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世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国FDA承認|大塚製薬・プロテウス




■世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国FDA承認|大塚製薬・プロテウス

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by tr0tt3r(画像:Creative Commons)

世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国承認

(2017/11/14、大塚製薬プレスリリース)

「エビリファイ マイサイト」は、エビリファイの錠剤に摂取可能な極小センサーを組み込んだもので、同剤の適応である成人の統合失調症、双極性Ⅰ型障害の躁病および混合型症状の急性期、大うつ病性障害の補助療法において使用されます。この錠剤を服用するとセンサーが胃内でシグナルを発し、患者さんの身体に貼り付けたシグナル検出器「マイサイト パッチ」がそれを検出します。この検出器は、患者さんの服薬データだけでなく、活動状況などのデータを記録し専用の「マイサイト アプリ」に送信します。アプリには、睡眠や気分などを患者さんが入力することもできます。これらのデータはスマートフォンなどのモバイル端末に転送され、患者さんの同意があれば医療従事者や介護者との情報共有も可能になります。

大塚製薬とプロテウス・デジタル・ヘルスは、世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite® )」の承認を米国FDAから取得したそうです。




■背景

大塚製薬とプロテウス社が開発したデジタルメディスン(服薬測定ツール)の新薬承認申請を米国FDAが受理

(2015/9/11、大塚製薬プレスリリース)

慢性疾患を患った患者さんのうち、およそ50%が処方通りに服用していないと言われており、そのため処方された薬の効果が十分得られていないと考えられます。米国においては、服薬不良による影響によって直接的、間接的なコストが1,000億ドルから3,000億ドルも余計にかかっていると推定されています*1,*2。例えば、統合失調症など精神疾患の患者さんは、慢性的な疾患のため長期間の服薬が必要となりますが、実際には薬剤を飲まなくなる、あるいは飲み忘れるなど、服薬が規則正しくできない状態になりがちです。薬を定期的に飲まなくなると再発するリスクが増大します*3,*4。

薬の飲み忘れや処方された薬の効果が得られないといった問題について以前も取り上げています。

例えば、緑内障 患者判断で治療中断18.7%によれば、「大した症状がない」、「継続受診が面倒」、「治療効果が実感できない」など病気自体への理解度が低いことや治療効果についての理解が低いという理由で、患者判断で緑内障の点眼治療を中断してしまっているそうです。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症に不安を感じ、糖尿病の治療の重要性を認識していても、治療を継続できている人は半数なのだそうです。

高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法で紹介した日本薬剤師会が2007年に薬剤師がケアを続ける在宅患者812人の残薬を調査したところ、患者の4割超に「飲み残し」「飲み忘れ」があり、金額ベースでは処方された薬全体の24%にあたり、厚労省がまとめた75歳以上の患者の薬剤費から推計すると、残薬の年総額は475億円になったそうです。

なぜ高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きるのか?によれば、次のような理由で高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きています。

  • 高齢者になると複数の病気にかかることが多い
  • 複数の医療機関・複数の薬局にかかる
  • 薬剤師は「お薬手帳」で患者がどんな薬を飲んでいるか把握するが、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばない
  • 医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえず、患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い
  • 薬の情報が、医師や薬剤師間で共有されていない

処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。

大塚製薬とプロテウス社が開発したデジタルメディスン(服薬測定ツール)の新薬承認申請を米国FDAが受理

(2015/9/11、大塚製薬プレスリリース)

デジタルメディスンは、エビリファイの錠剤に小型のシリコンチップ製の極小センサーが入ったもので、この錠剤を服用するとセンサーがシグナルを発し、患者さんの体表面に貼り付けたパッチ型の小型検出器でシグナルを検出します。 体に貼付するパッチ型の検出器は、患者さんが何時に薬を飲んだかなどの服薬データだけでなく、活動量(歩数)など様々なデータを検出することが可能です。集めたデータはスマートフォンやタブレット端末などに転送され、患者さんの同意のもと医師や看護師などの医療従事者に情報提供が可能です。この情報を元に、医療従事者や介護者が患者さんにより適した治療法を選定し、その結果として患者さんの服薬アドヒアランスを向上させることが期待できます。

今回紹介した「デジタルメディスン」は錠剤に胃液に接するとシグナルを発すセンサーを組み込み、患者さんの体に張り付けたシグナル検出器で服薬の日時や活動量などのデータを記録します。

そのデータをもとに、患者さん自身がアプリで服薬状況や活動量を確認したり、医師や看護師などの医療従事者と情報共有することにより、アドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)を向上し、治療効果を高めることが期待されます。

【参考リンク】

■まとめ

今回取り上げた「デジタルメディスン」のポイントは薬の飲み忘れによって生じる治療効果が下がってしまうという問題をテクノロジー(今回の場合はセンサー)で解決しようというものです。

ほかにも様々なアプローチがとられています。

●IoTを活用した服薬忘れ防止システム

その問題を解決する方法の一つとして注目されているのが、いま注目のIoT(モノのインターネット)を利用して、アプリや薬剤ケース・ボトルを連動させて薬を飲むタイミングを通知する飲み忘れ防止システムです。

【関連記事】

●PillPackのアイデア

PillPackは人の習慣を活用して薬の飲み忘れを防ぐリマインダーアプリを開発中によれば、患者の中には、積極的に治療方針の決定に参加し、治療を受ける人がいる一方で、そうではない人がいて、薬にお金を使いたくないという人や薬が効くと信じていないという人、また、物忘れではなくて習慣が影響している場合もあるそうです。

人の習慣を利用して「ちゃんと薬を飲む」ようにしてくれるアプリ

(2015/8/8、WIRED)

パーカーはもともとアドヒアランスをある程度理解していた。薬剤師である父親が、処方箋を患者にわたすのを少年時代に見ていたからである。薬を飲み忘れる理由は単なる物忘れだけでなく、習慣も関係する。

「薬を受け取る余裕がない、薬にお金を使いたくない、さらに、あるいは薬が効くと信じていないという人もいる」と、アーカンソー大学薬学部の准教授セス・ヘルデンブランドは言う。これは意図的な「ノンアドヒアランス(nonadherence、患者が治療に対して積極的でないこと)」と呼ばれる。

このアプリは、意図的でないノンアドヒアランスの人を対象に設計されている。「アプリを使うために多くの入力を患者に強いることで、アドヒアランスを更に高める必要はない」とヘルデンブランドは言う。

パーカーはコンテクスト・アウェアネスをアプリでより実現し、より直感的なものにしている。

Pillpackでは、薬局や保険給付のデータを集めて、誰にどのような処方箋が出ているかがわかる「データベース」をつくることで、基本情報を入力すれば、患者の処方箋を自動で設定できるようになっているそうです。

こうした仕組みをバックグラウンドで動かすことによって、アプリユーザーの入力の手間を省き、薬の飲み忘れを防ぐためのお知らせをするシンプルなシステムになっています。

また、コンピュータが状況や変化を認識!『コンテキスト・アウェア・コンピューティング』|コベルコシステムによれば、

今までのように、個人が必要な情報を検索したり、スケジュールを確認したりするのではなく、過去の行動履歴、現在の時刻・スケジュール・位置情報などに基づいて、次の行動に必要な情報がシステムの側から積極的に提供されます。

ということで、Pillpackでは、ユーザーの位置情報に基づいてアラートを設定できるそうです。

つまり、習慣の強力な力を活用して、薬の飲み忘れを防ごうというアイデアですね。

●自動的に薬を投与するインプラント

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

妊娠をコントロールする避妊チップの開発に成功ービル・ゲイツ財団出資の企業によれば、海外では腕の内側などにホルモン剤を含んだ細長いプラスチック製の容器を埋め込む「避妊インプラント」が広く普及しているそうで、将来的には、糖尿病治療も同様の方法をとっていくことが予想されます。

糖尿病治療用「スマート・インスリンパッチ」が開発される(2015/6/24)によれば、米ノースカロライナ大学とノースカロライナ州立大学の研究チームは、血糖値の上昇を検知し、糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具を開発したそうです。

糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンドによれば、韓国の基礎科学研究院の研究者たちは、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスを糖尿病患者のためにデザインを行なったそうです。

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学によれば、東京農工大学大学院の村上義彦准教授の研究グループは、体内に薬を運ぶための入れ物である「薬物キャリア」として利用されている構造体(ミセル)に着目し、「物質の放出を制御できる機能」をゲルの内部に固定化するという新しい材料設計アプローチによって、「複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル」の開発に成功しました。

「複数の薬を異なる速度で自在に放出できる」というアイデアが実現することになれば、「残薬(飲み残しの薬)が減ることによって医療費削減」「認知症などの人が飲み忘れることがなくなる」「治療継続の負担がなくなる」といったことが期待されます。

【関連記事】

今回取り上げたように、現状の方法では治療を継続していくのは難しいということがわかっているのですから、継続しやすい新しい治療方法を考える必要があるのは間違いなく、すでに世界的にも自動で数値を検知して、適量の薬を投与するという方向に進んでおり、今後はこうした研究がどんどん出てくるのではないでしょうか。

【関連記事】

もう一つ気になる点があります。

それは、本当にその薬に効果があるかという問題です。

ゲノム解析が一般的なものになった時、AIが過去の文献や医学論文、データベースを探索するようになる!?では、抗がん剤は高価で、かつ副作用の生じることから、薬が効かない患者に副作用のリスクを負わせ、高額な医療を施す必要があるのかという問題があり、ゲノム情報を活用して、どの薬が効果を発揮できるのか、ということを事前に調べて投与する「プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)」に注目が集まっているという話題を取り上げました。

薬の飲み忘れ問題も大事ですが、そもそもその薬の効果があるかどうかがわからない場合もあり、今後は、遺伝子を調べて、その薬で対応できるのかを判断してから投与するということが常識となっていくのではないでしょうか?







【参考リンク】
続きを読む 世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国FDA承認|大塚製薬・プロテウス

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学




■「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学

複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル|物質の放出速度を制御する原理
複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル|物質の放出速度を制御する原理

参考画像:「複数の薬を異なる速度で放出できるゲル」の開発に成功~ 「より効率的ながん治療」や「薬の飲み忘れがない在宅医療」の実現へ ~(2017/3/8、東京農工大学プレスリリース)|スクリーンショット

「複数の薬を異なる速度で放出できるゲル」の開発に成功~ 「より効率的ながん治療」や「薬の飲み忘れがない在宅医療」の実現へ ~

(2017/3/8、東京農工大学プレスリリース)

本研究グループでは、「『物質の放出速度が異なるミセル』をゲルの内部に固定化する」という材料設計での独自のアイデアによって、「複数の物質の放出挙動を自在に制御できるゲル」の開発に成功しました(図 1)。

東京農工大学大学院の村上義彦准教授の研究グループは、体内に薬を運ぶための入れ物である「薬物キャリア」として利用されている構造体(ミセル)に着目し、「物質の放出を制御できる機能」をゲルの内部に固定化するという新しい材料設計アプローチによって、「複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル」の開発に成功しました。

■【背景】飲み忘れ問題

薬の飲み忘れには、解決しなければならない問題がいくつも隠されています。

●残薬(飲み残しの薬)

がんを薬で治療する際には、一種類の抗がん剤のみを投与することは少なく、複数の抗がん剤や補助薬を併用することで薬効の増大や副作用の軽減が図られています。このような「多剤併用療法」においては、使用する薬物の種類が増えるほど薬物の投与スケジュールが複雑になるという問題点があります。

高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法によれば、厚労省がまとめた75歳以上の患者の薬剤費から推計すると、残薬の年総額は475億円になるそうです。

また、薬の飲み忘れ問題を解決する前に根本的に解決しないといけない問題もあります。

それは、「高齢者の薬のもらい過ぎ問題」です。

なぜ高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きるのか?によれば、次のような理由で高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きています。

  • 高齢者になると複数の病気にかかることが多い
  • 複数の医療機関・複数の薬局にかかる
  • 薬剤師は「お薬手帳」で患者がどんな薬を飲んでいるか把握するが、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばない
  • 医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえず、患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い
  • 薬の情報が、医師や薬剤師間で共有されていない

個人と服薬情報をかかりつけ医・かかりつけ薬剤師が見れるようにすることができれば、高齢者の薬のもらい過ぎ問題の解決につながり、服薬忘れの防止につながると考えられます。

【関連記事】

●認知症などの人が飲み忘れてしまう

認知機能が低下すると、たくさんの薬が出ると、飲まない、飲めないことが起こりますが、この点を自力で解決する手段がありません。

→ 認知症の人への薬の提供方法の問題について考える|認知機能が低下すると、たくさんの薬が出ると、飲まない、飲めないことが起こる について詳しくはこちら

●治療の継続ができない

脳梗塞患者向けの薬の飲み忘れを知らせる「IoTピルケース」と専用アプリの開発へ|大塚製薬・NECによれば、脳梗塞の患者の場合、薬をうっかり飲み忘れたり、自己判断で止めたりすると、服薬率が半年で約5割まで下がる――という研究結果があり、服薬の継続が課題になっているそうです。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症に不安を感じ、糖尿病の治療の重要性を認識していても、治療を継続できている人は半数なのだそうです。

【関連記事】

どんなに治療が大事だと認識していても、何らかの理由で治療が継続できないことがあることで、処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。




■飲み忘れ問題を解決するアプローチ

●IoTを活用した飲み忘れ防止システム

その問題を解決する方法の一つとして注目されているのが、いま注目のIoT(モノのインターネット)を利用して、アプリや薬剤ケース・ボトルを連動させて薬を飲むタイミングを通知する飲み忘れ防止システムです。

【関連記事】

以前高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法では、さらに発展させて、服薬を一定期間忘れると、薬を処方・提供した薬剤師(薬局・病院)から一度連絡をするようにすると良いのではないかと提案しましたが、脳梗塞患者向けの薬の飲み忘れを知らせる「IoTピルケース」と専用アプリの開発へ|大塚製薬・NECによれば、今回大塚製薬とNECが開発するIot錠剤入れと専用アプリには、薬剤師が残りの薬を管理したりできる機能が付くそうです。

ただ、飲み忘れ防止システムの問題は、認知機能が低下した患者さんの場合には、活用が難しい点です。

【関連記事】

●センサーで検知し、必要なタイミングで薬を投与するデバイス

肥満の人への減量指導効果は2年で失われる!?-筑波大(2014/12/9)によれば、肥満の人に半年間、専門家が集団での減量指導をした効果は2年で失われることがわかっています。

治療の継続についての問題を先程紹介しましたが、やはり治療を継続するのは負担がかかります。

治療を家族や医療スタッフがサポートする必要性もあるでしょうが、これから重要なのはもっと簡単に治療を継続するできる方法を考えることではないでしょうか。

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズ(2014/4/23)で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

【関連記事】

チップを埋め込むというアイデアには抵抗がある人も多いかと思いますが、妊娠をコントロールする避妊チップの開発に成功ービル・ゲイツ財団出資の企業によれば、海外では腕の内側などにホルモン剤を含んだ細長いプラスチック製の容器を埋め込む「避妊インプラント」もすでにあるということで、あってもおかしくないアイデアだと思います。

糖尿病治療用「スマート・インスリンパッチ」が開発される(2015/6/24)によれば、米ノースカロライナ大学とノースカロライナ州立大学の研究チームは、血糖値の上昇を検知し、糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具を開発したそうです。

糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンドによれば、韓国の基礎科学研究院の研究者たちは、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスを糖尿病患者のためにデザインを行なったそうです。

今回の調査結果からも、現状の方法では治療を継続していくのは難しいということがわかっているのですから、継続しやすい新しい治療方法を考える必要があるのは間違いなく、すでに世界的にも自動で数値を検知して、適量の薬を投与するという方向に進んでおり、今後はこうした研究がどんどん出てくるのではないでしょうか。

【関連記事】

■まとめ

ゲルだけではなく、皮膚に貼付するパッチ材料の中に複数の高分子ミセルを固定化することによって、高齢者でも簡単に使える「投薬スケジュール通りに複数の薬が放出されるゲル状のシート」が実現する可能性があります。

「複数の薬を異なる速度で自在に放出できる」というアイデアが実現することになれば、「残薬(飲み残しの薬)が減ることによって医療費削減」「認知症などの人が飲み忘れることがなくなる」「治療継続の負担がなくなる」といったことが期待されます。







【アドヒアランス関連記事】
続きを読む 「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学

高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法




■高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法

Pills

by Michael Nutt(画像:Creative Commons)

飲めずに「残薬」、山積み 高齢者宅、年475億円分か

(2015/4/8、朝日新聞デジタル)

日本薬剤師会は2007年、薬剤師がケアを続ける在宅患者812人の残薬を調査。患者の4割超に「飲み残し」「飲み忘れ」があり、1人あたり1カ月で3220円分が服用されていなかった。金額ベースでは処方された薬全体の24%にあたり、厚労省がまとめた75歳以上の患者の薬剤費から推計すると、残薬の年総額は475億円になるという。

高齢者宅の残薬の年総額は475億円にもなっているそうです。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症に不安を感じ、糖尿病の治療の重要性を認識していても、治療を継続できている人は半数なのだそうです。

【関連記事】

どんなに治療が大事だと認識していても、何らかの理由で治療が継続できないことがあるんですよね。

多種類を処方された場合など適切に服用できず、症状の悪化でさらに薬が増える悪循環もある。

処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。




解決策としては、4つ。

1.服薬忘れ防止システム

いま注目のIot(モノのインターネット)を利用して、アプリや薬剤ケース・ボトルを連動させて薬を飲むタイミングを通知するシステムを開発するというアイデアがあります。

【関連記事】

さらに発展させて、服薬を一定期間忘れると、薬を処方・提供した薬剤師(薬局・病院)から一度連絡をするようにすると、よいかもしれません。

【関連記事】

2.処方薬を減らす

管理しきれないほどの多くの種類の薬があるので患者・医師も混乱しているかもしれません。

そこで、薬の種類をシンプルに管理できるようにすれば、できるかぎり処方薬を減らしていくことができるのではないでしょうか。

3.自動的に薬を投与するインプラント

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

妊娠をコントロールする避妊チップの開発に成功ービル・ゲイツ財団出資の企業によれば、海外では腕の内側などにホルモン剤を含んだ細長いプラスチック製の容器を埋め込む「避妊インプラント」が広く普及しているそうで、将来的には、糖尿病治療も同様の方法をとっていくことが予想されます。

【関連記事】

4.そもそも薬が必要なのか考える

症状の一部分だけを見て全体を見ていないことがあるかもしれません。

「木を見て森を見ず」ということですよね。

たしかに一部の症状は少し悪いかもしれないけど、薬を与えるほどではないケースもあるのではないでしょうか。

だからこそ、そもそも薬が必要なのかを考えることは重要になると思います。







P.S.
続きを読む 高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法

高齢者医薬品適正使用ガイドライン検討会で指針の骨子案をまとめる|厚生労働省




【目次】

■高齢者医薬品適正使用ガイドライン検討会で指針の骨子案をまとめる|厚生労働省

Pills 3

by e-Magine Art (画像:Creative Commons)

高齢者「薬漬け」適正指針 国が初 副作用の有害性明記

(2017/12/22、産経新聞)

このため指針案では「医療の質を向上させ、患者の健康に資すること」という目的を記載。高齢者が薬を服用することで生じる物忘れや目まい、失神など「有害事象」を列挙した。

 安全性確保の観点から、単に薬の数を減らすのではなく、適正な処方内容への見直しが重要であることを明記。複数の医師にかかっている場合は「お薬手帳」を活用してかかりつけ薬剤師にチェックしてもらうことも念頭に、「医師、薬剤師、看護師などが一元的に情報を集約し、連携すること」とした。

厚生労働省は、高齢者への薬物療法の適正化を図るための高齢者医薬品適正使用ガイドラインの検討会にて、指針の骨子案をまとめました。

薬の数を減らすことを目的とするのではなく、適切な処方内容への見直しが重要であるとして、「お薬手帳」の活用によるかかりつけ薬剤師からのチェックや一元的に情報の集約を行ない、医師・薬剤師・看護師などの医療従事者が連携していくことを目指すようです。

厚労省WG 高齢者の医薬品適正使用の指針を了承 安全性からも減薬の流れ強まる

(2018/2/22、ミクスオンライン)

指針では、高齢者のふらつき・転倒や記憶障害などの原因に薬剤が存在する可能性を指摘し、医師や薬剤師に不適切な医薬品の中止や減量を考慮することを求めた。2018年度診療報酬改定では、保険薬局への評価として、医療機関と連携して6剤以上の内服薬を2種類以上減薬した場合に算定できる服用薬剤調整支援料を新設するなど、医療保険剤財政の観点からポリファーマシーにメスを入れた。

服用薬剤の多い75歳以上の高齢者の患者に、ふらつきや転倒、記憶障害など、薬剤が原因であるという疑わしい症状があれば、医薬品の中止や減量を考慮することを求めたそうです。

また、医療機関と連携して6剤以上の内服薬を2種類以上減薬した場合に算定できる服用薬剤調整支援料を新設するなどして、保険薬局へのインセンティブがあることによって、積極的に取り組んでもらえるような仕組みにしようとしていることがうかがえます。

【補足】ポリファーマシーとは

ポリファーマシー|日本ジェネリック製薬協会

多剤併用により、診療科が異なる場合などの複数の処方、アドヒアランスの低下などのさまざまな要因により、予測不可能な有害事象が起こる可能性が高くなります。

このようなポリファーマシーを防ぐため、病院などでは老年科担当薬剤師の設置、処方カスケードを減らすなどの対処をしています。また、外来患者が多い昨今では薬局での薬剤師の役割が重要となってきます。

多剤併用が必ずしも悪いわけではありませんが、高齢者になると多くの薬を併用することが多くなり、多剤併用により副作用など予測不可能な有害事象が起こる可能性が高いそうです。




■高齢者の薬のもらい過ぎ問題

年齢階級別にみた薬剤種類数別件数の構成割合・1件当たり薬剤種類数|平成27年社会医療診療行為別統計の概況|厚生労働省
年齢階級別にみた薬剤種類数別件数の構成割合・1件当たり薬剤種類数|平成27年社会医療診療行為別統計の概況|厚生労働省

参考画像:平成27年(2015)社会医療診療行為別統計の概況(2016/6/15、厚生労働省)|スクリーンショット

高齢者「薬漬け」適正指針 国が初 副作用の有害性明記

(2017/12/22、産経新聞)

 厚労省によると、60歳を超えると高血圧や骨粗鬆(こつそしょう)症など複数の疾患を抱えることから、服用する薬の種類が増加し、75歳以上でさらに多くなる傾向にある。レセプト(診療報酬明細書)調査によると、70歳以上の患者で平均6種類以上服用している。

 東京大などの患者調査では、薬を6種類以上服用している場合に副作用が出やすくなったりするケースが急増。転倒の発生頻度が2倍近くに増え、認知障害のリスクが増加するというデータもある。

なぜ高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きるのか?によれば、高齢者の薬のもらい過ぎが問題になっているそうです。

なぜ薬のもらいすぎという問題が起きるのでしょうか。

  • 高齢者になると複数の病気にかかることが多い
  • 複数の医療機関・複数の薬局にかかる
  • 薬剤師は「お薬手帳」で患者がどんな薬を飲んでいるか把握するが、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばない
  • 医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえず、患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い
  • 薬の情報が、医師や薬剤師間で共有されていない

例えば、認知症の人への薬の提供方法の問題について考える|認知機能が低下すると、たくさんの薬が出ると、飲まない、飲めないことが起こるによれば、認知症になると、飲む必要がある薬も認知機能の低下によって、飲まない・飲めないということが起こり、処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。

それではどのようにして高齢者の薬の適正使用を促す仕組みを作ることができるのでしょうか?




■高齢者の薬の適正使用を促す仕組みとは?

●お薬手帳

「お薬手帳」を避難時に持ち出すことの有効性が熊本地震で再確認によれば、手帳を見て病名や薬の種類が分かり、適切な処置につながった反面、手帳がないために、どの薬を出すか判断が難しいケースがあったそうです。

●かかりつけの薬剤師

厚労省・武田審議官「高齢者の薬を“減らす”かかりつけ薬剤師、かかりつけ医の役割が論点に」

(2015/5/7、ミクスONLINE)

高齢化が進む中で、複数の疾患を合併し、多剤服用(ポリファーマシー)する患者が増加している。武田審議官は、ひとつの市の国保データから65歳以上の患者では10剤以上服用している患者が10%以上いるとのデータを提示。75歳を超えた後期高齢者ではさらにこの割合が増加すると説明した。

高齢者への不要な薬を減らすためには、かかりつけ薬剤師・薬局の役割が重要になるによれば、この問題を解決するためにも、薬の情報を一元管理するかかりつけの薬局・薬剤師を作ることが求められます。

●医師・薬剤師・看護師などの医療従事者が情報を共有し連携するシステム

健康医療に係るリアルデータプラットフォーム|ICTを活用した「次世代型保健医療システム」の整備|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康医療に係るリアルデータプラットフォーム|ICTを活用した「次世代型保健医療システム」の整備|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

厚生労働省、個人の医療データの一元管理で医療の効率化目指す 2020年度からによれば、厚生労働省は、過去の病院での治療歴や薬の使用状況、健診結果など様々な情報を一元化したデータベース「PeOPLe(ピープル)」(仮称)を2020年度からの運用を目指すそうです。

健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

経済産業省の「新産業構造ビジョン」によれば、個人が自らの生涯の健康・医療データを経年的に把握するため、また、最適な健康管理・医療を提供するための基盤として、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を構築し、2020年度には本格稼働させていくことが必要と提案されています。

●飲み残しを減らす

●IoTを活用した服薬忘れ防止システム

服薬忘れ問題を解決する方法の一つとして注目されているのが、いま注目のIoT(モノのインターネット)を利用して、アプリや薬剤ケース・ボトルを連動させて薬を飲むタイミングを通知する飲み忘れ防止システムです。

【関連記事】

●PillPackのアイデア

PillPackは人の習慣を活用して薬の飲み忘れを防ぐリマインダーアプリを開発中によれば、患者の中には、積極的に治療方針の決定に参加し、治療を受ける人がいる一方で、そうではない人がいて、薬にお金を使いたくないという人や薬が効くと信じていないという人、また、物忘れではなくて習慣が影響している場合もあるそうです。

人の習慣を利用して「ちゃんと薬を飲む」ようにしてくれるアプリ

(2015/8/8、WIRED)

パーカーはもともとアドヒアランスをある程度理解していた。薬剤師である父親が、処方箋を患者にわたすのを少年時代に見ていたからである。薬を飲み忘れる理由は単なる物忘れだけでなく、習慣も関係する。

「薬を受け取る余裕がない、薬にお金を使いたくない、さらに、あるいは薬が効くと信じていないという人もいる」と、アーカンソー大学薬学部の准教授セス・ヘルデンブランドは言う。これは意図的な「ノンアドヒアランス(nonadherence、患者が治療に対して積極的でないこと)」と呼ばれる。

このアプリは、意図的でないノンアドヒアランスの人を対象に設計されている。「アプリを使うために多くの入力を患者に強いることで、アドヒアランスを更に高める必要はない」とヘルデンブランドは言う。

パーカーはコンテクスト・アウェアネスをアプリでより実現し、より直感的なものにしている。

Pillpackでは、薬局や保険給付のデータを集めて、誰にどのような処方箋が出ているかがわかる「データベース」をつくることで、基本情報を入力すれば、患者の処方箋を自動で設定できるようになっているそうです。

こうした仕組みをバックグラウンドで動かすことによって、アプリユーザーの入力の手間を省き、薬の飲み忘れを防ぐためのお知らせをするシンプルなシステムになっています。

また、コンピュータが状況や変化を認識!『コンテキスト・アウェア・コンピューティング』|コベルコシステムによれば、

今までのように、個人が必要な情報を検索したり、スケジュールを確認したりするのではなく、過去の行動履歴、現在の時刻・スケジュール・位置情報などに基づいて、次の行動に必要な情報がシステムの側から積極的に提供されます。

ということで、Pillpackでは、ユーザーの位置情報に基づいてアラートを設定できるそうです。

つまり、習慣の強力な力を活用して、薬の飲み忘れを防ごうというアイデアですね。

●自動的に薬を投与するインプラント

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

妊娠をコントロールする避妊チップの開発に成功ービル・ゲイツ財団出資の企業によれば、海外では腕の内側などにホルモン剤を含んだ細長いプラスチック製の容器を埋め込む「避妊インプラント」が広く普及しているそうで、将来的には、糖尿病治療も同様の方法をとっていくことが予想されます。

糖尿病治療用「スマート・インスリンパッチ」が開発される(2015/6/24)によれば、米ノースカロライナ大学とノースカロライナ州立大学の研究チームは、血糖値の上昇を検知し、糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具を開発したそうです。

糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンドによれば、韓国の基礎科学研究院の研究者たちは、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスを糖尿病患者のためにデザインを行なったそうです。

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学によれば、東京農工大学大学院の村上義彦准教授の研究グループは、体内に薬を運ぶための入れ物である「薬物キャリア」として利用されている構造体(ミセル)に着目し、「物質の放出を制御できる機能」をゲルの内部に固定化するという新しい材料設計アプローチによって、「複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル」の開発に成功しました。

「複数の薬を異なる速度で自在に放出できる」というアイデアが実現することになれば、「残薬(飲み残しの薬)が減ることによって医療費削減」「認知症などの人が飲み忘れることがなくなる」「治療継続の負担がなくなる」といったことが期待されます。

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今回取り上げたように、現状の方法では治療を継続していくのは難しいということがわかっているのですから、継続しやすい新しい治療方法を考える必要があるのは間違いなく、すでに世界的にも自動で数値を検知して、適量の薬を投与するという方向に進んでおり、今後はこうした研究がどんどん出てくるのではないでしょうか。

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●デジタルメディスン

世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国FDA承認|大塚製薬・プロテウスによれば、「デジタルメディスン」は錠剤に胃液に接するとシグナルを発すセンサーを組み込み、患者さんの体に張り付けたシグナル検出器で服薬の日時や活動量などのデータを記録します。

そのデータをもとに、患者さん自身がアプリで服薬状況や活動量を確認したり、医師や看護師などの医療従事者と情報共有することにより、アドヒアランス(患者が積極的に治療方針の決定に参加し、その決定に従って治療を受けること)を向上し、治療効果を高めることが期待されます。

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●プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)

ゲノム解析が一般的なものになった時、AIが過去の文献や医学論文、データベースを探索するようになる!?では、抗がん剤は高価で、かつ副作用の生じることから、薬が効かない患者に副作用のリスクを負わせ、高額な医療を施す必要があるのかという問題があり、ゲノム情報を活用して、どの薬が効果を発揮できるのか、ということを事前に調べて投与する「プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)」に注目が集まっているという話題を取り上げました。

薬の飲み忘れ問題も大事ですが、そもそもその薬の効果があるかどうかがわからない場合もあり、今後は、遺伝子を調べて、その薬で対応できるのかを判断してから投与するということが常識となっていくのではないでしょうか?

■まとめ

高齢者の薬の適正使用を促す仕組みを作るためには、お薬手帳、かかりつけの薬剤師(薬局)、医師・薬剤師・看護師などの医療従事者が情報を共有し連携するシステム・飲み残しを減らす・プレシジョンメディシンについて考えていくことが必要なのだと思います。







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#モバイルファーマシー|災害時に薬局が機能しない場合でも、医師の処方薬を提供できる

mobile_pharmacy

モバイルファーマシー(災害対策医薬品供給車両)|大分県薬剤師会スクリーンショット




■モバイルファーマシー|災害時に薬局が機能しない場合でも、医師の処方薬を提供できる

モバイルファーマシー 走る薬局 熊本地震で活躍実証

(2016/10/30、毎日新聞)

災害時に薬局が機能しない場合でも、医師の処方薬を提供できる車両「モバイルファーマシー」の配備が全国で広がりつつある。キャンピングカーを改造して調剤室を備え、被災地に駆け付ける。

医師の処方薬を提供できる「モバイルファーマシー」が全国で広がりつつあるそうです。

災害時に薬局が機能しない時を想定して準備していくことは素晴らしい試みですね。

地震の際には、病気にかかっている人が薬を手に入れにくくなり、また普段は健康な人も病気になりやすくなります。

●病気にかかっている人が薬を手に入れにくくなる

地震などの災害が起きたときにもしメガネがなくなったとしたら、安全に大きく関わってきます。

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また、糖尿病患者は血糖値をコントロールするためにインスリンが必要であったり、糖尿病性腎症になると、尿を作る腎臓の「糸球体」の毛細血管が悪くなり、だんだんに尿が作れなくなるため、週に2~3回、人工透析(機械で血液の不要な成分をろ過して、尿を作る)を行なわなければなりませんが、災害時にはその病院機能がストップしてしまう恐れがあります。

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●病気になりやすくなる例

●肺炎

肺炎入院患者が地震後に急増 避難長期化で口腔ケアが不十分で誤嚥性肺炎に|熊本地震によれば、誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となるため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になるのですが、避難生活では、歯磨きなどの口の中のケアが不十分になっていることが考えられます。

また、寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

糖尿病

避難所の食事は糖尿病が悪化しやすい!?医療チームが糖尿病悪化を防ぐ指導|熊本地震によれば、糖尿病の指導を行っている理由としては、避難所での食事は量が安定しておらず、炭水化物の割合が多くなりがちであるため、血糖値が上下動しやすいからなのだそうです。

血栓・肺塞栓症(エコノミークラス症候群)

避難所の2千人に検診をしたところ9・1%に血栓が見つかった|熊本で医師ら調査車中泊で肺塞栓症(エコノミークラス症候群)が多発!その初期症状とは!?では、4月19日、益城町の小学校の運動場や校舎で避難者を対象に「エコノミークラス症候群(肺塞栓症)」の原因とされるひざから下の静脈のエコー検査を実施したところ、26人のうち4人に血栓やそれにつながる血のよどみが見つかっていました。

今回のニュースによれば、約2千人を検診した結果、全体の9・1%の人の足に肺塞栓症の原因となり得る血栓が見つかったそうです。

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●低体温

【避難所での低体温症対策】手足の冷えや体の震えが出たら体を温めることによれば、普段の生活では起こらなくても、災害時における避難所では、そのまま冷たい床に座っていると熱が奪われてしまい、また水・食べ物といったあらゆる物資が不足するため、低体温症が起こります。

低体温症は高齢者や子供のほか、栄養不足や疲労、水分不足の状態でもなりやすいそうです。

●ストレスによる免疫力の低下

ストレスで免疫力が低下する恐れ 避難所でも適度な運動をによれば、がんやウイルスを破壊する働きのあるNK(ナチュラルキラー)細胞はストレスが大敵で、免疫システムの機能低下を招くそうです。

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■まとめ

医師の処方薬を提供できる「モバイルファーマシー」が全国で広がりつつあるそうです。

【参考リンク】

#UBER、インフルエンザ予防接種をデリバリーできる1日限定のキャンペーンを実施によれば、米Uberはインフルエンザワクチンの予防接種をデリバリーするキャンペーンを実施していましたが、薬の配送というのもよいかもしれません。

さらに進めれば、地域の中核病院が中心となり、モバイルファーマシーを適切に配置して、さらに動きづらいところにはドローンを活用するようになれば、もっと良い方向に進むのではないでしょうか。

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参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)

福島県では、物流、インフラ点検、災害対応などの分野で使⽤されるドローンの実証実験を行なっていくようで、モバイルファーマシーとの組み合わせも今後考えられるのではないでしょうか?

モバイルファーマシーについて考える際にもう一つ大事だと感じたのは、医療データの一元管理です。

「お薬手帳」を避難時に持ち出すことの有効性が熊本地震で再確認によれば、お薬手帳を見ることで、それまで要観察者リストから漏れていた人も病気の特定ができ、健康状態の悪化を防ぐことができたケースがある一方で、お薬手帳がないために、適切な薬の処方を判断に苦しんだケースもあったそうです。

厚生労働省、個人の医療データの一元管理で医療の効率化目指す 2020年度からによれば、厚生労働省は、過去の病院での治療歴や薬の使用状況、健診結果など様々な情報を一元化したデータベースを2020年度からの運用を目指すということであり、避難時に持ち出すことができなくても、個人の医療データが一元化されたデータベースがあれば、災害時にも適切な治療が受けられることが期待されます。







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