「糖尿病」カテゴリーアーカイブ

境界型糖尿病(糖尿病予備軍)から脱することは可能なの?




「糖尿病予備軍」ってつまり、どんな人のこと? 糖尿病歴30年の専門医が警告する「放置」の危険性(2024年9月18日、オトナンサー)によれば、糖尿病予備軍、正式には「境界型糖尿病」について取り上げています。

境界型糖尿病が疑わしくなる人の条件は2つ。(境界型糖尿病は「ブドウ糖負荷試験」をしないと診断できない。)

1)・HbA1cが6.0%以上、6.5%未満
2)・空腹時血糖値が110ミリグラム以上(1デシリットルあたり)

今回の記事のポイントは、境界型糖尿病から脱することができるか?という点です。

簡単に言えば、境界型糖尿病から脱することは「可能」です。

境界型糖尿病と似た考え方に「フレイル」があります。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

そこで、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるというのが今注目されている考え方です。

フレイルと同様に境界型糖尿病も健康的な状態と糖尿病の中間的な段階にあるといえます。

他にもMCI(軽度認知障害)も一部が認知症に進み、大半は正常に戻ることから、健康的な状態と認知症の中間的な段階にあるといえるのではないでしょうか?

【関連記事】

つまり、境界型糖尿病はフレイルやMCIと同様に中間的な段階であり、東洋医学でいう「未病(病気が発症していないが健康な状態から離れつつある状態。自覚症状がない場合でも検査で異常がみられる場合や、自覚症状があっても検査では異常がない場合など様々。)」の考え方で考えるといいのだと思います。

【関連記事】

糖尿病を予防する、境界型糖尿病を脱するためには、食事と運動の生活習慣を見直し、体重を減らすことが重要です。

そして今回の記事のもう一つのポイントは、境界型糖尿病の段階で膵臓の機能が落ちていること。

血糖値を下げる唯一のホルモンである「インスリン」を分泌するのは、膵臓(すいぞう)です。過食や運動不足、肥満などによる血糖値の上昇を抑えるために、膵臓が頑張ってインスリンを分泌しています。この頑張りが長く続くことで、膵臓は疲弊し、インスリンをタイミングよく分泌できなくなって、食後の血糖値が上昇し始めます。この段階が、境界型糖尿病に近い状態です。

例えば、境界型糖尿病の方が、生活習慣を改善し、一時的に体重を減らしたとしても、また暴飲暴食を繰り返したり、運動不足になってしまえば、そもそも膵臓は弱っているので、糖尿病へと進む恐れがあります。

大事なのは境界型糖尿病となった場合にはよい生活習慣を続けることが必要なのです。

糖尿病らしき自覚症状がある人、また自覚症状はないが血糖値が高い方は早めに病院を受診し、生活習慣を改善していきましょう!

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら

気になる方は一度病院で診てもらうことをおすすめします。







【糖尿病の症状】

糖尿病関連ワード

糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは

糖尿病の診断基準(血糖値・HbA1c)

糖尿病改善・予防する方法(食べ物・運動)

糖尿病危険度チェック

糖尿病の原因(生活習慣)|女性・男性

血糖値(正常値・食後血糖値・空腹時血糖値)・血糖値を下げる食品

<糖尿病>1日の歩行時間30分未満、糖尿病のリスク2割増|国立がん研究センター

健康・美容チェック > 糖尿病 > 糖尿病を予防する方法 > <糖尿病>1日の歩行時間30分未満、糖尿病のリスク2割増




■1日の歩行時間30分未満、糖尿病のリスク2割増

CL Society 334: Walking and reading

by Francisco Osorio(画像:Creative Commons)

<糖尿病>歩いて予防を 1日30分未満→リスク1.23倍

(2016/1/21、毎日新聞)

1日の歩行時間が30分未満の人は、2時間以上の人と比べて糖尿病になっているリスクが1.23倍、高いとの研究結果を国立がん研究センターが21日発表した。

歩行時間と糖尿病との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

1日の歩行時間ごとに分けると、歩行時間が2時間以上の群では糖尿病の有病率が3.8%であったのに対し、30分未満の群では4.7%でした。地域、年齢、性別、BMI、収縮期血圧、糖尿病の家族歴などが結果に影響しないように配慮して分析したところ、1日の歩行時間が2時間以上の群と比較して、30分未満の群の糖尿病であるリスクは1.23倍(95%信頼区間:1.02-1.48)と高いことがわかりました。

国立がん研究センターによれば、1日の歩行時間が30分未満の人は、2時間以上の人と比べて糖尿病になっているリスクが2割高いということがわかったそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状|糖尿病とは について詳しくはこちら




■まとめ

ただこのように書くと1日2時間も歩かないといけないのかと思う人もいるかもしれません。

しかし、現在の研究では、細切れ時間でもいいので、体を動かすことによって、筋肉が動かされ、糖や脂肪が使われることがわかっています。

AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる|ためしてガッテン(NHK)

・宮下政司 次席研究員 (早稲田大学スポーツ科学学術院)が、有酸素運動 の効果に関して画期的な研究成果を発表したそうです。

自転車こぎ 3分間の運動を一日に10回をしてもらいます。

翌日、脂肪を多く含んだ食事をとってもらい、血液中の中性脂肪 の量を詳しく調べたところ、前日運動しない場合に比べ、中性脂肪値が下がっていることがわかったそうです。

運動後1日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなっていたということです。

脂肪を燃やす有酸素運動は、一般的に長い時間行わなければいけないといわれていますが、3分間細切れに行なった運動でも中性脂肪を低下させる効果が出るということです。

・藤井宜晴教授(首都大学東京)

筋肉を動かすと、AMPキナーゼが活性化し、糖や脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれることがわかったそうです。

インスリンと同等くらい強力なのだそうです。

・宮地元彦 (国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー)
どんな運動でも筋肉に刺激が入るので、筋肉に刺激が入れば、好ましい結果が得られる。

大事なことは、ちょっとの時間でも体を動かせば、糖尿病予防につながるということです。

すきま時間にスマホを見るだけではなく、身体を動かしてみてはいかがでしょうか。

→ 糖尿病の運動療法 について詳しくはこちら




→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら




【関連記事】
続きを読む <糖尿病>1日の歩行時間30分未満、糖尿病のリスク2割増|国立がん研究センター

紫イモのアントシアニンで血糖値対策!α-グルコシダーゼの働きを弱めることで糖が吸収しにくくなり血糖値が下がる!

健康・美容チェック > 糖尿病 > 血糖値 > 紫イモのアントシアニンで血糖値対策|α-グルコシダーゼの働きを弱めることで糖が吸収しにくくなり血糖値が下がる

2015年10月6日放送の林修の今でしょ!講座のテーマは「体の悩みを解消する最強の秋野菜ベスト6」でした。




第2位 紫いも(血糖値対策)

I love these #yummy steamed purple sweet potatoes!

by Walter Lim(画像:Creative Commons)

紫芋に含まれるアントシアニンには、血糖値を下げる効果があるそうです。

糖質が含まれるムラサキイモになぜ血糖値を下げる効果があるのでしょうか。

通常、糖分を摂取すると、α-グルコシダーゼという酵素が糖を分解して吸収しやすくしています。

アントシアニンには、α-グルコシダーゼの働きを弱めることで、糖が吸収しにくくなり、血糖値が下がるそうです。

梅干しを1日1個以上食べると胃がんと糖尿病の予防ができる!?|和歌山・みなべ町が特許取得によれば、小腸で糖を体内に吸収する働きを持つ酵素「α-グルコシダーゼ」の働きを弱めることで、食後血糖値の上昇を緩やかにする可能性があることにより、糖尿病の予防に期待ができるそうです。

おすすめレシピは、「紫いもの豆乳リゾット」

アントシアニンは水溶性で汁ごと食べるのがオススメ。

また、豆乳には中性脂肪や内臓脂肪の蓄積を抑えてくれるため、紫イモと豆乳の組み合わせるとよいそうです。

そして、赤パプリカを加えるとさらによいそうです。

→ 血糖値(正常値・食後血糖値・空腹時血糖値)・血糖値を下げる食品 について詳しくはこちら







【林修の今でしょ講座】体の悩みを解消する秋野菜ベスト6|10月6日
続きを読む 紫イモのアントシアニンで血糖値対策!α-グルコシダーゼの働きを弱めることで糖が吸収しにくくなり血糖値が下がる!

なぜ心房細動による脳梗塞が増えているのか?2つの理由

> 健康・美容チェック > 脳卒中 > 脳梗塞 > なぜ心房細動による脳梗塞が増えているのか?2つの理由

【目次】




■高血圧による脳梗塞はかなり減っている

old town quarter

by Thomas8047(画像:Creative Commons)

高齢化で急増、脳梗塞を引き起こす「心房細動」

(2015/2/2、日本経済新聞)

これまで脳梗塞といえば、高血圧から起こるものが有名で、そのことが認知されたからでしょうか、血圧の高い人は、血圧をコントロールすることによって、高血圧による脳梗塞はかなり減っているそうです。

しかし、脳梗塞自体は減っていないそうです。

その代わりとして、脳梗塞の原因として増えているのが、不整脈の一種である『心房細動』による脳梗塞です。

通常心臓は一定のリズムで一分間に60から100回拍動しますが、心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動します。

心房細動が起きると、心臓の中の血がよどんで血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが血流にのって、脳の血管に詰まると脳梗塞を引き起こします。

それでは、なぜ心房細動による脳梗塞が増えているのでしょうか?




■なぜ心房細動による脳梗塞が増えているのか?

高齢化で急増、脳梗塞を引き起こす「心房細動」

(2015/2/2、日本経済新聞)

心房細動による脳梗塞が増えている理由は2つ。

1.高齢化

2.生活習慣病

高齢化に加えて、高血圧糖尿病などの生活習慣病の人が増加傾向にあるため、心房細動になる人が増えていると考えられるそうです。

つまり、脳梗塞を予防するためにも、心房細動のチェックと生活習慣の見直しをすることが重要になります。

→ 脳梗塞とは|脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む なぜ心房細動による脳梗塞が増えているのか?2つの理由

糖尿病治療を中断すると合併症リスクが高くなる!?

健康・美容チェック > 糖尿病 > 糖尿病の合併症|網膜症・腎症・神経障害 > 糖尿病治療を中断すると合併症リスクが高くなる!?




【目次】

■糖尿病治療を中断すると合併症リスクが高くなる!?

A Rainy Day in Harajuku

by Dick Thomas Johnson(画像:Creative Commons)

2型糖尿病治療 中断で高まる合併症リスク

(2014/9/2、東京新聞)

悪化すると腎臓や目などに重い合併症の恐れがあるが、自覚症状は乏しい2型糖尿病。年に患者の1割近くが治療を中断しているとみられることが厚生労働省研究班の調査で明らかになった。

厚生労働省の調査によれば、糖尿病患者の一割近くが糖尿病治療を中断していることがわかったそうです。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病の合併症に不安を感じ、糖尿病の治療の重要性を認識していても、治療を継続できている人は半数なのだそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状について詳しくはこちら。




■なぜ糖尿病治療を中断してしまうの?

なぜ、糖尿病治療を中断してしまうのでしょうか。

 研究班が過去の研究も加味し中断者を分析すると、働いている男性で五十歳未満、血糖コントロールが悪いか、逆にかなり良い人も多いといった特徴が浮かび上がった。中断理由を複数回答で尋ねると「忙しい」「体調が良い」「医療費が負担」などが多かった。

糖尿病治療を中断した理由としては、次の理由が挙げられています。

●「忙しい」

忙しいために、最も大事な自身の健康を守ることを忘れてしまうようですね。

●「体調が良い」

体調が良いと治療を休んでもいいのではないかと思ってしまうようですね。

●「医療費が負担」

治療をずっと続けていくことになりますから、医療費が負担になることで治療継続が困難になる人もいるようです。

今回の記事で重要だと感じたのはこの部分。

糖尿病で治療中の患者は国内に約六百二十万人(一二年国民健康・栄養調査)で、ほとんどは2型。その8%の約五十万人が治療を中断する計算になる。「中断者に合併症が多いことが過去の研究で分かっている。医療側の働きかけで中断が減らせると分かった意味は大きい」と研究代表の野田光彦・国立国際医療研究センター糖尿病研究部長。

一つは、糖尿病治療を中断した人に合併症が多いこと。

もう一つは、医療側の働きかけで中断が減らせることがわかったこと。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、糖尿病治療の重要性を認識しつつも治療継続を辞めたくなる背景には、治療に伴う経済的な負担(「経済的な負担が大きい56%」)やストレス(「治療を続けることにストレスを感じる29%」)があるようです。

そのためにも、糖尿病治療をより継続しやすい仕組みにして、経済的にも、心理的にも負担を軽くしていく必要があります。

これから大事になってくるのは、医療側から糖尿病治療を継続するよう働きかけを行っていくこと、そして、テクノロジーでより簡単な糖尿病治療法を考えていくこと。

GOOGLE、糖尿病患者の血糖値を管理するスマートコンタクトレンズを開発したのもそういったことが関係していると思います。

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

今回の調査結果からも、現状の方法では糖尿病治療を継続していくのは難しいということがわかっているのですから、継続しやすい新しい治療方法を考えるときに来ていると思います。







糖尿病関連ワード

続きを読む 糖尿病治療を中断すると合併症リスクが高くなる!?