高橋名人、心筋梗塞によるバイパス手術受けていた「もしかしたら突然死という場合もあった」(2025年1月16日、オリコン)によれば、胸が苦しい症状で主治医に相談したところ、心臓の専門病院で診てもらうこととなり、検査を受けた結果、心筋梗塞のためバイパス手術を受けたそうです。
今回のニュースのポイントは高橋名人さんが感じた「階段を登った時に息苦しさが出ていた」という心筋梗塞のサインです。
ご本人はコロナ禍だったため運動不足によるものと思っていたそうですが、こうしたサインを見逃さないことが早期発見には重要ですね。
他にもいろんなサインがあるので覚えておくといいかもしれません。
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■虚血性心疾患とは?
虚血性心疾患の代表例は、狭心症や心筋梗塞です。
→ 心筋梗塞 について詳しくはこちら
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の4大危険因子は、糖尿病・高血圧・脂質異常症・喫煙です。
→ 糖尿病 について詳しくはこちら
→ 高血圧 について詳しくはこちら
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■虚血性心疾患のリスクを下げるには?
●食事からのマグネシウム摂取量が多いグループは虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の発症リスクが低い|#国立がん研究センター
参考画像:食事からのマグネシウム摂取量と虚血性心疾患発症との関連-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果-(2017/9/8、国立がん研究センター)|スクリーンショット
国立がん研究センターと国立循環器病研究センターの共同研究によれば、食事からのマグネシウム摂取量と循環器疾患(脳卒中及び虚血性心疾患)との関連を検討したところ、マグネシウム摂取量が多いグループは虚血性心疾患の発症リスクが低いことがわかったそうです。
→ マグネシウムの多い食品 はこちら
●魚、果物、大豆による循環器疾患の発症リスク
多目的コホート研究の先行研究では、魚、果物、大豆による循環器疾患の発症リスクの低下が報告されています。
魚・n-3脂肪酸摂取と虚血性心疾患発症との関連について|多目的コホート研究
魚を多く食べるグループで虚血性心疾患のリスクが低下
n-3系多価不脂肪酸摂取量が多いグループで虚血性心疾患のリスクが低下
多目的コホート研究によれば、魚やオメガ3脂肪酸の摂取量が多いと、虚血性心疾患に予防的な効果があるということが示されています。
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野菜・果物と全がん・循環器疾患罹患との関連について|多目的コホート研究
果物で循環器疾患のリスク減
果物の摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループより循環器疾患リスクが19%低いという結果が出ましたが、野菜と循環器疾患リスクとの関連はみられなかったようです。
大豆をよく食べる女性グループで脳梗塞・心筋梗塞のリスクが低下
大豆を週に5日以上摂取するグループで、週に0-2日摂取するグループに比べて、脳梗塞のリスクが0.64倍、心筋梗塞のリスクが0.55倍、循環器疾患による死亡リスクが0.31倍と低いことがわかっています。
●なぜ喫煙によって虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)リスクが上がってしまうのか?
喫煙は、糖尿病・高血圧・脂質異常症と並び、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)の4大危険因子の1つなのだそうです。
なぜ喫煙によって虚血性心疾患リスクが上がってしまうのでしょうか。
喫煙によって、直接血管の壁が傷害され動脈硬化が促進されます。
それだけでなく、喫煙は、血清脂質に悪影響を及ぼし、善玉のHDLコレステロールを減少させ、悪玉のLDLコレステロールを増加させたり、ニコチンを介して血圧上昇させたりすることによって動脈硬化促進を助長させます。
また、フィブリノーゲンなどの凝固因子を増加させ、血小板の粘着及び凝集を高め血栓が形成されやすい(血が固まりやすい)状態となり、血管も収縮しやすくなるので、心筋梗塞の引き金となります。
血管がぼろぼろになる、血液がどろどろになるというのは、決して食事や運動などだけの問題ではないのです。
喫煙が健康への影響について記事の中から簡単にまとめてみました。
- 動脈硬化の促進
- HDLコレステロールの減少
- LDLコレステロールの増加
- 血圧上昇
- 血栓が形成されやすい状態にする
- 血管収縮
喫煙により虚血性心疾患のリスクは約3倍になるそうです。
また、1日の喫煙本数が多いほど心筋梗塞のリスクが増加することがわかったそうです。
逆に、禁煙すると、2年以内で虚血性心疾患の発症リスクが低下したそうです。
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