ガットフレイルとは?




このブログでは「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!|厚生労働省(2018年)からスタートして、フレイルに関する様々な記事を紹介してきました。

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フレイルの考え方は、オーラルフレイル、アイフレイルと来て、新しく「ガットフレイル」という用語が出てきました。

ガットフレイルによれば、胃腸などの消化管を意味する医学用語「gut(ガット)」とフレイルを組み合わせた胃腸の働きの「虚弱化」という意味で名付けた新しい概念です。

「フレイル」はこれまで加齢に伴う心身の脆弱性とされ、健康と要介護の中間を意味し、高齢者の健康対策として利用されてきましたが、「ガットフレイル」はすべての人のウェルビーイングを「ガット」への対策から目指す概念なのだそうです。

フレイルとガットフレイルの考え方の違いは、フレイルが高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられ、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

ガットフレイルが幅広い年代に当てはめるものなのだそうですが、もしかすると、胃腸の働きの虚弱化は高齢者に主に当てはまるというように年代で分けられる要素がないのかもしれません。

ただ気になるのはこちら。

重要な点は「ガットフレイル」が、がんを含めた生活習慣病の増悪因子、予後因子となっているだけでなく、慢性炎症の原因、老化や神経変性疾患の先行要因となる可能性が示されてきていることです。例えばパーキンソン病の自然史のなかでは便秘症などのガットフレイル病態が発症10年以上前から先行することが知られています。小児の便秘症の増加においてもガットフレイルの関与が指摘されています。さらに、職業性ストレス簡易調査票(厚生労働省)を利用した調査でも、ガットフレイルの存在が明らかとなっています。

ある病気を持っているとほかの病気になりやすいことがわかっており、その病気に対してきちんとアプローチをしていればほかの病気の予防につながれば、予防医学という観点でよいのではないでしょうか?







一度太ったことがある人がリバウンドしやすいのには理由がある!脂肪組織はやせても太った時のエピジェネティックな記憶を持っているため




Nature誌に掲載された論文によれば、一度太った人がまたリバウンドする(ダイエットでよく見られる「ヨーヨー」効果)のは、脂肪細胞にエピジェネティックな太っていた時の記憶が残ってしまうので、減量手術や食事療法でやせてもリバウンドしやすいそうです。

【参考リンク】

■まとめ

つまり、今回の論文によれば、一度太ったことがある人は太りやすいので気を付けようということには意味があるということですね。

エピジェネティクスとは?意味で紹介したマウスの実験では次のようなことがわかっているそうです。

  • アグーティ遺伝子(マウスを太らせ黄色にする、がんや糖尿病のような病気を引き起こすのではないかといわれている)の特徴はDNAを介して世代から世代へと遺伝していくので、アグーティ遺伝子を持つ母親はその子が同じアグーティ遺伝子を持っているなら太った黄色の病気になる傾向のある子どものマウスを生むことになると考えられる。
  • しかし、アグーティ遺伝子は不活性化エピジェネティック・マークが周囲に蓄積するとオフになる。
  • アグーティ遺伝子を持っている母親がエピジェネティック・マークを不活性化する食事を与えられたなら、それらのマークは化学的に胎児のDNAに伝えられて、アグーティ遺伝子の周りに蓄積し、アグーティ遺伝子をオフにする。
  • 胎児はその状態を保ち、そのマウスは成長しても、やせて茶色で健康

つまり、このことは、母親がDNAの全く同じ子供たちを持ったとしても、妊娠中に食べた食事や喫煙といった行動によって、子供たちの健康に違いが現れる可能性を示唆しています。

もう一つ、エピジェネティクスにおいて重要なポイントは、エピジェネティック・マークが伝搬するのは妊娠中の母親から胎児へだけでなく、マークが卵子/精子の遺伝子に定着すると、孫、ひ孫というように世代から世代へと遺伝することです。

つまり、このことはライフスタイルが数世代先の子孫に影響するかもしれないと考えられます。

スウェーデンとイギリスで長期にわたって行われた研究では、若い男性が精子の発育する思春期よりも以前に食べ過ぎたり、タバコを吸い始めると、息子や孫(息子)の寿命が短いという結果があるそうです。







Snow Man・岩本照さん、鼻の中の良性腫瘍切除手術を受け、回復までは活動を制限することを発表




「Snow Man」岩本照が「良性腫瘍の切除」手術を受け「回復までは活動を制限」STARTO社発表(2024年11月29日、スポニチ)によれば、Snow Man・岩本照(31)さんは、夏のミュージカルの喉のメンテナンスで病院に行った時、鼻の中に良性腫瘍があることがわかり、切除のための手術を受け、血流の良くなることはなるべく避けるように医師により回復までは活動を制限するように指導を受けたそうです。

岩本さんのケースは喉のメンテナンスが早期発見のきっかけとなりましたが、一般的な場合は人間ドックではないでしょうか?

世界的指揮者の #小澤征爾 さんは人間ドックを受けたことで食道がんの早期発見ができた|人間ドックのメリット|60歳過ぎたら年1回受診をによれば、人間ドックのメリットとして自覚症状のない早期がんが発見できることが挙げられています。

健康診断のX線検査ではすぐに結果はわかりませんが、内視鏡検査を受ければその場で異状がわかり、場合によっては治療まで行うことができます。

高田純次さん、人間ドックで20個以上の大腸ポリープが見つかり、3度に及ぶ摘出手術を行なっていた!【徹子の部屋】によれば、高田純次さんは、2022年に人間ドックで20個以上の大腸ポリープが見つかり、3度に及ぶ摘出手術を行なったそうです。

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定期的に人間ドックを受けて、自身の体の状態をチェックし、また病気を早期発見・治療を行うというのは予防医学的にも大事なことではないでしょうか?







バナナは糖尿病の人に良くない?「英動物園、サルのエサにバナナ禁止」から学ぶ糖尿病を予防する方法

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■バナナは糖尿病の人に良くない?「英動物園、サルのエサにバナナ禁止」から学ぶ糖尿病を予防する方法

Monkey eat banana!

by Tom Coppen(画像:Creative Commons)

英動物園、サルの餌にバナナ禁止

(2014/1/16、CNN)

英イングランド南西部デボン州のペイントン動物園が、サルの餌にバナナを与えるのをやめ、野菜中心の餌に切り替えた。バナナはサルの健康に良くないと判断したという。

イギリスのペイントン動物園では、バナナは健康に良くないという理由からサルに与えるのをやめたそうです。

サルといったらバナナをイメージしますが、バナナがサルのえさとしてなぜ健康に良くないのでしょうか?

同動物園によると、人間の食用に甘さを強めたバナナは野生のバナナに比べて高カロリーで糖分が多い。そのため糖尿病になる恐れがあるほか虫歯の原因にもなるという。またサルの胃は消化しにくい繊維質の餌を食べるようにできているため、糖分の多いバナナを食べれば胃腸の具合が悪くなることもあるという。

人間が食べる分には甘さを強めるように改良されたバナナは良くても、サルにとっては高カロリーで糖分が多く、糖尿病や虫歯の原因、胃腸の具合が悪くなるといった影響があるそうです。

野生のバナナのえさを提供してくれる業者がないため、徐々にバナナの量を減らし、野菜中心のエサに切り替えたところ、サルに変化が見られたそうです。

毛皮が厚くなって状態も良くなったほか、タマリンやマーモセットといった小型のサルは攻撃性が薄れて群れが落ち着いたという。

エサを変更したことで、サルには毛並みが良くなったり、攻撃性が薄れるなど良い影響が出ているそうです。

各地の動物園では動物たちに運動させようと、刻んで食べやすくした餌を与えるのではなく、餌をあちこちに置いて探させるなどの工夫を凝らすところが増えている。

サルにも運動不足があるんですね。




■まとめ

今回の記事はちょっとしたおもしろ話っぽいですが、実は人間にも当てはまるところが多いように思います。

糖尿病は「過食」「運動不足」が原因で加速する!そうで、サルは食事と運動を動物園側でコントロールをしています。

高カロリーで糖分が多い食事によって糖尿病になっているというのは人間も同じです。

サルはエサを与えられているので、食習慣を変えることができますが、人間は自分で選択しているので、食習慣を変えることは難しいです。

また、サルの場合は、食事の与え方で運動不足を解消させようとすることが試みられていますが、人間の場合は、自分でやろうとしない限り運動不足は解消されません。

人ごと(今回の場合はサルごとですが)だと思わずに自分に置き換えてみるという視点を持つことが大事かもしれませんね。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら







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喫煙しない男性ではアブラナ科野菜の摂取が多いほど肺がんになりにくい/国立がん研究センター




喫煙しない男性ではアブラナ科野菜の摂取が多いほど肺がんになりにくい(国立がん研究センター)によれば、アブラナ科野菜の摂取量が多い非喫煙者で肺がんリスクが51%低くなっており、また、過去喫煙者でも肺がんリスクが41%低くなることが明らかとなりました。

アブラナ科野菜には抗がん作用のあるイソチオシアネート、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、カロテンなどの物質があり、肺がんのリスクが低下したと考えられます。

→ 肺がんの症状・原因・予防するための検査 について詳しくはこちら

クレソンに含まれるイソチオシアネートの抗酸化作用でがん予防|みんなの家庭の医学によれば、アブラナ科の野菜には抗酸化作用を持つ「イソチオシアネート(Isothiocyanate)」という栄養素が含まれているそうです。

イソチオシアネートが体内に入ると、抗酸化物質が大量に作られ始め、抗酸化物質が、全身の細胞内にある有害な活性酸素を無毒化してくれることにより、がんの発生を抑制してくれると考えられるそうです。

国際がん研究機関(IARC)によれば、ブロッコリー・キャベツ・クレソンなどアブラナ科の野菜ががんリスクを減少させると発表されているそうです。

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アブラナ科野菜と全死亡および疾患別死亡との関連について(国立がん研究センター)でもアブラナ科野菜に多く含まれるイソチオシアネートや抗酸化性ビタミンの持つ抗炎症および抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性を指摘しています。

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もう一つ気になるポイントは喫煙者の男性には関連がみられなかったこと。

その理由として、たばこの煙に含まれる発がん物質がアブラナ科野菜のがん抑制作用を上回っている可能性が考えられます。

つまり、男性が肺がんのリスクを下がるためには、まずは禁煙をすること、そして禁煙をしたうえでアブラナ科の野菜を摂ることが重要ですね。

■アブラナ科の野菜とは?

アブラナ科の野菜には青汁で有名なケール、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、クレソン、大根、白菜、小松菜、水菜、チンゲン菜、菜の花などが含まれます。

→ ケールの効果・効能 について詳しくはこちら







P.S.

胃がんや食道がんの予防につながると考えられる野菜ですが、最近行われた「国民健康・栄養調査」によれば野菜の摂取量が男女とも過去最少であり、心配されます。

野菜摂取量の平均値の年次推移
野菜摂取量の平均値の年次推移
野菜摂取量の平均値(20 歳以上、性・年齢階級別)
野菜摂取量の平均値(20 歳以上、性・年齢階級別)

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