高血圧ガイドライン
高血圧は、国内に約3000万人以上いるといわれている国民病です。
高血圧について詳しくはこちら。
高血圧:メタボの方、正常範囲でも要注意 学会が目標値、5年ぶり新指針
(2009/1/20、健康美容ニュースブログ)
高血圧:メタボの方、正常範囲でも要注意 学会が目標値、5年ぶり新指針
(2009/1/17、毎日新聞)
日本高血圧学会(島本和明理事長)は16日、標準的な治療方法を示す「高血圧治療ガイドライン(指針)」を5年ぶりに改定した。
やや高めだが高血圧の基準に達しない「正常高値」の人でも、糖尿病など他の危険因子があれば、高血圧患者と同様の生活習慣の改善や治療が必要だと指摘。
治療対象を事実上広げる判断を示した。
高血圧治療ガイドラインが改定されたそうです。
低めの血圧であっても脳梗塞や心筋梗塞を起こす可能性があり、治療対象を広げるようにしたようです。
現在、正常高値は最高血圧130〜139、最低血圧85〜89と定めている。
しかし、最近の研究で低めの血圧でも脳卒中や心筋梗塞(こうそく)を起こす危険性が高いことが分かり、学会は見直しに着手した。
新指針によると、若年・中年者(15〜64歳)の目標血圧は最高130、最低85未満とし、高齢者(65歳以上)は最高140、最低90未満と設定した。
糖尿病や心筋梗塞後の患者では最低血圧が80未満と厳しい目標にした。
また、正常高値の人でもメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や喫煙など血圧以外の危険因子が1〜2個ある人は「中等リスク」と位置付けた。
危険因子が3個以上か糖尿病や慢性腎臓病など他の病気がある人は「高リスク」として、すぐに降圧薬による治療が必要だとした。
基準の変更点をまとめてみました。
【これまでの基準】
正常高値 : 最高血圧 130〜139、最低血圧 85〜89
【新基準】
若年・中年者(15〜64歳) : 最高 130、最低 85未満
高齢者(65歳以上) : 最高 140、最低 90未満
糖尿病や心筋梗塞後の患者 : 最低血圧が80未満
血圧以外の危険因子(メタボリックや喫煙)が1〜2個ある人 : 「中等リスク」
危険因子が3個以上か糖尿病や慢性腎臓病など他の病気がある人 : 「高リスク」(降圧薬による治療が必要)
高血圧ガイドライン改訂へ|危険因子を持つ「血圧がやや高めの人」は治療を
(2008/12/2、健康美容ニュースブログ)
高血圧ガイドライン改訂へ|危険因子を持つ「血圧がやや高めの人」は治療を
高血圧に関するガイドラインが改訂され、血圧がやや高めの人も治療を開始したほうが良いという方向になるようです。
危険因子を持つ「血圧がやや高めの人」は治療を(2008/12/1、日経ビジネスオンライン)
治療の対象とするかどうかで議論があった「血圧がやや高めの人」でも、肥満などの危険因子を持っていれば治療を開始したほうがよいことが、2009年1月に改訂される日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインで示されます。
これまでのガイドラインと新しく改定されたガイドラインとの違いが紹介されていました。
これまでのガイドライン(2004年作成)では、
上の血圧(収縮期血圧)が130mmHg未満でかつ下の血圧(拡張期血圧)が85mmHg未満の場合を「正常血圧」、
130〜139または85〜89を「正常高値高血圧」とし(以下、高い数字が上の血圧、低い数字が下の血圧、mmHgは略)、
これ以上は「軽症高血圧」「中等症高血圧」「重症高血圧」に分類していました。
しかし、軽症高血圧であっても糖尿病や腎臓病などの危険因子があると脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管リスクが高いことがわかり、「軽症」の文字は患者に誤解を与えかねないとして、今回の改訂では軽度、中等度、重症の呼び方をやめて、「I度高血圧」「II度高血圧」「III度高血圧」と呼び名を変えています。
また今回の改訂では、血圧がやや高めの「正常高値血圧」の人に積極的治療の方向を打ち出したことも特徴です。
従来の基準では、正常高値血圧の場合は慢性腎臓病や糖尿病がある人に限って降圧薬の投与など治療の対象とし、それ以外は降圧薬を使うのか食事や運動などの生活指導だけにするのかは主治医の判断にゆだねていました。
しかし、今回の改訂では、これらの病気以外にも肥満や脂質代謝異常、糖尿病予備軍の糖代謝異常などの危険因子が1〜3つ以上ある場合は、脳心血管リスクが高いとして、生活指導の修正と降圧治療を考慮するよう明文化しています。
今回の改訂ガイドラインによると、慢性腎臓病や糖尿病だけでなく、肥満や脂質代謝異常、糖代謝異常などの危険因子がある場合にも、脳心血管リスクが高いため、生活習慣の改善の指導や降圧治療を開始したほうが良いというように変わるようです。