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慢性腰痛には筋トレが効果的!?【論文・エビデンス】

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■慢性腰痛には筋トレが効果的!?

Street Moment | Pudu Wet Market | Mar 8

by John Ragai(画像:Creative Commons)

筋肉を鍛えれば「心配性」も改善する

(2015/1/4、日本経済新聞)

研究によれば、慢性腰痛には筋トレが効果的なのだそうです。

痛み緩和効果についてはストレッチが最も効果的ですが、身体機能の改善効果については、筋トレが最も優れているようです。

ただ、腰痛は原因によってその対処法・予防法が異なるので、今回のケースは筋力低下による腰痛の方に当てはまるといえそうです。

→ 腰痛(腰が痛い)|腰痛の原因・治療・予防 についてはこちら

→ なぜ筋肉をつけるにはタンパク質(アミノ酸)の摂取が必要なの?【論文・エビデンス】 についてくわしくはこちら







【参考リンク(論文・エビデンス】
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運動(HIAT)によって非アルコール性脂肪肝の脂肪蓄積と肝硬度は改善する!|筑波大【論文・エビデンス】

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【目次】

■運動によって非アルコール性脂肪肝の脂肪蓄積と肝硬度は改善する

運動トレーニングのNAFLDの肝病態(脂肪蓄積と硬度)に及ぼす改善効果
運動トレーニングのNAFLDの肝病態(脂肪蓄積と硬度)に及ぼす改善効果

参考画像:運動プログラムにより非アルコール性脂肪肝の脂肪蓄積と硬さの両方が改善 ~臨床試験による効果的なトレーニング方法の検討~ (2017/2/27、筑波大学)|スクリーンショット

筑波大学の正田純一教授と田中喜代次教授らの研究グループが行なった研究によれば、運動習慣のない中年の肥満男性を対象に行なった3種類の運動プログラムが非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の肝脂肪蓄積と肝硬度にどのような改善効果の違いが現れるかを調べる臨床試験を実施したところ、脂肪肝の肝脂肪蓄積は運動トレーニングの種類と強度に関わらず改善すること、そして、肝臓の硬さ(肝硬度)の改善には高強度インターバル有酸素性トレーニング(HIAT)のみが有効であることがわかりました。

このことから、脂肪肝を改善するためには、まずは規則的に運動を続けて、徐々に運動強度を上げていくことが重要であるということが示唆されました。

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■まとめ

肝臓に脂肪が蓄積した脂肪肝になると、肝炎肝硬変などの肝臓の病気になるリスクが高まり、ついには肝臓がんを引き起こす可能性があるといわれています。

週250分の運動で脂肪肝改善 「やせなくても効果あり」―筑波大研究グループで紹介した筑波大の研究グループによれば、肥満の人は、週250分以上早歩きなどのやや強めの運動をすると、体重が減らなくても、肝臓に蓄積した脂肪が減少したり、善玉コレステロールや肝臓の炎症を防ぐ物質「抗炎症性アディポカイン(adiponectin)」が増えていること、肝臓の貯蔵鉄(ferritin)と過酸化脂質(TBARS)の減少がわかったそうです。

つまり、脂肪肝の改善には運動を継続して行うことが重要であり、そして徐々に運動強度を増加することができれば、さらに改善につながるということですので、運動する習慣を身につけることが脂肪肝改善の近道ということですね。

→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら

→ 脂肪肝改善方法 について詳しくはこちら







【参考リンク(論文・エビデンス)】
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筋トレ前にヨガのような「静的ストレッチ」をすると逆効果になる?【エビデンス・論文紹介】




Stretch

by Incase(画像:Creative Commons)

筋トレ前のストレッチは逆効果?

(2012/6/26、R25)

NSCA公認パーソナルトレーナー、坂詰真二さんによれば、

筋トレ前のストレッチはトレーニング効果を半減させるおそれがある

そうです。

なぜ、筋トレ前のストレッチは逆効果なのでしょうか?

ストレッチには大きく分けると、『静的ストレッチ』と『動的ストレッチ』の2種類があるのですが、ラジオ体操のように筋肉の伸び縮みを繰り返すのが動的ストレッチで、ヨガのように一つ一つの筋肉をじっくり伸ばして静止する静的ストレッチの場合、副交感神経を優位にすることで筋肉が弛緩してしまい、筋肉のパフォーマンスが落ちてしまうため、筋トレには逆効果なのだそうです。

市橋則明 ストレッチングのエビデンス 理学療法学 第 41 巻第 8 号 531 ~ 534 頁(2014 年)

筋力や筋パワーに関してはストレッチングにより低下するとの報告が多くみられる 2)3)。

ストレッチングが筋力や筋パワーに及ぼす影響を調べた 42 論文(総計 1,606 人)をレビューした Behm 4)らによると,これらの論文中で測定された等尺性筋力,等速性筋力,1 RM などの指標のうち 6 割以上で筋力が低下すると報告しており,“有意差なし”や“改善”を報告しているものよりはるかに多かった(図 1)。

報告された筋力の低下率は様々であるが(平均 ‒6.9%)5),低下率が大きいものでは ‒19.1% 6)にもなる。ストレッチングの持続時間を比較すると,ひとつの筋群に対するストレッチング時間が 90 秒を超えると,それ以下と比較して筋力の低下があきらかとなると報告されている 4)7)(図 2)。

それより短い時間のストレッチングについては結果にばらつきがあるものの,短時間(45 秒以下)のスタティックストレッチングは,ほとんど筋力を低下させない(‒3.2%)のに対し,46 ~ 90 秒では ‒5.6%,90 秒以上では‒6.1%とあきらかな低下を示す 7)など,短時間のストレッチングでは筋力低下の影響は少ないといわれている。

この論文によれば、静的ストレッチ(スタティックストレッチング)によって筋力が低下すると報告されているものが多いものの、短時間のストレッチングでは筋力低下の影響は少ないと考えられるそうです。

筋トレとは高い負荷を与えることで筋肉を損傷・疲労させ、回復によって大きくさせていくもの。そもそも十分なパフォーマンスが発揮できない状態では、理想的な負荷を与えることができず、トレーニング効果も薄れてしまうと坂詰氏は解説する。

「ですから静的ストレッチは、筋トレを終えたあとにじっくり行うことを私は勧めています。ストレッチによって筋肉が弛緩して血行が促進され、疲労回復を促す効果が得られますからね」

静的ストレッチは筋トレに後に行うと、筋肉が弛緩して血行が促進され、疲労回復につながりますので、筋トレ後に静的ストレッチを行ないましょう!

→ ジャンプ、スプリント、スクワット、ウエイトリフティング前のストレッチはパフォーマンスを低下させる!? についてくわしくはこちら







【関連記事】
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【クロ現プラス】乳酸革命|乳酸は”エネルギー源”|乳酸トレーニングを取り入れた競泳・萩野公介選手の肉体の秘密とは?【論文・エビデンス】

2018年10月11日放送の「クローズアップ現代+」では「乳酸で持久力アップ!意外なトレーニング法▽萩野公介選手」を取り上げます。




■乳酸トレーニングを取り入れた競泳・萩野公介選手の肉体の秘密とは?

乳酸といえば、昔は「疲労物質」というイメージがありましたが、近年では、乳酸値の高さは「全力を出し切ったかどうか」を示す数値という考え方に変わってきているそうです。

→ 疲れの原因は「乳酸」ではない?|「乳酸」の蓄積と疲労は直接の関係がない!

Jリーグで首位争いを繰り広げるサンフレッチェ広島は、乳酸に精通したコーチを招き、選手全員の乳酸値を測定し、トレーニング方法を一新したところ、スプリント回数(時速24kmのダッシュ回数)が2017年126回→2018年142回で、走行距離は2017年111.2km→2018年113.0kmに上昇し、試合終盤になっても走り負けないサッカーができるようになりました。

2016年9月19日放送の「アスリートの魂」の「水の覇者になる 競泳 萩野公介」では、萩野公介選手の肉体の秘密を取り上げていました。

番組では練習後に萩野選手の乳酸値を測定したところ、その数値は20.5ミリモル(ミリモルは乳酸濃度)で、この数値は他の日本代表選手の2倍に近い数値です。

つまり、萩野選手はそれだけ自分自身を限界まで追い込んでいるということが分かります。

乳酸が一定以上たまると、脳が筋肉の動きを抑制し、10ミリモルを超えるとアスリートでも思うように体を動かせなくなるそうですが、萩野選手は、通常の選手の限界値を超えても体を動かすエネルギーを作り出せるのです。

【参考リンク】

■乳酸はエネルギー源である!

RIMPAC 2012 international swim meet [Image 8 of 13]

by DVIDSHUB(画像:Creative Commons)

番組で解説をされる八田秀雄さん(東京大学大学院教授)の記事によれば、乳酸とは老廃物ではなく”エネルギー源”なのだそうです。

乳酸の基本

乳酸は糖を利用する途中でできるものですから、老廃物ではなくエネルギー源です。スポーツドリンクなどにも乳酸が入っています。肉、魚、ヨーグルト、ワイン、漬け物等、いろいろな食品にも入っていて、乳酸は食事でも多く摂取されています。そして乳酸を摂ることはエネルギー源を摂ることです。乳酸がエネルギー源ということはミトコンドリアで使われるということです。特に運動中には遅筋線維や心筋で多く使われています。一方運動中には速筋線維から乳酸ができています。そこで速筋線維で乳酸ができて、それが遅筋線維や心筋で使われています。また同じ一つの筋細胞の中でもまず糖から乳酸ができて、それがその細胞にあるミトコンドリアに入って使われるということもいわれています。







【参考リンク(論文・エビデンス)】

遺伝子変異だけでは膵臓がんにならない!膵臓がんの発生において遺伝子変異だけではなくエピジェネティックな変化が重要|京大【論文・エビデンス】

健康・美容チェック > 膵臓がん > 遺伝子変異だけでは膵臓がんにならない!膵臓がんの発生において遺伝子変異だけではなくエピジェネティックな変化が重要|京大




■遺伝子変異だけでは膵臓がんにならない!膵臓がんの発生において遺伝子変異だけではなくエピジェネティックな変化が重要|京大

脱分化を起こしたマウスの膵臓|CiRA
マウスの膵臓をヘマトキシリン・エオシン(HE)染色した像。4週齢のマウスに3日間のみ初期化因子を働かせ、その後1週間初期化因子を働かないようにすることで、脱分化させている。遺伝子変異のないマウス(C-OSKM)では特に異常は見られないが、Kras遺伝子に変異があるマウス(KC-OSKM)では組織全体で線維化が見られる。Krasとp53遺伝子に変異があるマウス(KPC-OSKM)ではさらにがん化が進行している。図中のスケールバーは500 μm

参考画像:膵臓がんが発生する新たなメカニズムを解明 遺伝子変異とは異なるがんの原因(2018/5/25、CiRA)|スクリーンショット

膵臓がんが発生する新たなメカニズムを解明 遺伝子変異とは異なるがんの原因

(2018/5/25、CiRA)

山田教授らのグループは、がんの原因となる代表的な遺伝子であるKrasやp53の変異によって誘導される膵臓がんを対象として、膵臓の細胞を部分的に初期化することで脱分化を起こし、がん発生に与える影響を検証しました。膵臓の細胞を脱分化すると、膵臓の細胞を特徴づける遺伝子の働きが一時的に抑制されました。これは膵臓がんの危険因子の一つとされる膵炎で見られる現象に似ていました。Kras遺伝子に変異を持つマウス、あるいはKrasとp53遺伝子に変異をもつマウスでは、がんの代表的な細胞内シグナル伝達注3に関わるタンパク質であるERKが十分に活性化されておらず、膵臓がんにまでは至りませんでしたが、Kras変異マウスに一時的に初期化因子を働かせて膵臓細胞を脱分化させると、ERKが活性化され、膵臓がんを形成しました。

柴田博史特別研究学生(元 京都大学CiRA, 岐阜大学大学院医学系研究科)および山田泰広教授(元 京都大学CiRA、現 東京大学医科学研究所、AMED-CREST)らの研究グループは、膵臓がんが発生するメカニズムとして、遺伝子変異以外のメカニズムを解明しました。

重要なポイントは2つ!

1. 遺伝子変異だけでは膵臓がんにならない

2. 脱分化と遺伝子変異を組み合わせると膵臓がんになる

一般的にがんは遺伝子変異が原因であることが知られていますが、研究グループによれば、がんの原因となる代表的な遺伝子であるKrasやp53の遺伝子変異だけでは膵臓ががん化するには不十分であり、部分的な初期化(脱分化:分化して役割が決まっていた細胞が、その特徴をなくして未分化な状態へと変化すること)を行うことで初めてがん化が進行することがわかりました。

つまり、膵臓がんの発生において、遺伝子変異だけではなくエピジェネティックな変化が、重要であることがわかりました。

【用語解説】

エピジェネティックとは

DNAの塩基配列の変化に依存せず、表現型や遺伝子発現量を変化させる仕組みに関する学問領域のことをエピジェネティクスという。細胞は分化をするに従って持っているゲノムのうちのよく使う遺伝子は読み出しやすいように、使わない遺伝子は深くしまい込むような修飾を行い、細胞分裂の際にもこの修飾が維持される。細胞の種類によって修飾の状態に特徴が見られる。こうした修飾の状態が変化することをエピジェネティックな変化という。

→ エピジェネティクスとは?意味|簡単にわかりやすくまとめました【入門編】 について詳しくはこちら







【参考リンク(論文・エビデンス)】
続きを読む 遺伝子変異だけでは膵臓がんにならない!膵臓がんの発生において遺伝子変異だけではなくエピジェネティックな変化が重要|京大【論文・エビデンス】