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【目次】
■有酸素性運動を習慣的に行うと血管の老化が1/3に抑制される|動脈硬化の進行度に血管収縮因子エンドセリン受容体遺伝子の配列の違いが関係|産総研
by Thomas Kohler(画像:Creative Commons)
動脈硬化の進行度合いの個人差を長期間追跡調査-習慣的な有酸素性運動は血管の老化を1/3に抑制-
(2017/11/7、産総研)
今回、過去1年間の運動習慣から有酸素運動量を推定したが、高活動群のほとんどの被験者は、過去10年間の間、運動量は維持か減少していると回答しており、有酸素性運動の効果は、比較的短期間の急性的な効果ではなく、日々の積み重ねによる継続的な効果であると考えられる。また、15 METs×時間以上の活動量で有酸素性運動の効果が見られた。これは、速歩やジョギングを1日30~60分、4~5日/週実施するのに相当する。米国スポーツ医学会・米国心臓病学会が心血管系疾患予防として推奨する身体活動量にほぼ相当しており、これまで推奨されていた身体活動量の有効性が、10年間の追跡調査により、初めて実証された形となった。
国立研究開発法人産業技術総合研究所人間情報研究部門人間環境インタラクション研究グループ菅原順主任研究員、バイオメディカル研究部門バイオアナリティカル研究グループ野田尚宏研究グループ長、松倉智子研究員らが行なった成人92名を対象にした10年間の追跡調査によれば、血管収縮を制御するエンドセリン(ET)受容体の遺伝子多型のパターンによって、動脈硬化(動脈スティフネス)の加齢に伴う進行度が異なること、また、有酸素性運動を習慣的に行なっている場合では動脈スティフネスの加齢に伴う進行度が、運動習慣のない場合の1/3以下だったことがわかったそうです。
海女さんの血管年齢は11歳若い!?水圧や水中運動が動脈硬化を抑える?|産総研によれば、有酸素運動が血管年齢を引き下げるのに効果的で、ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素性運動を習慣的に行うことで、加齢に伴う動脈スティフネス(動脈壁の硬さを意味する)の進行を抑制、改善することが明らかにされているそうです。
今回の研究によれば、速歩やジョギングを1日30~60分、4~5日/週実施する(米国スポーツ医学会・米国心臓病学会が心血管系疾患予防として推奨する身体活動量にほぼ相当)という有酸素運動を継続することによって、動脈スティフネスの加齢に伴う進行度が、運動習慣のない場合の3分の1以下になることがわかったことから、心血管疾患予防にどれくらいの運動が必要であるかを示す結果ともいえます。
■心筋梗塞や脳梗塞のリスク要因
心筋梗塞や脳梗塞の原因は動脈硬化が進行することや血管内のプラークと呼ばれる脂肪などの固まりが破れて血栓ができてしまうことにあります。
動脈硬化は、動脈硬化の危険因子である高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事、アルコール、加齢、ストレスの有無などについて確認し、生活習慣を見直し、予防することが大切です。
動脈硬化は加齢とともに進行するため、一種の老化現象ともいえます。
しかし、動脈硬化は、急にあらわれるわけではなく、若いころから始まり、40歳を過ぎる頃に症状があらわれてくることが多いとのことです。
若いからといって安心してよいわけでなく、若いうちから動脈硬化にならないようにする生活習慣に変える必要があります。
■運動と血管の関係
●軽いジョギング or 鼻歌ウォーキング
軽いジョギングなどの有酸素運動をすると、血管の内側の内皮細胞が整列して血流が良くなるそうです。
すると、血管を広げる作用がある「NO(一酸化窒素)」という物質がより多く出るようになって広がりやすさがアップすると考えられています。
血管が広がりやすくなれば、血圧が安定して血管を傷つけにくいので、動脈硬化になりにくいのです。
鼻歌ウォーキングを 1日30分週3回行なうと、3週間で血管弾力15%UPしたそうです。
運動でも血流が良くなるので一酸化窒素による血管若返りが期待できるそうです。
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●一酸化窒素を増やす血管ほぐしポカポカ体操
血流をアップするには血液中の一酸化窒素を増やさないと駄目なのだそうです。
一酸化窒素は血管を刺激することで作られ血液中にはとても重要なもの。
血管の筋肉を柔らかくして広げることで血流をスムーズにしたり、血管が詰まるのを抑える働きもあるそうです。
動脈を刺激することによって、一酸化窒素が出来易くなる。
監修:大阪市立大学 井上正康教授
手のひらを膝において、もうひとつの手を上から挟むようにして重ねます。
これを縦にこするようにしてください。
片手30秒間ずつ行います。
また、縦だけでなく、横もこするようにします。
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●血管の回復に良い運動:桃太郎運動
1.イスに座り、足を手で抱える
2.15秒間キープした後、両手両足を開き、手足を震わせる
一酸化窒素が出ることで血管を回復させるそうです。
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■まとめ
速歩やジョギングを1日30~60分、4~5日/週実施するという有酸素運動を継続することによって、動脈スティフネスの加齢に伴う進行度が、運動習慣のない場合の3分の1以下になるそうです。
運動する習慣をつくって、健康寿命を延ばしましょう。
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