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医療機関での「Pepper」を使ったコミュニケーションシステムにおける共同研究開発を開始|フライトシステム・東京慈恵会医科大学・ジェナで医療ICT化推進を目指す




■医療機関での「Pepper」を使ったコミュニケーションシステムにおける共同研究開発を開始|フライトシステム・東京慈恵会医科大学・ジェナで医療ICT化推進を目指す

AI連携対応 【Pepper管理サービス】 Scenaria(シナリア)コンセプトムービー
AI連携対応 【Pepper管理サービス】 Scenaria(シナリア)コンセプトムービー

参考画像:AI連携対応 【Pepper管理サービス】 Scenaria(シナリア)コンセプトムービー|YouTubeスクリーンショット

フライトシステム、医療機関での「Pepper」を使ったコミュニケーションシステムにおける共同研究開発を開始〜東京慈恵会医科大学、ジェナ社、フライトと3社で医療ICT化推進を目指す〜

(2017/11/17、フライトシステムコンサルティング PRTIMES)

フライトシステムコンサルティングは、東京慈恵会医科大学およびジェナとの共同研究で、「Pepper」と「Scenaria」(シナリア:管理画面からPepperアプリの作成はもちろん、様々な拠点に存在するPepperを管理することが出来るクラウドサービス)を使った医療従事者や患者とのコミュニケーションシステムの共同開発・研究を行っていくそうです。

AI連携対応 【Pepper管理サービス】 Scenaria(シナリア)コンセプトムービー

具体的にはどのようなことを行うのでしょうか?

1. 検診センターにおけるコンシェルジュ

日本医療の注目の高まりと共に訪日外国人の検診センター利用の需要が高まってきている背景から、多言語対応(日中英)による案内を実施。患者様の予約の確認や受付を行い、当日の流れや行き先の案内を行う。

【京都】旅行中の外国人の急病対応が新たな課題 多言語化への対応が急務 24時間通訳タブレット端末導入によれば、京都では、訪れる外国人観光客が増加したことで、医療機関の多言語への対応が求められているそうで、1年間で約60カ国の患者を診察した病院もあり、医療機関も深夜や早朝の急患に対応しようと、タブレット端末を使った同時通訳システムを導入するなどして対策を取っているそうです。

こうしたことから、医療機関における多言語対応にはニーズがあると考えられます。

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2. 緊張を緩和する血圧測定

白衣高血圧(*2)の患者様等、外来で来院した方向けに、緊張をほぐしながらPepperが血圧測定を行う。Pepperを通じ感情認識を実施することで患者様の緊張度を判定し、リラックスした最適なタイミングで血圧測定を行う。

「家で測ると正常なのに、病院で血圧を測定すると、血圧が高い」という人はいませんか?

白衣高血圧(白衣現象)とは|病院で緊張して血圧が上がるによれば、白衣高血圧とは、通常は血圧が正常なのに、病院で血圧を測定すると血圧の値が高くなってしまうことです。

白衣高血圧は、診察室血圧で高血圧と診断された患者の15%~30%に当たるそうです。

そこで、このシステムでは、Pepperが患者さんの緊張度を判定し、リラックスしたタイミングで血圧測定を行なってくれるそうです。

3. 自然な対話の中から認知機能検査

患者様とPepperとの自然な対話を通して認知症の疑いを発見する仕組み。

日本テクトシステムズが提供する認知機能検査エンジンによって、会話の中から認知症の疑いを発見するそうです。

対話を通して認知症の疑いを発見する仕組みがどのような仕組みになっているのかはわかりませんが、認知症|厚生労働省によれば、次のようなことが認知症のサインなのだそうです。

●もの忘れの為に日常生活に支障をきたしているか

日常生活で重要ではないこと(タレントの名前や昔読んだ本の題名など)を思い出せないのは正常の範囲内ですが、仕事の約束や毎日通っている道で迷うなどの場合は認知症のサインかもしれません。

●本人が忘れっぽくなったことを自覚しているか

自分でもの忘れの自覚がある場合は正常の範囲内ですが、もの忘れをしていることに気づかず、話の中でつじつまを合わせようとするようになるのは認知症のサインかもしれません。

●もの忘れの範囲は全体か

経験の一部を忘れるのは正常の範囲内ですが、経験全体を忘れるのは認知症のサインかもしれません。

認知症によるもの忘れには、経験や出来事全てを忘れる、もの忘れに気づかない、新しいことを覚えられない、日常生活に支障をきたす、暴言や暴力を振るうようになったり、怒りやすくなったり、無関心になるなど人格が変わるなどの特徴があるそうです。

こうした認知症または軽度認知障害のサイン・症状を対話の中で見つけるというものになっているのではないでしょうか?

【参考リンク】

認知症の改善効果が期待されるコミュニケーション用ロボット「テレノイド」が宮城県の介護施設に導入によれば、大阪大学の石黒浩教授が開発した、認知症の予防や症状の進行を抑える効果が期待されるコミュニケーション用ロボット「テレノイド」が宮城県の介護施設に導入されたそうです。

デンマークと日本における存在感対話メディアの実証的研究によれば、ほとんどの認知症高齢者がテレノイドに強い愛着を示し、うつ傾向がある人や無反応な人が自ら話しかけるようになるそうです。

また、テレノイドには積極的に身体的接触を図る傾向があるそうで、これには「触れ合い」によるストレス軽減効果があると考えられるそうです。

Pepperにもこうしたことができれば、認知症の早期発見だけでなく、予防や症状の進行を抑えることもできるようになるかもしれません。

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■医療ICT化

ICT医療においては、ICTを活用した個人の健康管理がスタートであり、カギとなります。

医療・健康分野におけるICT化の今後の方向性(平成25年12月、厚生労働省)によれば、

健康寿命を延伸するためには、ICTを利用した個人による日常的な健康管理が重要

だと書かれています。

ICTとは、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー:情報通信技術)の略です。

ICTを活用した医療分野への活用の例としては次の通り。

  • 電子版お薬手帳や生活習慣病の個人疾病管理など患者・個人が自らの医療・健康情報を一元的、継続的に管理し活用する仕組み
  • 地域包括ケアシステム(電子カルテ情報を地域の診療所が参照する)
  • ICTを活用してレセプト等データを分析し全国規模の患者データベースを構築し、疾病予防を促進
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

経済産業省の「新産業構造ビジョン」によれば、個人が自らの生涯の健康・医療データを経年的に把握するため、また、最適な健康管理・医療を提供するための基盤として、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を構築し、2020年度には本格稼働させていくことが必要と提案されています。

■まとめ

今回のPepperを活用した病院での患者とのコミュニケーションシステムとして期待できるのは、遠隔医療でしょうか?

医療現場における、IoTやAI等の革新的技術の利活用|遠隔診療・AIを活用した診療
医療現場における、IoTやAI等の革新的技術の利活用|遠隔診療・AIを活用した診療

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最大化に向けて、個人の健康・医療データを活かす新たなシステムが必要であるとして、患者自らが納得して選択できる医療、患者の満足度の高い医療、時間・場所を問わず、必要な医療が提供される環境の実現が必要とあり、その中でも「遠隔診療」、「AIを活⽤した診療」といったIoTやAI等の⾰新的技術を医療現場におけて利活用する取り組みが重要となるとあります。

厚生労働省の通達「情報通信機器を用いた診療について」に対応した遠隔医療機能を持たせたサービスがいよいよスタートによれば、厚生労働省が7月14日付けで出した通達「情報通信機器を用いた診療について」に対応して遠隔医療機能を持たせたサービスの展開が始まっています。

これまでにも遠隔医療につながるサービスについていくつも取り上げてきました。

遠隔医療におけるメリットは、遠隔地に住んでいて直接医師に診てもらうことが困難な人が受診できるだけでなく、肛門科や泌尿器科、婦人科などの直接診てもらうことが恥ずかしかったり、怖かったりする人が受診をするハードルを下げる効果も期待できると考えられます。

医療者に対する高齢者の患者の比率はどんどん増えていくことが予想されますから、医療者の負担を軽減しながら高齢者の患者の病気の早期発見を目指すシステム作りが必要になることでしょう。

かかりつけ病院や薬局で今回のようなコミュニケーションシステムを導入することができれば、認知症になる疑いのある患者の早期発見ができるようになるかもしれません。







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AI・ロボットが働く未来ではクリエイティブな仕事が求められる|PUSH型からPULL型への移行とモチベーション(内発的動機づけ)がキーワード




■AI・ロボットが働く未来ではクリエイティブな仕事が求められる

Startup Weeekend Merida

by Steven Zwerink(画像:Creative Commons)

2016年4月18日に放送された「スマホで”朝生”」では「人工知能、ロボットが働く未来…ド~なる仕事、ド~するライフスタイル」がテーマでした。

そこで、気になったのは、AIが仕事を代替する時代になると、貧富の格差はさらに大きくなってしまう懸念があるから、それにあわせた教育が必要だという意見です。

ただ「そこにはモチベーション格差の問題があるのでは?」というのが堀江貴文さんと落合陽一さんの意見でした。(記憶が正しければ)

ここで大事になってくるのは、時代がPUSH型からPULL型に移行する必要があることとクリエイティブな仕事には内発的動機づけが重要だということです。

■時代がPUSH型からPULL型に移行する必要があること

時代の変化がゆるやかな落ち着いた時代ならば、需要を予測し、行動計画を立て、業務内容を念入りに作成するということが可能でした。

教育においても、子供たちが将来的に必要となるであろう知識を予測して、それに合わせたカリキュラムを作ることも可能でした。

しかし、現代のスピードは速くなり、需要を予測することができない現代においては、標準化したカリキュラムを作ることは難しくなっています。

そんな時に、プッシュ型プログラムでは変化に対応することができないというわけです。

【参考文献】

『「PULL」の哲学』(著:ジョン・ヘーゲル3世/シーリー・ブラウン/ラング・デイヴソン)

「PULL」の哲学 時代はプッシュからプルへ―成功のカギは「引く力」にある

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■クリエイティブな仕事には内発的動機づけが重要

AIが仕事を代替するといった場合に、まず私たちが考える仕事は決まり切った仕事や何度も繰り返す仕事を人工知能にやってもらうことを目指すと思います。

ダニエルピンク「やる気に関する驚きの科学」|TED TALK

この動画によれば、ルーチンワークやルールのある仕事、会計、財務分析のような仕事は自動化することができ、ソフトウェア・AIのほうが速くできる仕事に対しては、成功報酬的な動機付け(アメとムチ)― If Then式に「これをしたら これが貰える」というやり方は効果的なのだそうです。

報酬というのは視野を狭め心を集中させるものであるため、ルーチンワークやルールのある仕事、会計、財務分析のような仕事では、報酬がうまく機能する場合が多いそうです。

しかし、クリエイティブな仕事に対しては、ご褒美と罰というようなアプローチでは視野が狭くなってしまうため、報酬(外発的動機づけ)はうまく機能しません。

※ここでいう「クリエイティブな仕事」とは、簡単に自動化することができない仕事を指す。

AI時代にはソフトウェアやAIに自動化できる仕事を割り振るようになり、人間はクリエイティブな仕事をすることを求められるようになっていくとするならば、報酬のような外発的動機づけではクリエイティブな仕事のパフォーマンスを向上させることはできず、内発的動機づけをもたせることが重要になってくるのです。

ダニエルピンク「やる気に関する驚きの科学」|TED TALK

内的な動機付けに基づく アプローチです重要だからやる 好きだからやる 面白いからやる 何か重要なことの一部を 担っているからやる ビジネスのための 新しい運営システムは 3つの要素を 軸にして回ります 自主性・成長・目的 自主性は 自分の人生の方向は 自分で決めたいという欲求です成長は 何か大切なことについて 上達したいということです 目的は 私たち自身よりも 大きな何かのために やりたいという切望です これらが私たちのビジネスの 全く新しい運営システムの 要素なのです

内発的動機づけとは、お金のような報酬を目的として行動するのではなく、自分がやりたい(重要だと思うから・好きだから・面白いから)からやるというものです。

つまり、2つのことをまとめると、AI時代に必要な人間の仕事はクリエイティブなものになるわけだから、モチベーション(内発的動機づけ)が低い人に対して、無理強いをして教育(プッシュ型プログラム)をしても双方にとって残念な結果に終わる可能性があるということではないでしょうか?

これからの時代に合った考え方をもとにすると、もし格差をできるだけ小さくしたいと考えるのであれば、教育格差や貧富格差を論じる前に、モチベーションをいかに上げるのか(それ自体をできる方法があるのか?)が重要になり、自主性・成長・目的という3つの要素を考えた上で、内発的動機付けを持たせることが大事になるのではないでしょうか。

■まとめ

『「PULL」の哲学』(著:ジョン・ヘーゲル3世/シーリー・ブラウン/ラング・デイヴソン)を参考にすると、これからの時代は、

知識のストックよりも新しい知識のフローのほうがより大きな価値を持つようになる

と考えられます。

そこでは、新しい知識の価値が高まり、従来の知識の価値が低くなるため、自分が、いかに最先端の、生まれたばかりの知識に触れられる環境を作るかが重要になってくるのです。

面白いと思える知識を提供している人と良好な人間関係を作ることや自分自身が他の人が面白いと感じられる情報を提供することによって、信頼関係が生まれ、その輪が広がっていくことでしょう。

これからはますます人と人とのつながりが一層重要になってくる時代になってきそうです。







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ロボットが人間と触れ合う分野(医療・介護)で役立つ!?人工筋肉(ソフトアクチュエーター)を開発|コロンビア大学




■ロボットが人間と触れ合う分野(医療・介護)で役立つ!?人工筋肉(ソフトアクチュエーター)を開発|コロンビア大学

ロボットが人間と触れ合う分野(医療・介護)で役立つ!?人工筋肉(ソフトアクチュエーター)を開発|コロンビア大学
ロボットが人間と触れ合う分野(医療・介護)で役立つ!?人工筋肉(ソフトアクチュエーター)を開発|コロンビア大学

参考画像:Soft Materials for Soft Actuators|YouTubeスクリーンショット

参考画像:Soft Materials for Soft Actuators|gifs.com

One Step Closer to Lifelike Robots

(2017/9/19、Columbia University)

The new material has a strain density (expansion per gram) that is 15 times larger than natural muscle, and can lift 1000 times its own weight.

<中略>

It was tested in a variety of robotic applications where it showed significant expansion-contraction ability, being capable of expansion up to 900% when electrically heated to 80°C.

コロンビア大学の研究者が開発したのは、3Dプリンタで作る人工筋肉で、温度を80度まで上げると900%膨張し、また自重の1000倍の重量のものを持ち上げることができるそうです。

Unlike rigid robots, soft robots can replicate natural motion—grasping and manipulation—to provide medical and other types of assistance, perform delicate tasks, or pick up soft objects.

剛性のロボットよりも柔軟な材料で作られるソフトロボットは、人間と触れることがある領域(例えば、医療やそのほかの支援)や細かい作業や柔らかいものを拾うなどといった場面での活躍が期待されます。

Soft Materials for Soft Actuators

【参考リンク】

  • Aslan Miriyev, Kenneth Stack & Hod Lipson Soft material for soft actuators Nature Communications 8, Article number: 596 (2017) doi:10.1038/s41467-017-00685-3




■人工筋肉の他のアイデア

●ナイロン素材の人工筋肉繊維

Muscles made of nylon

Nylon fibers made to flex like muscles

(2016/11/23、MIT)

Now, MIT researchers have come up with one of the simplest and lowest-cost systems yet for developing such “muscles,” in which a material reproduces some of the bending motions that natural muscle tissues perform.
The key ingredient, cheap and ubiquitous, is ordinary nylon fiber.

<中略>

Spinks adds, “Bending-type actuators are needed for robotic grippers, microscopic tools, and various machine components. These new bending actuators could have immediate application.”

MITの研究者が開発したのは、製造が容易で低コストでできるナイロン素材の人工筋肉繊維です。

曲げることのできるアクチュエータ(入力されたエネルギーを物理的運動に変換する機構のこと)は、ロボットグリッパー(ロボットが物をつかむ・握るためのもの)や顕微鏡ツール、様々な機械部品、医療分野など様々な用途での活躍が期待できるそうです。

●食べられる素材でできたアクチュエーター

Soft Pneumatic Gelatin Actuator for Edible Robotics

An Edible Actuator for Ingestible Robots

(2017/10/5、IEEE Spectrum)

The components of such edible robots could be mixed with nutrient or pharmaceutical components for digestion and metabolization. Potential applications are disposable robots for exploration, digestible robots for medical purposes in humans and animals, and food transportation where the robot does not require additional payload because the robot is the food.

ゼラチン、グリセリン、および水の混合物から作られた空気圧式アクチュエータは、野生動物の行動観察のためのロボットや探索のための使い捨てができるロボット等への活用が期待されます。

●やわらかい素材でできたロボットグリッパー

Custom Soft Robotic Gripper Sensor Skins for Haptic Object Visualization

カリフォルニア大学サンディエゴ校のエンジニアが開発した新しいロボットグリッパーは、シリコンゴム製で導電性カーボンナノチューブで作られたセンサーが埋め込まれており、ドライバー(ねじ回し)を回したり、電球をねじ込んだり、紙を持つことができます。

【参考リンク】

●傷口を自己治癒するソフトロボット

A robot that heals a little like Wolverine

【参考リンク】

  • Seppe Terryn, Joost Brancart, Dirk Lefeber, Guy Van Assche and Bram Vanderborght Self-healing soft pneumatic robots Science Robotics 16 Aug 2017: Vol. 2, Issue 9, eaan4268 DOI: 10.1126/scirobotics.aan4268

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●折り紙からインスピレーションを受けた折り畳み式の人工筋肉

Origami-Inspired Artificial Muscles

NEW ARTIFICIAL MUSCLES CAN GIVE SOFT ROBOTS SUPERPOWERS

(2017/11/27、MIT CSAIL)

The team constructed dozens of muscles using materials ranging from metal springs to packing foam to sheets of plastic, and experimented with different skeleton shapes to create muscles that can contract down to 10 percent of their original size, lift a delicate flower off the ground, and twist into a coil, all simply by sucking the air out of them.

MIT CSAILとハーバード大学のWyss Instituteの研究者は、折り紙からインスピレーションを受けた、折り畳み式の人工筋肉を開発したそうです。

ソフトロボットについて最近よく取り上げる機会が多いのですが、柔軟性と機敏性が増すと強度が低下するというトレードオフの関係があり、柔らかい素材は柔軟性のない素材ほど強度がなく弾力性がないため使用が制限されると考えられますが、今回の研究では空気や水圧だけで体重の1,000倍まで持ち上げることができるそうです。

What’s new, Atlas?

BostonDynamics(ボストンダイナミクス)の「Atlas(アトラス)」がまるで「パルクール(Parkour)」のような動きでバク宙をしている動画が公開されていますが、実際どんなアクチュエータ(入力されたエネルギーを物理的運動に変換する機構のこと)が用いられているのでしょうか?

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■まとめ

これからは、介護や生活支援などの場面で、ロボットと触れ合う機会が増えていくことが考えられますが、その際に硬い素材だと冷たい印象を受けるかもしれません。

そういった場面において、柔らかい素材のロボットであれば、温かみのある印象を与えられるのではないでしょうか。







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早期化する小学校の英語教育|英会話塾・英会話スクール・英会話教室・英会話学校の代わりに英語学習のAIロボが人気




■早期化する小学校の英語教育|英会話塾の代わりに英語学習のAIロボが人気

studying in math class

by woodleywonderworks(画像:Creative Commons)

早期化する小学校の英語教育 文科省が授業など検討

(2017/1/30、テレビ朝日)

 次の学習指導要領では、現在5、6年生で週1回行われている英語に親しむ授業を3、4年生に引き下げ、5、6年生は英語を正式な教科として週2時間に増やします。有識者や学校関係者で構成される文科省の検討委員会では、倍増する5、6年生の授業時間を確保するため、昼休みの10分間を英語の短時間学習に充てることや3、4年生の英語は聞き取りを中心にした内容にすることなどが話し合われました。2018年度から先行して英語を教科化する学校も多く、文科省はできるだけ早く方向性を示す方針です。

文部科学省が行なった2020年度から実施される小学校の英語教育についての授業や教材などを検討する委員会では、5、6年生の授業時間を確保するため、昼休みの10分間を英語の短時間学習に充てたり、3、4年生の英語は聞き取りを中心にした内容にすることなどを話し合ったそうです。

トイロボット、英語学習のAIロボ「Musio X」が人気

(2017/7/11、日経トレンディネット)

STEM教育の関心の高まりに加えて、小学校低学年ほどの子供のための英会話学習の入り口として、英会話塾に通わせる代わりに、AIのディープラーニングによる自然言語処理技術を搭載したコミュニケーションロボット「Musio X」を買い与えるご家庭もあるそうです。




■英語を話すことが重要ではなく、どんなアイデア・意見を話すのかが大事

今後小学生の時から英語教育が重視されていくようですが、子供の時に英語を勉強する必要性についてはどのように考えているのかどうか気になるところです。

英語を話せると将来に役立つからという視点であれば、子供の時に英語を勉強する必要性については疑問が残ります。

未来を予測すれば、テクノロジーによって日本人が英語を話せないという問題は解決され、同時翻訳するという未来は間違いなく来ると思います。

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【参考リンク】

現在でも、AIが翻訳しやすいような論理的な話し方・書き方をすることができれば、日本語を英語に翻訳することも難しいことではありません。

つまり、英語を話せると将来の仕事に役立てるためという視点で子供に英語を学ばせるというのは方向性としては間違っているといわざるを得ません。

では、何のために英語が必要なのか?

それは、英語圏の人とコミュニケーションをとることや英語圏で書かれている文章を読んで、考え方、物事のとらえ方、歴史的背景を知ることにあるのだと思います。

世界の見え方はその瞬間に話している言語の影響を受けている!?で紹介した『Psycological Science』誌で発表された新しい研究によれば、バイリンガルの行動と周りの世界の捉え方は、その瞬間に話している言語に依存し、使用する言語を変えると、同時に行動や物事の捉え方も変化させるそうです。

『頭のでき』(著:リチャード・E・ニスベット)によれば、東洋人と西洋人では思考習慣に違いがあると書かれています。

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※リチャード・ニスベットと増田貴彦の研究で、アメリカ人は主役である魚に注目したのに対し、日本人はより包括的な視点から情景を説明したことが有名です。

■東洋人=包括的
  • 東洋人は幅広い物事や出来事に注意を払い、物事や出来事同士の関係や類似性に関心を持つ。
  • また、対立する考え方の「中庸」を探すなど、弁証法的な考え方を使って思考する。
  • 東洋人は他者に注意をはらう必要があるため、外部の幅広い社会環境に目を向け、その結果として物理的環境にも意識を注ぐ。
■西洋人=分析的
  • 西洋人の知覚や志向は分析的で、身の回りのうち比較的小さな部分、何らかの方法で影響を与えたいと思う物事や人に意識を集中させる。
  • そして、その小さな部分の属性に注意を向け、それを分類したり、その振る舞いをモデル化しようとしたりする。
  • また、形式的な論理規則を使って推論することが多い。

なぜ東洋人と西洋人とで思考習慣に違いが現れているのかは、『頭のでき』(著:リチャード・E・ニスベット)によれば、

西洋人のほうが規則、分類、論理を重視し、東洋人のほうが関係性や弁証法的推論を重視

していたからだと考えられます。

また、『「無意識」があなたの一生を決める 人生の科学』(著:デイヴィッド・ブルックス)によれば、

英語圏では、親は子供に話をする時、名詞や物事の分類を重視するが、韓国の親が重視するのは、動詞や物事の関係

なのだそうです。

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話している言語によって、行動や物事の捉え方も変化するということは、2か国語以上を話すことができるという能力は、互いを理解するための重要な力となるでしょう。

日本人は英語を話すときに、正しい発音ができなかったり、正しい文章で話せないからなどの理由で恥ずかしくて照れてしまうということがありますが、海外の人から話を聞くと、多民族国家のアメリカでは様々な国から訪れているため、独特の発音で話す人はたくさんいるそうです。

正しい発音や文章で話すことに越したことはないでしょうが、彼らにとって大事なことは正しい英語を話すことではなく、その人がどんなことを考えているかが重要なのです。

英語を話したから素晴らしいと思ってくれるわけではなく、その人がどんなアイデア・意見を持っているのかにみんな興味があるのです。

どんなに素晴らしい発音や文章で話したとしても、話している内容に中身がなければ意味がないのです。

もう一つ残念なことは、母国語で思考して英語に変換した場合に、その考えのニュアンスを伝えるための言葉を持っておらず、ニュアンスをなくした簡単な言葉に変えてしまった場合です。

そういう意味では、子供の時に英語を勉強する上で、英語をどう話すかにフォーカスを当ててしまっては、ただ英語を話すことができるだけとなってしまいかねません。

間違ってほしくないのは、英語を学ぶことを否定しているわけではなく、大事なことは、子供の時に英語を勉強する必要性の意味が将来の仕事に役立つからといった直接的なものではなく、英語を学ぶことがいろんなことに好奇心をもつきっかけとなるものであればいいなと思います。

国語×英語=世界に興味を持つことで言語学者

算数×英語=世界的な数学者

社会×英語=世界的な歴史学者・地理学者

理科×英語=世界的な科学者・化学者

体育×英語=世界的スーパースター

図工×英語=世界的なクリエイター

音楽×英語=世界的なアーティスト

今の小学生が大人になるころには「ワーク・ライフ・バランス」という言葉がなくなっているかもしれません。

遊ぶことと仕事することがほぼ同じ意味を持つような未来も予想しておいた方がよいでしょう。

そんな未来においては「好奇心」こそがその人生のパスポートになるのではないでしょうか。







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NTTドコモ、「ロボットプログラマー」職業体験ができるパビリオンオープン|#キッザニア

Starmus2017_LegoLeague_CEE

by NTNU – Norwegian University of Science and Technology(画像:Creative Commons)




■NTTドコモ、「ロボットプログラマー」職業体験ができるパビリオンオープン|#キッザニア

「ロボット研究開発センター」パビリオンオープン

(2017/6/13、キッザニア)

文部科学省が小学校の2020年度改訂学習指導要領案にプログラミングを盛り込むなど、プログラミング教育への注目が高まる中、「ロボット研究開発センター」では、ロボットプログラミングを職業体験しながら、ドコモの先進的な AI 技術に触れることができます。

NTTドコモは、キッザニアの「携帯電話ショップ」パビリオンを、「ロボット研究開発センター」パビリオンへとリニューアルし、「ロボットプログラマー」の職業体験を提供するそうです。

子供たちにとって携帯電話・スマホは身近な存在となったこと、プログラミング教育への注目が集まっていることがリニューアルの背景にあるようです。

【参考リンク】




■まとめ

初心者だからこそわかる!プログラミング教育を通じて学ぶことができる5つのこと・能力とは?では、プログラミングを通じて、1.試行錯誤を通じて課題に対処する、2.説明する能力・正確に伝える能力、3.知的好奇心、4.プログラマーという職業に対する理解、5.創造力、といった能力を育むことができるのではないかと考えました。

将来プログラマーという職業につかなかったとしても、プログラマーがどんな職業で、どんなことに役立っているのかということを理解するのはすごく重要なことだろうと思いますし、また、プログラミング教育を通じて論理性や考え方を学ぶことができれば、どんな職業についてもその考え方は役立つことだろうと思います。

ぜひロボット・プログラミング職業体験試してみてくださいね。

ちなみに、STEM教育キットKOOVでロボット・プログラミングを学習していますが、すごく楽しいですよ。







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