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これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?

個人としても「健康」が大事な時代ですが、企業としても「健康」がキーワードになっているのを感じます。

そのことを感じるようになったのは「健康経営」という言葉が出てきたからです。

「健康経営」にはどんな意味があるのでしょうか?




【目次】

■これからの企業の目標は「健康経営」!?

生活習慣病サービスの確立や、社会全体で健康寿命の延伸を支える仕組み~健康経営の促進~|新産業構造ビジョン(経済産業省)
生活習慣病サービスの確立や、社会全体で健康寿命の延伸を支える仕組み~健康経営の促進~|新産業構造ビジョン(経済産業省)

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~(改訂第1版)|経済産業省

このため、「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること。」である、「健康経営」の実施が重要となっている(図表3)

なお、株式会社日本政策投資銀行では、健康経営を、「従業員の健康増進を重視し、健康管理を経営課題として捉え、その実践を図ることで従業員の健康の維持・増進と会社の生産性向上を目指す経営手法」と定義している。

健康経営とは、経営の視点から従業員の健康維持・増進について取り組むことが企業にとっての収益性・生産性向上につながるという考え方です。

【参考リンク】

  • 「健康経営宣言」制定のお知らせ(2017/1/25、アフラック)
  • 経済産業省および日本健康会議主催「健康経営優良法人~ホワイト500~」に認定(2017/2/21、明治安田生命保険相互会社)

■「健康経営」への関心が高まっている背景にあるのは何?

Cydcor Conference 2013

by Cydcor(画像:Creative Commons)

生産年齢人口の減少や生活習慣病患者・メンタルヘルス不調者の増加といった社会情勢の変化によって、労働力の確保が困難になったり、従業員の健康悪化が企業経営に大きく影響を及ぼすことがわかってきていることから、企業が従業員の健康づくりを支援して、健康悪化による経営リスクを引き下げようという動きが健康経営に注目が集まっている背景にあります。

●生産年齢人口の減少

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

●生活習慣病患者の増加

●メンタルヘルス不調者の増加

メンタルヘルス不調者「増加」=産業カウンセラーの7割が指摘(2009/6/1)で紹介した日本産業カウンセラー協会のアンケート調査によれば、企業で働くカウンセラーの約7割が、職場でメンタル面の不調を訴える人が増加したと考えているそうです。

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●健康と生産性の関係

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

また、喫煙や肥満も生産性を失う要因であり、ダウ・ケミカルのCEOアンドリュー・リバリスによれば「我々が使う機械と同様に、社員も十分にケアすれば、有病率が減り、医療費、業務遂行障害、生産量低下によるコスト(=損失)が削減できる」と語っています。

■「健康経営」による企業へのメリット

●生産性の向上

健康経営に取り組むことにより、体調不良を感じない社員が増えることにより労働生産性の向上や欠勤率の低下が見込まれます。

●医療費負担の軽減

社員割引でダイエット応援|従業員が健康を改善することで企業の医療費の削減につながる|米WHOLE FOODS MARKET(2009/12/9)によれば、アメリカでは多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているため、企業の医療費の削減するためにも、減量や大幅な健康改善に成功した従業員に対し、報酬として社内販売の割引率をアップするという取り組みを行なっています。

健康経営に取り組むことによって、疾病手当の支払いの減少や健康保険料負担の抑制によって、医療費の負担軽減が見込まれます。

●リスクマネジメント

勤務時間が長かったり、責任が重かったりすることなどによる肉体的ストレス・精神的ストレスによって、ミスや事故が生まれてしまったり、労災発生を未然に防ぐことが期待されます。

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■「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいのか?

それでは、企業側は「健康経営」のためにどのように取り組んだらよいのでしょうか?

一般的な例としては、従業員に定期健康診断の受診を勧奨したり、職場環境の課題の改善、従業員自身が行なっている健康維持・増進活動の支援などが挙げられます。

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ただ、食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げましたが、例えば「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージは実は伝わりにくいメッセージなのです。

「バランスの良い食事」というのは具体的にどうしたらいいかがわかりませんし、目標も立てづらいですよね。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

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つまり、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

ではどのようにしたらよいのでしょうか?

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)ではこのような提案がされています。

例:アメリカ人に健康的な生活をさせるには?
「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。
飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。
「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、解釈の仕方はいくらでもある。

よくテレビで紹介されているような「○○の不足が病気の原因となる恐れがあるので、△△を食べましょう」というのは、批判もありますが、見ている人に伝わりやすく、行動を変えやすいということなんですね。

例えば、デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

しかし、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

「魚は幸運の印である」という地元の俗説を利用して、カントロップという魚の形に成形した鉄の塊(Lucky Iron Fish)を調理中の料理にしたところ、Lucky Iron Fishを使っている地域では鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

普段食べている食事にLucky Iron Fishという鉄の塊を入れるだけで鉄欠乏性貧血が解消するというのは実にわかりやすい方法です。

つまり、「バランスの良い食事にしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあるので、一つにフォーカスを当てて、一年一年改善していくほうが「健康経営」を行ううえで、遠回りなようで近道なのです。

会社の目標は「虫歯ゼロ」という1メッセージは伝わりやすい!会社の健康目標を立ててみませんか?で紹介した「虫歯ゼロの会社」というアイデアというのは、一つの目標にフォーカスをしていて行動をとりやすいですよね。

■「健康経営」で企業が得をする時代になる!?

最近では、健康な人ほど得をする保険が出てきていますが、この動きは企業にも広がりつつあります。

東京海上日動「健康経営」なら保険料割引 大手初

(2017/3/31、Sankei Biz)

 経済産業省が実施する、健康増進の取り組みを評価する制度で、優良法人に選ばれた企業を対象に、従業員の業務上のけがなどを補償する企業向け保険の保険料を5%安くする。

東京海上日動火災保険は、「取引先企業の生産性や業績を健康経営で向上させたい」という目的で、社員の健康増進に取り組む「健康経営」を行なう企業に対し、保険料の割引特典をつけた制度を始めるそうです。

保険会社では、個人向けにですが健康増進活動に対するインセンティブを与えるというところも出てきています。

「ずっともっとサービス」に「健康サポートマイル」を導入|健康増進に取り組むとサンクスポイントが貯まる仕組み|日本生命保険相互会社によれば、日本生命保険相互会社は、健康・介護・育児の無料相談等を備えた「ずっともっとサービス」に「健康サポートマイル」を導入するそうです。

「あるく保険」|健康増進活動に応じて保険料をキャッシュバックする業界初の商品|東京海上日動あんしん生命保険によれば、東京海上日動あんしん生命保険株式会社(あんしん生命)はNTTドコモと共同で、保険加入者にウェアラブルデバイスを貸与し、アプリで計測された健康増進活動に応じて保険料の一部をキャッシュバックする商品「あるく保険(新医療総合保険 健康増進特約付加)」を開発しました。

SBI生命保険、健康管理や生活習慣改善のためのFiNCアプリのサービス対象者を保険加入者全員に拡大によれば、目標達成状況に応じたポイントが付与される「健康インセンティブプログラム」が提供されていて、貯まったポイントはウェルネス・ヘルスケア商品に特化したECサイト「FiNC モール」で利用できるそうです。

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「健康ポイント制度」に医療費を抑制する効果があることが初めて実証されるによれば、運動や検診など健康づくりに取り組んだ人がポイントを受け取って商品券などに交換する「健康ポイント制度」に、医療費を抑制する効果があることが初めて実証されたそうです。

企業も、このように健康増進活動に応じてキャッシュバックしたり、ポイントを付与する仕組みを活用して行くようになっていくのではないでしょうか?

従業員が健康でいることが企業が好調であるという「健康経営」が広がっていくといいですね。

もしかすると、今後は健康経営を行なっている企業のブランド価値が向上し、健康経営の指標が会社選びの重要な基準になる時代も来るかもしれません。







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少子高齢化による労働人口の減少の問題を、家事の大変さをスマートライフ市場が代替することで、働き手を増やし、約100兆円の家事市場を創出しよう!




■少子高齢化による労働人口の減少の問題を、家事などをスマートライフ市場が代替することで、働き手を増やし、約100兆円の家事市場を創出しよう!

スマートライフのイメージ
スマートライフのイメージ

参考画像:「Connected Industries」東京イニシアティブ2017(2017/10/2、経済産業省)|スクリーンショット

日本では少子高齢化が進んでおり、労働人口の減少が問題となっています。

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

経済産業省では、様々な業種、企業、人、機械、データなどがつながって、AI等によって、新たな付加価値や製品・サービスを創出、生産性を向上し、高齢化、人手不足、環境・エネルギー制約などの社会課題を解決するという「Connected Industries」というコンセプトを掲げています。

「Connected Industries」の取組の方向性として、5つの重点取組分野(自動走行・モビリティサービス、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安、スマートライフ)を挙げています。

その中の一つの「スマートライフ」では、少子高齢化が進む中で起こる労働人口の減少を、家事などによる無償労働をスマートライフ市場が代替することによって、労働人口(時間)を増やすと同時に、市場を作ろうと提案しています。

「Connected Industries」東京イニシアティブ2017

(2017/10/2、経済産業省)

少子高齢化が進む中で、人手不足等の社会課題への対応が求められており、家事等の無償労働をスマートライフ市場が代替することで、働き手(労働時間)を創出していくことが必要。

なお、家電市場は約7兆円だが、家事市場は約100兆円との試算あり。

※内閣府の「家事活動等の評価について」によると、2011年の無償労働貨幣評価額は108兆円~97兆円と試算されている。

アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアで紹介した米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、アメリカでは2016年、成人の3分の1(37.2%)以上が仕事に就いておらず、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業していないそうです。

その理由は「介護」にあります。

アメリカのベビーブーマー世代が高齢化するにつれて、介護の需要に供給が追い付かず、自宅で介護を受けており、親の介護をする結果、就労することができないというのが現状のようです。

就労できずに自宅で親の介護をしなければならない理由としては、必要な介護を受けるための経済的な仕組みが整っていないこと、介護を必要とする高齢者の増加、そして、介護を必要とする期間の長期化が挙げられています。

また、看護師・看護職員の離職理由とは|看護師の離職率を改善するための提案では、看護師の離職理由として、1.妊娠・出産・結婚・子育て・配偶者の転勤といった人生の転機が理由、2.勤務時間が長い・超過勤務が多い・夜勤の負担が大きいといった労働条件が理由、があり、看護師の離職率を改善するためには、ライフプランに合わせた働き方を検討していくことと一人一人への負担を軽くする働き方を検討していく必要があると書きました。

一部の例をあげましたが、このように、現時点では働こうという意欲があっても事情で働くことができない人がいるという現状があるわけです。

反対に考えれば、働きたくても働くことができない人の悩みを解決することができれば、働く人にとっては無償から有償の労働となり、社会にとっては労働人口の確保や市場の拡大というメリットが期待できるわけです。

どんな悩みがあるのでしょうか?

スマートライフのイメージ
スマートライフのイメージ

参考画像:「Connected Industries」東京イニシアティブ2017(2017/10/2、経済産業省)|スクリーンショット

■悩み

●安全

  • 宅配便を受け取れない

●家事

  • 買い物に行くのが面倒
  • スーパーまでの移動手段がない
  • 炊事・洗濯・掃除の時間がない

●健康

  • 日々の体調管理ができない
  • 認知症にならないようにしたい

●医療

  • 病院に行くのが大変
  • 病院間でカルテが共有されない

●介護

  • 両親の浴室事故を防ぎたい
  • 孤独死が怖い

●子育て

  • 遠隔での帰宅確認
  • 学校からの連絡がプリント
  • 塾へ行かせたいけど高い

■解決策

●安全

  • IoT宅配(不在配達+スマートロック)

【働き方調査】日本は今どれくらい忙しいの?|23.4%の人が、平日の家族との時間は1時間未満|「生活の中でAIに任せることができたら便利だと思うこと」ランキング|「生活で最も重視すること」では41.5%が「お金」では、「生活の中でAIに任せることができたら便利だと思うこと」ランキングでは、第4位「防犯/安全の管理」が選ばれていましたが、スマートロックやスマートスピーカーによる戸締り(セキュリティ)をするサービスが出てきていることを紹介しました。

その他の可能性としては、ブロックチェーンとIoTで「本人のみ受け取り可能な宅配ボックス」ができ、”荷物を受け取ったタイミングで自動で課金を実施する着払い型の宅配ボックス”ができるようになると再配達がなくなるのではないでしょうか。

また、宅配という面だけを見れば、ドローン宅配ということも可能性として考えられそうです。

【関連記事】

●家事

  • 献立提案・ネット宅配サービス
  • デマンド交通ソリューション
  • 家事代行サービス、家電の遠隔制御等

買物弱者対策に関する実態調査 結果報告書

(平成29年7月、総務省)

我が国では、高齢化や単身世帯の増加、地元小売業の廃業、既存商店街の衰退等により、過疎地域のみならず都市部においても、高齢者等を中心に食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる方(いわゆる「買い物難民」、「買い物弱者」、「買い物困難者」)が増えてきており、「食料品アクセス問題」として社会的な課題になっています。

買い物に行くのが面倒だったり、移動手段がないという問題に対しては、必要人数分の食材(献立も提案)を自宅まで宅配するサービスやドアtoドアの乗合タクシー・バス型のデマンド交通システム、移動販売が登場しています。

【参考リンク】

また、掃除や洗濯、料理(食器洗い乾燥機を含めて)の全自動化や家事代行サービスでいかに時間を作るかが重要になっています。

●掃除

iRobotのロボット掃除機「ルンバ」や床拭きロボット「ブラーバ」、Panasocicのロボット掃除機「RULO」、ダイソンの「360 Eye」

ルンバ980紹介ムービー

床拭きロボット ブラーバ<公式サイト>

●料理

クックフォーミー エクスプレス「圧力調理でスピード革命!」short ver. /T-fal

ホットくクッキング!

●健康

  • デバイスデータ連携ソリューション
  • コミュニケーションロボット

ICT医療においては、ICTを活用した個人の健康管理がスタートであり、カギとなります。

医療・健康分野におけるICT化の今後の方向性(平成25年12月、厚生労働省)によれば、

健康寿命を延伸するためには、ICTを利用した個人による日常的な健康管理が重要

だと書かれています。

ICTとは、Information and Communication Technology(インフォメーション・アンド・コミュニケーション・テクノロジー:情報通信技術)の略です。

ICTを活用した医療分野への活用の例としては次の通り。

  • 電子版お薬手帳や生活習慣病の個人疾病管理など患者・個人が自らの医療・健康情報を一元的、継続的に管理し活用する仕組み
  • 地域包括ケアシステム(電子カルテ情報を地域の診療所が参照する)
  • ICTを活用してレセプト等データを分析し全国規模の患者データベースを構築し、疾病予防を促進
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

経済産業省の「新産業構造ビジョン」によれば、個人が自らの生涯の健康・医療データを経年的に把握するため、また、最適な健康管理・医療を提供するための基盤として、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を構築し、2020年度には本格稼働させていくことが必要と提案されています。

医療機関での「Pepper」を使ったコミュニケーションシステムにおける共同研究開発を開始|フライトシステム・東京慈恵会医科大学・ジェナで医療ICT化推進を目指すでは、Pepperとの自然な対話を通して認知症の疑いを発見する仕組みの開発がスタートしています。

認知症の改善効果が期待されるコミュニケーション用ロボット「テレノイド」が宮城県の介護施設に導入によれば、大阪大学の石黒浩教授が開発した、認知症の予防や症状の進行を抑える効果が期待されるコミュニケーション用ロボット「テレノイド」が宮城県の介護施設に導入されたそうです。

デンマークと日本における存在感対話メディアの実証的研究によれば、ほとんどの認知症高齢者がテレノイドに強い愛着を示し、うつ傾向がある人や無反応な人が自ら話しかけるようになるそうです。

また、テレノイドには積極的に身体的接触を図る傾向があるそうで、これには「触れ合い」によるストレス軽減効果があると考えられるそうです。

Pepperにもこうしたことができれば、認知症の早期発見だけでなく、予防や症状の進行を抑えることもできるようになるかもしれません。

●医療

  • 遠隔診療サービス
  • お薬手帳・母子手帳の電子化

厚生労働省の通達「情報通信機器を用いた診療について」に対応した遠隔医療機能を持たせたサービスがいよいよスタートによれば、厚生労働省が2017年7月14日付けで出した通達「情報通信機器を用いた診療について」に対応して遠隔医療機能を持たせたサービスの展開が始まりました。

医療現場における、IoTやAI等の革新的技術の利活用|遠隔診療・AIを活用した診療
医療現場における、IoTやAI等の革新的技術の利活用|遠隔診療・AIを活用した診療

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最大化に向けて、個人の健康・医療データを活かす新たなシステムが必要であるとして、患者自らが納得して選択できる医療、患者の満足度の⾼い医療、時間・場所を問わず、必要な医療が提供される環境の実現が必要とあり、その中でも「遠隔診療」、「AIを活⽤した診療」といったIoTやAI等の革新的技術を医療現場におけて利活用する取り組みが重要となるとあります。

医療とテクノロジーを組み合わせることによって、時間・場所を問わず、必要な医療が提供される環境が実現すれば、より医療が身近なものとなっていくことが期待されます。

第一生命が取り組む「INSTECH」とは?|保険(INSURANCE)とテクノロジー(TECHNOLOGY)|医療ビッグデータの解析・健康な人ほど得をする保険商品の開発によれば、第一生命、ネオファースト生命、電子お薬手帳である「お薬手帳プラス」アプリを独自に開発している日本調剤が業務提携を行ない、新たなサービスや保険商品の開発を行なっていくそうです。

【関連記事】

電子母子手帳アプリ提供開始 「マイME-BYO(未病)カルテ」と連携でお薬情報も管理できる|神奈川県によれば、神奈川県では母親や子供の健診情報や予防接種のスケジュール管理ができる電子母子手帳アプリの提供を開始したそうです。

●介護

  • 浴室見守りソリューション
  • 家電のモニタリングによる異常検知

【IoT×介護】溺水事故を防ぐ!マイクロ波を使った「浴室センサー」|失禁への不安を軽減!排尿センサー|SOMPOによれば、損害保険会社のSOMPOホールディングスは、入浴時に浴室でおぼれてしまう事故を防ぐために、「浴室センサー」と呼ぶIoT機器を浴室内に設置し、マイクロ波を活用した「浴室センサー」で状態を把握できるようにし、動きがない時にはアラートを通知するようになっているそうです。

マイクロ波を活用する理由は、カメラでの検知のほうが安全性は確保できるものの、カメラで撮影され続けるというプライバシーの問題があるため、マイクロ波を選んでいるそうです。

腕時計型端末が異常を検知した時に、緊急時に職員を急行させたり、救急車を手配する新見守りサービス「セコム・ホームセキュリティNEO」では、セコムは、高齢者らが急病で倒れたことなどを検知する腕時計型の端末「セコム・マイドクターウォッチ」を開発し、端末が異常を検知したときには、緊急時に職員を急行させたり、救急車を手配するなどの新サービスを始めています。

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●子育て

  • 入退出見守りソリューション
  • ICTコミュニケーション
  • オンライン学習サービス

クラウドで教育をより良く教育ICTガイドブック|総務省によれば、ICT(Information & Communications Technology:情報通信技術)を教育分野で活用する意義には、主体的・協働的に深い学びを実現するなど学びを活性化する「Active」、ビッグデータ、AI関連技術により習熟度が見える化され、学びが個々に最適化された「Adaptive」、地理的制約や心身の障害、貧困などの困難を抱える子供たちの学びを支援する「Assistive」という3つのAに整理できるそうです。

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■少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンスになる!?

アンバンドル・リバンドル・エンハンスを視点の一つに組み込もう!|#FINTECH #INSURTECH #HEALTHTECH #AGRITECH #EDTECH の次は?では、金融分やのFintech(フィンテック)、保険分野のInsurtech(インシュアテック)、ヘルスケア分野の「Healthtech」、農業分野のAgritech(アグリテック)、教育分野のEdtech(エドテック)が起きていることを紹介しましたが、スマートライフでいえば、Hometech(ホームテック)・Lifetech(ライフテック)とでも呼べるものが起き始めています。

そして、少子高齢化社会の訪れに対して悲観的ではなく、逆にチャンスととらえようという動きも出ています。

例えば、大人用紙オムツの売上が子供用オムツの売上を追い抜いた!?|日本の紙おむつが国際規格化|高齢化社会がビジネスチャンスに変わる!?によれば、大人用紙おむつの評価方法に関する規格「ISO15621尿吸収用具―評価に関する一般的指針」が改訂し、欧米の「テープ止め型(体にテープで固定するタイプ)」ではなく、日本が提案する装着車の症状や生活環境に合わせたきめ細かい高齢者介護学科脳になるパンツ型やテープ止め型のおむつに吸着パッドを挿入するタイプなどを規格化されました。

つまり、世界に先行して高齢化社会に突入している日本は、医療費削減のアイデアやよりよい介護の方法を実行できる立場にあり、それらのやり方をスタンダードにすることができるというビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?

また、こうした考え方を発展させれば、人間と機械(人工知能・ロボット)と一体化して、人間の能力を強化・拡張していくことによって、未来の社会基盤を構築していくことにもつながると思います。

この考え方は、ヒューマンオーグメンテーション(Human Augmentation)という暦本純一さんが提唱するコンセプトで、人間とテクノロジー・人工知能が一体化することで、知覚、認知、身体、存在感の4つの分野で人間の能力を強化・拡張していくIoA(Internet of Abilities:能力のインターネット)という未来社会基盤の構築を視野に入れた、最先端の研究を体系化していく学問領域です。

【関連記事】

https://twitter.com/ochyai/status/863280246140698624で落合陽一さんはAIやロボットなど自動化技術によって、高齢化社会で成長する方法を提案しています。

自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する介護ロボットの開発・活用促進|現場ニーズに基づく介護ロボット開発支援
利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する介護ロボットの開発・活用促進|現場ニーズに基づく介護ロボット開発支援

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最⼤化に向けて、⾼齢となっても⾃分らしく⽣きることの出来る「⽣涯現役社会」の実現に向けて、⾃⽴⽀援に向けた介護や質・⽣産性の⾼い介護の提供の実現が必要であるとして、ケアプラン作成を⽀援するAI(人工知能)や介護現場のニーズに基づいた介護ロボット(センサー含む)を開発・活⽤が必要になるとあります。

高齢化社会をベースにすると発想を転換すると、それに合わせたテクノロジーが生まれることによって、もしかすると、若者にとっても過ごしやすい社会になるかもしれませんし、すでにそうした兆しも見えています。

少子高齢化こそ新しいものを生み出すチャンスととらえると、また違った世界が見えてくるかもしれませんね。

The reasonable man adapts himself to the world; the unreasonable one persists in trying to adapt the world to himself. Therefore all progress depends on the unreasonable man.

- George Bernard Shaw (バーナード・ショー) -

理性的な人間(物わかりのいい人)は自分自身を世界に適応させる。
非理性的な人間(わからず屋)は世界を自分自身に適応させようと固執する。
それゆえに、すべての進歩は非理性的な人間のおかげである。

■まとめ

Society5.0につながるConnected Industries
Society5.0につながるConnected Industries

参考画像:「Connected Industries」東京イニシアティブ2017(2017/10/2、経済産業省)|スクリーンショット

「Connected Industries」東京イニシアティブ2017(2017/10/2、経済産業省)によれば、経済産業省は将来サイバー空間とフィジカル空間が高度に融合したSociety 5.0(超スマート社会)を目指していますが、現状では事業所・工場、技術・技能等の電子データ化は進んでいますが、それぞれバラバラに管理され、連携していないという課題があります。

「Connected Industries」というコンセプトは、様々な業種、企業、人、機械、データなどがつなげることが重要です。

ただ、どんなにつなごうとしても、それぞれがバラバラの操作方法であったりすると、つなぎ方がシンプルではなく複雑なものになってしまうかもしれません。

「HEMS(Home Energy Management System)」は、電気やガスなどの使用量をモニターで可視化したり、自動制御することによって、家庭の省エネルギーのための管理システムですが、「アート×テクノロジーの時代」(著:宮津大輔)によれば、THE Eugene STUDIO Visualization Dept.の所員が“家にまつわる総合的なOS開発”を行なった「未来のHEMS OS」開発プロジェクトのゴールは、住む人が求めるあらゆる機能を、それぞれ独立した家電製品からではなく、住宅それ自体で提供することを目指す、と書かれていました。

※「アート×テクノロジーの時代」(著:宮津大輔)では、このプロジェクトについてわかりやすく説明がされていますので、ぜひ読んでみてください。

アート×テクノロジーの時代 社会を変革するクリエイティブ・ビジネス (光文社新書)

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【参考リンク】

このように「Society5.0 OS」を開発するというイメージでみながイメージを共有しながら進んでいくことが重要なのではないでしょうか?

→ 【人手不足で悩む社長さんへ】求人を増やす方法(給与前払いサービス・AIの活用・ワクワクする仕事をPR) について詳しくはこちら







【遠隔医療 関連記事】
続きを読む 少子高齢化による労働人口の減少の問題を、家事の大変さをスマートライフ市場が代替することで、働き手を増やし、約100兆円の家事市場を創出しよう!

「少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンス(医療・介護など)になる!」と発想を転換してみない?




【目次】

■少子高齢化による高齢化社会

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

Population of Japan|日本の人口ピラミッド
Population of Japan|日本の人口ピラミッド

参考画像:Population of Japan|PopulationPyramid.net

2045年の人口ピラミッドを70-74歳代が最も多く、その下の若い世代はどんどん少なくなっていくと予想されます。

高齢化社会をイメージする図としてよく紹介されるのがこのような図です。

2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。
2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。

参考画像: [将来の税はどうなるの?] 少子・高齢化|国税庁スクリーンショット

高齢者が増えて子供が少なくなってしまう少子高齢化になると、その生活を支えることができなくなるとしてよくこのような図が紹介されます。

確かに、高齢者が増えると、税金が使われる医療、年金、介護などに必要なお金が増えます。

このブログでも、医療費が増加傾向にあることや国民皆保険が持続不能だと医師が答えたというニュース、75歳以上同士の「老老介護」初の30%超のニュース、老後のお金に対する不安のニュースなどに高齢化社会のネガティブな面についてこれまで取り上げてきました。

しかし、その一方で高齢化社会に対して、健康でいる期間を増やすことに取り組むといった明るい兆しのあるニュースも取り上げてきました。




■少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンスになる!?

Chance Cards

by Rich Brooks(画像:Creative Commons)

そして、もう一つの考え方として、高齢化社会をチャンスととらえようという動きも出ています。

例えば、大人用紙オムツの売上が子供用オムツの売上を追い抜いた!?|日本の紙おむつが国際規格化|高齢化社会がビジネスチャンスに変わる!?によれば、大人用紙おむつの評価方法に関する規格「ISO15621尿吸収用具―評価に関する一般的指針」が改訂し、欧米の「テープ止め型(体にテープで固定するタイプ)」ではなく、日本が提案する装着車の症状や生活環境に合わせたきめ細かい高齢者介護学科脳になるパンツ型やテープ止め型のおむつに吸着パッドを挿入するタイプなどを規格化されました。

つまり、世界に先行して高齢化社会に突入している日本は、医療費削減のアイデアやよりよい介護の方法を実行できる立場にあり、それらのやり方をスタンダードにすることができるというビジネスチャンスがあるのではないでしょうか?

また、こうした考え方を発展させれば、人間と機械(人工知能・ロボット)と一体化して、人間の能力を強化・拡張していくことによって、未来の社会基盤を構築していくことにもつながると思います。

この考え方は、ヒューマンオーグメンテーション(Human Augmentation)という暦本純一さんが提唱するコンセプトで、人間とテクノロジー・人工知能が一体化することで、知覚、認知、身体、存在感の4つの分野で人間の能力を強化・拡張していくIoA(Internet of Abilities:能力のインターネット)という未来社会基盤の構築を視野に入れた、最先端の研究を体系化していく学問領域です。

【関連記事】

https://twitter.com/ochyai/status/863280246140698624で落合陽一さんはAIやロボットなど自動化技術によって、高齢化社会で成長する方法を提案しています。

自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
自立支援に軸足を置いた介護への移行|インセンティブ設計|介護現場での人工知能の導入加速
利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する介護ロボットの開発・活用促進|現場ニーズに基づく介護ロボット開発支援
利用者の生活の質の維持・向上と介護者の負担軽減を実現する介護ロボットの開発・活用促進|現場ニーズに基づく介護ロボット開発支援

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最⼤化に向けて、⾼齢となっても⾃分らしく⽣きることの出来る「⽣涯現役社会」の実現に向けて、⾃⽴⽀援に向けた介護や質・⽣産性の⾼い介護の提供の実現が必要であるとして、ケアプラン作成を⽀援するAI(人工知能)や介護現場のニーズに基づいた介護ロボット(センサー含む)を開発・活⽤が必要になるとあります。

高齢化社会をベースにすると発想を転換すると、それに合わせたテクノロジーが生まれることによって、もしかすると、若者にとっても過ごしやすい社会になるかもしれませんし、すでにそうした兆しも見えています。

少子高齢化こそ新しいものを生み出すチャンスととらえると、また違った世界が見えてくるかもしれませんね。

The reasonable man adapts himself to the world; the unreasonable one persists in trying to adapt the world to himself. Therefore all progress depends on the unreasonable man.

- George Bernard Shaw (バーナード・ショー) -

理性的な人間(物わかりのいい人)は自分自身を世界に適応させる。
非理性的な人間(わからず屋)は世界を自分自身に適応させようと固執する。
それゆえに、すべての進歩は非理性的な人間のおかげである。

そして、少子高齢化問題における複数の問題を解決するためには、任天堂の宮本茂さんのような発想が役立つのではないでしょうか?

アイデアというのはなにか

(2007/8/31、ほぼ日)

「アイデアというのは複数の問題を一気に解決するものである」

問題となっている事象の根源を辿っていくと、
いくつもの別の症状に見える問題が
じつは根っこでつながってることがあったり、
ひとつを変えると、
一見つながりが見えなかった
別のところにも影響があって、
いろんな問題がいっしょになくなったりする。

一つの問題を解決しようとすると、「あちらを立てればこちらが立たず」というようなトレードオフの関係になってしまったり、問題の本質ではないものにフォーカスを当ててしまい、結局はまた問題が残ってしまうことがあります。

任天堂の宮本茂さんが生み出し、任天堂の岩田聡さんが広めたこの考え方を持つと見え方が変わってくるのではないでしょうか?







【老後の不安 関連記事】
続きを読む 「少子高齢化による高齢化社会は日本にとってのビジネスチャンス(医療・介護など)になる!」と発想を転換してみない?

【雇用統計】2017年平均の有効求人倍率1.50倍、1973年以来44年ぶりの高水準|有効求人倍率の高さの3つの理由




■【雇用統計】2017年平均の有効求人倍率1.50倍、1973年以来44年ぶりの高水準

求人、求職及び求人倍率の推移|一般職業紹介状況(平成29年12月分及び平成29年分)について
求人、求職及び求人倍率の推移|一般職業紹介状況(平成29年12月分及び平成29年分)について

参考画像:求人、求職及び求人倍率の推移|一般職業紹介状況(平成29年12月分及び平成29年分)について(2018/1/30、厚生労働省)|スクリーンショット

一般職業紹介状況(平成29年12月分及び平成29年分)について

(2018/1/30、厚生労働省)

○平成29年12月の有効求人倍率は1.59倍で、前月に比べて0.03ポイント上昇。
○平成29年12月の新規求人倍率は2.42倍で、前月に比べて0.05ポイント上昇。
○平成29年平均の有効求人倍率は1.50倍で、前年に比べて0.14ポイント上昇。

厚生労働省が2018年1月30日に発表した2017年平均の有効求人倍率は前年比0.14ポイント上昇し、1.50倍となり、1973年以来44年ぶりの高水準となっています。

労働力調査(基本集計) 平成29年(2017年)12月分 (2018年1月30日公表)

(2018/1/30、総務省)

完全失業率(季節調整値)は2.8%。前月に比べ0.1ポイントの上昇

総務省が2018年1月30日に発表した労働力調査によれば、2017年平均の完全失業率は前年比0.3ポイント低下の2.8%となっています。




■有効求人倍率の高さの3つの理由

有効求人倍率の高さの理由(仮説)として、1.経済成長、2.少子高齢化による生産人口の減少→人手不足、3.労働市場におけるミスマッチを挙げました。

1.経済成長

日本は人口減でも経済成長が可能-名目GDPは過去最大546兆円

(2017/11/15、Bloomberg)

高齢化に伴い人口減少が進む中、日本の実質国内総生産(GDP)は7期連続で経済成長を続けている。

人口減少下の経済規模の拡大は1人当たりでみるとプラスに働いている。

内閣府の7-9月期GDPによれば、日本の名目GDPを総額で見ると増加傾向にあり、7-9月期では過去最高の545.8兆円を記録しています。

2.少子高齢化による生産人口の減少→人手不足

少子高齢化による労働人口の減少の問題を、家事の大変さをスマートライフ市場が代替することで、働き手を増やし、約100兆円の家事市場を創出しよう!によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、労働人口の減少が問題となっています。

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

生産人口の減少が人手不足の原因となっていると考えられます。

少子高齢化による労働人口の減少の問題を、家事の大変さをスマートライフ市場が代替することで、働き手を増やし、約100兆円の家事市場を創出しよう!によれば、経済産業省では、様々な業種、企業、人、機械、データなどがつながって、AI等によって、新たな付加価値や製品・サービスを創出、生産性を向上し、高齢化、人手不足、環境・エネルギー制約などの社会課題を解決するという「Connected Industries」というコンセプトを掲げています。

スマートライフのイメージ
スマートライフのイメージ

参考画像:「Connected Industries」東京イニシアティブ2017(2017/10/2、経済産業省)|スクリーンショット

「Connected Industries」の取組の方向性として、5つの重点取組分野(自動走行・モビリティサービス、ものづくり・ロボティクス、バイオ・素材、プラント・インフラ保安、スマートライフ)を挙げています。

その中の一つの「スマートライフ」では、少子高齢化が進む中で起こる労働人口の減少を、家事などによる無償労働をスマートライフ市場が代替することによって、労働人口(時間)を増やすと同時に、市場を作ろうと提案しています。

「Connected Industries」東京イニシアティブ2017

(2017/10/2、経済産業省)

少子高齢化が進む中で、人手不足等の社会課題への対応が求められており、家事等の無償労働をスマートライフ市場が代替することで、働き手(労働時間)を創出していくことが必要。

なお、家電市場は約7兆円だが、家事市場は約100兆円との試算あり。

※内閣府の「家事活動等の評価について」によると、2011年の無償労働貨幣評価額は108兆円~97兆円と試算されている。

【関連記事】

3.労働市場におけるミスマッチ(建設・飲食は人手不足、一般事務は人余り)

「人手不足」と「人余り」が共存する〝ミスマッチ〟が日本経済を苦しめる 学習院大教授・伊藤元重

(2018/1/15、産経ニュース)

人手不足が顕著な業種では、この有効求人倍率が特に高い。建設躯体(くたい)工事10・85、介護サービス4・04、飲食などの接客・給仕4・15など。これだけ見ると人手不足は本当に深刻なようだが、一方で有効求人倍率が非常に低い職業もある。事務的職業は全体では0・47で、一般事務に限ると0・36という低さである。単純な人手不足というよりは、人手不足と人余りが共存するミスマッチこそが日本の労働市場の問題なのだ。

建設業や介護サービス、飲食などの接客業では人手不足が深刻な一方、一般事務では人余りが起きているそうで、労働市場におけるミスマッチが起きていることがわかります。

つまり、重要となるのは、労働市場におけるミスマッチを解消する対策を行なうこと。

その対策の方法として考えられているのが「リカレント教育」。

リカレント教育とは?「学び直し教育」が普通の時代が来る!?|出産・育児で退職した女性や定年退職した高齢者らがビジネスの技能を磨く #学び直し教育 のために5000億円投入する方針によれば、政府は出産・育児で退職した女性や定年退職した高齢者らがビジネスの技能を磨く「リカレント(学び直し)教育」推進のために約5000億円投入する方針なのだそうです。

現在労働に従事していない潜在労働力に学び直しをしてもらい、再度労働市場に参加してもらうことによって、労働人口を増やそうとしているのではないかと考えられるのですが、この「リカレント教育」を一般事務を希望する人に対して促し、これからの未来に必要な職業を行なうための職能を磨いてもらうということを行なえば、労働市場におけるミスマッチの解消につながっていくのではないでしょうか。

■まとめ

「つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」(著:ニコラス・A・クリスタキス ジェイムズ・H・ファウラー)

つながり 社会的ネットワークの驚くべき力

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ネットワーク格差が機会の格差を生み、拡大する。実際、つながりの多い人が同様につながりの多い人とつながる傾向が社会的ネットワークの特徴であり、神経、代謝、機械、人間以外のネットワークなどと異なる点だ。

「ネットワーク格差」が機会の格差を生むのであるならば、いかにネットワークにつないでいくかを考えていくことにより、労働市場におけるミスマッチを解消し、有効求人倍率の改善につながっていくのではないでしょうか。

→ ネットワーク格差が機会の格差、健康格差、収入格差を生む!?|貧困や社会の不平等を減らすには、いかにネットワークにつないでいくかが重要! について詳しくはこちら

→ 【人手不足で悩む社長さんへ】求人を増やす方法(給与前払いサービス・AIの活用・ワクワクする仕事をPR) について詳しくはこちら







芸能活動引退の会見で小室哲哉さんが最後にメッセージを伝えた「高齢化社会」「介護の大変さ」「社会のストレス」についてみんなで考えてみよう!




■芸能活動引退の会見で小室哲哉さんが最後にメッセージを伝えた「高齢化社会」「介護の大変さ」「社会のストレス」についてみんなで考えてみよう!

2040年の日本の社会構造・課題
2040年の社会構造|無人化、自動化、ロボットとの協働、高齢者の見守り等、人口減少日本を支える社会経済基盤が必要

参考画像:IoT新時代の未来づくり検討委員会事務局資料(2017/11/17、総務省)|スクリーンショット

小室哲哉「お騒がせした償い=退く」/一問一答2

(2018/1/19、日刊スポーツ)

たった1人の言動で日本、社会が動くとは全く思ってはいませんが…何となくですが高齢化社会、介護の大変さ、社会のストレスであったりとか少しずつ、この10年で触れてきたと思うので、こういうことを発信することで、皆さんも何かいい方向、幸せになる方向に動いてくれたら良いと心から思っています。微力ですが。少しでも響いたらいいなと思います。

小室哲哉さんが芸能活動引退の会見で行なった最後のスピーチが印象的ですよね。

小室哲哉さんは病気(C型肝炎)の治療を行なったり、KEIKOさんの介護があり、会見では自身の音楽のピークからすると下がったような、枯渇したような感覚などあったとおっしゃっていました。

【関連記事】

小室さんが感じているような高齢化社会・介護の大変さ、社会のストレスというのは決して他人事ではなく、私たちのすぐ目の前まで来ているといっても過言ではないでしょう。

■高齢化

日本の構造変化
日本の人口は2008年をピークに減少し、2040年には人口が約1億1千万人を下回り、毎年100万人近く減少。2042年には団塊ジュニア世代が高齢者となり、高齢者人口がピークになり、アジア諸国より約20年先行して超高齢化を経験。経済成長率が段階的に低下。
2040年の日本の社会構造・課題
2040年の社会構造|無人化、自動化、ロボットとの協働、高齢者の見守り等、人口減少日本を支える社会経済基盤が必要
未来の年表
未来の年表によれば、少子高齢化の深刻化により、今後日本の労働力人口が大幅に減少→ICTによる労働力人口減少への対策が必須

参考画像:IoT新時代の未来づくり検討委員会事務局資料(2017/11/17、総務省)|スクリーンショット

【参考リンク】

■老後の不安

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

Population of Japan|日本の人口ピラミッド
Population of Japan|日本の人口ピラミッド

参考画像:Population of Japan|PopulationPyramid.net

2045年の人口ピラミッドを70-74歳代が最も多く、その下の若い世代はどんどん少なくなっていくと予想されます。

高齢化社会をイメージする図としてよく紹介されるのがこのような図です。

2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。
2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。

参考画像: [将来の税はどうなるの?] 少子・高齢化|国税庁スクリーンショット

性別(男性・女性)・年齢階級別にみる悩みやストレスの原因からわかることによれば、男性は、25歳から54歳にかけては、1位「仕事に関すること」、2位「収入・家計・借金」と悩みの順位は変わらないのですが、55歳以上になると、「自分の健康・病気」や「老後(介護・収入)」への悩みが大きくなっていきます。

【男性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
【男性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:表22 性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

女性は、45歳以上から「自分の健康・病気」や「老後(介護・収入)」への悩みが大きくなっていきます。

【女性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
【女性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:表22 性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

老後に不安なこと|平成28年版厚生白書
老後に不安なこと|平成28年版厚生白書

参考画像:老後に不安なこと|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

厚生労働省で行った意識調査で40歳以上の男女に「あなたにとって、老後に不安が感じられるものは何ですか?」と質問に対して、「健康上の問題(73.6%)」が最も多く、次いで「経済上の問題(60.9%)」となっています。

【関連記事】




■重介護問題

「#重介護問題」とは?|#介護 の問題は遠い未来の問題ではなく、今目の前にある問題!によれば、少子高齢化に伴って、介護される側(要介護者・寝たきり高齢者・患者)・介護する側(家族・社会)への重く厳しい負担がかかる「重介護問題」を解決を目指すことが求められています。

要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省|スクリーンショット

75歳以上同士の「老老介護」初の30%超|65歳以上同士の「老老介護」は過去最高54%に|平成28年国民生活基礎調査によれば、介護をする側と介護を受ける側の両方が高齢者の組み合わせである「老老介護」が話題になっていますが、平成28年国民生活基礎調査で発表された、同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、60歳以上同士70.3%、65歳以上同士54.7%、75歳以上同士30.2%となっており、また年次推移でみると、上昇傾向にあるのがわかります。

介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円によれば、今後高齢者人口と高齢者世帯の増加に伴いサービス市場は拡大し、介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円に迫るそうですが、介護職員は2025年には約38万人不足するおそれがあるそうです。

介護福祉士ピンチ!?介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%によれば、公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」の調査によれば、2016年度の介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%だったそうです。

アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアで紹介した米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、アメリカでは2016年、成人の3分の1(37.2%)以上が仕事に就いておらず、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業しておらず、女性の36%が介護を理由に仕事に就けないそうです。

要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書
要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書

参考画像:要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

要介護(要支援)認定者数は2015年には約608万人|要介護者にならない段階(フレイル)で食い止める対策が重要で紹介した平成28年版厚生白書によれば、要介護(要支援)認定者数は、2000年の約218万人から2015年には約608万人と増加しています。

その理由としては、生活習慣病(慢性疾患)中心への疾病構造の変化や高齢化が進んでいることが挙げられています。

実際に高齢者人口は増加しており、高齢化率(65歳以上人口割合)は1950年4.9%→1985年10.3%→2005年20.2%と上昇し、2015年には26.7%と過去最高となっており、今後の予測としては、2025年30.3%となるなど、2060年まで高齢化率はずっと上昇していくことが見込まれているそうです。

年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書
年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書

参考画像:年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

つまり、この予測をもとにして、現状のままの仕組みで行くとすれば、要介護者の数は増加していくでしょう。

「重介護問題」は遠い未来の問題ではなく、今目の前にある問題なのです。

■まとめ

小室哲哉さんからの会見からは、病気・体力の低下・年齢による健康への不安や介護する側への重い負担、社会のストレスといったこれから日本が直面するであろう問題が濃縮されていたような感じがしました。

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?で紹介した「インクルージョン(Inclusion)」とは、包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れるという考え方があります。

これからの私たちは、それぞれの問題を一人一人で抱えるのではなく、少しずつを分け合って、テクノロジーやアイデア、つながりをフル活用して、苦手なところは任せながら、自分の得意とするところでは率先して解決をしていくことが必要になってくるのではないでしょうか。







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