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肥満ではない人でも、高血糖、脂質異常症、高血圧の一つでも異常があると、筋肉(骨格筋)への糖の取り込みが低い|順天堂大学




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■肥満ではない人でも、高血糖、脂質異常症、高血圧の一つでも異常があると、筋肉(骨格筋)への糖の取り込みが低い

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by Romain Toornier(画像:Creative Commons)

太っていなくても生活習慣病…「やせメタボ」の人、筋肉に特徴

(2016/8/3、読売新聞)

正常な人と比べて、肝臓では差がなかったが、肥満でメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の人は筋肉での糖の取り込みが低く、肥満ではない人(体格指数BMIが23以上25未満)でも、血圧、血糖、脂質に一つでも異常があると、筋肉への糖の取り込みが低いことが分かった。筋肉への糖の取り込みが低かった人では、正常な人に比べて、内臓脂肪が2割多く、体力は2割低下していた。

順天堂大学の田村好史准教授(代謝内分泌内科学)らの研究によれば、体の糖分の貯蔵庫である筋肉(骨格筋)と肝臓で、どれくらいインスリンが働いて糖を細胞に取り込むかなどを調べたところ、太っていなくても生活習慣病になりやすい「やせメタボ」の人は、筋肉でインスリンがうまく作用せず、糖を取り込みにくい体質であることがわかったそうです。

  • 正常な人と比べて、肝臓では差がなかった
  • 肥満メタボリックシンドロームの人は筋肉での糖の取り込みが低い
  • 肥満ではない人(体格指数BMIが23以上25未満)でも、心血管代謝リスク因子(高血糖脂質異常症高血圧のいずれか)に一つでも異常があると、筋肉への糖の取り込みが低い
  • 筋肉への糖の取り込みが低かった人では、正常な人に比べて、内臓脂肪が2割多く、体力が2割低下

今回の記事と順天堂大学のニュースリリースから、さらに深堀りをしていきます。




■アジアでは肥満でなくても糖尿病・脂肪肝などの生活習慣病が多い

田村准教授らは肥満でなくても糖尿病といった生活習慣病がアジアで多いことに着目。

「やせ形で糖尿病」リスク遺伝子発見|東大によれば、遺伝子変異により、KCNJ15と呼ばれる遺伝子の働きが過剰に高まり、インスリンの分泌が不足するため、痩せ型でも糖尿病を発症する危険性が高まるのだそうです。

欧州の糖尿病患者には肥満が多いのに対して、日本を含むアジア各国では、肥満でない人の発症が多いそうです。

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太っていなくても生活習慣病になりやすい人の特徴が明らかに ~筋肉の質の低下が原因である可能性~

(2016/8/1、順天堂大学プレスリリースPDF)

近年、非肥満者でも肝臓や骨格筋といったインスリンが作用する臓器に脂肪が蓄積すると(異所性脂肪:脂肪肝、脂肪筋)、インスリン抵抗性が生じることや、アジア人では痩せていても脂肪肝になりやすいことなどがわかってきましたが、日本人におけるその詳細は不明でした。

<中略>

異所性脂肪(脂肪肝・脂肪筋)

脂肪の多くは皮下脂肪や内臓脂肪といった脂肪組織に蓄えられますが、それ以外の別の場所(異所)にも蓄積されます。そのような脂肪を異所性脂肪と呼びます。インスリンは肝臓や骨格筋に作用して血糖値を低下させる作用を発揮しますが、それらの臓器に異所性脂肪が蓄積すると(脂肪肝、脂肪筋)、溜まった脂肪が毒性を発揮して、インスリン抵抗性が生じると考えられています。

肥満でなくても、インスリンが作用する臓器に異所性脂肪が蓄積すると(脂肪肝・脂肪筋)、毒性を発揮して、インスリン抵抗性が生じていることとがわかってきています。

異所性脂肪というのは、臓器の中に蓄積しているので、本来の脂肪の毒性が直接伝わってしまう非常に恐ろしい脂肪。

異所性脂肪は、恐ろしい毒性を持ち、心臓など脳以外の全身の臓器や筋肉に蓄積し、動脈硬化脂肪肝糖尿病高血圧高脂血症心筋梗塞などの生活習慣病を引き起こすことが分かったそうで、また、やせていても貯まることがあるそうです。

肝臓に異所性脂肪が貯まってしまった場合、ひどくなると脂肪肝になって、さらにはNASH になるおそれもあります。

これがそのまま悪化すると、組織の中に線維ができて、肝硬変肝臓がんのような取り返しのつかない病気になってしまうことが考えられます。

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■骨格筋のインスリン抵抗性と関連している因子

太っていなくても生活習慣病になりやすい人の特徴が明らかに ~筋肉の質の低下が原因である可能性~

(2016/8/1、順天堂大学プレスリリースPDF)

どのような因子が骨格筋のインスリン抵抗性と関連しているかを調査したところ、従来肥満者で指摘されてきたような内臓脂肪が多いことや、血中アディポネクチン濃度が低いことに加えて、体力が低い、生活活動量が低い、脂肪摂取量が多いなどの生活習慣に関連した因子も挙げられました。さらに興味深いことに、脂肪肝と判定されないような肝脂肪の軽度蓄積や正常範囲内での肝機能検査の軽度上昇であっても、骨格筋インスリン抵抗性と有意に関連する因子であることが明らかとなりました。

【骨格筋のインスリン抵抗性と関連している因子】

  • 内臓脂肪が多い
  • 血中アディポネクチン濃度が低い
  • 体力が低い
  • 生活活動量が低い
  • 脂肪摂取量が多い
  • 脂肪肝と判定されないような肝脂肪の軽度蓄積
  • 正常範囲内での肝機能検査の軽度上昇

■異所性脂肪を減らす方法

異所性脂肪(第三の脂肪)|みんなの家庭の医学

●食事

脂物を控える(肉を赤身肉・魚に変えるなど)

●運動

一日一万歩(徒歩・階段を使うなど)

こうした方法を3日やるだけで異所性脂肪は減るのだそうです。

異所性脂肪の特徴としては、簡単にたまりやすいけれども、簡単に減らせるという特徴があるそうです。

異所性脂肪はごく短期間の運動をするだけで、量が劇的に減ることが分かっています。

メッツ(METs metabolic equivalents)

厚生労働省が定めた体内の脂肪を減らす運動量を示した数値)

異所性脂肪を取り除くには、1週間に23メッツ・hが必要。

※身体活動の強度×身体活動実施時間(h)=身体活動の量(メッツ・h)

一時間行ったときのメッツの量

  • ボウリング 3メッツ・h
    洗車 4.5メッツ・h
    山登り 7.5メッツ・h
    自転車 8メッツ・h
    平泳ぎ 10メッツ・h
    掃除2時間 8メッツ・h
    筋トレ2時間 8メッツ・h(筋トレは激しく体が動くのはごく一瞬なので)
    散歩 3.5メッツ・h
    ギター演奏 2メッツ・h
    釣り 2.5メッツ・h
    ヨガ 2.5メッツ・h
    荷物の積み込み 3メッツ・h
    階段の昇り降り 3.5メッツ・h
    卓球 4メッツ・h
    バドミントン 4.5メッツ・h
    草むしり 4.5メッツ・h
    バレエ 4.8メッツ・h
    ドッジボール 5メッツ・h
    エアロビクス 6.5メッツ・h
    テニス 7メッツ・h
    サッカー 7メッツ・h
    ラグビー 10メッツ・h

ゆっくり自転車をこぐというような有酸素運動をするほうが効率よくメッツを獲得できることが分かっています。

週250分の運動で脂肪肝改善 「やせなくても効果あり」―筑波大研究グループによれば、肥満の人は、週250分以上早歩きなどのやや強めの運動をすると、体重が減らなくても、肝臓に蓄積した脂肪が減少したり、善玉コレステロールや肝臓の炎症を防ぐ物質が増えていることがわかったそうです。

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■まとめ

太っていなくても生活習慣病になりやすい人の特徴が明らかに ~筋肉の質の低下が原因である可能性~

(2016/8/1、順天堂大学)

太っていなくても代謝異常を生じている人は、筋肉の質が低下していることが明らかに

筋肉の質の低下は、低体力、低活動量、内臓脂肪蓄積、高脂肪食などと関連

軽度の肝機能異常や肝脂肪の蓄積は筋肉のインスリン抵抗性のマーカーに

まとめます。

肥満ではない人でも、心血管代謝リスク因子(高血糖、脂質異常症、高血圧のいずれか)に一つでも異常があると、筋肉への糖の取り込みが低い。

筋肉の質の低下(筋肉への糖の取り込みが低い)は、内臓脂肪の蓄積、血中アディポネクチン濃度が低い、体力が低い、活動量が低い、高脂肪食と関連している。

脂肪肝と判定されないような肝脂肪の蓄積や正常範囲内での軽度の肝機能以上が、骨格筋のインスリン抵抗性を知るマーカーとなると考えられ、今後健康診断をはじめとする予防医学での活用が期待される。







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【長寿の質】沖縄は全国最下位 「健康寿命」男47位、女46位|聖徳大教授調査




【目次】

■長寿の質、沖縄は全国最下位 「健康寿命」男47位、女46位|聖徳大教授調査

Okinawa Japan

by Ricardo Mangual(画像:Creative Commons)

長寿の質、沖縄は全国最下位 「健康寿命」男47位、女46位 聖徳大教授調査

平均寿命(余命)のうち、介護を受けたり寝たきりになったりせず健康に日常生活を送ることができる期間を示す「健康寿命(余命)」が占める割合は、全国47都道府県で沖縄は男性90・4%で47位、女性は83・7%で46位であることが分かった。

茨城県立健康プラザ研究員の栗盛須雅子聖徳大学看護学部教授が2010~14年の5年間について調べたところ、「平均寿命」のうち「健康寿命」が占める割合が沖縄県は男性90・4%で47位、女性は83・7%で46位で、全国最下位だったことがわかったそうです。

沖縄県といえば、長寿県というイメージがある人も多いと思いますが、今回の結果によれば、沖縄県の人は、平均寿命は長いが、生きている間、障がいを持つ期間も長いそうです。

しかし、これまでこのブログで取り上げたニュースによれば、沖縄県で介護を受けたり寝たきりになったりせず健康に日常生活を送ることができる期間を示す「健康寿命(余命)」が短くなっている理由がわかる気がします。

沖縄、男女とも中性脂肪値が全国最悪 男性の3人に1人が基準値を超えている!?

全国健康保険協会が公表している2011年度から13年度の健診の結果、沖縄県の男女の中性脂肪の基準値を超えた人の割合は全国ワーストだったそうです。

→ 中性脂肪とは・数値(正常値)・高い原因・下げる(減らす) について詳しくはこちら。

メタボ「要指導」人口比21・3% 全国最悪 【沖縄】

沖縄県で特定健診(メタボ健診)を受けた人のうち、特定保健指導が必要な人が、人口比21.3%で、全国一でした。

沖縄県では、食生活の変化(食生活の欧米化)に伴って、肥満が増加しているというニュースを時々目にしますが、それを裏付ける結果となったようです。

その時のデータによれば、厚生労働省の調査で、沖縄県は、生活習慣病の要因となる肥満者の割合が男女とも全国1位、生活習慣病の代表である糖尿病による死亡率も1位でした。

沖縄県は大腸がんの死亡率が高い!?その理由とは?

沖縄県健康長寿課によると2013年の沖縄県内死亡率は、全国で男性が5位、女性が2位と高いそうです。

その理由の一つとして、人間ドックや健康診断の受診率の低さが挙げられています。

大腸がんの受診率は全国平均が19・1%に対し、沖縄県内は13%で、順位も10年から46~43位と低迷が続いているそうです。

また、食生活の欧米化によって、肉食が増えていったことも関係しているのではないでしょうか?

1975年型食事が健康によい!?|世界一受けたい授業 4月25日によれば、2000年代は脂質が多くなってくるのですが、肉を多く食べると大腸がんになるリスクが高いによれば、肉を多く食べる日本人は大腸がんになるリスクが高いことが、約8万人を対象にした約10年におよぶ国立がん研究センターの追跡調査でわかっています。




■沖縄県の伝統食は健康に良い

沖縄県といえば昔は長寿県というイメージがあり、テレビでも沖縄の伝統食は身体によいと何度も紹介されています。

エリカ・アンギャルさんおすすめ!ダイエット7つの食材|たけしの健康エンターテイメント!みんなの家庭の医学

エリカ・アンギャルさんが話を伺ったのは、鈴木信先生(沖縄長寿科学研究センター センター長、沖縄の長寿研究の第一人者)。

※THE OKINAWA WAY(鈴木先生の研究チームが沖縄の長寿者の生活習慣をまとめた本)に、エリカ・アンギャルさんが興味を持ったそうです。

1 海藻類が多い

ビタミン・ミネラルが豊富

海藻は沖縄の代表的長寿食

2 魚

魚に含まれるDHA・EPAには生活習慣病を予防する働きが期待されている。

沖縄の高齢者の主菜は魚が多い

3 オリーブオイル

オレイン酸ががん動脈硬化を予防する働きがあると考えられている。

4 5色以上の野菜(5色以上)が多い

野菜の多くには、抗酸化成分であるフィトケミカルが含まれている。

フィトケミカルには、動脈硬化や老化を防止する働きが期待されている。

沖縄の長寿者研究によると、色とりどりの野菜を多く摂っているそうです。

5 雑穀米

雑穀米には食物繊維やビタミンが多く含まれている。

食物繊維には、便通の改善、コレステロールの低減に効果がある。

エリカ・アンギャルさんが、食物繊維を薦めるには、もうひとつ理由があります。

それが、GI値。

GI値(グリセリック・インデックス:血糖値の上がりやすさの指標)はエリカ・アンギャルさんのダイエット法の中核をなす考え方。

消化しやすい食品を食べると血糖値が急激に上がる。

インスリンが大量に分泌され、残った糖を脂肪に変えてしまう。

つまり、血糖値を急激に上げないことが、太りにくい体を作ることにつながるということです。

GI値が低い繊維質の食べ物は血糖値が上がりにくい。

6 島豆腐

沖縄の長寿者研究によると、島豆腐などの大豆製品を一日に100g以上食べているそうです。

大豆に含まれるイソフラボンは 更年期症状の緩和や骨粗しょう症の予防効果が期待される成分。

沖縄の女性は、更年期になる年齢が平均より遅いと推測されるそうです。

7 いも

沖縄の長寿者研究によると、いも類をよく食べているそうです。

HDLコレステロールが低く、中性脂肪が高いと、酸化LDLコレステロールが増えてくるといわれており、酸化LDLコレステロールは血管壁に付着し、動脈硬化を引き起こすことがわかってきています。

→ 酸化悪玉コレステロールとは・原因・数値(基準値)・測定(検査)・対策 について詳しくはこちら

動脈硬化予防のために中性脂肪値を減らすためにも、沖縄県の伝統的な食事を少しでも取り入れてみると、また長寿県として返り咲いてくれるのではないでしょうか。

■平均寿命に占める健康寿命の割合の高い都道府県

【男性(%)】

  1. 茨城 93.0
  2. 山梨 93.0
  3. 栃木 92.9

【女性(%)】

  1. 静岡 87.1
  2. 茨城 87.1
  3. 栃木 87.1

「平均寿命」のうち「健康寿命」が占める割合が高い都道府県は、男性は、1位茨城、2位山梨、3位栃木で、女性は、一位静岡、2位茨城、3位栃木となっており、都道府県に偏りがあるようです。

健康寿命が高くなるような生活習慣のヒントが隠れているのかもしれません。

■まとめ

どんなに長生きしても、介護を受けたり寝たきりになったりする期間が長いと、大変だとも思いますので、「健康寿命」が長い県の生活習慣から学びたいですね。







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【#母乳育児】母乳のみで赤ちゃんを育てる保護者が生後1カ月と3カ月でともに5割を超えた|2015年度乳幼児栄養調査




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■【母乳育児】母乳のみで赤ちゃんを育てる保護者が生後1カ月と3カ月でともに5割を超えた|2015年度乳幼児栄養調査

Breastfeeding (www.pusteblumenbaby.de)

by Maja(画像:Creative Commons)

「母乳で育てた」5割超 生後1・3カ月、厚労省調査

(2016/8/24、日本経済新聞)

厚生労働省が公表した「2015年度乳幼児栄養調査」によれば、母乳のみで赤ちゃんを育てる保護者が生後1カ月と3カ月でともに5割を超えたそうで、5割を超えたのは、1985年度の調査開始以来初めてのことだったそうです。

■母乳育児のメリット

授乳に関する現状|厚生労働省

母乳育児には、1.乳児に最適な成分組成で少ない代謝負担、2.感染症の発症及び重症度の低下、3.母子関係の良好な形成、4.出産後の母体の回復の促進などの利点があげられる。

近年、母乳栄養とその後の健康への影響との関連を検討した研究では、母乳栄養児のほうが人工栄養時に比べ、肥満となるリスクが低い、収縮期血圧及び拡張期血圧ともにわずかに低いと推定されたが心血管疾患による死亡リスクの検討では有意な結果はみられていない、2型糖尿病の発症の検討では小児及び成人での糖尿病の発症リスクが低いという報告がみられている。

母乳育児による子どもへの健康の影響に関する知識が広まったことから、母乳のみまたは粉ミルクと母乳の併用で育てる割合が増えているのかもしれません。

母乳育児された子どもは行為障害が少ない、南ア研究

(2016/6/22、AFPBB)

1500人以上の子どもを対象に南アフリカで実施されたこの研究で、母乳育児の期間と、7歳から11歳までの子どもの行為障害の兆候との間に強い関連があることが分かったという。

 論文によると、世界保健機関(WHO)が奨励するように生後6か月間に母乳のみで育てられた子どもは、母乳育児が1か月未満だった子どもと比べ、行為障害が56%低かった。

生後6か月間に母乳のみで育てられた乳児は小学生になった時の行為障害が少ないとする論文が出されたそうです。

■授乳についての悩み

赤ちゃんに授乳するうえでの悩みは、「母乳が足りているかどうかがわからない」「母乳が不足気味」「授乳が負担」というものがありますが、お母さんたちにとっては母乳が出ないという悩みはつらいものがあると思います。

わたしが母乳育児を選んだわけ

(2014/1/5、foodisco)

母乳がでないです。そういうママさんいると思います。

私も実際そうだったんですよ。

最初の子供のときは1週間たっても一回にとれる母乳が20CCくらいで赤ちゃんには全然足りなかったです。

産院では記録を取るのですが、母乳が出ていない、子供の体重が減っていますと言われて、

お腹がすいている我が子にミルクを与えようかと何度も泣いたものです。

「母乳が足りているかどうかがわからない」「母乳が不足気味」と言葉にすると短いですが、おなかがすいているかもしれない赤ちゃんに対して母乳が出ていないお母さんにとっては涙が出てしまうほどつらいことのようです。

母乳を出す方法のアドバイスや授乳を楽にする方法などを様々な方法で解決していくことによって、もっとお母さんたちの不安が解消していくのではないでしょうか。

母乳育児推進の問題点――粉ミルクは本当に悪いのか!?

(2016/1/14、ハフィントンポスト)

日本でも医師、助産師、栄養士を中心に母乳育児に対する指導が加熱しています。その一方で、母乳育児推進には問題点も見られるようになってきました。

小児科専門医の森戸やすみさんによれば、母乳育児が推進される一方で、1.専門家が少なくデマが多いこと、2.情報提供が偏っていること、3.無理な完母にはリスクがあること、といった問題点もあるようです。

じつは「母乳育児成功のための10か条」の発表以降、母乳性高ナトリウム血症や低血糖脳症の報告が増えています(※6)。赤ちゃんが母乳の不足から、脱水や高ナトリウム血症になると、播種性血管内凝固症候群、脳浮腫、けいれん、腎不全、頭蓋内出血、血栓塞栓症などの致死的合併症が起こったり、神経学的後遺症が残ったりすることがあるのです。また、低血糖脳症になると、易刺激性や傾眠、無呼吸発作、低体温などの急性症状が生じたり、発達障害や皮質盲などの後遺症が残ったりすることもあります。

(※6)大橋敦他「日本小児科学会雑誌」2013 117(9)p1478-1482

母乳育児の良さをどんなに理解していても、すべてのお母さんが同じように母乳が出るわけではありません。

その日の体調によっても母乳が出ない日もあるでしょう。

母乳育児を過度にすすめることや粉ミルクのリスクを過剰に伝えてしまうことによって、母乳育児にこだわり過ぎてしまい、母乳が不足してしまい、赤ちゃんの健康に影響を与えるケースもあるようです。




■液体ミルク

Last bottle of formula

by Brian Hart(画像:Creative Commons)

液体ミルク、20年販売目標…五輪海外客に対応

(2017/2/2、読売新聞)

欧米では液体ミルクが普及しており、政府と都は「五輪観戦で来日する育児中の親のニーズは高い」(内閣府幹部)との認識で一致している。一方、業界内には設備投資による採算性などを理由に慎重論もある。

政府は、液体ミルクの国内販売について、2020年の東京五輪・パラリンピックで来日する海外客に対応するため、2020年の開始を目標とする方針なのだそうです。

なぜ海外で一般的になっている液体ミルクは普及しなかったのでしょうか?

日本産の液体ミルクはどのようなものになる? 粉ミルクメーカーに聞いてみた

(2016/11/22、マイナビニュース)

1.液体になる栄養成分の減りが早くなる

液体になると、成分の減りが粉に比べてさらに早くなってしまうので、その点を解決する技術が必要となってくるでしょう。

2.流通コストがかかる

粉に比べて流通コストがかかること、少子化が進んでいる中で、液体ミルクを作るための新しい設備にどれだけ投資できるのかという課題もあります。

3.長期保存を可能とする食品添加物が日本で使用できるかどうかわからない

液体ミルクの長期保存を可能にするために、海外で使われている食品添加物が日本で乳児用液体ミルクに使用できるかは分かりません。

4.日本では「ミルクは白い」という概念がある

常温保存が可能な液体ミルクを作るためには、ミルクに強い熱をかけて殺菌する必要があるのですが、そうすると、どうしても褐色に近い色になります。

乳児用液体ミルク、今夏にも解禁…災害備蓄に利用も

(2018/3/12、読売新聞)

液体ミルクは、欧米では広く普及しており、11年の東日本大震災や16年の熊本地震の際には緊急支援物資として届けられ、被災者に重宝された。こうした経験から、政府は、液体ミルクは日常の育児だけでなく、災害時にも有効とみて販売解禁を目指すことにした。

政府は、乳児用液体ミルクの国内販売を今夏にも解禁する方針で、育児負担の軽減や災害備蓄への利用につなげたいと思っているそうです。

厚生労働省が専門家部会で、液体ミルクの規格基準を新たに定める省令改正に向けて手続きを始める方針を示しています。

■まとめ

母乳育児の良さについてここまで紹介してきましたが、人によっては母乳で育てたくても育てることができない人がいることも事実です。

そうしたママたちにとってはこうした母乳育児の良さを伝えるニュースはストレスにもなってしまうかもしれません。

周りの人たちは母乳で育てたくても育てられないママたちがいるという現状を知ることで、より良い接し方ができるようになるのではないでしょうか。







【参考リンク】
続きを読む 【#母乳育児】母乳のみで赤ちゃんを育てる保護者が生後1カ月と3カ月でともに5割を超えた|2015年度乳幼児栄養調査

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっている




■健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっている

Laptops working internet

by The Next Web Photos(画像:Creative Commons)

「健康と生産性」の関係

(President)

smoking_president02

グラフには、最も医療コストがかかる10大慢性疾患に対する社員一人あたりの平均支出が表されている。

医療、欠勤(アブセンティーイズム)、業務遂行障害(プレゼンティーイズム)の三つのコストのうち、治療にかかる医療費や欠勤による損失よりも、プレゼンティーイズムによる損失が大きなコストになっていることがわかる。

このグラフによれば、治療にかかる医療費や欠勤による損失よりも、業務遂行障害(プレゼンティーイズム)による損失が大きなコストになっているようです。

【補足】アブセンティーイズムとプレゼンティーイズムとは

米国でよく比較対照に使われる「アブセンティーイズム」と「プレゼンティーイズム」に注目したい。

前者は疾病により欠勤している状態であり、後者は出社こそしているものの、何らかの疾病で業務遂行に障害が起き、労働生産性が下がっている状態をいう。

つまり、この結果によれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

また、喫煙も生産性損失コストを大きくしている要因のようです。

smoking_president

次に、喫煙者の生産性損失はどうだろうか。

喫煙者の年間生産性損失時間は130時間弱に及び、そのうちプレゼンティーイズムが76.5時間を占める(図表2)。

金額にすると一人あたり4430ドル(うちプレゼンティーイズムが2619ドル)の損失となる(図表3)。

このグラフによれば、喫煙をしている人は、生産性を大きく落としているということが分かります。

そして、肥満も業務遂行障害に大きく影響しているようです。

米国では肥満による健康リスクも大きな問題になっている。

肥満の労働者は、メタボリック・シンドロームになるリスクが健康な労働者の約9.4倍、高血圧のリスクが4倍にもなることがわかっている。

さらに、注目に値するのは肥満労働者の業務遂行障害が2.3倍にもなるという事実である。

記事では、企業側は、社員の健康を十分にケアをすることによって、生産性損失コストが削減できると伝えています。

ダウ・ケミカルのCEOアンドリュー・リバリス氏は、「我々が使う機械と同様に、社員も十分にケアすれば、有病率が減り、医療費、業務遂行障害、生産量低下によるコスト(=損失)が削減できる」と述べている。

■まとめ

腰痛で苦しむ人が実践すべき5カ条

(2016/1/10、ZUU)

順天堂大学の伊藤弘明氏の試算では、職場で発症した腰痛(職業性腰痛)の直接医療費は2011年度で821億円となっている。

遠隔リハビリアプリ「Regain」|理学療法士と腰痛など身体に不調を持つユーザーをマッチング|メインターゲットは企業で紹介した順天堂大学の伊藤弘明氏の試算では、職場で発症した腰痛(職業性腰痛)の直接医療費は2011年度で821億円となっているそうです。

ただ、この数字は直接的なものだけであり、腰痛によって生産性が下がることを含めると、その数字はもっと大きなものになると予測されます。

アメリカでは年間800億ドルもの労働生産力が腰痛のために失われているという試算があるそうです。

企業側が生産性を考えるのであれば、従業員の健康をいかにケアし、生産性損失コストを削減していくようにしていく必要があるのではないでしょうか。

こうした流れを受けて各企業が「健康経営」をすすめていこうという流れになっているのだと思います。

→ これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの? について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっている

運動不足に起因する健康問題による経済損失は年間7兆円にのぼる!|研究




■運動不足に起因する健康問題による経済損失は年間7兆円にのぼる!|研究

Sleepy Mami

by Guian Bolisay(画像:Creative Commons)

運動不足による健康問題、経済損失年間7兆円に 研究

(2016/7/28、AFP)

英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された論文によると、この損失額は、医療費538億ドル(約5兆6000億円)と生産性の損失による損失額137億ドル(約1兆4000億円)に大別される。

日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約675億ドル(約7兆円)にのぼるそうです。

■健康と生産性の関係

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、治療にかかる医療費や欠勤(アブセンティーイズム)による損失よりも、業務遂行障害(プレゼンティーイズム)による損失が大きなコストになっているようです。

出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

今回のニュースと最も関連があるのが肥満ですが、肥満も業務遂行障害に大きく影響しているようです。

肥満の労働者は、メタボリック・シンドロームになるリスクが健康な労働者の約9.4倍、高血圧のリスクが4倍にもなることがわかっている。

さらに、注目に値するのは肥満労働者の業務遂行障害が2.3倍にもなるという事実である。

■運動不足と健康の関係

運動不足によって、健康にどのような影響があるのでしょうか?

糖尿病

糖尿病は「過食(食べ過ぎ)」「運動不足」が原因で加速する!によれば、血糖値を下げるには、筋肉を使うことが良いそうです。

特に大きい筋肉、最大のものは大腿筋です。つまり歩けばいいということになります。

実際には30分で3キロ歩く速さ、やや速く歩くのがいいでしょう。

1日の摂取カロリーの10~15%を消費できれば十分と考えます。

【糖尿病と運動不足 関連記事】

●肝臓・脂肪肝

肥満の人は、週250分以上早歩きなどのやや強めの運動をすると、体重が減らなくても、肝臓に蓄積した脂肪が減少したり、善玉コレステロールや肝臓の炎症を防ぐ物質が増えていることがわかったそうです。

【関連記事】

中性脂肪

運動不足でエネルギーが消費されないと、エネルギーが余り、その余ったエネルギーが中性脂肪となることで、中性脂肪の値が高くなります。

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肥満

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大腸がん

大腸がんチェックによれば、毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方は大腸がんリスクが高くなります。

低体温

運動不足になると、血液を送る筋力を刺激しない状態が続き、筋力が低下し、低体温の原因となります。

細胞の中にあるミトコンドリアが熱を発生させているのですが、筋肉量が多ければ、ミトコンドリアの数も多くなり、それにともなって体温が上昇すると考えられるそうです

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腰痛

腰痛にはいろいろな原因がありますが、運動不足による筋力低下(背筋より腹筋が弱いと腰痛になりやすい傾向がある)が原因の腰痛や体が硬い(体が硬いと身体を動かすときに筋肉への負担が大きい)ことによる腰痛があります。

筋力低下による腰痛の場合は、運動不足と肥満を解消しましょう。

肥満になると脂肪が血管を圧迫するため、血行が悪くなります。

ストレッチや体操などの運動をすることで肥満の解消と筋力UPをしましょう。

低血圧

運動不足になると、血液を送る筋力が低下するので、積極的に運動をするようにしましょう。

また、運動することによって、交感神経と副交感神経の切り替えが早くなるため、血圧調節中枢の遅れの改善に効果的だとも考えられます。

動脈硬化

動脈硬化予防に良い方法とは、有酸素運動

有酸素運動をすると、血流が良くなり、血管が広がりやすくなるそうです。

血管が広がりやすくなり、血流が良くなることで、血管を傷つけにくくなり、動脈硬化を予防できるそうです。

生理不順(月経不順)

運動不足になると、血行が悪くなり、生理不順の原因となります。

運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、冷え性の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。

第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。

また、筋肉を使うことで体温が上がります。

冷え性でない人は運動(ウォーキング・ラジオ体操・筋力アップ)で冷え性対策をしているによれば、長年冷え性の人は、厚着をしたり、電気毛布や湯たんぽ、暖房器具を利用する人が多いのに対して、冷え症でない人は、からだを動かすことを大事にしているようです。

また、運動することで交感神経の働きが上手になってくるそうです。

胆石

運動不足が肥満などにつながり、胆汁が胆石のできやすい状態になってしまうと考えられています。

冷え性

運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、冷え性の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。

第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。

また筋肉を使うことで体温が上がります。

乳がん

乳がんリスクが高くなる要因として、運動不足が挙げられています。

運動不足も乳がんリスクが高くなる要因ですが、積極的に運動する女性は乳がんリスクが低い|国立がん研究センターによれば、積極的に運動する女性は、運動しない人に比べて、乳がんリスクが低いそうです。

特に、閉経後や太り気味の女性は、週1回でも余暇に運動を取り入れることが乳がん予防につながると考えられるそうです。

高血圧

高血圧は糖尿病などの合併症を起こしやすいといわれます。

それは、高血圧と糖尿病の危険因子(肥満、運動不足、喫煙など)が同じだからです。

高血圧を予防することで、脳卒中心筋梗塞などの病気の予防をしましょう。

その他にも、高脂血症脂質異常症ともリスク要因が重なる部分が多いため、注意が必要です。

胃痛胃がん

運動によって、全身の血液循環を促進し、胃液の分泌を活発にし、胃の消化機能を高めます。

ただし、過激な運動は胃の負担を増やすこともあるので注意が必要。

内臓脂肪

便秘

便秘の解消方法として、腹筋を鍛えることをアドバイスしているのは、腹筋が弱っているため、便を出すことが出来ない人もいるためです。

腸の回りの筋肉・腸腰筋を鍛えるとウンチが出やすくなります。

●腸腰筋を鍛える運動

  1. イスに座ったまま腕を上に持ち上げ、腸腰筋を伸ばす。
  2. イスに腰を下ろしたまま歩くように手足を動かし腸腰筋を縮める。
  3. イスに腰を下ろし、足を地面につけた状態で腰をひねり腸腰筋をねじる。

※これを1日3セット

便秘解消体操・エクササイズ|1日たった10分の体操で便秘解消!

  1. 足を肩幅に開く
  2. 右手で腰骨の上を掴む
  3. 左手で肋骨の下を掴む
  4. 右回りに5回まわす
  5. 脇腹を揉みながら腰を回す
  6. 左回りに5回まわす

※1日5回から10回

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■まとめ

日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約7兆円にのぼるそうです。

The Lancet: One hour of physical activity per day could offset health risk of 8 hours of sitting

(2016/7/27、EurekKAlert Science News)

A new study of over 1 million people finds that doing at least one hour of physical activity per day, such as brisk walking or cycling for pleasure, may eliminate the increased risk of death associated with sitting for 8h a day.

100万人以上の人々を対象とした調査によれば、ウォーキングやサイクリングなど、1日に少なくとも1時間の身体活動をすると、1日8時間座ることに関連する死亡リスクを相殺する可能性があるそうです。

運動不足を解消し、肥満などの健康問題を解決していくことが、世界の経済をよくする方法といえるのではないでしょうか。







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