「Technology」カテゴリーアーカイブ

lung-on-a-chip|肺の仕組みを簡略化してマイクロチップに表現

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参考画像:Human-Organs-On-Chips: Exhibit Video|Vimeoスクリーンショット




■lung-on-a-chip|肺の仕組みを簡略化してマイクロチップに表現

花王・カネボウも化粧品の動物実験廃止へ--資生堂などに続き

(2015/6/25、オルタナ)

花王はこのほど、ソフィーナやカネボウを含む化粧品全ブランド(医薬部外品を含む)について、開発段階での動物実験を廃止したことを明らかにした。動物実験が虐待に当たるとのNPOの批判や、欧州委員会の販売規制に対応した形だ。日本の大手化粧品メーカーで動物実験を廃止したのは、資生堂、マンダム、コーセー、ポーラ・オルビスホールディングス、日本メナード化粧品、ノエビアホールディングスに続き7社めとなる。

化粧品メーカーによる動物実験の廃止が世界的な流れとなる中、今後は、医療の分野でも動物実験が廃止していく流れとなっていくのではないでしょうか。

[vimeo]https://vimeo.com/116674365[/vimeo]

さよなら動物実験。人体の器官のテストキットがベストデザイン賞を受賞

(2015/6/24、ギズモード)

ハーバード大学のウィス研究所が発表した「lung-on-a-chip(チップ上の肺)」

<中略>

「lung-on-a-chip」のように、生物学にもとづいたマイクロデバイスで人間の臓器を再現する。これによって動物実験をなくし、低コストですばやく新しい治療を患者に届けることが可能になります。

ハーバード大学のウィス研究所が発表した「lung-on-a-chip」は肺の仕組みを、簡略化してコンピューターチップに表現したものといえそうです。

研究者いわく、バクテリアを流して感染を起こして白血球が攻撃する様子をつくりだすことも可能。また、吸い込んでいる化学物質を定期的に送れば、空気汚染が肺に与える影響も観察、新薬のテストもできます。

大事なことは、デザインとして優秀なだけでなく、テクノロジーとしても素晴らしく、また低コストの治療法の可能性を高め、なおかつ動物実験をなくしていくことができる素晴らしいアイデアだということです。

デザインとして美しいだけでなく、動物実験をなくして患者を幸せにすることもできる。

デザイン×テクノロジー×医療×科学によって、様々な可能性が見えてきそうです。







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#Apple の医療技術チームの最終目標は、#healthkit を診断改善の手段にすること!?

iPhone 5 with Health

by Health Gauge(画像:Creative Commons)




■Appleの医療技術チームの最終目標は「ヘルスキット」を診断改善の手段にすること!?

米アップルが「ヘルスキット」の機能拡大へ、診断の手段に-関係者

(2016/9/27、Bloomberg)

関係者によると、アップルの医療技術チームの最終目標は、ヘルスキットを診断改善の手段にすることだ。このシステムは、相互運用性と分析といった医療業界やこの分野の他の専門会社を悩ませる2つの問題を徐々に解消させる可能性がある。相互運用性が確保されれば、データベースの異なる病院間のデータ転送が可能になる。また分析面では、医師が膨大なデータから重要な情報を迅速かつ容易に出せるようになる。

APPLE、米大手2社の診療記録サービス会社とHEALTHKITで提携し、患者データの一元管理を目指す!?(2014/9/22)によれば、AthenahealthはHealthKitを利用し慢性的な病状の患者の診療に対応しようとしているし、Cernerは医療チームが患者の身体全体の治療が可能となるように患者の一般的な医療記録にアクセスできるようにしたいと考えていると紹介してきましたので、AppleがHealthkitを病気の診断に活用すると考えることは自然なことだと思います。

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ICT医療においては、ICTを活用した個人の健康管理がスタートであり、カギとなります。

ICTとは、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー:情報通信技術)の略です。

医療・健康分野におけるICT化の今後の方向性(平成25年12月、厚生労働省)によれば、

健康寿命を延伸するためには、ICTを利用した個人による日常的な健康管理が重要

だと書かれています。

ICTを活用した医療分野への活用の例としては次の通り。

  • 電子版お薬手帳や生活習慣病の個人疾病管理など患者・個人が自らの医療・健康情報を一元的、継続的に管理し活用する仕組み
  • 地域包括ケアシステム(電子カルテ情報を地域の診療所が参照する)
  • ICTを活用してレセプト等データを分析し全国規模の患者データベースを構築し、疾病予防を促進

こうした活用例を実現するためにまず欠かせないのがICTを活用した個人の健康管理なのです。

健康管理分野に進出している企業の最終的な目的は健康管理のプラットフォームになることであり、ICT医療のシステムに組み込まれることはとても重要なことだと思います。

今後どのような形となっていくのか注目です。







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Scanadu|センサーで生体情報(心拍数&心電図、血圧、体温、呼吸数、酸素飽和度など)を読み取り、スマホでデータをチェックするデバイス

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参考画像:Scanadu Tutorial Video|YouTubeスクリーンショット




■Scanadu|センサーで生体情報(心拍数&心電図、血圧、体温、呼吸数、酸素飽和度など)を読み取り、スマホでデータをチェックするデバイス

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

「<インターネット>の次に来るもの 未来を決める12の法則」(著:ケヴィン・ケリー)を読んでいる時にスキャナドゥ[Scanadu]というスタートアップの製品について興味を持ちました。

「スタートレック」に出てくる自動診断装置トライコーダーに触発されてAI診断装置を作っているスタートアップ企業スキャナドゥ[Scanadu]

スタートレック好きでなくとも使える、家庭用医療端末「Scout」

(2013/6/11、WIRED)

体温や血圧、呼吸速度などのさまざまな生体情報を測定できるこの端末は、先ごろクラウドファンディングサイトのIndiegogoで支援者の募集を開始し、すでに目標額の7倍近い70万ドルの出資を集めている。

スキャナドゥ[Scanadu]が開発しているScanadu Scout(スキャナドゥ スカウト)を使えば、デバイスについているセンサーで、心拍数(Heart rate)&心電図(ECG)、血圧(Blood Pressure)、体温(Temperature)、呼吸数(Respiratory Rate)、酸素飽和度(Oximetry)などの生体情報を読み取り、スマホでそのデータをチェックすることができます。

今までは個別のもので測定しなければならなかったものを、一つのデバイスで読み取ることができるというのは、健康管理をしたいユーザーにとってはとても楽になりますよね。

■まとめ

ウェアラブルデバイスで得た生体データによる病気の予兆を検知することで運転手の突然の体調変化による死亡事故を未然に防ぐシステムで紹介したsdtechは、リストバンド型の血圧測定デバイスを運転手につけてもらい、脈拍、心電図、体温、呼吸数、血中酸素濃度をクラウド上でモニターすることで、病気の予兆を検知するサービスを提案していましたが、デバイスとしては同じような機能を持っているようです。

こうしたデバイスの目指す先は、こうした生体データをどう健康管理に生かすかです。

ユーザー側としては、データだけを読み取っても、それをどう健康管理に活用したらよいのか、何らかの提案がなければどのように利用したらよいのかわからず、いずれ使わなくなってしまうかもしれません。

例えば、生体データを読み取り、人工知能(AI)や医師などの医療従事者・病院でチェックしてもらい、異常値があれば病院で詳しい検査を行うようにするなどのサービスが必要になってくると思います。

また、急に体調不良のサインが出れば、提携している企業が救急車などを呼ぶなどのサービスも考えられるのではないでしょうか。

そのほかにも、数字だと直感的に理解できないので、別の感覚として表示し、例えば、異常値が出た場合には「振動」で知らせるようにするというのも考えられそうです。

→ スマートウォッチは病気の早期発見に役立つ|正常値とベースライン値の確立が重要|スタンフォード大 について詳しくはこちら

→ 人間は「感覚追加」を行うことで新しい世界を見ることができるかもしれない!?|デイヴィッド・イーグルマン「人間に新たな感覚を作り出すことは可能か?」より について詳しくはこちら







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レーザーで脳梗塞を引き起こす血栓を溶かす治療法を開発 12月1日より治験|浜松医科大学と浜松医療センター、浜松ホトニクス

hamamatsu_photonics

参考画像:レーザ血栓溶解技術|YouTubeスクリーンショット

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■レーザーで脳梗塞を引き起こす血栓を溶かす治療法を開発 12月1日より治験|浜松医科大学と浜松医療センター、浜松ホトニクス

レーザーで血栓溶かす治療法開発へ 浜ホトなど12月から治験

(2016/11/29、日本経済新聞)

浜松医科大学と浜松医療センター、浜松ホトニクスは、脳梗塞を引き起こす血栓をレーザーで溶かすシステムの治験を始めるそうです。




■脳梗塞の治療法

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

急性期脳梗塞における治療法は、発症後 4.5 時間以内であれば、既往症などの禁忌がない限り、アルテプラーゼ*1の静脈投与による血栓溶解療法が標準の治療法として広く認められています。しかしアルテプラーゼの投与で脳主幹動脈*2の血流が再開通しない場合や、発症から 4.5 時間を過ぎている場合には、ほかの方法による血栓除去が必要となります。現在では主に機械的な血栓除去カテーテル*3が用いられています。

脳梗塞の治療は血栓を溶かす薬「T-PA」と「血栓回収療法」で劇的に改善されている!によれば、医療現場では脳梗塞の治療に「t-PA(tissue plasminogen activator:組織プラスミノーゲン活性化因子)」という血栓を溶かす薬があるそうです。

記事の中で紹介されている、アルテプラーゼとは、急性期脳梗塞の治療薬として使われています。

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

遺伝子組換え組織プラスミノゲンアクチベータ(recombinant tissue plasminogen activator:rt-PA)とも呼ばれ、血栓を溶解する作用がある。

「t-PA」の治療効果は高く、発症後4.5時間以内の使用で、後遺症の程度を軽減することが可能なのだそうです。

実は、「t-PA」は私たちの体の中(血管の内側の細胞)でも作られていて、日常的にできる血栓を溶かしてくれているそうです。

脳梗塞の治療で劇的な効果を発揮したt-PAですが、脳の太い動脈が詰まるとt-PAだけではなかなか血栓が溶けず、血流が再開しないこともあるそうです。

また、t-PAを投与できても、介護の必要がない状態で自宅に帰れる割合は40%程度なのだそうです。

そこで登場したのが、カテーテルを血管に入れて血栓を除去する「血栓回収療法」です。

血栓回収療法にはステント型と吸引型の2つあります。

ステント型は、脚の付け根からカテーテルという細い管を挿入し、ステント(筒状の網)にからめて血栓を回収する方法です。

吸引型は、器具の先端で崩した血栓を吸い取り、カテーテルの中に回収する方法です。

血栓回収療法は発症からのタイムリミットが4時間半だったのが、8時間まで治療を可能にし、またt-PAだけのグループよりもt-PA投与後にステント型の血栓回収療法を実施したグループのほうが社会復帰できる確率が大幅に高くなったそうです。

しかし、メリットしかないように思えた血栓回収療法にも、こちらのニュースリリースによれば実は一つ弱点がありました。

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

ただし、血栓除去カテーテルでは血管内皮損傷や脳出血などの可能性があり、より安全な治療法が求められていました

血管内皮を傷つけるリスクがあるというのがデメリットだったのです。

そこで、浜松医科大学と浜松ホトニクスが開発しているのが、脳の血管にできた血栓をレーザーで溶かす技術です。

レーザーで脳血栓溶解 浜松医大など、脳梗塞の新治療法目指す

(2013/2/25、日本経済新聞)

急性期脳梗塞に対するレーザ血栓溶解治療システムを開発 12月1日から医師主導治験を開始

(2016/11/28、浜松ホトニクス株式会社)

波長 500-600nmのレーザ光は血栓に吸収されますが、血管内皮ではほとんど吸収されません(図 2)。そこで、このレーザ光の吸収の差を利用して、レーザを用いて血栓のみを選択的に溶解可能で血管内皮の損傷がほとんどない波長532nm のレーザ装置と、血管を閉塞している血栓にレーザを有効に照射するための光ファイバーを内包した専用カテーテルを開発しました。(図 3)。

血栓のみを溶かすことができ、また血管内皮の損傷がほとんどない532ナノメートルのレーザー光を用いることで血管を傷つけるリスクを減らした治療法を開発したそうです。

■まとめ

浜松医療センターは、2016年12月1日より、脳梗塞を引き起こす血栓をレーザーで溶かすシステムの安全性および有効性を確認していくそうです。

脳梗塞の治療法がさらに進歩することを期待しましょう。

→ 脳梗塞とは|脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら







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あなたは歩き方から感情を読み取ることができますか?|人間の感情を先読みして、日常生活を支援するロボットの開発も期待|東京農工大・筑波大

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by Andrea Benjamin Manenti(画像:Creative Commons)




■あなたは歩き方から感情を読み取ることができますか?|人間の感情を先読みして、日常生活を支援するロボットの開発も期待|東京農工大・筑波大

参考画像:『歩き方』によって人の感情を認識可能と証明~感情認識ロボットの飛躍的な機能進化に期待~(2014/7/14、筑波大学)|スクリーンショット

『歩き方』によって人の感情を認識可能と証明~感情認識ロボットの飛躍的な機能進化に期待~

(2014/7/14、筑波大学)

ヒトの歩き方で感情察知 生活支援ロボットに期待 東京農工大、筑波大など確認

(2014/7/20、産経新聞)

東京農工大大学院のベンチャー・ジェンチャン准教授と筑波大サイバニクス研究センターの門根秀樹助教らの研究チームは、人間の歩く動作の一部から感情が読み取れることを確認したと発表した。この原理を活用すれば、近い将来、人間の感情を先読みして、日常生活を支援するロボットの開発も期待できるという。

東京農工大大学院のベンチャー・ジェンチャン准教授と筑波大サイバニクス研究センターの門根秀樹助教らの研究チームは、「喜怒哀楽」と「恐怖」の5つの感情の歩行パターンをデータ化することにより、歩く速度や頭、胴体の姿勢など動作の一部から約70%の確率で感情を読み取れることに成功したそうで、近い将来、人間の感情を先読みして、日常生活を支援するロボットの開発も期待できるかもしれないそうです。

これまでは、声の調子や表情の変化を読み取って、相手の感情を判断していたそうですが、今回の研究によって、歩き方から感情を読み取れるようになったことで、より人間らしいロボット開発に活かされるとのことです。

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P.S.

今回の記事は、歩き方から感情を読み取るというものでしたが、もしかすると、人間よりもロボットのほうが感情を読み取ることがうまくなるかもしれません。

というのも、最近は、直接人とコミュニケーションするよりも、スマホなどツールを通じてコミュニケーションをすることのほうが多いような気がするからです。

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コミュニケーション能力には、顔や態度から感情や考えを読み取る能力があります。

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モテない人のコミュニケーション能力は低いことが証明される

摂南大学の牧野幸志が異性間における恋愛を想定して男女に調査をした結果、異性に対するコミュニケーション能力には、4つのスキルがあること明らかになりました。
1:異性との会話スキル(異性と楽しく会話する話題がある)
2:状況判断スキル(異性の考えが顔や態度でわかる)
3:異性への自己表現スキル(異性に自分の意見をはっきり伝えられる)
4:葛藤解決スキル(異性が自分と違う考えをもっていても上手くやっていける)

コミュニケーションスキルは、多くの人とコミュニケーションをとることによって、トレーニングしていくものですが、ネットやスマホとばかり向き合っていると、直接人とコミュニケーションする機会が少なくなり、感情の読み取り方を学ぶことができなくなるのではないでしょうか。

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ネット漬け生活でポップコーン脳に?!

人とのコミュニケーションスキルは、経験を通じて学習するものであり、ネットに集中する時間が長いと、直接人と接触する機会が少なくなることから、感情の読み取り方を学ぶことができなくなるようです。

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読心スキル=コミュニケーション能力を高めるには、多くの人と積極的にコミュニケーションをとることがトレーニングになるようです。

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女性は「なぜオジサンはセクハラするの?」と思っているかもしれませんが、オジサンは異性とのコミュニケーションスキルが乏しく、女性からはセクハラと思われるコミュニケーション手段しか持っていないため、現在のような状況となっていると考えられます。

最近では、せっかくいっしょにいてもスマホとばかり向き合っている人が多いと思いませんか。

もちろん気を遣う必要がない間柄だからということもあるかもしれません。

でも、もしかしたら、隣にいる大事な人が何かサインを出していても、あなたがそのサインを見ていなければ気づくことはないのです。

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もっと目の前にいる人とのコミュニケーションを大事にしてみませんか?

今のところ、「会う」以上のコミュニケーション手段はない!のですから。

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