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「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!|厚生労働省

最近「フレイル」という考え方が注目を集めています。

「(60代以上になっても)いつまでも若々しくいたい!」

そんなあなたはフレイル対策を行なうことで、いつまでも若々しく、周りから憧れられる存在になりましょう!




【目次】

■「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!

多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥る|厚生労働省
多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥ります。加齢に伴う変化(食欲の低下・活動量の低下・社会交流の低下・筋力低下・認知機能低下・多くの病気をかかえている)→危険な加齢の兆候(低栄養・転倒・サルコペニア・尿失禁・軽度認知障害(MCI))

参考画像:高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省スクリーンショット

高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省

「フレイル」とは加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態。

厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

要介護者等の状況|平成22年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

介護が必要となった主な原因を要介護度別にみると、要支援者では「関節疾患」が19.4%で最も多く、次いで「高齢による衰弱」が15.2%となっている。

厚生労働省の平成22年国民生活基礎調査によれば、介護が必要となった原因として「高齢による衰弱」(15.2%)となっています。

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

平成28年国民生活基礎調査によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

高齢で活力衰える「フレイル」、国内250万人が該当か

(2017/9/18、朝日新聞)

児島剛太郎・ロンドン大客員研究員(老年病学)らが、これまでに発表されたフレイルに関連する約1500本の論文のうち、65歳以上の日本人の割合について述べた5本を解析したところ、入院せずに地域で暮らす人の7・4%がフレイルという結果だった。

<中略>

総務省の人口推計(今年7月)で65歳以上の人口は3477万8千人おり、その中の少なくとも250万人が該当するとみられる。

65歳以上の日本人のうち、入院せずに地域で暮らす人の7.4%がフレイルという結果から判断すると、65歳以上の人口は約3500万人いることから、フレイルに該当するのは約250万人いると考えられるそうです。




■フレイルティの定義

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by Salvation Army USA West(画像:Creative Commons)

フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省

2000 年代になり Fried らが表 2に挙げた 5 項目、すなわち①体重減少、②主観的疲労感、③日常生活活動量の減少、④身体能力(歩行速度)の減弱、⑤筋力(握力)の低下、のうち 3 項目が当てはまればフレイルティとし、1~2 項目が当てはまる場合はフレイルティ前段階として定義づけをした 33)。

33)Fried LP, Tangen CM, Walston J, et al. Cardiovascular Health Study Collaborative Research Group. Frailty in older adults : evidence for a phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2001; 56 : M146─56.

フレイルティというとなんだか難しいように感じると思いますが、日本にも「老衰(ろうすい)」という年をとって衰えることを意味する言葉があります。

老衰の意味は

生物学的・医学的には“老化に伴って個体を形成する細胞や組織の機能の低下、恒常性の維持が困難になることが原因”

であることから、フレイルティの概念と同じであると考えられます。

以前にも握力は健康のバロメーターであるというニュースを紹介しましたが、フレイルティの診断項目には筋力(握力)の低下が挙げられており、握力の強さは重要な要素といえそうです。

握力は健康のバロメーター!?|握力低下は心臓発作・脳卒中リスク増加に関連によれば、カナダ・マクマスター大学(McMaster University)が主導した国際研究チームは、握力が健康のバロメーターになる可能性についての研究を行ない、その結果、握力が低下すると、心臓発作や脳卒中の発症リスクの増加に関係していることがわかったそうです。

握力が強いほど長生き?で紹介した厚生労働省研究班(研究代表者=熊谷秋三・九州大教授)の約20年間にわたる追跡調査によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、また循環器病発症リスクも低かったそうです。

■たんぱく質の摂取とフレイルティの関係

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは3年後の筋力の低下と関連し、さらに高齢女性の3年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されているそうです。

また、日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされています。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

■たんぱく質(アルブミン)不足対策

●たんぱく質(アルブミン)不足を予防するには、肉を食べるとよいそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?で紹介した熊谷修教授(人間総合科学大学人間科学部)によれば、肉をよく食べてアルブミンを上げたグループはほとんど食べないグループに比べて死亡リスクが低いそうです。

また、アルブミン値を上げるためには、鶏のささみよりも牛肉のほうが良いそうです。

それは、牛肉に含まれる「飽和脂肪酸(アルブミンを作り出すエネルギーとなる)」を一緒に摂ることができるからなのだそうです。

お肉を選ぶ場合には、脂身のある肉(豚肉やもも肉)のほうが良いそうです。

アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!?によれば、「15の食生活指針」に沿った食生活を実践してもらったところ、アルブミンは増加し、血色素の低下も見られなり、つまり、栄養改善の効果があらわれたそうです。

  1. 3食のバランスをよくとり、食事を抜かずにきちんと食べましょう。
  2. 油脂類の摂取が不足しないようにしましょう。
  3. 肉、魚、乳製品、卵などの動物性たんぱく質を十分に食べましょう。
  4. 肉と魚の摂取は1:1の割合にしましょう。
  5. いろいろな種類の肉を食べましょう。
  6. 牛乳は毎日200ml以上飲むようにしましょう。
  7. 野菜は緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草など)や根菜(大根、ごぼう、いもなど)など、いろいろな種類を毎日食べるようにしましょう。
  8. 食欲がないときは、おかずを先に食べ、ご飯の量を減らしましょう。
  9. いろいろな調理のしかたや、食品の正しい保存法を覚えましょう。
  10. 酢、香辛料、香り野菜(ねぎ、にんにくなど)を十分に取り入れましょう。
  11. 調味料を上手に使い、おいしく食べましょう。
  12. 和風、中華風、洋風といろいろな料理を食べましょう。
  13. 家族や友人との会食の機会をたくさんつくりましょう。
  14. 噛む力を維持するために、義歯は定期的に点検をしましょう。
  15. 「元気」のための健康情報をすすんで取り入れましょう。

※2から6までの5項目が、低栄養を防ぐための動物性食品や油脂類の摂り方に関する項目です。

お肉はタンパク質が豊富で、実はバランス栄養食品です。

野菜よりも鉄分が豊富で、かつ肉は野菜より鉄分の吸収率が5から10倍高い。

またビタミンも豊富で、特にビタミンB1は豚ヒレ肉100gでレモンの17倍含んでいるそうです。

さらにミネラルも豊富なのだそうです。

→ アミノ酸の多い食べ物・食品|アミノ酸を効果的に摂取するにはアミノ酸スコアを知ろう!

野菜不足が気になる方に!

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■10食品群チェックシート

「10食品群チェックシート」は、様々な種類の食材が摂れているかをチェックするシートです。

  • 牛乳(チーズなど乳製品)
  • 大豆
  • 緑黄色野菜
  • 果物
  • 海藻

10食品群チェックシート|PDF(NHKチョイス@病気になった時)

http://www.nhk.or.jp/kenko/choice/pdf/160430.pdf

10品目チェックシート|PDF(NHKためしてガッテン)

http://www9.nhk.or.jp/gatten/pdf/10hinmoku.pdf

■なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなの?

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

つまりは、中高年(メタボ対策)から高齢者(フレイル対応)への食習慣の移行ができていないために低栄養になってしまっていると考えられます。

【2つの未来予測】1.未病の観点から病気のサインを見つける、2.健康的なライフスタイルがお金のような価値を持つでは、「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないかと提案しました。

健康 → フレイル(高齢者の虚弱) → 要介護状態

フレイルという考え方はこの考え方に近いもので、高齢者は急に要介護状態になるのではなく、加齢に伴って次第に健康な状態から様々な老化の症状が現れてきて、要介護状態に進んでしまうため、フレイルの段階でしっかりと対策を行なうことにより、要介護の高齢者を少なくしていこうというものだと思います。

多くの人がフレイルという考え方を知り、次第に生活習慣を変えていくことによって、要介護になる人が減っていくといいですね。




→ オーラルフレイルを知って健康寿命を延ばそう|自分の歯が多く保たれている人は、健康寿命が長く、要介護期間が短い|東北大学 について詳しくはこちら




【参考リンク】
続きを読む 「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!|厚生労働省

【あさチャン】「完全栄養食(パーフェクトフード・完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!




2019年5月13日放送の「あさチャン」でパーフェクトフードの特集がありました。

■「完全栄養食(完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!

以前のブログで日清食品のAll-in PASTA(完全栄養食のパスタ)について取り上げましたが、「完全栄養食(完全食)」の成長性はあるのかどうか考えてみたいと思います。

完全栄養食(完全食)として注目しているのは、日清食品(All-in PASTA)、BASE FOOD(BASE PASTA/BASE RAMEN/BASE BREAD)、COMP(パウダータイプ/グミ/ドリンクタイプ)です。

日清食品(All-in PASTA)のページを見ると、アレンジレシピの提案だけでなく、麺とソースがカップにセットされお湯をかけるだけで簡単に調理ができるカップパスタセットもあることから、忙しい現代人でランチ難民だけど、栄養はしっかりと摂りたい人をターゲットにしていると考えられます。

BASE FOOD(BASE PASTA/BASE RAMEN/BASE BREAD)は、パスタ・ラーメン・パンと完全栄養食の横展開していることから、一つの食品の用途ではなく、バリエーションを持つことで完全栄養食の幅を広げようとしていると考えられます。

COMP(パウダータイプ/グミ/ドリンクタイプ)は、ビジネスマンやエンジニア、クリエイター、ゲーマーなど仕事で忙しい、趣味に没頭したいけど、栄養バランスの悪さも気になる(食の楽しみを求めるタイプではない)方をターゲットにしていることが考えられます。

■完全栄養食、4つのターゲットへのアプローチ

完全栄養食については4つのターゲットへのアプローチが考えられます。

1)偏食や子供の肥満、ヤセの問題などを栄養バランスを整えることを完全栄養食によって解決する

【クローズアップ現代(NHK)】女性の痩せすぎ問題|痩せ過ぎと低体重児・モデルのヤセ過ぎ問題20代女性の5人に一人が「やせ」|摂取カロリーは終戦直後よりも少なくなっている!?によれば、20代女性の5人に一人が「やせ(BMI18.5未満)」という状態であるそうです。

また、2013年の20代女性の平均エネルギー摂取量は、終戦直後よりも少ないそうです。

2)忙しい現代人のための栄養補給

アメリカ人の朝食をとる時間は平均で一日12分に減っている!?によれば、アメリカ人の朝食をとる時間は平均で一日12分までに減っているそうで、これは、昼食や夕食に費やす時間の約半分なのだそうです。

これは、母親が仕事を持つようになるといった変化によるもので、それだけではなく、子供を預けたり学校に送るといったことでさらに忙しくなっていることが関係しているようです。

アメリカ人の食生活が1日3食からスナック(軽食)を頻繁に食べる食習慣に移行している!?という記事を紹介しましたが、あまりにもみんなが忙しすぎて軽食を頻繁に食べる食習慣に移るというのもわかる気がします。

完全栄養食がその軽食(スナック)の中に入ることで栄養バランスを整えるということも考えられます。

3)どうしても食事の量が減ってしまって栄養のバランスがとりづらくなってしまった高齢者を助ける

要介護者の4割が低栄養傾向|家族の7割は「低栄養」の意味知らないで紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の4割が低栄養傾向にあることがわかったそうです。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

食品3Dプリンタで見た目も食感も楽しい介護食の開発|山形大学で紹介した山形大学工学部は食べ物を噛む力や飲み込む力が弱くなった人にも、食べ物の形や食感を楽しんでもらおうと3Dプリンタで作った介護食の開発に取り組んでいるそうです。

従来の高齢者向けの食べ物を小さく刻んだ「きざみ食」、ミキサーにかけてドロドロにした「ミキサー食」は見た目が悪く、またまとまりが悪いために帰って誤嚥を引き起こしやすいものであるという問題があります。

現在山形大学で開発されている3Dプリンタで作った介護食が完全栄養食であれば、栄養不足の高齢者を助けることができるでしょう。

4)食糧問題を解決する手段(爆発的に増加している人口を支えていけるだけの食料を作り出すことは不可能だと考えられている)

食料問題を解決する2つのアプローチ|「90億人の食」をどう生み出すか?|Farmbotが農業の問題を解決する!?によれば、日本だけを見れば高齢化社会であり人口が減少していっている国なのですが、世界的に見れば、世界人口は増え続けています。

記事によれば、2050年までに世界の人口は70億人から90億人に拡大すると予想されています。

そこで、将来必ず起こりうる問題が「食糧問題」です。

その問題をいろんな食品で解決しようとアプローチがなされているようです。

その解決策の一つして考えられているのが「完全栄養食」です。

■完全栄養食で考えておくこと

●暇になる時代に忙しい現代人の栄養補給を助ける完全栄養食の存在価値とは?

僕はインスタやFacebookがそろそろ終わると思っている|国光宏尚 gumi (Hiro Kunimitsu)|note(ノート)によれば、AI時代になると、モノを作る作業は人間がやる必要がなくなり、暇になるという仮説が立てられています。

つまり、完全栄養食のアプローチの中には、忙しい現代人の栄養補給を助ける一面がありますが、この仮説が正しければ、この分野での成長率はAI時代の浸透に伴って低くなることが考えられます。

時間が豊かになることで食事をより豊かな方向に求める人が増える可能性があるでしょう。(食糧問題を抜きにしておきます)

●食事には栄養を摂る以外の機能があること

もう一つ考えておくことは、食事には栄養を摂るという機能しかないのかという点です。

食事が不要になる完全栄養食「ソイレント(SOYLENT)」とは?|ソイレントだけを30日間飲み続けたらどうなるか?【動画】

Soylent: How I Stopped Eating for 30 Days

この動画では「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なったところ、他のものが食べられないというストレスのほかは肉体的には健康に異常は見られなかったそうです。

しかし、本当に栄養だけがとれればいいのでしょうか?

「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なった男性の健康診断を行った医師によれば、食事は単に栄養を補うだけでなく、人に喜びを与え、社交性を保つものであるとコメントしています。

介護に携わる方に話を聞いた際に驚いたのは、「食べる」という行為が人間にとっての喜びにつながっているという視点です。

高齢者の介護では3分炊き、5分炊きといったように介助レベルに応じて食事を作り、提供するのですが、本当に食事が難しくなると、おかゆの液体部分をすくったようなものを食事として提供するそうです。

そこまでいくと、腹部に穴を開けて胃に直接水分や栄養を送る「胃ろう」を選択してはどうかと考えることもあるそうです。

ただ、大事なのは、食事における噛んだり、飲み込んだりすることの大事さであり、そのことが食べることへの喜びにつながるため、その選択をするのは難しいとのことでした。

【参考リンク】

食事は香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しむことのできる一種のエンターテイメントであり、また、コミュニケーションを円滑にするためのツールでもあります。

●そもそも美味しいのか?

そもそも美味しくないと、食を入れ替えるという判断にはなりづらいですね。

BASE FOODがBASE PASTAをリニューアルした理由も一つはおいしくなかったからなのでしょうし、代替肉のBEYOND MEATが注目されているのも「美味しいから」という前提条件があるからです。

■まとめ

完全栄養食市場は、高齢者の低栄養の問題を解決する手段として、健康寿命を延ばす対策の解決手段として、そして、食糧問題を救う一つのアイデアとして魅力的な市場です!

食事の持つエンターテインメントの一面やコミュニケーションを円滑にするためのツールとしての一面を大事にしたところが完全栄養食のトップになるのではないでしょうか?

【追記(2019/7/10)】

「フードテック領域に料理人がほとんどいない」と書かれているnoteがありましたが、やはり前提条件として「そもそも美味しい」がなければ、新しい食・サービスに移行していかないはずです。

完全栄養食を含めたフードテック領域に料理人が活躍することが市場を広げるために欠かせないのではないでしょうか?







低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)

2010年4月28日放送のためしてガッテン(NHK)では、「まさか私が?急増する新型・栄養失調の恐怖」を取り上げました。

食べ物であふれるこの日本で栄養失調(低栄養)の人が増えているそうです。

ダイエットをしすぎて「栄養失調」になっているわけではなく、3食普通に食べている人や痩せていない人も栄養失調になっているそうです。

なぜ栄養失調(低栄養)の人が増えているのでしょうか?




【目次】

■低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)

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by Aisyah Hifni(画像:Creative Commons)

またそれは年代別に分けられる問題でもなく、70歳以上の6人に1人が栄養失調であり、若い女性にも増えているそうです。

そして、この状態のままにしておくと、貧血や骨折、肺炎、さらには脳出血まで引き起こす恐れがあるそうです。

■なぜ栄養失調が増えているのでしょうか?

この栄養失調は、血液中の「ある物質」が不足することによってなるそうです。

この物質が足りないと、血管や免疫細胞、筋肉などの組織がスムーズに作られなくなり、体にさまざまなトラブルが起こってしまうそうです。

このある物質とは、「アルブミン」。

アルブミンとはタンパク質の一種で、血液を流れている血清タンパク質のおよそ6割を占めています。

つまり低栄養とは「タンパク質不足」のことなのです。




■たんぱく質が不足すると、どうなるのでしょうか?

赤血球の材料が少ない→「貧血」

血管を作る材料が少ない→「脳出血」

免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核」

筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」

■なぜたんぱく質が不足してしまうのでしょうか?

低栄養になった人の食事を見てみると、食に偏りがありました。

以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていたのですが、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べるようになり、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまい、たんぱく質が不足してしまったようです。

高齢者の孤食が「低栄養」になるリスクを高めてしまうようです。

■まとめ

糖尿病高血圧などの生活習慣病を予防する食事をすることが、高齢者の食事として必ずしも良いというわけではないのですね。

簡単にバランス良い食事をすることが大事といってしまいがちですが、それぞれの食品・栄養素が持つ役割を知った上で、その年代に合わせた食事をしていきたいですね。

→ アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!? について詳しくはこちら




【関連記事】

続きを読む 低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)

高齢者の熱中症、6割が自宅で発症している!?その理由とは?

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■高齢者の熱中症、6割が自宅で発症している!?その理由とは?

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by Transformer18(画像:Creative Commons)

冷房我慢しないで…高齢者熱中症、6割が自宅で

(2011/7/30、読売新聞) 

昨年の夏に熱中症で救急搬送された65歳以上の患者のうち6割は自宅で発症していたことが、筑波大学と国立環境研究所の調査でわかった。

<中略>

高齢者は、熱中症にかかると重症化しやすく、暑さも感じにくくなる傾向がある。

筑波大学と国立環境研究所の調査によれば、2010年の夏に熱中症で緊急搬送された65歳以上の患者のうち6割が自宅で発症したそうです。

高齢者は暑さが感じにくくなる傾向があり、また、節電のために、冷房を我慢しているということも影響しているようです。

<汗ばむ季節>熱中症の意外な誤解 正しい知識で予防を

(2017/6/10、毎日新聞)

発症場所の1位が居間、2位が寝室、3位がトイレとの統計があるため、それらが発症の危険性が高い場所だと思われている。

現実には若者の熱中症患者のほとんどがスポーツや肉体労働の最中に屋外で発症しており、高齢者が日常生活の中で発症するケースは屋内と屋外が半々だという。

帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長によれば、熱中症の発症場所は統計上室内となっているが、居間は生活する時間が長い場所で、寝室は体調が悪くなって休んでいる場所で、トイレは吐いたりする場所であるため、家の中が熱中症の発症リスクが高いというわけではないそうです。

■65歳以上の高齢者が多い

高齢者が熱中症にかかりやすい理由|高齢者の世話をする人が注意する点|環境省
高齢者が熱中症にかかりやすい理由|高齢者の世話をする人が注意する点|環境省

参考画像:熱中症を防ぐには 高齢者と子どもの注意事項|環境省

熱中症で死亡した人の9割が屋内|65歳以上の高齢者やエアコン不使用のケースが多いで紹介した東京都監察医務院の死因調査によれば、死亡者全体の365人でみると、65歳以上は290人(79%)だったそうです。

高齢者が熱中症になりやすいのは、主に加齢による体の衰えが原因です。

1)暑さを感じにくくなる

気温の上昇に鈍感になり、脱水症状が始まっても自分で体の異変に気付きにくくなります。

熱中症を防ぐには 高齢者と子どもの注意事項|環境省

皮膚の温度センサーが鈍くなると、自律性体温調節の発動も遅れてきます。この行動性と自律性の体温調節の鈍化により、体に熱がたまり、熱中症の発生へと繋がります。

老化に伴い皮膚の温度センサーの感度が鈍くなることで、暑さを感じにくくなり、異変に気付きにくくなり、熱中症になってしまうのです。

2)熱放散能力が低くなる

暑いと体温調節を行ないますが、高齢者は若い人と比べると、熱放散能力(皮膚血流量や発汗量を増加して熱放散を促進する)が低いため、体に熱がたまりやすくなり、深部体温が高くなりやすいです。

3)体内の水分量の減少、のどの渇きを感じにくい

高齢になると、体内の水分量が減少することによって熱放散ができなかったり、高のどの渇きを感じにくいことや、腎機能が低下しているため、脱水状態に陥りやすいです。

その他にも、熱中症は、高血圧糖尿病など持病がある人も重症化しやすいので注意が必要です。

■熱中症対策(応急処置)

熱中症の応急処置|環境省熱中症予防情報サイト
熱中症の応急処置|環境省熱中症予防情報サイト

参考画像:熱中症の対処方法(応急処置)|環境省熱中症予防情報サイト

それでは、熱中症になったら、どうすればよいのでしょうか?

(1)涼しい場所に移し、衣服をゆるめてリラックスさせる

建物が近くにない場合には日陰で休ませましょう。

建物が近くにあればエアコンの効いた部屋で休ませましょう。

(2)首筋、脇の下、脚の付け根を(冷たいペットボトルなどを使って)冷やす

脈拍のとれる位置は血管が皮膚に近いため、そこを冷やすと、冷却された血液が全身を巡ることで、クールダウンします。

(3)顔が赤いときは頭を高く、青白ければ足を高くして寝かせる

(4)意識があり、嘔吐がなければ水分補給させる

水分だけでなく塩分などの電解質も失われていると考えられますので、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合された経口補水液を利用しましょう。

(5)皮膚が熱ければ、風を送ったり熱い部分にぬれタオルを当てる

(6)皮膚が冷たければぬれタオルをしぼり、冷たい部分をマッサージ

(7)意識がなかったり、急に体温が上がったらすぐ救急車を呼ぶ

<汗ばむ季節>熱中症の意外な誤解 正しい知識で予防を

(2017/6/10、毎日新聞)

三宅センター長は、Fluid(水分補給)▽Icing(冷やす)▽Rest(安静にさせる)▽Emergency call(救急車を呼ぶ)--の四つを挙げる。覚え方は「FIRE」。ただし、行う順番は逆からで、まず救急車を呼び、患者を涼しい所に運んで服を緩めて安静にさせ、首や脇の下や太ももの付け根を冷やして、できれば水分補給をさせる。

帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長によれば、熱中症の応急手当は「FIRE」で覚えるとよいそうです。

ただし、行う順番はつづりとは逆の順番で行なうそうです。

E(Emergency call:救急車を呼ぶ)

→R(Rest:涼しい場所に運んで安静にする)

→I(Icing:首筋、脇の下、脚の付け根など血管が皮膚に近い場所を冷やす)

→F(Fluid:水分補給)

■まとめ

筑波大学と国立環境研究所の調査によれば、2010年の夏に熱中症で緊急搬送された65歳以上の患者のうち6割が自宅で発症したそうです。

高齢者は加齢による身体の衰えが原因で、気温の上昇に鈍感になり、脱水症状が始まっても自分で体の異変に気付きにくくなります。

また、エアコンを使うのを我慢していることも影響しているようです。

→ 熱中症の症状・原因・対策 について詳しくはこちら







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続きを読む 高齢者の熱中症、6割が自宅で発症している!?その理由とは?

リハビリや高齢者のフレイル対策に!体重の負担を減らして有酸素運動を行なう反重力(空気圧・水中)トレッドミル(ルームランナー・ランニングマシン)




■体重(自重)の負担を減らして有酸素運動を行なうトレッドミル

AlterG anti-gravity treadmill at FIBO

by Health Gauge(画像:Creative Commons)

さまざまな方法で体重(自重)の負担を減らして有酸素運動を行なうトレッドミルについて取り上げてみたいと思います。

トレッドミルとは、ルームランナーやランニングマシンとも呼ばれる、屋内でランニングやウォーキングなどの有酸素運動を行なうトレーニングマシンですが、一つ問題があります。

それは、下肢への負担がかかることです。

そこで開発されているのが、体重(自重)の負担を減らして有酸素運動を行なうトレッドミルです。

自重の負担を軽減することによって、術後のリハビリを行いたい方や高齢者(フレイルの段階で対策を行ないたい方)の方、過体重のために運動すると膝や腰などを痛めてしまう恐れがある方などが有酸素運動を行なうことができるようになります。

体重の負担を減らす方法としては、空気圧を活用して体を浮かせた状態で行うものと水の中で体を浮かせる状態で行うものがあります。

■空気圧を活用した反重力トレッドミル

以前テレビでメジャー時代の斎藤隆投手が球団より足腰を鍛えるジョギングをする際に、下肢の重力を取り除いてランニング・リハビリを行なうように指示された映像を覚えています。

空気圧によって体を持ち上げることによって、下半身にかかる負担を抑えられ、また、転倒リスクを防止することもできます。

AlterG社のG-Trainer™はNASAのテクノロジーを活用して作られています。

宇宙では、骨損失と筋肉萎縮を防ぐために、宇宙飛行士はハーネスシステムのトレッドミルで運動していましたが、空気圧を活用したものに改良したものがG-Trainer™です。

‘Anti-Gravity’ Treadmills Speed Rehabilitation|NASA

Whatever the cause of an injury, rehabilitation can be painful, and patients often alter their gait, stride length, or body position to over-compensate for the pain. The G-Trainer reduces the effect of gravity and weight, which makes it more comfortable for a patient to focus on a normal, correct gait instead of worrying about more injury and pain. This allows patients to develop good habits and condition their muscles while their bodies are still healing.

リハビリにおいては苦痛を伴うものであり、患者はその痛みを補うために、歩き方や歩幅、体の位置を変更してしまいます。

リハビリの際にケガや痛みをかばうことで、正しい歩行ができなくなってしまう恐れがあると考えられます。

#錦織圭 選手のコンディショニング戦略(栄養管理・ピリオダイゼーション・ケガの予防)|#テニスで紹介したパーソナル・トレーナーの中尾公一さんによれば、ケガの予防には「アライメント(姿勢)」「正しい動き」「それを維持する筋力」の3つの点へ注意する必要があるそうです。

骨の位置がそれぞれ正しい位置にあり、正しい動きができ、それを維持できれば、事故的なケースを除いて、ほとんどのケガを防ぐことができるそうです。

そこで、重力と体重の影響を軽減することにより、ケガや痛みの心配を減らすことによって、より正しいリハビリができるようになることが期待されます。

AlterG – Running, Injury and Rehab Equipment|YouTube

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■水中トレッドミル

水中トレッドミルは、水によって体を浮かせることによって、下肢への負担を軽減し、トレーニングやリハビリを行なうことができます。

ただ気になる点があるとすれば、傷がある場合や手術後のリハビリの場合のように、傷口などからの感染症リスクがあるためその場合には使用が難しいのではないかという点と全身に水の負荷がかかるためフォームが崩れる可能性がないのか、水によるという点です。

Underwater treadmill|YouTube

Underwater Treadmill|The University of Maine|YouTube

Underwater Treadmill

【参考リンク】

■まとめ

75歳以上同士の「老老介護」初の30%超|65歳以上同士の「老老介護」は過去最高54%に|平成28年国民生活基礎調査によれば、介護をする側と介護を受ける側の両方が高齢者の組み合わせである「老老介護」が話題になっていますが、平成28年国民生活基礎調査で発表された、同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、60歳以上同士70.3%、65歳以上同士54.7%、75歳以上同士30.2%となっており、また年次推移でみると、上昇傾向にあるのがわかります。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した平成28年国民生活基礎調査によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

例えば、介護施設で「パワーリハビリ」を導入 約8割に介護度を改善したり重症化を防ぐ効果|弘前によれば、弘前市内の介護施設が専用マシンで筋力アップのトレーニングを行う「パワーリハビリ」を取り入れたところ、約8割の人に介護度を改善したり重症化を防ぐ効果があったそうです。

今回紹介した空気圧を活用したトレッドミルや水中トレッドミルのように体への負担を軽減しながら有酸素運動ができるマシンを活用すれば、高齢者が要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるのではないでしょうか。







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