アトピーの原因
ストレスとアトピー|かゆくなくても無意識にかいてしまう人もいる
アトピー性皮膚炎の人の中には、かゆくなくても不安だったり、ほっとしたりしたときなどに、無意識にかいてしまう動作(「嗜癖的掻破(しへきてきそうは)」)がある人が多いそうです。
かくという行為が、イコール安心やストレス解消につながってしまっていることがあるんですね。
一番つらいと感じている話題に触れるときに無意識にかこうとするということに気づくだけでも、かくという動作を減らすことができるため、お医者さんによっては、ストレスなどによる嗜癖的掻破がアトピーを悪化させ、治りにくくしている面があるとして、問診を行ない、そのことをアドバイスすることがあるそうです。
【参考記事】
・アトピー性皮膚炎「脱出」には心のケアも大切
アトピー性皮膚炎のある乳児は、食物アレルギーを持っていることが多い
アトピー性皮膚炎のある乳児は、食物アレルギーを持っていることが多いそうです。
【参考記事】
・アトピー性皮膚炎は、保湿剤で乳児の発症率3割減少する
アトピーのかゆみを引き起こす物質「インターロイキン31(IL-31)」
主にヘルパーT細胞(リンパ球の一種で、サイトカインを分泌し、B細胞を刺激または補助して抗体の産生を促す機能を持つ)から産生されている「インターロイキン31(IL-31)」は、アトピー性皮膚炎発症に重要な痒み物質で、様々な研究が進んでいます。
【参考記事】
・【世界初】アトピーのかゆみを改善する「インターロイキン31」を標的とする新薬「ネモリズマブ」の効果確認|京大など
・アトピー性皮膚炎のかゆみを引き起こす物質「インターロイキン31(IL-31)」の産生に、「EPAS1」が重要な役割を果たしていることを発見|九大
大気汚染物質
大気汚染物質が転写因子(DNAに結合して遺伝子の発現を制御するタンパク質のこと)AhRを活性化させることによって、神経栄養因子(神経の生存や成長、分化を促すタンパク質のこと)artemin(アルテミン)を発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰な痒みにより皮膚を掻いてしまうことで皮膚バリアが破壊され、皮膚から多くの抗原が侵入してアトピー性皮膚炎の諸症状を引き起こすメカニズムがあるそうです。
【参考記事】
・大気汚染物質がアトピー性皮膚炎のかゆみの症状を引き起こすメカニズムを解明|東北大
皮膚表面での細菌の多様性が失われること
アトピー性皮膚炎で炎症が起きるのは、皮膚表面での細菌の多様性が失われ、黄色ブドウ球菌などを含む一部の細菌によって皮膚表面が支配されることが原因なのだそうです。
【参考記事】
・アトピー性皮膚炎の炎症が起きる原因は「細菌の多様性が失われること」 慶大
アトピー性皮膚炎の原因遺伝子「JAK1」
普段は皮膚バリアが適正に保たれているのですが、細胞の増殖や分化に重要な「サイトカイン」のシグナル伝達因子である「JAK1」分子の遺伝子配列に変化が生じ、皮膚の角質に働く酵素が活性化し、表皮細胞の古い角質が剥がれるときに発現するプロテアーゼ(加水分解酵素)群の遺伝子発現が上昇し、角質がはがれやすく刺激を受けやすくなることで、アトピー性皮膚炎を発症していると考えられます。
【参考記事】
・アトピー性皮膚炎の原因となる遺伝子「JAK1」を発見|理研・京大など
アトピー性皮膚炎の症状を慢性化させる原因物質「ペリオスチン」
アレルギー物質が体内に入ったときに作られる「ペリオスチン」というタンパク質が別のタンパク質と結合した際に炎症を引き起こす物質ができるため、炎症が慢性的に続くことが分かったそうです。
【参考記事】
・アトピー性皮膚炎の症状を慢性化させる原因物質「ペリオスチン」とメカニズムを解明|佐賀大学
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