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肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが運動の効果を無効にする|運動効果に個人差がある原因の一つを解明|金沢大学【論文・エビデンス】

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肝臓で作られるホルモン「セレノプロテインP」が血糖値を上げ、インスリンによる糖尿病治療を邪魔していることを発見されていましたが、今回の研究では、セレノプロテインPが、運動の効果を無効にすることがわかりました。




【目次】

■肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが運動の効果を無効にする

肝臓から分泌されたヘパトカインであるセレノプロテインPは、筋において受容体LRP1を介して作用し、運動抵抗性を誘導する
2型糖尿病や脂肪肝の患者の一部では、過剰に産生されたセレノプロテインPが受容体LRP1を通じて筋肉で作用します。筋に取り込まれたセレノプロテインPは、GPX1やSeWなどの抗酸化タンパクを誘導します。その結果、運動で生じる活性酸素の量が抑えられてしまうため、運動したとしてもその健康増進効果が出ない病態「運動抵抗性」に陥ります。

参考画像:肝臓ホルモン「ヘパトカイン」が運動の効果を無効に 運動の効果に個人差がある原因の一つを解明!(2017/2/28、金沢大学・同志社大学・筑波大学・科学技術振興機構(JST))|スクリーンショット

肝臓ホルモン「ヘパトカイン」が運動の効果を無効に 運動の効果に個人差がある原因の一つを解明!

(2017/2/28、金沢大学・同志社大学・筑波大学・科学技術振興機構(JST))

研究グループは、2型糖尿病、脂肪肝の患者、高齢者で多く発現している「ヘパトカイン」であるセレノプロテインP注3)に着目して研究を行いました。

マウスや細胞の実験によって、過剰なセレノプロテインPは、受容体であるLRP1注4)を介して筋肉に作用することで、運動したにもかかわらず、その効果を無効にする「運動抵抗性」という病態を起こすことを見い出しました。

また、セレノプロテインPを生まれつき持たないマウスでは、同じ強さ・同じ時間の運動療法を行っても、通常のマウスと比べて運動のさまざまな効果が倍増することが分かりました。

さらに、健常者を対象にした臨床研究では、血液中のセレノプロテインPの濃度が高かった人は、低かった人に比べて、8週間の有酸素運動トレーニングをしても運動の効果が向上しにくいことが分かりました。

金沢大学の金子周一教授、篁俊成教授、御簾博文准教授らの研究グループによれば、肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが、受容体であるLRP1(Low densiity lipoprotein receptor-related protein 1)を介して骨格筋に作用することで、運動を行なってもその効果を無効にしてしまう「運動抵抗性」という病態を起こしていることを発見したそうです。




■研究の背景

運動不足が肥満糖尿病高血圧脂肪肝などの様々な生活習慣病につながっており、これらの生活習慣病の予防や治療には運動することを薦められていますが、運動してもあまり効果が得られない人がいることがわかっていたそうです。

■金沢大学における「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPに関する研究

血糖値上げる肝臓ホルモン「ヘパトカイン・セレノプロテイン P」発見=糖尿病の新たな治療法に期待|金沢大(2010/11/6)

金沢大の金子周一教授らの研究チームは、
肝臓で作られるホルモン「セレノプロテインP」が血糖値を上げ、インスリンによる糖尿病治療を邪魔していることを発見しました。

糖尿病患者を調査したところ、抗酸化物質セレンを運ぶ役割を持つ「セレノプロテインP」と呼ばれるホルモンの血中濃度が高いことに着目し、マウス実験でセレノプロテインPを打ったマウスは血糖値が上がりインスリンが効きにくくなることや肝臓でのセレノプロテインP生成を抑える薬を打ったマウスは血糖値が下がることも分かったそうです。

肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、他の臓器におけるインスリン抵抗性が強い!?|金沢大学(2014/3/28)

金大医薬保健研究域の篁俊成教授と金子周一教授らの研究グループは、肝臓に付いた脂肪が、血糖値を下げるインスリンの働きを、筋肉など肝臓以外の部位でも妨げることを確認しています。

この研究のポイントは、肝臓に蓄積した脂肪が多いほど、肝臓と離れた場所に存在する骨格筋でインスリン抵抗性が強いということです。

※インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪などでのインスリンの働きが低下する状態で、インスリン抵抗性が強いと、糖尿病脂肪肝メタボリックシンドローム高血圧脂質異常症高脂血症)・動脈硬化を招く原因となります。

骨格筋についた脂肪は他の臓器におけるインスリン抵抗性とは関連しておらず、肝臓に蓄積した脂肪が多いほど他の臓器におけるインスリン抵抗性が強いことから、肝臓と全身をつなぐ何らかのネットワークが存在すると考えられるそうです。

1.肝臓の脂肪量は、肝臓だけでなく、骨格筋のインスリン抵抗性と強く関連する

肝臓に蓄積する脂肪量が多いほど、肝臓および肝臓と離れて存在する骨格筋のインスリン抵抗性が強いそうです。

2.骨格筋についた脂肪は、肝臓などのほかの臓器のインスリン抵抗性と関連しない

3.体脂肪量は、脂肪組織のインスリン抵抗性と関連しない

以上のことから、脂肪肝の悪化は、肝臓だけでなく、全身のインスリン抵抗性の悪化において中心的な役割を果たしており、また肝臓と骨格筋を結ぶ何らかのネットワークの存在があることが考えられます。

研究グループによれば、肝臓から分泌される「ヘパトカイン」が骨格筋のインスリン抵抗性の原因になっている可能性があると考えて研究を進めているそうです。

■まとめ

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by ThoroughlyReviewed(画像:Creative Commons)

セレノプロテインPの血中濃度は、2型糖尿病や脂肪肝の患者、高齢者で上昇していることが報告されています。このような方たちは、セレノプロテインPが過剰にあるため、運動を行ったにもかかわらず、その効果が起こらないという病態が身体の中で生じている可能性があります。
今後、セレノプロテインPの肝臓での産生を抑える薬や、筋肉での受容体であるLRP1に拮抗する薬を探すことで、運動の効果を高める「運動効果増強薬」の開発につながることが期待されます。

今回の研究で、肝臓から分泌されるホルモン「ヘパトカイン」であるセレノプロテインPが骨格筋に作用することで、運動を行なってもその効果を無効にしてしまうことがわかりました。

これまでこのブログでは脂肪肝の予防・改善に運動をすすめていましたが、人によってはその効果が得にくい人がいることがあるとわかりました。

【関連記事】

今後この研究が進むことで、血液中のセレノプロテインP濃度をあらかじめ測ることによって、事前に運動効果が得られやすい方と得られにくい方を予測したり、セレノプロテインPの産生を抑える薬や、筋肉での受容体であるLRP1に拮抗(互いに反対の作用を同時に行う)する薬を探すことで、運動の効果を高める「運動効果増強薬」の開発ができれば、同じような運動効果を得られるようになることが期待されます。







【参考リンク(論文・エビデンス)】
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ダイエットに成功してもリバウンドは「1年続く」ことが明らかに!

ダイエット > ダイエットに成功してもリバウンドは「1年続く」ことが明らかに!




【目次】

■ダイエットに成功してもリバウンドは「1年続く」ことが明らかに!

look at me.

by Selina(画像:Creative Commons)

ショック!なんとリバウンドは「1年続く」ことが明らかに

(2012/4/7、マイナビニュース)

ダイエットに成功しても、その後一年間は、元の体重に戻そうとするホルモンが出続けることがオーストラリアの研究で明らかになりました。

研究者たちは肥満の被験者をダイエットさせた後、血液中にある食欲に影響を与える9つのホルモンの量を調べ、減量前後で比べた結果、9つのうち6つのホルモンがバランスを崩して食欲を促進させていることを突き止めました。

オーストラリアの研究によれば、ダイエット後、1年間は元の体重に戻そうとするホルモンが出続けることがわかったそうです。

■空腹ホルモン「グレリン」

ダイエット中に気を付けたいホルモンは、別名“空腹ホルモン”とも言われているグレリンです。

<中略>

グレリンが高くなると体は食事を求めて脳に働きかけるので、今までよりさらに食欲旺盛になり、リバウンドしてしまいます。

グレリンとは、脳の食欲中枢を刺激して食欲を感じさせる作用をもつホルモンで、グレリンが増えると、食欲が増してしまいます。(睡眠不足が太る原因?

※ちなみに、グレリンとは、成長ホルモンを分泌を促進する物質として期待されています。(成長ホルモンの分泌を促進する物質「グレリン」とは

■満腹ホルモン「レプチン」

満足感を感じるホルモンは、別名“満腹ホルモン”と呼ばれているレプチンです。こちらは、脂肪細胞から分泌されているので、ダイエット後に減ってしまうのは仕方ありません。

レプチンには“抵抗性”があり、とくに高脂肪食を摂るとさらにレプチンを感じにくくなってしまいます。よって、ダイエット後は高脂肪食にはとくに気をつけた方が良いです。

レプチンとは、脳の満腹中枢を刺激して食欲を抑える働きをもつホルモン(睡眠不足が太る原因?)で、グレリンとレプチンが、空腹と満腹のバランスをとっているのです。

※ちなみに、一晩寝不足しただけでも、グレリンの過剰とレプチンの低下は起こる、つまり、太りやすい体になるようです。




■ダイエット後は、タンパク質を摂って空腹感を抑える!

オーストラリアなどの研究では、たんぱく質が多いほど食べる量が減らせ、空腹感も抑えられるという結果も出ています。

たんぱく質を総摂取エネルギーの15%以上にすると、良いとのことです。また、同様に米国の研究でも高たんぱく食を朝食に摂ることで空腹感が減少すると発表しています。

タンパク質を多く食べるほど空腹感が抑えられるそうです。

また、体内時計のリセットにも朝食にタンパク質を摂ることは欠かせません。

体内時計 ダイエット|たけしの家庭の医学 5月25日

時計遺伝子が一日ごとにリセットされ、また新たに時計の針を動かしている。

体の場所によってリセット方法が違う。

脳:朝日がリセット方法

朝日を浴びることで脳のリズムがスタート

内臓:朝食がリセット方法

※内臓の時計遺伝子をリセットするには、たんぱく質が必要。

朝食にタンパク質を取ることで、その刺激が小腸に到達し、小腸の時計遺伝子を動かす。

すると、その信号が胃や肝臓にも伝わり、エネルギー代謝がはじまる。

そのため、タンパク質の少ない朝食の場合は、時計遺伝子はリセットされず、内臓の機能も低下したままになります。

すると、すでに活性化している脳が、栄養分が入っていないことを感知し、体が飢餓状態にあると判断します。

そのような状態で昼食をとると、飢餓状態に対応するため、体内に脂肪をため込む機能がスタート。

脂肪がエネルギーとして消費されず、コレステロール量が増加してしまう。

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運動の30分後に食事を摂ると太りにくい?(森谷敏夫)|たけしのニッポンのミカタ 1月28日

2011年1月28日放送のたけしのニッポンのミカタでは、ダイエットの新常識が取り上げられました。




□ 『太らない(太りにくい)食事の時間』-森谷敏夫(京都大学大学院教授)

せっかく運動しても余計お腹が空いて食べてしまう!という悩みを持つ人も多いが、森谷氏は、「それは食事をするタイミングが悪い」と話し、食事は運動の30分後が良いと主張する。

番組で、食事の前に運動した時と運動しなかった時で食欲にどのような変化が起こるのか?を実験したところ、運動をしなかったときに比べて、食事の量が減っていました。

なぜ、このようなことが起きたのでしょうか?

それは、運動中に食欲を抑えるホルモンがでるためなのだそうです。

※運動をすると、腸から食欲抑制ホルモンの分泌が増加

運動による食欲抑制ホルモンの分泌量は、運動し始めてから増え始め、運動後1時間は高い分泌量を維持し続けているため、運動の30分後に食事をすると、食欲抑制ホルモンの働きで、食事量が少なくてすむそうです。

つまり、このやり方を行なえば、食事の摂取カロリーを抑制+運動によるカロリー消費という相乗効果があるようです。

この学説は、最近になって発見され、アメリカのスポーツ医学で注目されているとか。

□どんな運動がいいのでしょうか?

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で食欲抑制ホルモンの分泌が増すそうです。







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体脂肪とは|脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンと悪玉ホルモン




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■体脂肪とは|脂肪細胞から分泌される善玉ホルモンと悪玉ホルモン

Feeling Fat.

by Caitlin Regan(画像:Creative Commons)

体脂肪ってこうやってつくのか!

(2010/4/19、日経ウーマンオンライン)

まず、ぜい肉の正体は「体脂肪」。これは「皮下脂肪」と「内臓脂肪」の二つを総称したもの。

全部合わせると体重の約20%を占める、大きな組織だ。

ちなみにこの脂肪の割合がおなじみの「体脂肪率」で、肥満の人は30%を超える。

いわゆるぜい肉と呼ばれるものは、体脂肪であり、体脂肪は皮下脂肪と内臓脂肪の2つの総称。

■皮下脂肪とは?

皮下脂肪は、文字通り皮膚の下にある脂肪の層。

つく場所によって厚さに違いはあるが、体表面全体を覆っており、体の熱を維持したり、外からの刺激を受け止め、和らげるクッションの役割も果たす。

皮下脂肪は比較的イメージもしやすく、わかりやすいですよね。

ただ、皮下脂肪にもしっかりと役割があり、体の熱を維持し、クッションの役割があるということは忘れてはいけません。

■内臓脂肪とは?

皮下脂肪のわかりやすさに比べ、間違って理解されやすいのが内臓脂肪だ。

そのネーミングから、個々の臓器のまわりにびっちり付着した脂肪の塊をイメージする人も多いが、実際の内臓脂肪は、お腹の中の、内臓が納まっている空間部分(腹腔(ふくくう))の前面に主に存在し、カーテンのように垂れ下がっている。

「大きさからいっても形状からしてみても、ちょうどエプロンのようなもの」と、脂肪組織に詳しい東京農業大学の田中越郎教授は説明する。

記事にも書かれている通り、内臓脂肪は間違ってイメージしている人もいるのではないでしょうか。

実際私も内臓の周りに脂肪がついているというイメージを持っていました。

しかし、実際は、胃のすぐ下あたりからエプロンのように垂れ下がっているそうです。

さらに細かく見ていくと、皮下脂肪も内臓脂肪も、脂肪細胞が無数に集まってできている。

脂肪細胞は、中性脂肪を大量に抱えこんで、ぼわっと膨張した状態の細胞。

普通の細胞に比べて、容積がなんと数百倍!

細胞としては極めて異質で、おばけみたいな存在だ。

普通の細胞に比べて、脂肪細胞は容積が数百倍もあるそうです。

これは、脂肪細胞には、飢餓に備えてエネルギーを貯蔵するという役割があったからであり、ある意味人類の飢餓との歴史を示すものでもあります。




■脂肪細胞から分泌されるホルモン

飢餓(きが)に備えて、余ったエネルギーを貯蔵するというのが脂肪細胞の大きな役割だが、実は、単なる中性脂肪の貯蔵庫ではなく、様々なホルモンを分泌して体の機能を調整する働きがあることもわかっている。

脂肪細胞から分泌される大切なホルモンの中で代表的なのは、レプチンやアディポネクチン。レプチンは食欲を抑えて食べすぎを防ぐ働きがあり、アディポネクチンは、傷付いた血管の修復に働く。「脂肪憎し」といえど、適量の脂肪は、こうした“善玉ホルモン”の分泌のためには不可欠なのだ。

ところが、脂肪細胞が中性脂肪をためこみ過ぎて肥大化すると、本来のホルモン分泌のメカニズムが狂い、異常事態が起こる。血栓を溶けにくくするPAI-1(パイワン)、糖尿病を引き起こすTNF-αといった悪い作用をもたらす“悪玉ホルモン”が分泌され始めるのだ。

ちなみに、内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、こうした悪玉ホルモンを分泌しやすい。皮下脂肪が多くてぽっちゃりしている人より、スリムだけどお腹だけが出ているメタボ体形の人の方が生活習慣病になりやすいと言われるのはこのためだ。

●脂肪細胞から分泌されるホルモン

<善玉ホルモン>

レプチン:食欲を抑えて食べ過ぎを防ぐ働き

アディポネクチン:傷付いた血管の修復に役立つ

<悪玉ホルモン>

PAI-1:血栓を溶けにくくし、動脈硬化を引き起こす

TNF-α:インスリンの効きを悪くし、血糖値を下がりにくくして、糖尿病を引き起こす

→ 内臓脂肪を減らすには|内臓脂肪の落とし方 について詳しくはこちら




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低体温になると不調を招く理由とは?|免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減ることで免疫力が落ちてしまう

健康・美容チェック > 低体温> 低体温になると不調を招く理由とは?|免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減ることで免疫力が落ちてしまう

【目次】




■低体温になると不調を招く理由とは?

sneezy

by kaex0r(画像:Creative Commons)

低体温になると体にさまざまな不調を招きますが、その理由とは何なのでしょうか。

運動不足の人に“低体温”解消体操

(2010/11/18、日経ウーマン)

低体温になると様々な不調を招く。

その第一の理由は、「免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減るので、カゼなど様々な病気になりやすくなるから」と新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授は指摘する。低体温になると疲れやすくなるのもそのためだ。

新潟大学大学院医歯学総合研究科の安保徹教授によれば、低体温になると、免疫力をつかさどる血液中のリンパ球の数が減ることで免疫力が落ちてしまうために、風邪などにかかりやすく、疲れやすくなると考えられるそうです。

また、血の巡りが悪くなっているので、体中の細胞が必要とする栄養素や酸素をスムーズに運搬できない。そのため、体全体の機能が低下してしまう。

例えば、肌にはツヤがなく顔色も悪く、肩や首の凝りがひどくなる。体の内側では、胃や腸などあらゆる器官の働きが落ち、下痢、食欲減退などにつながる。体の中で働く酵素も37℃くらいで最も活性が高まるので、低体温ではその働きが落ちる。

また、血行が悪いために体の細胞が必要とする栄養素や酸素が運搬できないために、体の機能が低下してしまうそうです。

体の低下の例としては、肌の艶がなくなったり、顔色が悪くなったり、肩こりや首のコリがひどくなり、下痢や食欲減退などが挙げられます。

女性にとって怖いのは、低体温がホルモンバランスの崩れにつながるということだ。

「事実、不妊に悩む女性には低体温の人が多い。低体温が解消したら妊娠できたというケースも多い」とクリニックハイジーアの矢崎智子院長は指摘する。体温をコントロールする自律神経系とホルモン系は関わりが深く、自律神経の働きが乱れるとホルモンのバランスにも影響すると考えられる。

低体温によって、自律神経の働きが乱れ、ホルモンバランスが崩れてしまうことにより、不妊に悩む人が増えているそうです。

クリニックハイジーアの矢崎智子院長によれば、低体温が解消したら妊娠ができたというケースも多いそうです。

→ 体温を上げる方法 についてはこちら

→ 低体温|低体温の改善・原因・症状 についてはこちら




■低体温改善方法

冷たい食べ物や甘い食べ物をあまり食べないようにする

糖分には体を冷やす作用があり、低体温の原因となるので、できるだけ食べないようにする。

温かい飲み物を飲んで低体温改善!

旬の野菜や果物を摂取して低体温改善!

食べない系ダイエットは避ける

食事をすると、体内に吸収・分解される際に、熱が発生します。

食事誘発性熱産生といいます。

たんぱく質は熱に変わりやすいので、たんぱく質の摂取を忘れない

基礎代謝をアップして痩せやすい身体を作る4つの方法によれば、筋肉をつけるためには、運動することだけではなく、筋肉を作る材料となるたんぱく質を摂取することが大事です。

低体温の人が増えている理由の一つには、デスクワークが増えたり、運動する機会が減るなどして、筋肉量が減少していることが挙げられます。

たんぱく質を摂取し、運動する機会を増やして、熱のもととなる筋肉を付けたいですね。

運動で低体温改善!

運動不足になると、血液を送る筋力が低下し、低体温の原因となるので、積極的に運動して筋肉を鍛えましょう。

第2の心臓とも呼ばれるふくらはぎが動き、そのポンプ作用で血流が良くなります。

また筋肉を使うことで体温が上がります。

ウォーキングやスクワット・スロトレなどがオススメ。

お風呂にゆっくり浸かる

お湯に浸かると、身体が温まり、血液の循環がよくなり、疲れもとれ、健康にもダイエットにも効果的。

また、ストレスがかかりやすい現代人の生活の中ではリラックスする方法としてもお風呂の時間を大事にしたいものです。

お風呂にゆっくりつかることで体が温まるだけではなく、リラックスすることで自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが整うことが期待されます。

さらには、低体温になると、血流が悪くなり、肌に栄養がいきわたらず、老廃物の代謝が低下してしまうため、肌の不調が出てくるので、美容のためにも、お風呂にゆっくりつかるのはよいのではないでしょうか。

●オススメ入浴法:ストレッチ入浴法

40度~42度のちょっと熱いと感じる程度のお湯を用意し、入浴時間は10分間。

最初の5分は寝るようにして首までしっかり浸かり、残りの5分は起き上がり座った姿勢で胸元を出してリラックス。

※入浴前は足元からかけ湯を行うこと。

1.お湯は40~42℃で2分間首まで浸かる。

2.2分経ったら上半身のストレッチ

両肘を後ろに突っ張り胸をはる

左右の肩甲骨をくっつけるように背筋を伸ばし5つ数える(2回)

(思いっきり力を入れて背筋を伸ばすのがポイント)

3.下半身のストレッチ

入浴から5分後起き上がり胸元まで体を出す

坐禅のように脚を組む

足の指先を手で握り引き寄せるように足指を伸ばす

5つ数えたら手を離し足を伸ばす。(2~3回)

(足を伸ばすことで血液がしっかり流れる)

4.10分たつまでゆっくり浸かる

【参考記事】

お酒の飲みすぎに気をつける

タバコを控える

タバコは急激に血管を収縮させてしまい、血液の流れが悪くするともに基礎代謝も低下させてしまうためです。

 ヘスペリジン

グリコ健康科学研究所によれば、冷えを感じる女性が「ヘスペリジン」に糖を結合させた「糖転移ヘスペリジン」を摂取すると冷水で冷やした手の皮膚表面温度の回復を早めることが分かったそうです。

また、あらかじめ糖転移ヘスペリジンを摂取しておくと、冷房が効き過ぎていても、手足の冷えが抑えられるそうです。

【関連記事】

冷え性のツボ

足の冷え解消のツボ:築賓(ちくひん)の位置・押し方

足の冷えと腰痛解消のツボ:胞肓(ほうこう)の位置・押し方

下腹の冷え解消・更年期障害・月経不順のツボ:三陰交(さんいんこう)の位置・押し方

足の冷え改善のツボ:八風(はちふう)の位置・押し方

下半身の血流改善のツボ:臀中(でんちゅう)の位置・押し方

マッサージ

冷えと肌荒れに共通するのが、血行不良。

冷えは血行不良が原因の一つであり、血行が悪いと新陳代謝が落ちるため、肌荒れが起きやすくなるそうです。

また、ユースキン製薬が男女約800人に調査したところ、かかと荒れがある人のうち約8割が「冷えの自覚がある」と答えています。

冷えと肌荒れ防止のために、マッサージクリームを使ってマッサージをすると、冷え対策・肌荒れ対策になり一石二鳥ですよね。

特に、ふくらはぎのマッサージを入念にやるとよいそうです。

ふくらはぎは血液を送るポンプの役割を果たしていて、ふくらはぎをマッサージをするとその機能を補うことが出来ます。

【参考記事】

→ 体温を上げる方法!温活・低体温改善方法(食事・運動) について詳しくはこちら







【補足】

免疫をになう細胞「マクロファージ」が体温で活発になる仕組みを解明―過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム―

(2012/4/10、自然科学研究機構 生理学研究所)

普段、体温ではTRPM2は反応しませんが、病原体にたいする免疫反応で過酸化水素が産生されるとTRPM2のスイッチがオンになり、体温でも働くようになります。さらに発熱すると、その働きが強まることがわかりました。

自然科学研究機構・生理学研究所の加塩麻紀子研究員と富永真琴教授は、免疫反応によって産生される過酸化水素によって温度センサーであるTRPM2(トリップ・エムツー)が体温で活性化するようになる仕組み、そしてTRPM2が体温を感じてマクロファージ(免疫を担い病原体や異物と戦う)の働きを調節する仕組みを明らかにしました。

病気になったときに発熱することがありますが、このTRPM2が体温でマクロファージの働きを調整する仕組みが、発熱によって免疫力が上がるメカニズムに関係しているかもしれないそうです。

 低体温関連ワード

低体温

冷え性改善方法|冷え症の症状・原因・末端冷え性(手足の冷え)