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糖摂取後1時間血糖値が170 mg/dl以上はガンや動脈硬化のリスクが高い!




糖摂取後の血糖値が寿命延長に関連する‐ブドウ糖負荷後 1 時間血糖値が低いと病気が少なくて長寿‐(2025年6月23日、東北大学)によれば、岩手県大迫町で糖尿病のない平均62歳の地域住民を対象に、糖摂取後の血糖値と寿命の関係を調べたところ、ブドウ糖負荷試験の負荷後1時間血糖値が170 mg/dl未満の群は、170 mg/dl以上の群に比べて死亡が少なく、動脈硬化や悪性腫瘍による死亡が顕著に少ないことが明らかになりました。

そのことから、ブドウ糖負荷後1時間血糖値170 mg/dl未満を維持することは心臓疾患や悪性腫瘍を予防し寿命を延ばすことにつながることが期待されます。

正常者の中でも、糖負荷試験負荷後 1 時間血糖値が 170 mg/dl 未満の群(青) では生存者が顕著に多い
正常者の中でも、糖負荷試験負荷後 1 時間血糖値が 170 mg/dl 未満の群(青) では生存者が顕著に多い

■まとめ

血糖値高い糖尿病患者ほど心不全に|国立循環器病研究センターで紹介した国立循環器病研究センターによれば、血糖値が高い糖尿病患者ほど心不全で入院する割合が多いということから、血糖値と心不全には関係があることがわかったそうです。

糖尿病の診断基準であるヘモグロビンA1cの数値が高い人ほど、がんの発症リスクが高まる!|国立がん研究センターと東京女子医大で紹介した国立がん研究センターと東京女子医大のチームによれば、糖尿病の診断基準の数値であるヘモグロビンA1cの値が高い人ほど、がんの発症リスクが高まる傾向があるそうです。

糖尿病の人の大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いで紹介した日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会の報告によれば、糖尿病の人はそうでない人に比べて1.2倍がんになりやすく、特に、大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓ガンは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いそうです。

糖尿病の人がなぜがんになりやすいのかについてのメカニズムははっきりとわかっていないそうですが、インスリンは細胞を成長させ増殖させるホルモンなので、インスリンが増えると細胞のがん化につながるのではないか、また高血糖による炎症ががんを招いているのではないか、などが考えられるようです。

今回取り上げたニュースによれば、ブドウ糖を摂取した1時間後の血糖値が、1デシリットルあたり170ミリグラム以上の人は170ミリグラム未満の人よりも心疾患やがんを発症しやすく、死亡リスクも高まることが分かったので、病気の予防をするためには、糖負荷試験の1時間後の血糖値をチェックし、糖尿病予防をすることが、がん予防につながると考えられるので、しっかりと対策を行いましょう。

→ 血糖値とは|血糖値を下げる食品・正常値・空腹時血糖値・食後血糖値 について詳しくはこちら

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら







気候変動でヨーロッパワインがピンチ!?地理的表示(GI;ジーアイ)システムの硬直性が脆弱性の増大につながる可能性




欧州ワインがピンチ 気候変動で〝GI〟難しく 国際研究グループが指摘(2024年12月7日、日本農業新聞)で紹介されている、イタリアなどの国際研究グループによれば、地理的表示(GI;Geographical Indication(ジオグラフィカルインディケーション))の考えが定着している欧州ワインで、約5%の銘柄が今後の気候変動に適応できず生産が難しくなるなど脆弱性がとても高いそうです。特に南ヨーロッパのワイン産地が最も脆弱であるそうです。

Nature誌に掲載されたこの論文を読み、要点をまとめました。

【参考リンク】

  • Tscholl, S., Candiago, S., Marsoner, T. et al. Climate resilience of European wine regions. Nat Commun 15, 6254 (2024). https://doi.org/10.1038/s41467-024-50549-w

地理的表示(GI、原産地に基づいてワインを分類および規制するシステム)の概念は、ワインのアイデンティティを定義し、製品のユニークな特徴と原産地との強いつながりを確立する上で重要な役割を果たしています。実際、世界で最も有名なワインの多くは、ブドウの品種ではなく、その原産地で知られています。

これまでも気候変動は常にワイン造りに影響を与えてきましたが、現在の気候変動の速度は前例のないスピードであり、これまで歴史的に培ってきたもの、具体的には、好ましい立地条件、最適なブドウ品種、伝統的なブドウ栽培方法とマッチしなくなってきています。

例えば、ブルゴーニュとシャンパーニュはピノ・ノワールから作られるワインで知られていますが、ピノ・ノワールのブドウを栽培できなくなった場合、代替のブドウ品種はラベルの資格を得ることができず、また、ワイン産地の規制を改正するプロセスを経ずに、栽培者が地域外からブドウを調達したり、新しい栽培技術を導入したりすることは法律上許可されないそうです。

ワインの特徴をなすテロワール(ブドウ畑を取り巻く環境)という歴史的な考え方がありますが、気候変動への適応には柔軟性が必要だと研究グループは指摘しています。

適切なブドウ品種の開発を制限した狭い範囲のブドウ品種、固定された管理方法など地理的表示システムの硬直性は、脆弱性の増大につながる可能性があります。

現状の厳格な栽培基準や栽培地域を定める方法を維持したままだと、今日知られているワイン産地の多くは今後変化することが予想されます。

「なぜデザインなのか 原研哉 阿部雅世 対談」によれば、ヨーロッパの文化は保守であると書かれています。

ヨーロッパの文化というのは保守だと思うのです。
ヨーロッパにおける保守は「進歩を疑う」ということだと思います。要するに、いかにあなたが天才的な合理性を持っていたとしても、人類が何千年もかけて築いてきたこの叡智をあなた一代で覆すことはできないでしょう、という視点。覆すにしても、その膨大な叡智を覆すのだという重みを持って覆しなさいという慎重な態度が背景にある。積み重ねられてきた文化の堆積の尊厳をすごく大事にしているしそうだと思うんですね。

テロワールというのはその最たるものなのでしょう。

積み重ねられてきた文化の堆積の尊厳を大事にし、人類が築き上げてきた叡智を覆すにはそれ相応の態度で行うべきだというのはその通りです。

ただその叡智を一気に壊してしまうような気候変動が起きているのも私たちは実感しています。

私たち祖先もいろんな環境変化に対応して、試行錯誤を繰り返しながら、その土地にあった作物を作り上げてきたはずです。

地理的表示システムは、気候変動に適応し、テロワールと消費者のつながりを維持しながら、アップデートしていく必要があるのではないでしょうか?

我々の祖先が歴史をつないできたように。

【追記(2025年6月22日)】

豪ワイン農園、気候変動に知恵 「日焼け止め」や「大根」活用(2025年6月22日、時事通信)によれば、オーストラリアのワイン農園は気候変動対策のために、ブドウを猛暑から守る専用の日焼け止めの散布や、干ばつや豪雨で弱った土壌の再生の下草として大根を植えるなどの対策をしているそうです。

〇粘土由来のカオリナイトを主成分とするブドウの日焼け止めを開発。夏にブドウの木全体をコーティングするように散布し、酷暑から保護している。気温が35度を超えると光合成が衰え、ブドウの成熟は遅くなるが、日焼け止めを使うと木の温度上昇を抑え、計画通りに成熟を進められるという。

〇ブドウの木の列の間で野菜を育て、土の湿度を保つとともに、昆虫や微生物のすみかをつくって土を活性化させている。特に大根は地中深くに伸びるため、効果が大きいことが分かった。







生成AIで脳が退化してしまう!?AIで人の思考力が低下するというMITやMicrosoftの研究




生成AIを使って何かをするということが日常的になっていますね。

それによる社会への影響が少しずつ出てきていますが、私たち自身への影響はどのくらいあるのでしょうか?

そう思ったのはこの投稿がきっかけ。

自身が行うタスクをAIに決めてもらってそれを実行する、これは方向性としてはあってるんだけど、AIが決めたことを実行することにおいて脳は使われていないんじゃないか、もしAIに不具合が起きた時に何も決められなくなるんじゃないか、と考えたからです。

より効率的に物事を進めていく、つらいことを手放すという意味でAIの活用はいいことなのだと思うのですが、例えば実行するタスクを決めるという作業において、それを脳でどうすべきかを考えることこそがそもそも重要なのではないかと思ったりするのです。

例えば、MITの研究によれば、ChatGPTを使用してエッセイを書いたグループは、自力で書いたグループに比べ、脳の神経接続性が最大で55%も低下したそうです。

自身が書いたエッセイから一文を引用してもらうテストで「書いたはずなのに思い出せない」現象が起きているのですが、何かを考えるうえでLLMにその部分をお願いしてしまうと、自分で考えることを手放ししてしまって、思考がつながらないというか、ひとかたまりの記憶(チャンク)として残らないということが起こっているのではないでしょうか?

マイクロソフトとカーネギーメロン大学が「ChatGPT(チャットGPT)」のような生成AIを使う人の間で批判的思考能力が低下しているとの調査論文を発表したという記事もありました。

【参考リンク】

こうしたことを「認知負債(Cognitive Debt)」で説明できるという記事がありました。

認知負債とは、

目先の認知的な負荷をAIに肩代わりさせることで、短期的には「楽」ができるものの、長期的には批判的思考力、記憶力、創造性といった知的資本を失っていく状態

を指す。

自身の脳の負担をAIに「肩代わり」してもらうことで、短期的には楽ができたようでも、長期的には知的資本が失われていくというのは怖い話です。

「AIを使うと簡単にブログが自動的にできるんですよね」という投稿を見たのですが、人間が書いたのかAIが書いたのか、という議論もありますが、AIを活用すると脳が使われなくなっていくのであれば、将来の認知症リスクが高くなる可能性があるとも言えます。

認知症になる人とならない人の差とは?で紹介したアメリカやヨーロッパで認知症の発症率が低下している理由の仮説としては2つとして、1つは、心血管疾患のリスク要因がコントロールされていること、もう1つは、良い教育を受けていることがあるそうです。

良質な教育は、たとえば過去に忘れたことのある言葉の同義語を増やした記憶領域など、脳により多くの容量を付与することで保護効果が得られると考えられているそうです。

若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくい?で紹介したジョンズ・ホプキンス医科大学の研究によれば、高齢になっても認知機能にまったく問題がない修道女は、脳にアルツハイマー型認知症と同じ変化が確認されているにも関わらず、病気の症状が表れにくいことが分かったそうです。

なぜ高い言語技能を習得していることが認知機能の低下を防いでくれるのかはわかっていないものの、結果として認知症を防ぐことにつながっているというのはすごいことです。

苦労しながらも自分自身で考え抜いたものとAIが考えたものを比べた際に、結果としてAIが考えたものの方が良いものであったとしても、自分自身で苦労して考えた末出した答えというのはその思考のプロセスを含めて自分の知的資本になっているのだと思います。

専門家の方々にはこういう視点の論議をもっとしてほしいなぁと思います。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







【皮膚ガス研究】なぜ汗は臭うの?加齢臭を抑制してモテ臭を出す方法(食べ物)とは?




2024年7月4日放送の「The Time」に出演した東海大学関根嘉香教授によれば、体のにおいは人の皮膚から出るガス(=皮膚ガス)がもとになっていて、現在わかっているだけで、800種類以上のガスがあるそうです。

■汗はなぜにおうの?

汗はほとんど無臭なのですが、かいた汗をそのまま放っておくと、皮膚表面の常在菌が分解し、納豆のようなにおいのガス「イソ吉草酸」が出ます。

これが汗臭(あせしゅう)と呼ばれるもの。

「一般的に気になるといわれる体臭の多くは、汗や皮脂をもとに作られる、表面反応由来の皮膚ガスが原因です。

■中高年独特のニオイとは?

〇ミドル脂臭

汗の中に乳酸が含まれ、乳酸を常在菌が分解すると「ジアセチル」になって皮脂臭と混ざり、古い油のようなにおい、いわゆる「ミドル脂臭」が出ます。

〇加齢臭

加齢に伴って、皮脂が酸化しやすくなり『2-ノネナール』が発生して、枯草や古本のようなにおい、いわゆる『加齢臭』が出ます。

■モテ臭とは?

桃のような香りの「γ-ラクトン(ガンマラクトン)」は10代の女性から多く出ることから「モテ臭」と呼ばれています。

■においを抑える方法とは?

猛暑でベトベト汗 チーズ?使い古した油?「ミドル脂臭」に注意 においの原因と対策(2025年6月19日、テレ朝ニュース)によれば、東海大学理学部の関根嘉香教授がミドル脂臭や加齢臭対策について解説しています。

〇汗は放置することで、皮膚ガスになる成分ができてしまう

〇においを抑える方法は汗をかく習慣をつけておくこと。

冬の間に汗をかかず、急に熱くなって汗をかくと、塩分を多く含んでいるためなかなか乾かずに、皮膚の常在菌が活発になって多くのにおい物質「汗臭」を作り出してしまいます。

そのため、汗をいっぱいかいて「サラサラ汗」にすることが重要。

〇汗をこまめにふきとる

■ミドル脂臭や加齢臭を抑え、モテ臭を増やす方法

『カズレーザーと学ぶ。』今回のテーマは「皮膚」これまで知られてこなかった「皮膚」の驚くべき機能とは!?(2023/2/7、日本テレビ)によれば、「2-ノネナール」を減らす食べ物はカシス(アントシアニン)や梅などのポリフェノールを多く含んだ食べ物が良いそうです。

カシスを1週間(1日6g)摂取する実験によれば、「2-ノネナール」が47%減少したそうです。

パッシブ・フラックス・サンプラー法によるヒト皮膚ガス測定に関する研究

ブラックカラント(カシス)には抗酸化物質が含まれており、摂取によって 2-ノネナールの生成を抑えることが期待される。

カシスに含まれる抗酸化物質を摂取することにより、不飽和脂肪酸の体内の酸化が抑制され、2-ノネナールの生成を抑える、つまり加齢臭を抑えることができるそうです。

腸内 γ-ラクトンの生成機序は不明であるが、乳酸菌や酵母等は不飽和脂肪酸を用いて γ-ラクトンを生成する報告がある 7)。NZBC には食物繊維が含まれている為、NZBC 摂取により乳酸菌が増殖し、γ-ラクトンの生成が促進された可能性が考えられる。

γ-ラクトンは腸内環境の影響を受けるため、腸内環境を整えるのによい、食物繊維やビフィズス菌(乳酸菌)を多く含む食べ物を摂取することにより、γ‐ラクトンの生成が促進されると、いわゆる「モテ臭」が出て、加齢臭の抑制につながることが期待されます。

ニオイが気になる方は抗酸化物質を含むカシスブルーベリー、梅(梅ジュース)を積極的に摂りましょう!

→ 抗酸化物質・抗酸化食品 について詳しくはこちら

【追記】

【カズレーザーと学ぶ。】梅ジュースを摂取すると赤ちゃんのような匂い(皮膚ガス)が出る!

2025年4月15日放送のカズレーザーと学ぶ。で梅ジュースを摂取すると抗酸化作用によって皮膚から赤ちゃんのような匂いが出てくると話題になりました!

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【関連記事】

P.S.

皮膚ガスを検知して疲労度やストレス度を測るデバイスの開発|皮膚ガス検査・分析による健康管理で病気診断・予防|東海大学(2016年)によれば、皮膚ガスの物質を分析することで、糖尿病などの生活習慣病を予防するなど健康管理ができるそうです。

コロナワクチン後遺症の重大発見!?なぜスパイクタンパクが長期間残るのか?ワクチン接種後症候群(PVS)の解明への第一歩




イェール大学が2025年2月19日に発表した研究では、COVID-19ワクチン接種後に一部の人々が経験する慢性的な症状「ワクチン接種後症候群(PVS)」について調べた結果がまとめられています。

この研究は、プレプリント(査読前の論文)としてmedRxivに掲載されており、今後の研究の方向性を示す重要な手がかりを提供しています。

■研究の背景

COVID-19ワクチンは世界中で多くの命を救い、重症化や長期COVIDの予防に役立っています。

しかし、ごく少数の人々がワクチン接種後に慢性的な症状(例えば、極端な疲労、脳霧、めまい、運動不耐性など)を報告しています。

これを「ワクチン接種後症候群(PVS)」と呼び、ヤエール大学の研究チームは、その原因やメカニズムを解明するために「LISTEN研究」を行いました。

この研究では、PVSを報告した42人と、症状のない22人(対照群)の血液を分析し、免疫系の違いや特定のタンパク質の存在を調べました。

■主な発見

●免疫系の違い

PVSの人は、対照群と比べて免疫細胞に明確な違いが見られました。

・CD4+ T細胞(免疫を調整する細胞)が少ない。

・TNFα+ CD8+ T細胞(炎症を引き起こす細胞)が多い。

これらの違いは、PVS患者の免疫系が通常とは異なる反応を示している可能性を示唆しています。

炎症が高まっている一方で、免疫を抑える機能が弱まっていると考えられます。

●スパイクタンパク質の持続

COVID-19ワクチンは、ウイルス表面の「スパイクタンパク質」を利用して免疫を活性化します。

研究では、PVS患者の一部で、ワクチン接種後数か月から数年経っても血中にこのスパイクタンパク質が残っていることがわかりました。

これは、スパイクタンパク質が体内で異常に長く残るか、排出が遅れている可能性を示しています。

●エプスタイン・バール・ウイルス(EBV)の再活性化

PVS患者の一部で、過去に感染したエプスタイン・バール・ウイルス(EBV、ヘルペスウイルスの一種)が再活性化している兆候が見られました。

これは、免疫系のバランスが崩れることで、潜伏していたウイルスが再び活動を始めた可能性を示しています。

●ロングCOVIDとの類似性

PVSの症状や免疫プロファイルは、ロングCOVID(COVID-19感染後の長期症状)と似ている部分があります。

例えば、免疫の異常やウイルス再活性化は、どちらの状態でも見られる特徴です。

■研究の限界

ただし、この研究はまだ初期段階で、以下のような限界があります:

参加者が少人数(42人+22人)であるため、結果を一般化するにはさらに大規模な研究が必要です。

プレプリントのため、査読(他の専門家による厳密なチェック)が済んでおらず、結果の信頼性が確定していません。

この研究は、ワクチンが危険であるとか、接種を避けるべきだという主張を支持するものではありません。

研究者自身も、COVID-19ワクチンが多くの命を救い、全体として非常に安全であることを強調しています。

PVSは非常にまれなケースであり、ワクチン接種の全体的な利点がリスクを大きく上回ることは変わりません。

しかし、一部のメディアやSNSでは、この研究が誤解され、「ワクチンが危険」と誇張されることがあります。

実際、研究チームは政治的な議論に利用されることを懸念しており、患者の声を聞きながら科学的な理解を深める必要性を訴えています。

■まとめ

今回の研究から気になることは、なぜスパイクタンパクが長期間残るのかという点です。

COVID-19ワクチン接種後にまれに起こるPVSについて、免疫系の異常やスパイクタンパク質の持続、ウイルス再活性化といった特徴はロングCOVIDと似たメカニズムを持つ可能性があり、今後の診断や治療の開発に役立つ手がかりとなります。

【参考リンク】

  • イェール大学ニュース:https://news.yale.edu/2025/02/19/immune-markers-post-vaccination-syndrome-indicate-future-research-directions[](https://news.yale.edu/2025/02/19/immune-markers-post-vaccination-syndrome-indicate-future-research-directions)
  • medRxiv論文:https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2025.02.18.25322379v1[](https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2025.02.18.25322379v2)







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