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「いつの間にか骨折」を予防するにはサルコペニア対策も大事!

健康・美容チェック > 骨粗しょう症 > 「腰が痛い」は実は「いつの間にか骨折」のサインかも?骨粗しょう症予防をしましょう!




■「いつの間にか骨折」を予防するにはサルコペニア対策も大事!

「腰が痛い」は実は「いつの間にか骨折」のサインかも?骨粗しょう症予防をしましょう!では、ばあちゃん(母)の骨粗しょう症→骨折(いつの間にか骨折)を経験して思ったのは、実はサインがあったのではないかと書きました。

そして、もう一つサインとして浮かんできたのは「サルコペニア」です。

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サルコペニアとは?定義・予防・対策のやり方(運動・栄養)!

サルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)とは、筋肉が減り筋力が衰えた状態のことです。

近年中高年を中心に増加しているサルコペニアは、寝たきりや認知症を引き起こす原因とされ、健康寿命を縮める一因となっています。

最近は若い人にもサルコペニア予備軍が増えていて、無理なダイエットによる栄養の偏りなどが原因と考えられるそうです。

サルコペニアの原因は、加齢・運動不足・栄養の偏りの3つ。

管理栄養士によれば、若い時には偏っていてもなんとかカバーできていても、年を重ねるとそれもできなくなり、なおかつ食事の量も減っていくため、筋肉量や骨格筋が減っていき、サルコペニアのリスクが高まるそうです。

■サルコペニアの定義

サルコペニア
サルコペニア

サルコペニアの定義とは、筋肉量(骨格筋量)の減少に加えて、筋力の低下(握力など)または身体(運動)機能の低下のいずれかが当てはまる場合、サルコペニアと診断するというものです。

サルコペニア診断アルゴリズム
サルコペニア診断アルゴリズム

参考画像:後期高齢者の健康(2016/6/17、厚生労働省)|スクリーンショット

「認知症予防アプリ」|歩行速度を測定し認知症・MCI(軽度認知障害)のリスクが高い場合に通知する|太陽生命によれば、歩行速度が低下すると、認知症やMCIのリスクが高くなるそうですので、「歩行速度」はサルコペニアと認知症・MCIのリスク度をチェックする大事な要素といえそうです。

■サルコペニア予防・対策

●運動でサルコペニア対策

高齢者の筋内脂肪の蓄積はサルコペニアと運動機能低下に関係する|名古屋大学で紹介した名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広教授、田中憲 講師、同大学院生らの研究グループは早稲田大学と行なった共同研究によれば、高齢者の筋肉内に霜降り上に蓄積する脂肪(筋肉脂肪)が、加齢に伴う筋力の減少(サルコペニア)や運動機能低下と関係していることがわかりました。

高齢者は、定期的に運動をすることによって、加齢による筋肉量の減少と運動機能低下を軽減し、筋内脂肪の蓄積の抑制をすることが期待されます。

【名医のザ太鼓判】つかまりスクワットとハチミツで骨筋力アップし、骨折予防・サルコペニア予防・垂れ尻改善!で紹介したサルコペニア対策のエクササイズは「つかまりスクワット」。

骨・筋力アップする「つかまりスクワット」とは前側に置いたイスにつかまりながら行うスクワットのこと。

【つかまりスクワットのやり方】

イスの背もたれを持って立つ。
膝がつま先より前に出ないようにして、ゆっくりと腰を落とす。

ポイントは声を出しながらゆっくり行なうこと。

※回数の目安は1セット15回で一日3セットです。

筑波大学の久野譜也先生によれば、つかまらずに行う方法とほぼ同じ効果が得られ、またつかまることで安心してできること、正しい姿勢でできるためにオススメなのだそうです。

●たんぱく質でサルコペニア対策

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは3年後の筋力の低下と関連し、さらに高齢女性の3年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されているそうです。

また、日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされています。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

たんぱく質並びにアミノ酸の介入研究|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省では、サルコペニア予防および改善の観点から、高たんぱく質食品、プロテインやアミノ酸などのサプリメント、β─ ヒドロキシ─β─ メチル酪酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate:HMB)を単独もしくはアミノ酸と配合したサプリメントを補給する介入研究が紹介されています。

→ アミノ酸の効果・効能・種類・アミノ酸を含む食べ物 について詳しくはこちら

→ なぜ筋肉をつけるにはタンパク質(アミノ酸)の摂取が必要なの?【論文・エビデンス】 についてくわしくはこちら

■まとめ

「いつの間にか骨折」の原因は骨密度だけに限らず、体を支える筋肉が衰えると、今回で言えばサルコペニアだと、体を支えることができずに転倒してしまい、骨折ということも考えられます。

食事と運動によって筋肉をつけておくことが「いつの間にか骨折」を結果的に防ぐことになりますので、しっかりと鍛えていきましょう!







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カッコいいお尻をしている女性にお尻の鍛え方を聞いてみたら、意外な答えが返ってきた!




カッコいいお尻をしている女性にお尻の鍛え方を聞いてみたら、意外な答えが返ってきた!
カッコいいお尻をしている女性にお尻の鍛え方を聞いてみたら、意外な答えが返ってきた!

bruce mars|unsplash

最近お尻の筋トレに注目しています。

一つは、お尻のたるみを予防するため(ヒップアップ)。

もう一つは、フレイル・サルコペニア予防のための運動として。

お尻を鍛えるとヒップアップにつながるだけでなく、体のバランス能力を高め、歩行時のふらつきを予防することにもつながり、フレイル・サルコペニア予防にもなると考えられます。

【サルコペニア関連記事】

そこで、カッコいいお尻をしている方ならお尻の鍛え方を知っていると思い、どうやったらお尻の筋肉を鍛えられますか?と質問してみました。

ポイントをまとめてみます。

●(これまで自重に頼った筋トレをしていたのですが、その方によれば)道具を使った方がより効果的

例えば、ケトルベルやゴム(エクササイズバンド)を両足に通してトレーニングするなど。

●お尻だけを鍛えるのではなく、体はつながっているので、体全体(体幹)を鍛えないとダメ!むしろ体幹を鍛えてからお尻トレーニングをしないとトレーニングにならないかも。

●お尻といってもいろんな部位があるので、部位別に鍛えたほうがいい。

●ある程度お尻に筋肉がついてきたら、筋膜リリースをするとさらにヒップアップにつながる。

●筋膜リリースには、ストレッチポールや筋膜リリースガン、テニスボールみたいなボールなどを使うのがおススメ。

●ストレッチポールでストレッチをすると、背筋と肩回りがほぐれてよく眠れる。

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感想(1件)

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感想(172件)

本気でお尻を鍛えている方に聞いてみると、大事なことはヒップアップエクササイズの前に体全体を鍛えることがまず重要で、そして「お尻」といっても一つではなく、部位(筋肉)別に鍛えることを意識すること、道具をうまく活用する方がより効果的に鍛えることができることが分かりました。

■筋膜リリースとは?

近年では、筋膜リリースという筋肉の繊維の束を包んでいる膜である「筋膜」をほぐす方法がメディアで取り上げられています。

筋肉の表面にある「筋膜」にシワができ、そのシワに引っ張られるように筋肉がコリ固まってしまうそうで、全身の筋膜はつながっているため、一部でも硬くなってしまうと、その影響は全身に及び、体のズレや歪みができてしまうそうです。

そこで、筋膜リリースを行なうことで、筋膜をほぐすことで、痛みの緩和・予防や筋肉自体の動きを良くすることを行なうことに注目が集まっています。

【筋膜リリース 関連記事】

■まとめ

インタビューで教えて頂いたことを参考に、ストレッチポールとエクササイズバンドを早速購入しました。

実際にエクササイズバンドを使ってみてトレーニングをしてみると、負荷のかかり方が全然違います。

エクササイズバンドはバンドの種類を変えることでそれぞれの状態に応じて負荷のかけ方も調節ができるのがいいですね。

これから体全体を鍛えつつ、お尻の筋肉を鍛えてヒップアップするトレーニングを行ない、またフレイル・サルコペニア対策としてのトレーニングについても勉強していきたいと思います。







【お尻の鍛え方】

ビタミンDはどんな栄養素?必要摂取量は?ビタミンDを含む食品・サプリメントがこれからの健康食材としてビジネスの将来性はある?ない?どっち?





■ビタミンDを含む食品・サプリメントがこれからの健康食材としてビジネスの将来性はある?ない?どっち?

ビタミンDを含む食品・サプリメントがこれから健康食材としてのビジネスの将来性があるかどうかをチェックしてみたいと思います。

これまでよく知られているのが、ビタミンDが骨粗鬆症に役立つという情報ですが、ビタミンDが不足すると、様々な病気になるリスクが高まるといわれるようになりました。

このブログで特に注目するのがフレイル対策です!

なぜフレイル対策に注目したかといえば、健康寿命を延ばす方法|2030年代には健康寿命を5歳延伸|新産業構造ビジョンで紹介した「新産業構造プラン」にあります!

2030年代には健康寿命を5歳延伸|新産業構造ビジョン
2030年代には健康寿命を5歳延伸|新産業構造ビジョン

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、2030年代の⽬指すべき将来像における「健康を維持する」という課題に対して、3つのことに取り組むことが掲げられています。

● 健康寿命の延伸(健康寿命を5歳延伸、平均寿命と健康寿命の差を短縮)

● ⽣活習慣病※患者の減少
糖尿病、心疾患、高血圧、脳血管疾患等

● 国内の健康寿命延伸を支える事業者※の拡大(市場規模5.5兆円を2020年に10兆円、2030年には更に拡大)

※健康機器、予防・健康管理サービス、健康⾷品等

国の方針の一つとして健康寿命を延ばしていくことが柱になっており、その健康寿命を延ばすために注目を集めるようになったのが「フレイル対策」なのです。

多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥る|厚生労働省
多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥ります。加齢に伴う変化(食欲の低下・活動量の低下・社会交流の低下・筋力低下・認知機能低下・多くの病気をかかえている)→危険な加齢の兆候(低栄養・転倒・サルコペニア・尿失禁・軽度認知障害(MCI))

参考画像:高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省スクリーンショット

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

そこで、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるというのが今注目されている考え方です。

厚生労働省によれば、ビタミンD欠乏は転倒や骨折などから身体活動が低下し、筋肉量を減少させ、サルコペニア(加齢に伴う筋力の減少、または老化に伴う筋肉量の減少)及びフレイルティのリスクを高める恐れがあると書かれています。

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高齢者を対象にした研究によれば、血中25─ヒドロキシビタミン (体内のビタミンD量の指標となるビタミンDの代謝物)濃度が50nmol/L未満であると身体機能の低下、筋力の減少、血中パラトルモン(副甲状腺ホルモン)濃度の増加、転倒及び骨折のリスクが高いことが報告されています。

【参考リンク】

つまり、経済産業省は健康寿命を延ばす対策を行ない、厚生労働省がフレイル対策にビタミンDは欠かせない栄養素の一つであるとまとめていることから、ビタミンDを含む食品の価値はこれからぐーっと上がっていくこと間違いなしです!

では、どんな食品にビタミンDが含まれているのでしょうか?

ビタミンDはサケ・マグロ・サバ・イワシ・サンマ・カレイ・ブリ・しらす干しなどの魚類やきくらげ・干し椎茸などのキノコ類に多く含まれています。

また、厚生労働省によれば、牛のレバー、チーズ、卵黄にも少量のビタミンDが含まれているそうです。

ビタミンDは食品、サプリメントから摂取ができ、そして日光に当たることで体内で生成されます。

ツナとしらすと夏野菜のまぜそば(えごま蕎麦)の作り方

太陽の光に当たるとビタミンDが作られるということを聞いたことがある人もいると思いますが、肌の老化(シミ・しわなど)を防ぐためや皮膚がんのリスクを下げるために、太陽の光を避けたり、日焼け止めを塗っていると血中のビタミンD濃度が欠乏状態になることがあるそうです。

そういった方はぜひビタミンDを食品またはサプリメントから摂取するようにしましょう!

■ビタミンDの必要摂取量

厚生労働省によれば、ビタミンDの必要摂取量は、年齢によって異なります。

米国食品栄養委員会(米国の専門家グループ)による年齢別1日当たりの平均推奨摂取量です(国際単位IUで表示)。

生後12カ月 400 IU
小児1-13歳 600 IU
10歳代14-18歳 600 IU
成人19-70歳 600 IU
成人71歳以上 800 IU
妊婦および授乳婦 600 IU


■まとめ

ビタミンDを含む食品・サプリメントがこれからの健康食材としてビジネスの将来性はある?ない?どっち?
ビタミンDを含む食品・サプリメントがこれからの健康食材としてビジネスの将来性はある?ない?どっち?

unsplash-logoCaroline Attwood

経済産業省は健康寿命を延ばす対策を行ない、厚生労働省がフレイル対策にビタミンDは欠かせない栄養素の一つであるとまとめていることから、ビタミンDを含む食品・サプリメントがこれからの健康食材としてビジネスの将来性は「あり」です!







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大豆たんぱく質を摂取して、筋肉を維持して、きれいになって、健康寿命を延ばそう!




大豆(soybean)
大豆(soybean)

プロテイン(たんぱく質)が人気の理由

プロテイン(たんぱく質)はダイエットや髪質の改善、冷え性、安眠、体力アップ、美肌によいとして注目を集めています。

プロテインの市場規模がどんどん大きくなっていることからもその人気ぶりがわかります。

■たんぱく質の摂取量の目安・摂り方!一食でまとめてはNG!

たんぱく質の成人女性の1日の摂取量の目安は1日50gですが、タンパク質は貯められる量が限られているので、朝・昼・夕と分けて摂取する必要があります。

例:朝15-20g、昼15-20g、夕15-20g

そのため、一食でまとめてはNG!

たんぱく質は20種類のアミノ酸でできていて、動物性たんぱく質と植物性タンパク質では、このアミノ酸の量が違ってきます。

そのため、バランスよく摂取することが大事。

■サルコペニアと筋肉

近年中高年を中心に増加しているサルコペニアは、寝たきりや認知症を引き起こす原因とされ、健康寿命を縮める一因となっています。

サルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)とは、筋肉が減り筋力が衰えた状態のことです。

最近は若い人にもサルコペニア予備軍が増えていて、無理なダイエットによる栄養の偏りなどが原因と考えられるそうです。

サルコペニアの原因は、加齢・運動不足・栄養の偏りの3つ。

若い時には偏っていてもなんとかカバーできていても、年を重ねるとそれもできなくなり、なおかつ食事の量も減っていくため、筋肉量や骨格筋が減っていき、サルコペニアのリスクが高まるそうです。

年齢を重ねるにつれて、食が細くなってくると、たんぱく質の摂取量も減り、筋肉量が減少し、サルコペニアのリスクも高まりますので、食事内容をチェックしましょう。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!|厚生労働省

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは3年後の筋力の低下と関連し、さらに高齢女性の3年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されているそうです。

また、日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされています。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

大豆たんぱく質を毎日の食事に8gプラスして筋力アップ!

筋委縮(サルコペニア)が進む寝たきりの方たちに「大豆たんぱく質8g」を30日間摂取してもらう実験を行ったところ、約7割の方に筋力改善(筋力が約40%アップ)の傾向が見られたそうです。

また、番組で行った2週間大豆たんぱく質8gを摂取する実験でも、約7割の人が背筋力・ジャンプ力・握力といった筋力がアップしました。

なぜ大豆たんぱく質を摂取すると筋力アップするのでしょうか?

筋萎縮にはユビキチンリガーゼが筋たんぱく質分解の促進にかかわっており、このユビキチンリガーゼの活性を阻害することが有効であると考えられています。

宇宙飛行士が宇宙から地球に戻ってきたときに立てなくなったり、歩けなくなった映像を見たことがあると思いますが、これには、ユビキチンリガーゼCbl-b (Casitus B-ligeage lymphoma-b) の発現が宇宙フライトにより増大していることが関係しています。

Cbl-bは、IRS-1(インスリン受容体基質タンパク質)をユビキチン化し分解へと導くユビキチンリガーゼとして働く、つまり筋萎縮を引き起こす重要な筋萎縮に関連する遺伝子の一つであることがわかりました。

そして、このCbl-bの活性を阻害するものが「大豆たんぱく質」であり、大豆タンパク質添加食は寝たきり患者の筋力減少の抑制にも有効であることがわかりました。

【参考リンク】

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■大豆たんぱく質25gで心疾患予防!

家守幸雄教授が行った発展途上国で尿を集めた研究によれば、長生きのカギとなる3S「Salt(塩)」「Seafood(魚介類)」「Soy(大豆)」であることがわかりました。

大豆の摂取量が多い地域ほど心疾患が少ないことがわかっているそうです。

※心疾患を予防するために必要な量の大豆イソフラボンは70mgと見込まれていて、一日60gの大豆の摂取が必要です。

Avoid Salt. Eat fish and Soy. Live longer – [日本語]: Yukio Yamori at TEDxTokyo

米国FDAの「健康強調表示」によれば、「大豆たんぱく質25gの摂取が心疾患予防につながる」と明示されているそうです。

筋肉量が多い人ほど顔のシミやシワ、毛穴の目立ちが少ない!マイオネクチンがメラニンの生成を抑えている!

ポーラ化成工業が行ったゲノム研究(GWAS)によれば、シミができない体質の人は、生まれつき筋肉の性質が異なる可能性があること、また、体重当りの体幹と下半身の総筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ないことが分かったそうです。

また、筋肉で作られる「マイオネクチン」が血液成分として皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることが示唆され、さらには、体の筋肉量が多いほど、シワ、毛穴の目立ち、色ムラなどが少ないことも明らかになったことから、美肌体質の秘密は、筋肉がカギを握っている可能性があるようです。

今回の研究を参考にすれば、筋肉量が多い人ほど顔のシミやしわ、毛穴の目立ち、色ムラが少ないことが示唆されたことから、ますます筋肉を維持することの重要性が高まりますね。

大豆のβコングリシニンがFGF21を増加させ脂肪肝改善!大豆製品の摂取量!

東京大学の佐藤隆一郎教授の研究グループが行ったラットによる実験を参考にすると、大豆に含まれるβコングリシニンを摂取させると、肝臓から分泌される善玉ホルモンFGF21の分泌が活発化し、肝臓の余分な中性脂肪を燃焼させると考えられます。

【参考リンク】

FGF21は脂肪肝の改善や中性脂肪値の改善だけでなく、血糖値やコレステロール値の改善にも効果があるそうです。

βコングリシニンといえば、様々な番組で取り上げられています。

【名医のザ太鼓判】長生きホルモンを増やす食品「大豆&オカラ」!|免疫力年齢が「蒸し大豆」食前20粒で若返り|カレーライスのウコン(ターメリック)に含まれるクルクミン|8月6日によれば、大豆のタンパク質に含まれるβコングリシニンが、内臓脂肪や中性脂肪を減らし、長生きホルモンを増加させ、糖尿病予防や血管修復などの健康効果が得られると紹介されています。

大豆や野菜で「アディポネクチン」を増やしてメタボリック対策をしよう!によれば、アディポネクチンは、糖尿病高脂血症高血圧を抑制し、動脈硬化を予防・改善することで注目を集めているホルモンですが、アディポネクチンを増やす食材として、大豆たんぱく質(豆腐・納豆などの大豆製品)が紹介されており、アディポネクチンを増やす「βコングリシニン(ベータコングリシニン)」は豆腐や納豆をはじめとする大豆食品(大豆たんぱく)に含まれているそうです。

大豆をどれだけ食べたらいいのかはまだ研究結果は出ていないそうです。

ただ、一日100gを食べれば脂肪肝の改善効果が期待できるのではないかと考えられるそうです。

大豆製品には、大豆そのものはもちろんのこと、豆乳・豆腐・納豆・油揚げ・味噌・きな粉などがあり、大豆をペースト状にしたみそ汁にした呉汁や大豆ごはんなどレシピもたくさんありますので、取り入れやすいですよね。

ぜひ脂肪肝を改善するためにも、1日100gの大豆製品を摂りましょう!

脂肪肝の改善方法 について詳しくはこちら

■毎食ダブルたんぱくを摂りましょう!

最近は「プロテイン」に健康・美容効果があるということで、注目が集まっていますよね。

昨日勉強したんですけど、日本人は特に朝食にたんぱく質の摂取量が少ない傾向があるそうです。

たんぱく質が摂れていない人に見られる不足のサインは、お腹や二の腕からシャープさがなくなる「ボディラインの崩れ」!

引き締まったボディをつくっていた筋肉が、たんぱく質不足で「ゆるみ筋」になってしまうそうで、筋肉が緩むとその上の脂肪や皮膚もゆるむ、つまり、見た目の老化を早める可能性も!

ゆるみ筋のような「たんぱく質不足のサイン」がある人は食生活を見直したいところです。

ちなみに、朝・昼・夕の3食とも十分なたんぱく質量(1食に体重1kgにつき0.24g以上)を摂取しているグループは、1食でも摂取量が不十分なグループに比べて、筋肉量が有意に多いことが確認されています。

つまり、毎食十分な量のたんぱく質をとっている人は体がゆるみにくいということ!

なおかつ、ダブルたんぱく(植物性たんぱく質と動物性たんぱく質を1:1の比率で配合したもの)の方が筋たんぱく質の合成率が高いそうです。

それは、吸収速度の異なるたんぱく質を摂取することで、吸収性が持続し、筋肉合成に働くアミノ酸の血中濃度が長時間にわたって一定に保たれるためだと考えられます。

筋肉を鍛えるためにプロテインを飲んでいる方の中には、ホエイプロテインを利用している方も多いと思いますが、植物性と動物性のたんぱく質をブレンドした方が、ホエイプロテイン以上に筋肉づくりに効果的なのだそうです。

その理由としては、1)大豆たんぱくには、筋たんぱく質を分解させる酵素「Cbl-b(ユビキチンリガーゼ)」を阻害する作用がある、2)大豆たんぱくは筋肉減少の要因である酸化ストレス(活性酸素)を減らす、3)乳たんぱくのホエイは、アミノ酸・ロイシンを多く含んでおり、筋肉を増やす、ことから、大豆とホエイプロテインをダブルで摂取することで、両者の働きが相まって、筋肉の減少が抑制されると考えられます。

つまり、植物性と動物性のたんぱく質をブレンドした方が筋肉づくりに効果的ということなので、毎食ダブルたんぱくを摂って健康に、美容に役立てましょう!







【参考リンク】

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食道がんを公表した秋野暢子さんは筋肉の衰えに危機感を覚え、軽い筋トレを始める!なぜ入院患者(がん患者)の筋肉は急速に衰えるの?




食道がんを公表した秋野暢子さんは筋肉の衰えに危機感を覚え、軽い筋トレを始める!なぜ入院患者(がん患者)の筋肉は急速に衰えるの?
食道がんを公表した秋野暢子さんは筋肉の衰えに危機感を覚え、軽い筋トレを始める!なぜ入院患者(がん患者)の筋肉は急速に衰えるの?

Hush Naidoo Jade Photography|unsplash

食道がんを公表した秋野暢子さんは筋肉の衰えに危機感を覚え、軽い筋トレを始めたそうですが、なぜ入院患者さん(今回はがん患者)の筋肉は急速に衰えるのでしょうか?

その前に、まずはサルコペニアについて改めて復習します。

■サルコペニアとは?サルコペニアの定義

多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥る|厚生労働省
多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥ります。加齢に伴う変化(食欲の低下・活動量の低下・社会交流の低下・筋力低下・認知機能低下・多くの病気をかかえている)→危険な加齢の兆候(低栄養・転倒・サルコペニア・尿失禁・軽度認知障害(MCI))

参考画像:高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省スクリーンショット

「メタボウォッチ」|早稲田大学、RESEARCHKITでメタボリックシンドロームになりやすい生活習慣をチェックするアプリを開発によれば、加齢とともに骨格筋が減少し、筋力が大幅に低下するサルコペニア(加齢性筋肉減弱現象)は身体活動量の減少と密接に関係しており、また不適切な食事習慣と合わさることで、内臓脂肪や皮下脂肪の蓄積によるメタボリックシンドロームの発症を招いているそうです。

米国ルイスビル大学の疫学者バウムガルトナー(Baumgartner)によれば、サルコペニアやメタボリックシンドロームが健康寿命に深く関連しているといいます。

サルコペニア
サルコペニア

サルコペニアの定義とは、筋肉量(骨格筋量)の減少に加えて、筋力の低下(握力など)または身体(運動)機能の低下のいずれかが当てはまる場合、サルコペニアと診断するというものです。

サルコペニア診断アルゴリズム
サルコペニア診断アルゴリズム

参考画像:後期高齢者の健康(2016/6/17、厚生労働省)|スクリーンショット

「認知症予防アプリ」|歩行速度を測定し認知症・MCI(軽度認知障害)のリスクが高い場合に通知する|太陽生命によれば、歩行速度が低下すると、認知症やMCIのリスクが高くなるそうですので、「歩行速度」はサルコペニアと認知症・MCIのリスク度をチェックする大事な要素といえそうです。

【関連記事】

■がん患者さんがサルコペニアに陥りやすい要因

がん患者さんがなぜサルコペニアに陥りやすいのかと言えば、1)入院で安静状態が続いて運動量が低下、2)食事量の減少によって必要なエネルギーやタンパク質を十分に摂れない、3)化学療法による吐き気・嘔吐などに副作用で食欲不振、4)味覚障害による食欲不振、5)がん悪液質(がん細胞が分泌するサイトカインが、全身性の炎症を引き起こし、タンパク質や脂肪の分解を促進、骨格筋など全身の筋肉はタンパク質でできているため、分解が進むにつれて、筋肉量が減り、次第にやせてサルコペニアに)が原因として考えられます。

サルコペニアの患者さんは寝たきりや要介護に進みやすいため、従来の治療に加えて、栄養療法と運動療法(リハビリ)を行なうことで筋肉量を維持することができれば、健康寿命を延ばすことができるのではないかと考えられるそうです。

●運動でサルコペニア対策

高齢者の筋内脂肪の蓄積はサルコペニアと運動機能低下に関係する|名古屋大学で紹介した名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広教授、田中憲 講師、同大学院生らの研究グループは早稲田大学と行なった共同研究によれば、高齢者の筋肉内に霜降り上に蓄積する脂肪(筋肉脂肪)が、加齢に伴う筋力の減少(サルコペニア)や運動機能低下と関係していることがわかりました。

高齢者は、定期的に運動をすることによって、加齢による筋肉量の減少と運動機能低下を軽減し、筋内脂肪の蓄積の抑制をすることが期待されます。

●たんぱく質でサルコペニア対策

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは3年後の筋力の低下と関連し、さらに高齢女性の3年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されているそうです。

また、日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされています。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

たんぱく質並びにアミノ酸の介入研究|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省では、サルコペニア予防および改善の観点から、高たんぱく質食品、プロテインやアミノ酸などのサプリメント、β─ ヒドロキシ─β─ メチル酪酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate:HMB)を単独もしくはアミノ酸と配合したサプリメントを補給する介入研究が紹介されています。

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がん患者、高齢者に共通するのは、運動量の低下、食事の量の減少であり、この2つを改善することが健康寿命を延ばすことにつながると考えられるので実践していきたいですね。