■運動不足に起因する健康問題による経済損失は年間7兆円にのぼる!|研究
by Guian Bolisay(画像:Creative Commons)
(2016/7/28、AFP)
英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された論文によると、この損失額は、医療費538億ドル(約5兆6000億円)と生産性の損失による損失額137億ドル(約1兆4000億円)に大別される。
日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約675億ドル(約7兆円)にのぼるそうです。
■健康と生産性の関係
健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、治療にかかる医療費や欠勤(アブセンティーイズム)による損失よりも、業務遂行障害(プレゼンティーイズム)による損失が大きなコストになっているようです。
出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。
今回のニュースと最も関連があるのが肥満ですが、肥満も業務遂行障害に大きく影響しているようです。
肥満の労働者は、メタボリック・シンドロームになるリスクが健康な労働者の約9.4倍、高血圧のリスクが4倍にもなることがわかっている。
さらに、注目に値するのは肥満労働者の業務遂行障害が2.3倍にもなるという事実である。
■運動不足と健康の関係
運動不足によって、健康にどのような影響があるのでしょうか?
●糖尿病
糖尿病は「過食(食べ過ぎ)」「運動不足」が原因で加速する!によれば、血糖値を下げるには、筋肉を使うことが良いそうです。
特に大きい筋肉、最大のものは大腿筋です。つまり歩けばいいということになります。
実際には30分で3キロ歩く速さ、やや速く歩くのがいいでしょう。
1日の摂取カロリーの10~15%を消費できれば十分と考えます。
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●肝臓・脂肪肝
肥満の人は、週250分以上早歩きなどのやや強めの運動をすると、体重が減らなくても、肝臓に蓄積した脂肪が減少したり、善玉コレステロールや肝臓の炎症を防ぐ物質が増えていることがわかったそうです。
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●中性脂肪
運動不足でエネルギーが消費されないと、エネルギーが余り、その余ったエネルギーが中性脂肪となることで、中性脂肪の値が高くなります。
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●肥満
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●大腸がん
大腸がんチェックによれば、毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方は大腸がんリスクが高くなります。
●低体温
運動不足になると、血液を送る筋力を刺激しない状態が続き、筋力が低下し、低体温の原因となります。
細胞の中にあるミトコンドリアが熱を発生させているのですが、筋肉量が多ければ、ミトコンドリアの数も多くなり、それにともなって体温が上昇すると考えられるそうです
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●腰痛
腰痛にはいろいろな原因がありますが、運動不足による筋力低下(背筋より腹筋が弱いと腰痛になりやすい傾向がある)が原因の腰痛や体が硬い(体が硬いと身体を動かすときに筋肉への負担が大きい)ことによる腰痛があります。
筋力低下による腰痛の場合は、運動不足と肥満を解消しましょう。
肥満になると脂肪が血管を圧迫するため、血行が悪くなります。
ストレッチや体操などの運動をすることで肥満の解消と筋力UPをしましょう。
●低血圧
運動不足になると、血液を送る筋力が低下するので、積極的に運動をするようにしましょう。
また、運動することによって、交感神経と副交感神経の切り替えが早くなるため、血圧調節中枢の遅れの改善に効果的だとも考えられます。
●動脈硬化
動脈硬化予防に良い方法とは、有酸素運動。
有酸素運動をすると、血流が良くなり、血管が広がりやすくなるそうです。
血管が広がりやすくなり、血流が良くなることで、血管を傷つけにくくなり、動脈硬化を予防できるそうです。
●生理不順(月経不順)
運動不足になると、血行が悪くなり、生理不順の原因となります。
運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、冷え性の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。
第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。
また、筋肉を使うことで体温が上がります。
冷え性でない人は運動(ウォーキング・ラジオ体操・筋力アップ)で冷え性対策をしているによれば、長年冷え性の人は、厚着をしたり、電気毛布や湯たんぽ、暖房器具を利用する人が多いのに対して、冷え症でない人は、からだを動かすことを大事にしているようです。
また、運動することで交感神経の働きが上手になってくるそうです。
●胆石
運動不足が肥満などにつながり、胆汁が胆石のできやすい状態になってしまうと考えられています。
●冷え性
運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、冷え性の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。
第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。
また筋肉を使うことで体温が上がります。
●乳がん
乳がんリスクが高くなる要因として、運動不足が挙げられています。
運動不足も乳がんリスクが高くなる要因ですが、積極的に運動する女性は乳がんリスクが低い|国立がん研究センターによれば、積極的に運動する女性は、運動しない人に比べて、乳がんリスクが低いそうです。
特に、閉経後や太り気味の女性は、週1回でも余暇に運動を取り入れることが乳がん予防につながると考えられるそうです。
●高血圧
高血圧は糖尿病などの合併症を起こしやすいといわれます。
それは、高血圧と糖尿病の危険因子(肥満、運動不足、喫煙など)が同じだからです。
高血圧を予防することで、脳卒中や心筋梗塞などの病気の予防をしましょう。
その他にも、高脂血症・脂質異常症ともリスク要因が重なる部分が多いため、注意が必要です。
●胃痛・胃がん
運動によって、全身の血液循環を促進し、胃液の分泌を活発にし、胃の消化機能を高めます。
ただし、過激な運動は胃の負担を増やすこともあるので注意が必要。
●内臓脂肪
●便秘
便秘の解消方法として、腹筋を鍛えることをアドバイスしているのは、腹筋が弱っているため、便を出すことが出来ない人もいるためです。
腸の回りの筋肉・腸腰筋を鍛えるとウンチが出やすくなります。
●腸腰筋を鍛える運動
- イスに座ったまま腕を上に持ち上げ、腸腰筋を伸ばす。
- イスに腰を下ろしたまま歩くように手足を動かし腸腰筋を縮める。
- イスに腰を下ろし、足を地面につけた状態で腰をひねり腸腰筋をねじる。
※これを1日3セット
●便秘解消体操・エクササイズ|1日たった10分の体操で便秘解消!
- 足を肩幅に開く
- 右手で腰骨の上を掴む
- 左手で肋骨の下を掴む
- 右回りに5回まわす
- 脇腹を揉みながら腰を回す
- 左回りに5回まわす
※1日5回から10回
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■まとめ
日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約7兆円にのぼるそうです。
The Lancet: One hour of physical activity per day could offset health risk of 8 hours of sitting
(2016/7/27、EurekKAlert Science News)
A new study of over 1 million people finds that doing at least one hour of physical activity per day, such as brisk walking or cycling for pleasure, may eliminate the increased risk of death associated with sitting for 8h a day.
100万人以上の人々を対象とした調査によれば、ウォーキングやサイクリングなど、1日に少なくとも1時間の身体活動をすると、1日8時間座ることに関連する死亡リスクを相殺する可能性があるそうです。
運動不足を解消し、肥満などの健康問題を解決していくことが、世界の経済をよくする方法といえるのではないでしょうか。