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隠れ肝臓病|ウイルス性肝炎|ためしてガッテン(NHK)

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9月16日放送のためしてガッテン(NHK)では、「健診で見つからない!隠れ肝臓病100万人」がテーマでした。

今回のテーマで重要なポイントは、肝硬変の7割、肝臓がんの9割の原因が肝炎ウイルスによるものだということ。

「私はお酒を飲まないから大丈夫」

肝臓は強い」

など多くの人が肝臓病(肝臓の病気)について誤解しているようなのです。

肝臓は「沈黙の臓器」ともいわれ、病気になったとしても、自覚症状がほとんどないため、肝炎、肝硬変、肝臓がんと病気が進行してしまうようなのです。

【目次】




■なぜ肝炎ウイルスに感染しているのか?

多くの人がウイルス性肝炎が輸血や一部の血液製剤によってのみ感染する病気と思っていますが、番組では、ウイルス性肝炎の感染原因として、当時行われていた注射器の使いまわしが原因の一つではないかと紹介していました。

この説が正しければ、誰が感染してもおかしくないということがいえそうです。

■肝機能検査ではわからない!肝炎ウイルス

Invisible Woman

by Michael Pate(画像:Creative Commons)

肝機能検査が正常値でも肝炎ウイルスに感染している場合があります。

肝炎ウイルスに感染しているかどうかを知るためには、肝炎ウイルス検査を受ける必要があります。

肝炎ウイルス検査は、保健所や委託を受けている医療機関で、無料で受けられるそうです。(一部有料の場合もあるそうです。)

肝炎ウイルスは現代の日常生活の中では感染しないと考えられますので、肝炎ウイルス検査は、一生に一度受ければ良いようです。




■ウイルス性肝炎最新治療

C型肝炎は、ペグインターフェロンとリバビリンの併用。

インターフェロンで治らない場合は、炎症を抑えて病気の進行を遅らせる肝ひご療法が行われるそうです。

※詳しくは医療機関でお尋ねください。

インターフェロン治療には国の助成制度がありますので、活用してください。

【関連記事】

■GPT(ALT)の基準値が変わった?

番組によれば、最近、肝機能検査の一つ、GPT(ALT)の基準値が変わってきたそうです。

これまでは、40までが基準値内とされてきましたが、最新の研究でGPT(ALT)が31以上ならば、肝臓に異常がある可能性が高いそうです。(脂肪肝、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんなど)

肝炎ウイルス検査を受け、そして、肝機能検査を定期的に受けることで肝臓、そして自身の健康を守りましょう。

⇒ 肝臓の数値・検査値|ALT(GPT)・AST(GOT)・γ-GTP についてはこちら




P.S.

●タウリン

肝臓(脂肪肝)に良い食事・食品は、タウリンを含む食品です。

肝臓から分泌される胆汁酸には、コレステロールを排泄させる働きがありますが、タウリンを含む食品を摂取するによって胆汁酸の分泌が増え、血液中のコレステロール値も下がります。

●タウリンには、酵素の働きを助ける働きがあるので、アルコールの分解を早め、肝臓への負担を軽くしてくれます。

また、タウリンには、腎臓や肝臓の有害ミネラルである毒素を濾過する機能をUPさせてくれます。

●カキに含まれるタウリンは、肝臓に溜まった中性脂肪を肝臓の外に出してくれ、そして肝臓(脂肪肝)を良くする働きがあるのです。

つまり、タウリンが肝臓に入ると、まず肝臓内の中性脂肪を取り除きます。さらに肝臓から脂肪を外に排出する働きをしてくれます。

食事療法としては、タウリンを含むカキなどを食事に取り入れましょう。

→ タウリンとは|タウリンの効果・効能|タウリンの多い食品・食べ物 について詳しくはこちら。

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●不飽和脂肪酸やオメガ3脂肪酸の油

不飽和脂肪酸は、HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールを減らす働きがあると言われています。

また、オメガ3脂肪酸は、中性脂肪を減らす効果が期待されています。

→ オメガ3脂肪酸|オメガ3の効能・効果・食べ物・オメガ3ダイエット について詳しくはこちら




肝臓関連ワード

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砂糖の摂りすぎで腸内細菌叢が変化し脂質代謝異常(脂肪肝や高脂血症)やメタボリックシンドロームが起きている!?




砂糖の摂りすぎによる脂肪肝や高中性脂肪血症は腸内細菌叢の変化が起こしている
砂糖の摂りすぎによる脂肪肝や高中性脂肪血症は腸内細菌叢の変化が起こしている

参考画像:砂糖のとりすぎによる脂質代謝異常(脂肪肝、高脂血症)は腸内環境の変化が鍵であった(2021年3月26日、名古屋大学)

砂糖のとりすぎによる脂質代謝異常(脂肪肝、高脂血症)は腸内環境の変化が鍵であった(2021年3月26日、名古屋大学)で紹介されている小田裕昭准教授らの研究によれば、砂糖(ショ糖、スクロース)のとりすぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝)、高中性脂肪血症が腸内環境の変化によるものであることがわかりました。

この研究の前にこれまでの新しくわかってきたことを一つを紹介しておく必要があります。

それは、これまでメタボリックシンドロームは、食べ過ぎ、特に油のとりすぎが原因として考えられてきましたが、最近になって、砂糖(ショ糖や異性化糖)などのフルクトースを含む糖が大きな原因であるとわかってきたことです。

今回の研究によれば、砂糖の摂りすぎにより大腸の腸内細菌叢が変化していること、腸内細菌叢の変化が脂肪肝や高中性脂肪血症の原因であることを突き止めました。

【参考リンク】

砂糖の摂り過ぎによる脂質代謝異常の原因菌5つを特定 メタボなどの予防法確立へ重要なステップ(2025年3月31日、名古屋大学)によれば、砂糖の摂り過ぎによって起こるメタボリックシンドロームへつながる脂質代謝異常(脂肪肝、高中性脂肪血症)の原因となっている腸内細菌を5つ見つけました。

これらの腸内細菌をターゲットにすることにより、砂糖の摂りすぎによる脂質代謝異常やメタボリックシンドロームを腸内環境を整えることにより予防できる可能性が出てきました。

【参考リンク】

■まとめ

あなたの腸内は肉派?野菜派?どんな食べ物を食べているかで腸内細菌叢が変わる!その影響は健康や環境にも関わってくる!によれば、食事で腸内細菌叢は変わるし、健康にかかわってくることがわかっています。

つまり、食事を変えて、腸内細菌叢を変えることができれば、脂肪肝などの脂質代謝異常やメタボリックシンドロームを予防できる可能性があるわけです。







中性脂肪とアルコールの関係|なぜアルコールが中性脂肪値を高める原因になるの?

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中性脂肪の値が高くなり、皮下脂肪や肝臓に過剰に蓄積されると、脂肪肝や脂質異常症、肥満、動脈硬化につながります。

「中性脂肪値が高い!」という悩みを抱えていると毎日が憂鬱ですが、そんな「中性脂肪が高い」という悩みがなくなれば、ストレスなく楽しい毎日が過ごせますし、長生きすることもできますので、中性脂肪の基準値(数値)・中性脂肪が高い原因を知って、中性脂肪を下げる(減らす)ためにの予防法を実践していきましょう!




【目次】

■中性脂肪とアルコールの関係

Beer sampler

by Quinn Dombrowski(画像:Creative Commons)

アルコール性肝障害にご注意

(2016/1/1、毎日新聞)

アルコールによって機能が低下した状態が続くと代謝が追いつかなくなり、肝細胞には中性脂肪が蓄積されていきます。この段階がアルコール性肝障害の初期段階である「アルコール性脂肪肝」です。肥満や食べ過ぎ、運動不足も同様に脂肪肝の原因になります。

中性脂肪は、エネルギー源で、余分な中性脂肪は、肝臓などに蓄えられます。

→ 中性脂肪とは・数値(正常値)・高い原因・下げる(減らす) について詳しくはこちら

中性脂肪は、糖質・脂質が多く含まれている食事の食べ過ぎやお酒の飲み過ぎで必要以上のエネルギーが体に入り、また運動不足でエネルギーが消費されないと、エネルギーが余り、その余ったエネルギーが中性脂肪となることで、中性脂肪の値が高くなります。

また、アルコールは、中性脂肪を分解する酵素の働きを低下させるため、中性脂肪値を高める原因となります。

肝臓にはアルコールの分解を行う機能がありますが、アルコールの量が多かったり、肝機能が低下していると、代謝がうまくいかなくなり、肝臓に中性脂肪がたまっていきます。

この状態をアルコール性肝障害の初期段階である「アルコール性脂肪肝」といいます。

→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら

■アルコール性脂肪肝

アルコール性脂肪肝とは、大量のアルコールを習慣的に、長期間飲酒したことによる肝臓の病気です。

肝臓(ダイエット脂肪肝・アルコール性肝障害・NASH)|駆け込みドクター!によれば、アルコール性肝障害の患者数約250万人いるといわれ、日本酒の場合、3合以上を毎日5年間飲酒すると、アルコール性肝障害になる可能性が高いそうです。

健康な肝臓でも3~5%の脂肪を含んでいますが、アルコール性脂肪肝の場合は、5%を超えています。

アルコール性脂肪肝の対処法としては、酒量を減らす、または症状が悪い人は禁酒、生活習慣の改善、運動などが考えられます。

アルコール性脂肪肝には、自覚症状がありません。

それは、肝臓は再生能力・代償能力に優れ、ダメージを受けても残った正常細胞が余分に働き、機能を維持するからです。

肝臓は痛みなどの症状を出すことがあまりないので、そのため肝臓に異常があっても気付かず、異常に気付いたときには病気がかなり進んでいることがあります。

生活習慣を改善せずに、アルコール性脂肪肝を放っておくと、アルコール性肝炎やアルコール性肝硬変になる恐れがあるので、アルコール性脂肪肝の段階で食い止めましょう。

→ 脂肪肝を治す方法|脂肪肝の改善方法(食事・運動・サプリ) について詳しくはこちら




■アルコール性肝炎

「脂肪肝」の状態から肝細胞の破壊と修復が繰り返されると、肝臓に慢性的に炎症が生じるようになります。軽度の炎症ではほとんど無症状です。炎症が続いた結果、細胞の線維質が増加することもあり、この場合、「アルコール性肝線維症」と呼ぶことがあります。

<中略>

 また、短期間に多量の飲酒をしたりすると、強い炎症が起こり、肝細胞が破壊されて広範囲にわたり壊死(えし)する重篤な「肝炎」となることもあります。

アルコールを飲みすぎて、肝機能検査に異常があるといわれても、最初のうちは肝臓は病気になっていません。

しかし、そのまま飲み続けていると、脂肪肝になり、さらには「アルコール性肝炎」を引き起こします。

アルコール性肝炎は長い間脂肪肝の状態が続くと起こるとされています。

アルコール性肝炎になると、肝細胞が破壊されて炎症が起こるため、全身の倦怠感や黄疸、発熱、吐き気などの症状が現れます。

しかし、アルコール性肝炎の初期であれば、禁酒することで肝臓の機能が改善の見込みがあるため、この段階で改善しましょう。

→ 肝炎とは|肝炎の症状・B型肝炎・C型肝炎・アルコール性肝炎 について詳しくはこちら

■アルコール性肝硬変

肝細胞の壊死と再生、線維化が進み、肝臓は小さく硬くなった状態。黄疸、むくみ、腹水、吐血などの症状がみられる、もっとも深刻なアルコール性肝障害です。肝性脳症、食道静脈瘤(りゅう)、糖尿病、腎不全といった合併症にもかかりやすくなる深刻な病気ですが、初期のアルコール性肝硬変では断酒により症状の改善が期待できます。

肝硬変の中でも、お酒を長期間継続して飲むことによって起こるのが、「アルコール性肝硬変」です。

肝硬変は、肝臓が小さくて硬くなるだけでなく、正常に働くことのできる細胞の数が減り、肝臓の機能が失われていきます。

→ 肝硬変とは|肝硬変の症状・原因・食事 について詳しくはこちら

■肝臓を守り、中性脂肪を減らす方法

肝臓に負担をかけないようにするには、低カロリー低脂肪の食事、腹八分目の食事の量にする、アルコールを控えめにする、運動する機会を作る、などです。

●青魚(DHA・EPA)

サバダイエットで中性脂肪・コレステロールの数値改善によれば、サバにはDHAやEPAが多く含まれており、DHA・EPAは中性脂肪を下げる効果や血管を柔らかくする効果があることから、動脈硬化や心筋梗塞を予防する働きがあるといわれています。

魚うどん(EPA)で血管若返り|たけしのみんなの家庭の医学によれば、体重が97キロで、血糖値LDLコレステロール(悪玉コレステロール)中性脂肪値が基準値を超えていた人が、魚うどん(青魚のトビウオを原料にした魚のすり身で作られたうどん)を食べたことで、体重が-14キロになり、すべての数値が症状に戻ったそうです。

■タウリン

肝臓(脂肪肝)に良い食事・食品は、タウリンを含む食品です。

肝臓から分泌される胆汁酸には、コレステロールを排泄させる働きがありますが、タウリンを含む食品を摂取するによって胆汁酸の分泌が増え、血液中のコレステロール値も下がります。

●タウリンには、酵素の働きを助ける働きがあるので、アルコールの分解を早め、肝臓への負担を軽くしてくれます。

また、タウリンには、腎臓や肝臓の有害ミネラルである毒素を濾過する機能をUPさせてくれます。

●カキに含まれるタウリンは、肝臓に溜まった中性脂肪を肝臓の外に出してくれ、そして肝臓(脂肪肝)を良くする働きがあるのです。

つまり、タウリンが肝臓に入ると、まず肝臓内の中性脂肪を取り除きます。さらに肝臓から脂肪を外に排出する働きをしてくれます。

食事療法としては、タウリンを含むカキなどを食事に取り入れましょう。

→ タウリンの多い食べ物 について詳しくはこちら

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■不飽和脂肪酸やオメガ3脂肪酸の油

不飽和脂肪酸は、HDLコレステロールを増やし、LDLコレステロールを減らす働きがあると言われています。

また、オメガ3脂肪酸は、中性脂肪を減らす効果が期待されています。

→ オメガ3の効能・効果・食べ物・オメガ3ダイエット について詳しくはこちら

■まとめ

中性脂肪が高いことで悩んでいる方は、以下の方法で中性脂肪を減らしましょう!

  • 精製された炭水化物の量を少なくする
  • アルコールを飲んでいる人は控えめにする
  • 禁煙をする
  • 運動をする
  • ダイエットをする

→ 中性脂肪の減らし方(食事・運動・サプリメント) について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 中性脂肪とアルコールの関係|なぜアルコールが中性脂肪値を高める原因になるの?

脂肪肝/NAFLD/NASHの名称が脂肪性肝疾患(SLD)/MASLD(マッスルディー)/MASH(マッシュ)に変わっていたの知ってましたか?




NAFLD/NASHはMASLD/MASHにーMASLD/MASHの日本語名称が正式に決定!(2024年9月5日、日本生活習慣病予防協会)によれば、肝臓の一連の変化のベースとなる状態が「脂肪性肝疾患(SLD、Steatotic Liver Disease、従来脂肪肝(fatty liver)と呼んでいた状態とほぼ同じ)」、過剰飲酒がなく代謝異常が生じている場合を「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD、Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease、マッスルディー、従来のNAFLD)」、MASLDに該当してかつ肝炎が生じている場合は、「代謝異常関連脂肪肝炎(MASH、Metabolic Dysfunction Associated Steatohepatitis、マッシュ、従来のNASH)」なりました。

ちなみに、代謝異常が生じている場合とは、過体重や肥満、2型糖尿病がある場合のほかに、体重が基準範囲以下であったとしても、腹部肥満、中性脂肪高値/善玉コレステロール(HDL-C)低値、血圧高値、インスリン抵抗性、全身性炎症などが複数あてはまる場合も該当します。

今まで馴染み深かった言葉が変わるのは大変ですね。

ただ、これまでの名称は、”alcohol”や”fatty”という言葉が入った病名が誤解を招きやすく、不適切であるということが世界的に議論されてきたということが変更の背景にあるため仕方ないことですよね。

つまり、これからはこうなります。

脂肪肝→脂肪性肝疾患

NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)とは・症状・原因→MASLD

NASH→MASH

覚えていきましょう。







喫煙者は非喫煙者より脂肪肝リスクが14%高い!そのメカニズムとは?




「喫煙者は非喫煙者より脂肪肝リスクが14%高い」…韓国の研究チームが研究発表(2025年1月24日、KOREA WAVE)によれば、喫煙者は非喫煙者に比べて脂肪肝の発生リスクが14%高いことがわかったそうです。

喫煙で全身の血管での動脈硬化のリスクが高くなる|滋賀医科大で紹介した国立がん研究センターの多目的コホート研究によれば、タバコを吸っているグループでは、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患リスクが高くなることがわかっています。

たばこを吸うことで、血液をドロドロにする血中成分の増加や善玉(HDL)コレステロールが減少することで動脈硬化が促進されて、虚血性心疾患の発症リスクが増加したと考えられます。

今回の研究では喫煙が脂肪肝リスクを高めるメカニズムとして別の理由が紹介されている点が興味深いところです。

喫煙は肝細胞で脂肪蓄積を促進する物質を活性化し、正常に分泌されたインスリンの機能を低下させ、血糖調節を妨げるインスリン抵抗性を引き起こす。また、たばこの主成分であるニコチンが脂肪分解を促進し、脂肪酸を増加させることで肝臓への再循環を引き起こし、脂肪肝を誘発する可能性がある。

肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、他の臓器におけるインスリン抵抗性が強い!?|金沢大学(2014/3/28)で紹介した金大医薬保健研究域の篁俊成教授と金子周一教授らの研究グループは、肝臓に付いた脂肪が、血糖値を下げるインスリンの働きを、筋肉など肝臓以外の部位でも妨げることを確認しています。

この研究のポイントは、肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、肝臓と離れた場所に存在する骨格筋でインスリン抵抗性が強いということです。

※インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪などでのインスリンの働きが低下する状態で、インスリン抵抗性が強いと、糖尿病脂肪肝メタボリックシンドローム高血圧脂質異常症高脂血症)・動脈硬化を招く原因となります。

つまり、肝臓についた脂肪がインスリンの働きを妨げるのですが、喫煙が肝細胞で脂肪蓄積を促進する物質を活性化することから、喫煙者のほうが脂肪肝リスクが高くなるというのが第1の理由。

もう一つの理由は少し複雑です。

タバコを吸うと「痩せる」のは本当か

ニコチンは脳の視床下部のニューロン(Pro-opiomelanocortin、POMC)に作用し、食欲を減退させる(※3)。また、ニコチンがエネルギー代謝を活性化させ、脂肪分解を刺激し、エネルギー消費を増加させることも知られている(※4)。

※3-1:Hui Chen, et al., “Cigarette Smoke Exposure Reprograms the Hypothalamic Neuropeptide Y Axis to Promote Weight Loss.” American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol.173, No.11, 2006

※3-2:Yann S. Mineur, et al., “Nicotine Decreases Food Intake Through Activation of POMC Neurons.” Science, Vol.332, Issue6035, 1330-1332, 2011

※4-1:Angela Hofstetter, et al., “Increased 24-Hour Energy Expenditure in Cigarette Smokers.” The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE, Vol.314, 79-82, 1986

※4-2:K Anderson, P Arner, “Systemic nicotine stimulates human adipose tissue lipolysis through local cholinergic and catecholaminergic receptors.” International Journal of Obesity, Vol.25, 1225-1232, 2001

※4-3:J Audrain-McGovern, NL Benewitz, “Cigarette Smoking, Nicotine, and Body Weight.” Clinical Pharmacology & Therapeutics, Vol.90(1), 164-168, 2011

ニコチンには食欲減退効果があったり、脂肪代謝を刺激して脂肪の分解を促進する作用があるそうです。

このメカニズムの仮説のポイントは、ニコチンが脂肪分解を促進し、脂肪酸を増加させることで肝臓への再循環を引き起こし、脂肪肝を誘発する可能性があるのかどうか?

この部分に関してはこれから研究が進んでいくと思われます。

喫煙が脂肪肝リスクを高めるメカニズムについてははっきりしていないものの、喫煙が脂肪肝リスクを高めること、脂肪肝はそのほかの病気のリスクを高くすることは間違いないので、禁煙をお勧めします!

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