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納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果がある!?

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納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果があるといわれています。

そこで、血栓ができるメカニズムやナットウキナーゼの効果についてまとめてみました。




【目次】

■血栓の原因(血栓ができるメカニズム)

血栓の原因となるのは「フィブリン(Fibrin)」という物質です。

フィブリンは傷ができた時に固まって止血する役割を持っていますが、フィブリンが網目状になって固まってしまうと、血栓ができてしまいます。

できあがった血栓を電子顕微鏡で観察すると、網目状の物質が赤血球や白血球など他の血液成分をからめ取っています。

フィブリンは恐怖やストレスなどに影響しやすい成分で、ストレスを感じるとフィブリンが働いて、血栓ができやすくなるそうです。

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■フィブリンが固まりやすくなる理由

フィブリンが固まりやすくなる理由は、2つ。

1.心房細動によって、血液が淀んで固まりやすくなる

通常心臓は規則的に一分間に60から100回拍動しますが、心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動します。

<不整脈>飲酒量の増加で危険性高まるによれば、心房細動が起きると、心臓内の血がよどんで血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳の血管に詰まると重症の脳梗塞につながるそうです。

2.動脈硬化によって、血管が傷だらけになると、傷を治そうとして固まりやすくなる

体中の血管が動脈硬化によって傷だらけになると、フィブリンはその傷を治そうとして固まりやすい状態になります。

そして、そのフィブリンが心房細動によって、よどみやすくなった心臓に戻ってきたとたん、巨大血栓を作ってしまうのです。

動脈硬化 について詳しくはこちら。

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■納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果がある!?

ネギ入り納豆
ネギ入り納豆

ナットウキナーゼ|日本ナットウキナーゼ協会

ナットウキナーゼには、血栓の主成分であるフィブリンに直接働きかけ分解(溶解)する作用、身体の中の血栓溶解酵素であるウロキナーゼの前駆体プロウロキナーゼを活性化する作用、さらに血栓溶解酵素プラスミンを作り出す組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)量を増大させる作用があります。

さらに、最近の研究で、ナットウキナーゼには血栓を溶けにくくする血栓溶解阻害物質PAI-1を分解する作用、オイグロブリン溶解時間の短縮作用があり、血栓溶解活性の増強作用があることがわかってきました。

ナットウキナーゼには血栓を溶かすために役立つ効果がいくつかあるようです。

  • 血栓の主成分であるフィブリンに直接働きかけ分解(溶解)する作用
  • 身体の中の血栓溶解酵素であるウロキナーゼの前駆体プロウロキナーゼを活性化する作用
  • 血栓溶解酵素プラスミンを作り出す組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)量を増大させる作用

納豆の新常識 たれを入れるのは50回混ぜてから、夜食べる等

(2015/6/16、NEWSポストセブン)

納豆の効能成分ナットウキナーゼには血栓を溶かす作用があり、食後7、8時間効果が持続する。

ナットウキナーゼの持つ血栓を溶かす効果は食後7、8時間持続するそうです。

ナットウキナーゼと循環器疾患の関係に関する研究ではないのですが、納豆と循環器疾患との関係を調べた研究がおこなわれています。

納豆、週1パック 循環器疾患の死亡リスク下がる?

(2017/2/4、STYLE NIKKEI)

循環器疾患による死亡のうち、脳卒中による死亡のリスクは、大豆タンパク質の摂取量と納豆の摂取量が多いほど低く、下位25%と比較した上位25%群の脳卒中死亡リスクは、大豆タンパク質では25%、納豆では32%低くなっていました。

<中略>

納豆を多く摂取する人(上位25%群)では、虚血性脳卒中による死亡のリスクも33%低下していましたが、出血性脳卒中による死亡については、納豆との関係は明確にはなりませんでした。

高山スタディによれば、納豆の摂取が循環器疾患死亡のリスクを下げる可能性を世界で初めて示しました。

■まとめ

血栓を予防するためにも、一日の食事に納豆を一品加えてみませんか?

【追記(2017/4/30)】

ただ、「納豆 血栓」と検索すると、納豆では血栓予防ができないという意見もありました。

納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果があるとしても、納豆として食べて消化・吸収されたときにナットウキナーゼがそのままの状態でいくかどうかが確かに気になるところではあります。

納豆と血栓の関係について、新しい情報を見つけましたら、追記したいと思います。

→ 心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら

→ 脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

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【参考リンク】
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握力や閉眼片足立ちの成績が悪いと2型糖尿病リスクは高くなる|簡単な体力テストで糖尿病のチェックができる!|東北大学【論文・エビデンス】

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【目次】

■握力や閉眼片足立ちの成績が悪いと2型糖尿病リスクは高くなる|東北大学

握力の成績が悪いと2型糖尿病のリスクは高い
握力の成績が悪いと2型糖尿病のリスクは高い

参考画像:簡便な体力テストによる 2 型糖尿病のリスク評価‐握力や片足バランスの成績が悪いと 2 型糖尿病リスクは高くなる‐(2018/7/30、東北大学)|スクリーンショット

簡便な体力テストによる 2 型糖尿病のリスク評価‐握力や片足バランスの成績が悪いと 2 型糖尿病リスクは高くなる‐

(2018/7/30、東北大学)

• 糖尿病ではない 20 歳から 92 歳の成人 21,802 人を 6 年間追跡し、体力テスト(握力、垂直跳び、閉眼片足立ち、立位体前屈、全身反応時間、仰臥位足上げ)の成績と 2 型糖尿病の発症リスクの関連を検討した。
• 体重当たりの握力の成績が悪ければ悪いほど、2 型糖尿病の発症リスクは高かった。
• 閉眼片足立ちの成績が良い群と比較して、成績が悪かった群の 2 型糖尿病の発症リスクは高い値を示した。

東北大学大学院医工学研究科の門間陽樹助教(現在は医学系研究科 講師)と永富良一教授は、新潟大学大学院医歯学総合研究科の曽根博仁教授および同大学大学院生活習慣病予防検査医学講座(新潟県労働衛生医学協会による寄付講座 )の加藤公則教授、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の共同研究グループとともに、新潟ウェルネススタディの一環として、新潟県労働衛生医学協会の健診データを用いて、20~92 歳の成人を対象とした追跡研究を行なったところ、握力テストおよび閉眼片足立ちテストの成績が2型糖尿病の発症リスクと関連することを明らかにしました。

バランス能力の成績が悪いと2型糖尿病のリスクは高い
バランス能力の成績が悪いと2型糖尿病のリスクは高い

参考画像:簡便な体力テストによる 2 型糖尿病のリスク評価‐握力や片足バランスの成績が悪いと 2 型糖尿病リスクは高くなる‐(2018/7/30、東北大学)|スクリーンショット

■握力と健康の関係

握力
握力

【たけしの家庭の医学】握力を鍛えて血管年齢若返り|NO分泌入浴法のやり方によれば、握力を維持できていない人は心血管疾患による死亡リスクが高いと考えられ、反対に握力が維持できている人は心血管疾患による死亡リスクが低いそうです。

握力が強いほど長生き?|循環器病の発症リスクも低い|厚生労働省研究班(2012/2/20)で紹介した厚生労働省研究班の約20年間にわたる追跡調査によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていたことがわかったことで、健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるそうです。

握力は健康のバロメーター!?|握力低下は心臓発作・脳卒中リスク増加に関連(2015/5/15)で紹介したカナダ・マクマスター大学(McMaster University)が主導した国際研究チームは、握力が健康のバロメーターになる可能性についての研究を行ない、その結果、握力が低下すると、心臓発作や脳卒中の発症リスクの増加に関係していることがわかったそうです。

具体的には、握力が5キロ低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加する関連性が認められ、この握力低下は、心臓発作リスクの7%増、脳卒中リスクの9%増にそれぞれ関連していたそうです。

”#血圧サージ”が危ない~命を縮める血圧の高波~|タオルグリップ法(ハンドグリップ法)|#NHKスペシャル #ガッテンで取り上げたカナダ・マクマスター大学の研究者によれば、8週間のアイソメトリックハンドグリップ(IHG)トレーニングをしてもらったところ、血圧が低下し、動脈の拡張能力が増加することがわかったそうです。

高血圧の代替療法として効果的なのはウォーキングなどの「有酸素運動」と「ハンドグリップ法」であるとして、その理由として、有酸素運動やハンドグリップ法をすると、血管の内皮細胞から血管の壁を柔らかくして血管を広げる作用がある一酸化窒素が出てくるためと紹介されています。




■片足立ちと健康の関係

ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法によれば、片脚立ちは両脚立ちに比べ2.75倍の負荷がかかり、一日3回、左右1分間の片脚立ちは、約53分間の歩行に相当するそうです。

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■まとめ

心肺持久力と握力の両方が低い中学生は代謝異常リスクが高い!|心肺持久力が低いと血圧やNON-HDLコレステロールは高い!|新潟大学で取り上げた新潟大学と新潟県阿賀野市による共同研究によれば、体力テストで心肺持久力を測るシャトルランと上肢筋力を測る握力の両方が低い中学生は代謝異常(メタボまたは生活習慣病)リスクが高いことがわかっています。

痩せた女性で筋肉量が少ない人ほど高血糖のリスクが高い|糖尿病予防には食事と運動で筋肉の量と質を高めよう!|順天堂大学によれば、痩せた閉経後女性で、どのような人がより高血糖になりやすいかを詳しく解析したところ、インスリン分泌が低いことに加え、除脂肪体重(全身の筋肉の量を反映)が少ない人、筋細胞内に脂肪が蓄積(脂肪筋)している人ほど、血糖値が高いことが明らかになっています。

隠れ糖尿病の原因は脂肪肝と脂肪筋|#ためしてガッテン(#NHK)によれば、体の中には、肝臓と同じように糖(ブドウ糖)を取り込んでくれるものがあります。

それは「筋肉」です。

筋肉は、体を動かすために必要なエネルギーとして糖や脂肪を取り込んでいるのですが、脂肪が多くなりすぎると、脂肪筋となってしまいます。

脂肪筋も脂肪肝と同じで、糖を取り込むスペースがなくなってしまい、高血糖の原因、つまり糖尿病の原因となります。

つまり、今回のことを参考にすれば、やせた女性で筋肉量が少ない人は、ブドウ糖を筋肉に取り込むことができず高血糖を生じやすいと考えられます。

また、筋肉への脂肪蓄積は骨格筋の質の低下(インスリン抵抗性)を引き起こし、ブドウ糖を筋肉に上手く取り込めず高血糖となる可能性があるそうです。

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筋肉の量と質が糖尿病の発症リスクと関連していると考えれば、今後握力の数値が糖尿病のような病気を判断するサインとして重要になっていくのではないでしょうか?







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全身持久力の基準を継続的に達成すると2型糖尿病の発症リスクは低い|#東北大

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■全身持久力の基準を継続的に達成すると2型糖尿病の発症リスクは低い|#東北大

全身持久力の基準を継続的に達成すると 2 型糖尿病の発症リスクは低い|2型糖尿病発症リスクに対する基準の継続的な達成の影響
全身持久力の基準を継続的に達成すると 2 型糖尿病の発症リスクは低い|2型糖尿病発症リスクに対する基準の継続的な達成の影響

参考画像:継続は“健康”なり‐全身持久力の基準を継続的に達成すると 2 型糖尿病の発症リスクは低い‐(2017/12/5、東北大プレスリリース)|スクリーンショット

継続は“健康”なり‐全身持久力の基準を継続的に達成すると 2 型糖尿病の発症リスクは低い‐

(2017/12/5、東北大プレスリリース)

今回の研究では、追跡開始前に全身持久力を複数回測定した男性 2235 人を最大 23 年間追跡しました。その結果、継続的に全身持久力の基準を達成していなかったグループにおいて、2 型糖尿病の発症リスクが高いことが明らかになりました(図 2)。加えて、最初に測定した全身持久力が基準に到達しており、その後も継続的に到達していたグループ(対照群)と比較して、最初の全身持久力が基準に到達していなくても、その後、数年間で継続的に基準を達成するようになれば、2 型糖尿病の発症リスクは対照群と同程度であることが明らかになりました。一方、最初の全身持久力が基準以上であったにもかかわらず、その後、継続的に基準を達成できなかった場合は、対照群より高いリスクを示しましたが、統計学的に違いがあると判断することはできませんでした(図 3)。

東北大学大学院医工学研究科の門間陽樹助教と永富良一教授(兼大学院医学系研究科)は、東京ガス株式会社および国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と共同で勤労者男性を対象とした追跡調査を行い、2013 年に厚生労働省が公表した「健康づくりのための身体活動基準 2013(2013 年に厚生労働省から公表された基準で、全身持久力だけではなく、生活習慣病等を発症するリスクを低減させるために、個人にとって達成することが望ましい身体活動の基準)」で設定されている全身持久力(体力を構成する 1 つの要素。一般的には、持久力やスタミナなどと呼ばれている。ランニングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動によって高めることができる。新体力テストではシャトルランニングが全身持久力の測定項目となっている。)の基準を数年間満たしていると、その後の2型糖尿病発症のリスクが低いことがわかりました。

2型糖尿病発症リスクに対する初回測定値と継続的達成度に基づく組み合わせ効果
2型糖尿病発症リスクに対する初回測定値と継続的達成度に基づく組み合わせ効果

参考画像:継続は“健康”なり‐全身持久力の基準を継続的に達成すると 2 型糖尿病の発症リスクは低い‐(2017/12/5、東北大プレスリリース)|スクリーンショット




■まとめ

今回の研究によれば、ランニングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動によって高めることができる「全身持久力」の基準を継続的に達成すると2型糖尿病の発症リスクが低いことがわかりました。

50歳の時、速足が無理なくできる体力があれば、心筋梗塞などで死亡する危険性が低くなる|筑波大で紹介した筑波大の研究チームが米医師会誌(JAMA)に発表した研究によれば、50歳のとき、速足(時速6.4キロ程度)での歩行に相当する身体活動が無理なくできる体力があれば、心筋梗塞など冠動脈疾患で死亡する危険性が低くなることがわかったそうですが、どのくらい持久力があるかが病気のリスクを判断する基準になるかもしれません。

ちなみに、糖尿病に効果的な運動は?|有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせが効果的で紹介した米ルイジアナ州立大などのチームの研究によれば、糖尿病を改善するには、有酸素運動と筋トレを組み合わせるほうが効果的なのだそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら

→ 糖尿病の運動(運動療法)|筋トレ・有酸素運動 について詳しくはこちら




→ 糖尿病改善・予防する方法(食べ物・運動) について詳しくはこちら




【参考リンク】
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認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、うつ傾向がある人

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■認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、学校教育が9年以下の人、うつ傾向がある人、難聴の人

sweet old kiss

by jonel hanopol(画像:Creative Commons)

糖尿病や心臓病の人は「認知症のリスク高い」

(2016/7/4、読売新聞)

脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かった。糖尿病、心臓病の持病がある人は、それぞれリスクが1・7倍、1・5倍だった。体力や筋力の目安の握力が26キロ未満の男性、18キロ未満の女性も2・1倍だった。学校教育の年数が9年以下の人のリスクは、9年を超える人の2倍だった。また、うつ傾向がある人のリスクは、ない人の1・6倍。難聴の人は1・4倍だった。

国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、学校教育が9年以下の人、うつ傾向がある人、難聴の人は、認知症を発症するリスクが高いそうです。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら




これまで認知症と糖尿病、握力、うつとの関係に関して取り上げてきましたので、まとめてみました。

■糖尿病と認知症の関係

糖尿病になると、認知症の発症リスクが2倍高くなる!?で紹介した東京大の植木浩二郎特任教授によれば、糖尿病になると認知症の発症リスクが2倍高くなるそうです。

駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があり、アルツハイマー病の発症リスクは、糖尿病だと2倍、高血圧だと2倍、脂質異常症だと3倍になると紹介していました。

糖尿病がアルツハイマーのリスク高める?

(2015/5/26、WSJ)

ミズーリ州セントルイスのワシントン大学の研究者らは、マウスの実験で血糖値を異常に高い値に引き上げたところ、脳内のアミロイドベータの生産も増加し、双方に何らかの相関性があることを突き止めた。

ピッツバーグ大学で実施された約180人の中年の成人を対象とした試験では インスリン依存型(1型)糖尿病の患者は、この疾患を持たない被験者と比べ、はるかに多くの脳内病変が認められ、認知機能は低下していた。

血糖値の高さが脳に影響を及ぼす可能性があることが、2つの研究で示されています。

なぜ血糖値が高いとアミロイドβが生産されアルツハイマーのリスクが高まるのでしょうか。

インスリンはアミロイドから脳を守り、ニューロン(神経単位)と記憶の形成のつながりを改善するとされる。

<中略>

セントルイスのワシントン大学のマウスの実験で医師のデビッド・ホルツマン氏は、糖が脳内のニューロンに刺激を与え、さらにアミロイドが作られると示唆している。

インスリンには血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を調節する働きがありますが、今回の記事によれば、インスリンはアミロイドから脳を守る働きもあるそうです。

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパクが脳にたまることで、神経細胞が死滅し、萎縮し、認知機能が低下することから起きると考えられています。

つまり、インスリンの分泌が低下したり、生成されなくなるということは、アミロイドから脳を守ることができなくなり、認知機能が低下してしまうと考えられます。

今回紹介した記事にもある通り、この2つの研究は決定的なものではないので、一つの説として受け止めるべきですが、血糖値をコントロールすることが認知症予防につながる可能性があるというのは覚えておいた方がよさそうです。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

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■握力と認知症の関係

握力は健康のバロメーター!?|握力低下は心臓発作・脳卒中リスク増加に関連で紹介したカナダ・マクマスター大学(McMaster University)が主導した国際研究チームは、握力が健康のバロメーターになる可能性についての研究を行ない、その結果、握力が低下すると、心臓発作や脳卒中の発症リスクの増加に関係していることがわかったそうです。

握力が強いほど長生き?で紹介した厚生労働省研究班(研究代表者=熊谷秋三・九州大教授)の約20年間にわたる追跡調査によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、また循環器病発症リスクも低かったそうです。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

■うつ病と認知症の関係

うつ病性仮性認知症|たけしのみんなの家庭の医学 9月1日で紹介したうつ病性仮性認知症は、高齢者うつ病から認知症のような物忘れ症状などを発症する病気です。

うつ病性仮性認知症は、前頭葉の血流が下がっていることが原因。

前頭葉の血流を増やすためには、有酸素運動(散歩など)+知的刺激(川柳など)。

軽度認知障害、運動で防ぐ 暗算しながらで効果増

(2015/8/23、日本経済新聞)

週1回90分の運動プログラムを10か月間参加したグループでは、認知機能や言語機能が維持されており、また脳の特定部位の萎縮傾向がなかったそうです。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

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■難聴と認知症

認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病によれば、英医学誌The Lancet(ランセット)に掲載された論文によれば、中年期の聴力低下が認知症のリスク要因なのだそうで、聴力が低下すると、周囲から通常受け取るたくさんの情報が得られなくなり、社会的に孤立することにより、認知症になるリスクが高まるそうです。

難聴は認知症の最大の原因になる!?(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)によれば、難聴によって、音の刺激や脳への情報量が少ない状態になると、脳の萎縮や、神経細胞の弱まりが進み、それが認知症の発症に大きく影響することが明らかになってきているそうです。

認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、うつ傾向がある人で紹介した国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、難聴の人はない人に比べて1・4倍認知症を発症するリスクが高いそうです。

加齢性難聴は動脈硬化が原因で引き起こされる|たけしの家庭の医学によれば、40代、50代の人にも加齢性難聴の症状が出ることがあるそうです。

食べ過ぎ・飲み過ぎといった生活習慣の乱れから動脈硬化になると、血管が硬くなり、血液の流れが悪くなり、その動脈硬化こそが加齢性難聴を進行させる大きな原因の一つなのだそうです。

最近様々な研究によって、動脈硬化と難聴との関連性が明らかになってきているそうです。

【参考リンク】

動脈硬化によって血流が悪化→末端にある耳の毛細血管

音を感知する有毛細胞のある蝸牛には、たくさんの毛細血管があります。

有毛細胞はこの毛細血管から酸素や栄養素を摂取しています。

しかし、動脈硬化になると、有毛細胞は酸素不足に陥り、機能が低下し、難聴を引き起こすそうです。

高い音を感知する有毛細胞は、大量のエネルギーを必要とするため、少しでも血流が滞ると、すぐに機能が低下してしまうそうです。

加齢性難聴を進行させる危険因子として、

  • 糖尿病
  • 虚血性心疾患
  • 腎疾患など

が疫学調査などからわかっているそうです。

難聴が認知症と深い関係にあるという事実は、難聴にしっかりと対処することが認知症リスクを少しでも下げることにつながるということですね。

補聴器をつけるなどの対策をすることにより、1)音の刺激や脳への情報量が多い状態を維持し、脳の萎縮や、神経細胞の弱まりを遅らせる、2)家族や友人、周りの人々とのコミュニケーションをすることにより、認知症の予防につながることが期待されます。

また、耳垢栓塞(いわゆる耳アカ)も認知症のリスクを高めるそうです。

耳垢をほっておくと、認知症のリスクを高める!?によれば、高齢者の中には耳垢を排出する力が弱くなり、耳垢が栓のように詰まった状態になって、聞こえにくいという方がいるそうです。

アメリカの高齢者向け施設での調査では、耳垢栓塞を取ることで入所者の聴力が改善しただけでなく、認知機能も改善されたことも報告されているそうです。

気になる方はぜひ耳鼻咽喉科で診てもらってくださいね。

【参考リンク】

■認知症予防

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

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筋トレで死亡・疾病リスクが減少 週30~60分を目安に|東北大学




ムキムキを目指すだけが筋トレではない。 筋トレで死亡・疾病リスクが減少 週30~60分を目安に(2022/3/1、東北大学)によれば、これまで公表されている研究結果を網羅的に収集して分析した結果、筋トレを実施すると、総死亡・心血管疾患・がん・糖尿病のリスクは10〜17%低い値を示し、総死亡・心血管疾患・がんについては週30〜60分の範囲で最もリスクが低く、糖尿病は実施時間が長ければ長いほどリスクが低くなることが明らかとなりました。

そうなると、筋トレをすればするほど健康にいいと思ってしまいますが、筋トレの実施時間が週130~140分を超えると、総死亡・心血管疾患・がんに対する筋トレの好影響は認められなくなり、やりすぎるとかえって健康効果が得られなくなってしまう可能性があることがわかりました。

筋トレと疾病及び死亡リスクとの関連
筋トレと疾病及び死亡リスクとの関連







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