by Yumi Kimura(画像:Creative Commons)
2015年4月25日放送の世界一受けたい授業では都築 毅(つづき つよし)先生が講師となって「1975年型食事が健康によい」ということを取り上げました。
- 日本人の総摂取カロリーは1975年が最も高い。
- 1975年の肥満の人口(BMIが25位上の成人男性)は2007年に比べて少ない。
- マウスの実験によれば、1975年の食事を食べさせたマウスの内臓脂肪の付き方が少ない。
- 1975年の食事をしたマウスは2005年の食事をしたマウスに比べると糖尿病にリスクは5分の1
- 同様の実験で、マウスの肝がんの発生数も1975年が少ない
- 1960年代はご飯が多く塩分が多い食事
- 1975年は和食と洋食が並ぶ食事
- 2000年代は脂質が多い
- 1975年代の食事の特徴
1.食材が多い
たくさんの材料が使われ、栄養バランスが良い
2.大豆や卵が多い
良質なタンパク質を摂取
3.発酵調味料が多い
醤油やみりんなどの発酵調味料が多い
発酵しているものは栄養価が高く、がんや脳卒中を予防し、美肌効果が期待できる
4.だしを使って塩分を抑える
出汁が多いので、塩分が少なくても味を感じられる
【予習編】
■1975年型食事が健康によい!?
和食の理想は「1975年のメニュー」 エネルギー燃焼よく肥満抑制 東北大研究
(2014/2/4、産経ニュース)
東北大大学院農学研究科の都築毅准教授(食品機能学)のグループの研究によれば、「1975(昭和50)年ごろ」の食事が理想の和食であるそうです。
75年の典型的なメニューを調べたところ、果実類、海藻類、魚介類が豊富で、ほかに卵や豆類、砂糖などもよく使われていた。
このメニューを粉末化し、餌に混ぜてマウスに8カ月間食べさせたところ、内臓脂肪が蓄積しにくく、血中のコレステロールの値も低いことが分かった。また、マウスの遺伝子を検査した結果、肝臓での脂肪分解が活発に行われていることやストレスを抑制する作用も高かったという。
1975年型の食事メニューを粉末化し、餌に混ぜてマウスに8カ月間食べさせたところ、内臓脂肪が蓄積しにくく、血中のコレステロールの値も低いことが分かったそうです。
記事の中から年代別の食事の違いをまとめてみます。
【1960年の食事】
- コメの割合が多く、おかずの種類・量が少ない
- 75年に比べると栄養バランスに劣る
【1975年の食事】
- 1975年の食事は、果実類、海藻類、魚介類が豊富で、卵や豆類、砂糖なども使われていた。
- 肉ではなく魚介類からタンパク質や脂質を主に摂取している
- ワカメやヒジキなどの海藻を多く食べており、食物繊維が豊富にとれていた
【1990年の食事】
- 乳製品やイモ類が豊富だが、パン食が増えた
- カロリーの摂取過多
【2005年の食事】
- コメが少なく、肉類、油脂類が多いのと、丼ものやパスタなどの単品メニューが目立ってきた
- 油分の取り過ぎ
■まとめ
脂肪肝の改善方法では、出来る限り多くの食材を使うようにすることが肝臓にやさしい食事ということを紹介しましたが、1975年型の食事は多くの食材を少しずつ食べることが実践できていたと考えられます。
さまざまな食材の組み合わせのキーワードは「まごわやさしい」。
- 「ま」は、豆類。
- 「ご」は、ゴマ類。
- 「わ」は、わかめなど海藻類。
- 「や」は、野菜類。
- 「さ」は、魚(魚介類)。
- 「し」は、しいたけなどきのこ類。
- 「い」は、いも類。
→ 1975年型の日本食を食べると健康になる!ヒトの実験でも証明|その食事の特徴とは?|東北大 についてくわしくはこちら