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「iSC細胞(虚血誘導性多能性幹細胞)」の移植で脳梗塞で死んだ脳細胞を再生させる研究を始める|兵庫医科大

ExeterUniMedSch April2013-5

by University of Exeter(画像:Creative Commons)

> 健康・美容チェック > 脳梗塞 > iPhone・Apple Watchで不整脈・脳梗塞を早期発見する臨床研究開始|慶大




■「iSC細胞(虚血誘導性多能性幹細胞)」の移植で脳梗塞で死んだ脳細胞を再生させる研究を始める|兵庫医科大

脳梗塞で死んだ細胞再生 兵庫医科大、定説覆す発見

(2017/1/5、神戸新聞NEXT)

その組織の中に神経細胞を作る細胞があることを、同大先端医学研究所の松山知弘教授、中込隆之准教授らが2009年、マウスの実験で発見。15年には、血管の周囲の細胞が脳の一大事を受け、神経細胞などに変化できる「多能性」を獲得していることが分かった。

<中略>

グループは重症の脳梗塞を起こしたヒトの脳でも存在を確認し、「iSC細胞(虚血誘導性多能性幹細胞)」と名付けた。

 この細胞の移植によって脳の再生も期待できることから、既に培養したマウスのiSC細胞をマウスの脳に移植し、ある程度、正常に機能している状態を確認。

兵庫医科大のグループによれば、重度の脳梗塞を起こしたヒトの脳の組織の中に神経細胞を作る細胞があることを発見し、脳梗塞で死んだ脳細胞を再生させる研究を始めました。

ポイントは2つ。

  • 兵庫医科大先端医学研究所の松山知弘教授、中込隆之准教授らが2009年、マウスの実験で脳梗塞の組織の中に神経細胞を作る細胞があることを発見
  • 2015年には、血管の周囲の細胞が脳の一大事を受け、神経細胞などに変化できる「多能性」を獲得していることを発見

これまでの研究によって、脳梗塞の脳には再生させようという働きがあることがわかったことから、死んだ神経細胞は再生しないという定説を覆しています。

今後はこのメカニズムを活用して脳細胞を再生させることができるようになるかもしれません。

【参考リンク】







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プロとアマチュアの違いは脳にも現れる!?|ネイマール選手の足を動かす際の脳の活動範囲はアマチュア選手の1割以下

Neymar attacking

by Ronnie Macdonald(画像:Creative Commons)




■プロとアマチュアの違いは脳にも現れる!?|ネイマール選手の足を動かす際の脳の活動範囲はアマチュア選手の1割以下

 <ネイマール選手>脳の活動も超人的 負荷はアマの1割以下

(2014/7/24、毎日新聞)

サッカーブラジル代表のFWネイマール選手(22)が足を動かす際、脳の活動範囲がアマチュア選手の1割以下であるとの研究結果を、独立行政法人・情報通信研究機構の研究チームが明らかにした。

独立行政法人・情報通信研究機構の研究チームによれば、ブラジル代表のネイマール選手の足を動かす際の脳の活動範囲はアマチュア選手の1割以下だったそうです。

そのことがプレーにどのようなメリットを生み出すのでしょうか?

同機構脳情報通信融合研究センター(大阪府吹田市)の内藤栄一研究マネジャーは「脳の活動範囲が小さくて負荷が少ない分、別の複雑な動きも同時にできるため、多彩なフェイントにつながっているのではないか」と分析する。

負荷が少ない分、その他の動きも同時に出来るために、多彩なフェイントができているのではないかと分析されています。

従来の研究で、プロのピアニストと素人が同じフレーズをピアノで弾いた場合、プロの方が脳の活動が少ないとの報告があるという。

「ピアニストの脳を科学する」(著:古屋晋一)では、ピアニストとそうでない人との脳の使い方に違いがあるという研究について紹介されています。

ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム

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チューリッヒ大学のヤンケ教授らは、複雑な指の運動をしているとき、運動野の神経細胞がどれだけ多く働いているかを調べました。その結果、同じ速さで同じ指の動きをしているにもかかわらず、活動している神経細胞の数はピアニストのほうが、音楽家ではない人よりも少ないということがわかったのです。

【参考リンク】

つまり、ピアニストの脳は、そうではない人に比べて、たくさんの神経細胞を働かせなくても、複雑な指の動きができるように、「省エネ」しながら演奏ができるようになっているということです。

また、その他の研究でも、ピアニストは高次運動野の神経細胞をあまり働かせなくても複雑な指の動きが可能であることやピアニストの指を動かす神経細胞は長年の練習によって複雑な指の動きをしやすいような特殊な変化を起こしているということもわかっているそうです。

【参考リンク】

気になることがひとつ。

今回のことが、才能の違いなのか、それとも、長年の練習によって脳がそうした動作をすることに慣れたことによって起きていることなのか、興味があります。

10000時間の法則であなたも「本物」になれる?IQの高さより自己鍛錬が大事で「天才!成功する人々の法則」(著:マルコム・グラッドウェル)で「一万時間の法則」を紹介しました。

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簡単に言うと、「一万時間の法則」とは、現在活躍している人々は、生まれつきの才能だけで成功を収めたのではなく、練習に1万時間を費やしたことにより、さらにその才能が開花しているという内容です。

子供の頃の脳の活動と今とを比較できれば、元々の才能によるものか、それとも努力したことによって脳までも磨きをかけたのか、その答えの一端がわかるような気がします。

研究によれば、ピアノのレッスンを受けた子供は手指を動かす脳部位の体積が大きくなっており、素早く指を動かせるようになっていて、神経細胞の数が増えた子供ほど、指を速く動かすことができるようになったそうです。

【参考リンク】

脳の神経細胞同士が情報のやり取りをするために必要なケーブルが詰まった部分である「白質」は鞘(ミエリン)に包まれていて、発達の仕方が運動能力や認知機能に影響を及ぼすことがわかっているそうです。

【参考リンク】

プロのピアニストと、音楽家ではない人の脳とで、幼少期の練習時間と、ケーブルを包む鞘(ミエリン)の発達との関係について調べたところ、11歳までに行う練習によって鞘は発達するものの、12歳以降は練習すればするほど鞘が発達するわけではなかったということがわかったそうです。

【参考リンク】

こうした研究を総合すると、小さいころからピアノを練習すると、複雑な指の動きを可能にするための、脳の神経細胞を増やすことにつながると考えられます。

ただ、複雑な指の動きをすることだけが、ピアニストにとっての重要な要素ではなく、また、大人になっても脳の神経細胞は増えることから、小さいうちから練習することがピアニストに必要な要素であるというわけではありません。

先程紹介した研究からは、「才能か、努力か」について明らかにはできませんでしたが、練習をすることによって、脳は変化するということだけはわかったのですから、プロになるためには努力は欠かせないということは言えるのではないでしょうか?







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VR対応ヘッドマウントディスプレイを使って視界の80%以上を覆うような映像を展開すると、脳はそれを現実のように認識してしまう!?

Woman Using a Samsung VR Headset at SXSW

by Nan Palmero(画像:Creative Commons)




■VR対応ヘッドマウントディスプレイを使って視界の80%以上を覆うような映像を展開すると、脳はそれを現実のように認識してしまう!?

VR時代に向けたゲーム開発での本当の課題とは? 「サマーレッスン」チームが語るVRキャラクターづくりのコツ

(2015/7/11、4gamer.net)

VR対応ヘッドマウントディスプレイ(以下,VR HMD)を使って,視界の80%以上を覆うような映像を展開すると,脳はそれを現実のように認識してしまう。

VRの特徴といえば、「没入感」ですが、VR対応ヘッドマウントディスプレイを使って、視界の80%以上を覆うような映像を見ると、脳はそれを現実のように認識してしまうそうです。

すると,現実のように展開されるゲームに対して,プレイヤー自身の経験に基づいた反応が表れるのだという。近くに寄られて緊張したり,つい)
目の前のキャラクターの顔色をうかがってしまったりする人も多いようだ。

原田氏はこれについて,部屋で行う面接や親しい人との会話など,プレイヤーの過去の経験に基づいた感覚が再現されているためではないかと推測していた。

まるで現実のような映像によって、それまで経験してきた反応が現れるということであれば、コミュニケーションが苦手な人はVRでもコミュニケーションが苦手な状態が続くということでしょうか。

VRを悪用すれば「相手を洗脳できる」「数千人を嘔吐させられる」 「サマーレッスン」開発者がリスク指摘

(2017/3/6、ITmediaニュース)

「嘔吐させる」以上に、原田さんが警戒するのが「洗脳」だ。テレビのようなモニター画面に比べると、VR端末は現実世界が見えなくなり、ヘッドフォンを装着すると外の音も聞こえなくなるため「外界遮断効果が高く、瞑想(めいそう)の効果が高まる」という。

PlayStation VR用ゲーム「サマーレッスン」を開発した、バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘チーフプロデューサーによれば、VRゲームについて研究する中で、VRを悪用すれば

「数千人を一斉に車酔いさせ、嘔吐させることも可能」

洗脳したり、詐欺をしたりに使われる可能性は否定できない

といった可能性があるそうです。

■まとめ

Worldwide Spending on Augmented and Virtual Reality Expected to Double or More Every Year Through 2021, According to IDC

(2017/8/3、IDC)

Worldwide revenues for the augmented reality and virtual reality (AR/VR) market are forecast to increase by 100% or more over each of the next four years, according to the latest update to the Worldwide Semiannual Augmented and Virtual Reality Spending Guide from the International Data Corporation (IDC). Total spending on AR/VR products and services is expected to soar from $11.4 billion in 2017 to nearly $215 billion 2021, achieving a compound annual growth rate (CAGR) of 113.2% along the way.

International Data Corporation (IDC)によれば、世界のAR/VR市場はは、2021年まで毎年倍増していくことが見込まれ、2017年114億ドル→2021年2150億ドルに増加し、年平均成長率は113.2%になることが予想されるそうです。

VRはゲームや3D映画向けに作られていますが、医療や教育分野でも関心が持たれているそうです。

【参考リンク】

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ただ、VRの特性を誤った方向で使えば、数千人を一気に嘔吐させたり、洗脳したりに使う恐れもあるので、注意が必要ですね。







低炭水化物ダイエットを長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中の発症リスク高まる!?|ハーバード大など

おにぎり

by ivva イワヲ(画像:Creative Commons)




■低炭水化物ダイエットを長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中の発症リスク高まる!?|ハーバード大など

低炭水化物ダイエットご用心…発症リスク高まる

(2012/7/8、読売新聞)

炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるとの研究を、ハーバード大などのグループが英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に発表した。

<中略>

低炭水化物・高たんぱく質のグループでは、そうでないグループに比べて危険性が最大1・6倍高まった。

ハーバード大などのグループの研究によれば、炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞脳卒中になるリスクが高まるそうです。

魅せる体を作るためによくこうした低炭水化物・高タンパクな食事がすすめられています。

例えば、ジェイソン・ステイサムのボディー・メイクの秘密は、ダイエットとトレーニングによれば、低炭水化物で高たんぱくな食事で体を作っているそうです。







【関連記事】

吉川メソッドでダイエット|どや顔サミット 1月6日

1.健康的に痩せるために肉を食べる

※吉川さんによれば、脂肪を全く摂らないと立ちくらみをしてしまうので、適量の脂肪摂取が大事とのこと。

2.炭水化物は食べない(短期間で効果を出すため)

7.筋肉を作るたんぱく質をメインに摂る。高タンパク低カロリーの食材が良い。

例:目玉焼き・ゆでたまご等は、たんぱく質がとれるので、一日3個食べる。

例:脂身の少ない魚介類(マグロの赤身、タコ、エビなど)は高タンパク低カロリー

例:豚ヒレ、鶏ささみ、カッテージチーズ、豆腐、ノンオイルツナ缶、たら、納豆、貝類、ヨーグルト無糖

しかし、今回の記事の中には、なぜ炭水化物を制限する食事を長期間続けると、心筋梗塞や脳卒中になる危険性が高まるのか、その理由は書かれていませんでした。

低炭水化物ダイエットを続けると、憂うつに-オーストラリア研究チームという記事がありましたが、何か関連があるのでしょうか。

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レーザーで脳梗塞を引き起こす血栓を溶かす治療法を開発 12月1日より治験|浜松医科大学と浜松医療センター、浜松ホトニクス

hamamatsu_photonics

参考画像:レーザ血栓溶解技術|YouTubeスクリーンショット

> 健康・美容チェック > 脳卒中 > 脳梗塞 > 血栓 > レーザーで脳梗塞を引き起こす血栓を溶かす治療法を開発 12月1日より治験|浜松医科大学と浜松医療センター、浜松ホトニクス




■レーザーで脳梗塞を引き起こす血栓を溶かす治療法を開発 12月1日より治験|浜松医科大学と浜松医療センター、浜松ホトニクス

レーザーで血栓溶かす治療法開発へ 浜ホトなど12月から治験

(2016/11/29、日本経済新聞)

浜松医科大学と浜松医療センター、浜松ホトニクスは、脳梗塞を引き起こす血栓をレーザーで溶かすシステムの治験を始めるそうです。




■脳梗塞の治療法

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

急性期脳梗塞における治療法は、発症後 4.5 時間以内であれば、既往症などの禁忌がない限り、アルテプラーゼ*1の静脈投与による血栓溶解療法が標準の治療法として広く認められています。しかしアルテプラーゼの投与で脳主幹動脈*2の血流が再開通しない場合や、発症から 4.5 時間を過ぎている場合には、ほかの方法による血栓除去が必要となります。現在では主に機械的な血栓除去カテーテル*3が用いられています。

脳梗塞の治療は血栓を溶かす薬「T-PA」と「血栓回収療法」で劇的に改善されている!によれば、医療現場では脳梗塞の治療に「t-PA(tissue plasminogen activator:組織プラスミノーゲン活性化因子)」という血栓を溶かす薬があるそうです。

記事の中で紹介されている、アルテプラーゼとは、急性期脳梗塞の治療薬として使われています。

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

遺伝子組換え組織プラスミノゲンアクチベータ(recombinant tissue plasminogen activator:rt-PA)とも呼ばれ、血栓を溶解する作用がある。

「t-PA」の治療効果は高く、発症後4.5時間以内の使用で、後遺症の程度を軽減することが可能なのだそうです。

実は、「t-PA」は私たちの体の中(血管の内側の細胞)でも作られていて、日常的にできる血栓を溶かしてくれているそうです。

脳梗塞の治療で劇的な効果を発揮したt-PAですが、脳の太い動脈が詰まるとt-PAだけではなかなか血栓が溶けず、血流が再開しないこともあるそうです。

また、t-PAを投与できても、介護の必要がない状態で自宅に帰れる割合は40%程度なのだそうです。

そこで登場したのが、カテーテルを血管に入れて血栓を除去する「血栓回収療法」です。

血栓回収療法にはステント型と吸引型の2つあります。

ステント型は、脚の付け根からカテーテルという細い管を挿入し、ステント(筒状の網)にからめて血栓を回収する方法です。

吸引型は、器具の先端で崩した血栓を吸い取り、カテーテルの中に回収する方法です。

血栓回収療法は発症からのタイムリミットが4時間半だったのが、8時間まで治療を可能にし、またt-PAだけのグループよりもt-PA投与後にステント型の血栓回収療法を実施したグループのほうが社会復帰できる確率が大幅に高くなったそうです。

しかし、メリットしかないように思えた血栓回収療法にも、こちらのニュースリリースによれば実は一つ弱点がありました。

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

ただし、血栓除去カテーテルでは血管内皮損傷や脳出血などの可能性があり、より安全な治療法が求められていました

血管内皮を傷つけるリスクがあるというのがデメリットだったのです。

そこで、浜松医科大学と浜松ホトニクスが開発しているのが、脳の血管にできた血栓をレーザーで溶かす技術です。

レーザーで脳血栓溶解 浜松医大など、脳梗塞の新治療法目指す

(2013/2/25、日本経済新聞)

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

波長 500-600nmのレーザ光は血栓に吸収されますが、血管内皮ではほとんど吸収されません(図 2)。そこで、このレーザ光の吸収の差を利用して、レーザを用いて血栓のみを選択的に溶解可能で血管内皮の損傷がほとんどない波長532nm のレーザ装置と、血管を閉塞している血栓にレーザを有効に照射するための光ファイバーを内包した専用カテーテルを開発しました。(図 3)。

血栓のみを溶かすことができ、また血管内皮の損傷がほとんどない532ナノメートルのレーザー光を用いることで血管を傷つけるリスクを減らした治療法を開発したそうです。

■まとめ

浜松医療センターは、2016年12月1日より、脳梗塞を引き起こす血栓をレーザーで溶かすシステムの安全性および有効性を確認していくそうです。

脳梗塞の治療法がさらに進歩することを期待しましょう。

→ 脳梗塞とは|脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら







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