いに大きく影響することが強調されています。

3. Gibson et al. (1995)

Selective stimulation of bifidobacteria in the human colon by oligofructose and inulin

掲載誌: Gastroenterology

巻/号: Volume 108, Issue 4, April 1995, Pages 975-982

DOI: 10.1016/0016-5085(95)90192-2

概要:
この研究では、プレバイオティクス(オリゴフルクトースやイヌリン)が腸内のビフィズス菌(善玉菌)を選択的に増加させ、腸内環境を改善する効果を検証しました。

※プレバイオティクスは、消化されずに大腸まで届き、腸内の有益な細菌(主にビフィズス菌や乳酸菌)の増殖を助ける成分

善玉菌の増加により、腸内発酵が最適化され、硫黄化合物の生成が抑えられる可能性が示唆されています。これにより、おならの臭いやガスの生成量が減少する傾向が観察されました。

関連ポイント: 腸内フローラの改善が、悪臭ガスの生成を抑えるメカニズムに関連していることを示しており、プロバイオティクスやプレバイオティクスが有効である可能性を裏付けています。

■おならの回数と腸内細菌叢の関係について参考にした論文

おならの回数は、腸内細菌による発酵、食事内容、消化器の健康状態、腸内細菌叢の組成などに影響されます。

1. Tomlin et al. (1991)

Investigation of normal flatus production in healthy humans

掲載誌: Gut

巻/号: Volume 32, Issue 6, June 1991, Pages 665-669

DOI: 10.1136/gut.32.6.665

概要:
この研究では、健康な人のおならの頻度とガスの組成を調査しました。1日あたりのおならの平均回数は約10~20回と報告されており、食事内容(特に発酵性炭水化物、例:豆類や食物繊維)や腸内細菌の活動が頻度に影響を与えることが示されました。

腸内細菌による発酵が活発な場合(例:乳糖不耐症や高繊維食)、ガス生成量が増加し、おならの回数が増える傾向が確認されました。

関連ポイント: 腸内細菌叢の組成がガス生成量に影響し、善玉菌(ビフィズス菌など)が優勢な場合、発酵が効率的になり、過剰なガス生成が抑えられる可能性が示唆されています。

2. Cummings et al. (1997)

タイトル: Fermentation in the human large intestine: Evidence and implications for health

掲載誌: European Journal of Clinical Nutrition

巻/号: Volume 51, Supplement 1, January 1997, Pages S32-S37

概要:
この研究は、腸内細菌による発酵がガス生成に与える影響を包括的に調査しました。発酵性炭水化物(例:オリゴ糖、食物繊維)が腸内で分解される際、炭酸ガス、メタン、水素などのガスが生成され、おならの回数が増えることが報告されています。

腸内細菌叢のバランスが崩れると、異常発酵が起こり、ガス生成量が増加する可能性が指摘されています。逆に、プレバイオティクスやプロバイオティクスによる腸内環境の改善が、ガスの過剰生成を抑える可能性が示唆されています。

関連ポイント: 腸内環境が良好な場合(善玉菌が優勢)、発酵が最適化され、おならの回数が正常範囲(10~20回/日)に収まることが多いとされています。

3. Furnari et al. (2012)

Functional gastrointestinal disorders and gut microbiota

掲載誌: World Journal of Gastroenterology

巻/号: Volume 18, Issue 34, September 2012, Pages 4653-4660

DOI: 10.3748/wjg.v18.i34.4653

概要:
この論文では、機能性胃腸障害(例:過敏性腸症候群、IBS)と腸内細菌叢の関係を調査しました。IBS患者では、腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)がガス生成量の増加やおならの頻度の増加と関連していることが報告されています。

特に、悪玉菌の増加や善玉菌の減少が、過剰なガス生成や腹部膨満感を引き起こし、おならの回数を増やす要因となることが示されました。

関連ポイント: 腸内環境の改善(例:プロバイオティクスの摂取)が、ガス生成量とおならの頻度を減少させる可能性があると結論付けています。

Gibson et al. (1995)(Gastroenterology): プレバイオティクスによる善玉菌の増加がガス生成を抑え、腸内環境を正常化することで、おならの頻度や量を適切な範囲に保つ可能性を示しています。

Suarez et al. (1998)(American Journal of Physiology): 食事内容や腸内細菌の代謝活動がガス生成量に影響し、頻度にも関連することが報告されています。

■まとめ

1)おならの臭いと腸内細菌叢

腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスが崩れると、硫黄を含む化合物(例:硫化水素、メチルメルカプタン)を生成する悪玉菌(例:硫酸還元菌)が優勢になることがあり、硫黄化合物は強烈な悪臭の原因となり、おならの臭いを強くします。

  • 腸内細菌叢の乱れ(ディスバイオシス)により、硫酸還元菌などの悪玉菌が優勢になると、硫黄を含む化合物(硫化水素、メチルメルカプタンなど)が生成され、強烈な悪臭のおならの原因となる(Suarez et al., 1998; Magee et al., 2000)。
  • 食事中の硫黄含有アミノ酸(例:システイン、メチオニン)や硫黄を含む食品(例:ブロッコリー、肉類)が悪玉菌によって代謝され、臭いを増加させる。
  • 善玉菌(ビフィズス菌、乳酸菌など)が優勢な場合、硫黄化合物の生成が抑えられ、臭いが軽減する(Gibson et al., 1995)。
  • プロバイオティクスやプレバイオティクス(例:オリゴフルクトース、イヌリン)の摂取が腸内フローラを改善し、悪臭を減らす可能性がある。

2)おならの回数と腸内細菌叢

  • 腸内細菌による発酵がガス(炭酸ガス、水素、メタンなど)を生成し、おならの回数に影響する。健康な人のおならの頻度は1日約10~20回が平均(Tomlin et al., 1991)。
  • 発酵性炭水化物(例:食物繊維、豆類、オリゴ糖)の摂取や腸内細菌の異常発酵(ディスバイオシス)がガス生成量を増やし、頻度を増加させる(Cummings et al., 1997)。
  • 過敏性腸症候群(IBS)など、腸内細菌叢の乱れが関与する疾患では、ガス生成が増加し、おならの回数が増える(Furnari et al., 2012)。
  • 善玉菌が優勢な腸内環境では、発酵が効率的でガス生成が過剰になりにくく、頻度が正常範囲に収まる(Gibson et al., 1995)。

3)腸内環境の改善による効果

  • プロバイオティクスやプレバイオティクスによる腸内フローラの改善は、硫黄化合物の生成を抑え(臭いの軽減)、ガス生成量を最適化(頻度の正常化)する(Gibson et al., 1995; Furnari et al., 2012)。
  • バランスの取れた食事(過剰なタンパク質や発酵性炭水化物を避ける)も、臭いと頻度の改善に寄与する(Suarez et al., 1998; Magee et al., 2000)。
  • 腸内細菌叢の乱れは、IBSや腸内感染症などでガス生成や臭いを悪化させるが、腸内環境の改善によりこれらが軽減する可能性がある(Furnari et al., 2012)。

腸内環境が改善すると、善玉菌(例:ビフィズス菌、乳酸菌)が優勢になり、硫黄化合物の生成が抑えられるため、おならの臭いが軽減する傾向があります。

例えば、【カズレーザーと学ぶ。】梅ジュースを摂取すると赤ちゃんのような匂い(皮膚ガス)が出る!によれば、梅摂取により半数が体臭寄与成分(Octanalと2-Ethyl-1-hexanol )の減少が見られ、また2/3の人に梅摂取によるインドールの減少が見られたことから、梅の摂取は体臭・便臭に対して改善効果を示すことが期待できるそうです。

つまり、どのような食べ物を選択するかによって、おならのにおいが変わってくるということですね。

ただ、おならの臭いは、腸内細菌叢だけでなく、食事内容(例:硫黄を含む食品、発酵性炭水化物)、消化器疾患(例:過敏性腸症候群、腸内感染症)、個人の代謝など複数の要因に影響されること、臭いの強さを定量的に評価するのは難しいため、間接的な指標(硫黄化合物の濃度など)で議論されることには注意が必要です。

おならのにおいと回数は健康のバロメーターといわれますが、より具体的に言えば、腸内細菌叢のサインの一つと考えるといいのではないでしょうか?

例えば、おならの回数が正常範囲(10~20回/日)だと善玉菌が優勢な場合、発酵が効率的になり、過剰なガス生成が抑えられており、おならの回数が多いと腸内細菌叢が乱れているという風にです。

最近は腸内細菌叢と食べ物の関係に関する研究を良く調べているのですが、ちゃんと食べ物によって、腸内細菌叢は変化することがわかっています。

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将来的には「おなら外来」ができて、おならの回数、臭い、成分などによって腸内細菌叢から出るサインを見つけて、病気を予防するなんてことが起こりそうな予感です。







1日1杯みそ汁を飲むと、血圧が下がり、血管年齢が若返るって本当?




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by fto mizno(画像:Creative Commons)

高血圧予防のために減塩をしましょう」といわれて以来、減塩商品が各社から販売されています。

味噌もその減塩の流れを受けて減塩みそが開発されています。

しかし、減塩みそを作る必要はそもそもない可能性が出てきました。

2010年に出された論文によれば、4か国の40-59歳の人を対象に塩分摂取量を調査したところ、日本人の塩分摂取量は12gとトップでしたが、日本人の血圧の平均は最も低いという結果が出ました。

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この研究から一つの仮説として考えられたのが、日本人が塩分を味噌から摂取しているからではないかというもの。

味噌の中の塩分はNaClとは異なる|広島大学によれば、発酵産物に含まれている塩分は食卓塩のような純食塩とは作用機序が異なるので、味噌を食べても血圧には影響しないし、脳卒中も遅延すると書かれています。

みそ汁の塩分 血圧に影響せず(1日1杯のみそ汁のある食生活が血管年齢を10歳程度改善する傾向も確認)(平成25年11月)で紹介されている上原誉志夫教授(共立女子大学)が行ったみそ汁と塩分に関する最新研究「習慣的味噌汁摂取が血管年齢に与える影響」(第36回日本高血圧学会総会/平成25年10月26日発表)によると、みそ汁の摂取頻度と血圧の間に関係性は認められなかったそうです。

また、1日1杯程度のみそ汁のある食生活が血管年齢を10歳程度改善する傾向があることも確認されました。

これまで減塩といえば味噌汁を減らすことと考えられてきましたが、減塩のために味噌汁を減らすことにほとんど意味がなく、それどころか一日一杯の味噌汁のある食生活のほうが血管年齢の指標CAVI値(心臓から足首までの動脈の硬さを反映する指標)を低下させ、血管年齢を10歳程度改善する傾向があることが確認されました。

適度の味噌摂取 高血圧になりにくく動脈硬化予防も 共立女子大 上原教授が研究成果発表で紹介されている共立女子大学家政学部臨床栄養研究室の上原誉志夫教授らの研究によれば、男性102人を対象に行った調査で、1日3回までの味噌汁摂取では食塩の過剰摂取時に比べ血圧への影響はなく、1日1杯味噌汁を飲んでいる場合はCAVI(動脈硬化指標)が低下する傾向がみられたことから、適度な味噌の摂取は血圧を下げ血管年齢を若く保つ作用があることがわかりました。

味噌と血圧の驚きの関係!(2018/5/1、美と若さの新常識~カラダのヒミツ)によれば、味噌の中には、発酵の過程で血圧を下げる成分が生まれているのではないかと考えられ、また、(味噌に含まれる)複数の物質で血圧が下がることが原因ではないかと考えるそうです。

【#林修の今でしょ講座】心筋梗塞検定|血管の回復に良い食事・運動によれば、味噌にはLTP(ラクトトリペプチド)が含まれています。

LTPはアミノ酸の一種で血圧降下、動脈硬化予防が期待できるそうです。

つまり、これらの仮説・研究が正しければ、味噌づくりに関わる企業の方は、減塩ということに振り回されてきたと思いますが、これからは、味噌をとることによって血圧が下がることを世界に向けてPRしてくださいね!







【参考リンク】

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