宇野常寛「遅いインターネット」×家入一真「やさしいインターネット」「滑らかなお金の流れ」|#ハンプラ




■宇野常寛「遅いインターネット」×家入一真「やさしいインターネット」「滑らかなお金の流れ」|#ハンプラ

〈HANGOUTPLUS〉家入一真×宇野常寛 滑らかなお金の流れは社会をどう変えるのか

2018年2月23日放送の「HANGOUTPLUS」では、誰もがクラウドファンディングによって夢を実現させることのできるプラットフォーム「CAMPFIRE」代表であり、そこで生まれる「個人レベルでつながりを持ち、支え合うコミュニティ」を「小さな経済圏」と呼び、資本主義社会そのものをアップデートすると主張する家入一真さんと宇野常寛さんがインターネットやこれからの社会について議論していました。




■遅いインターネット

宇野常寛より、新年のご挨拶(全文無料公開)

(2018/1/1、Daily PLANETS)

いま世の中を変えるために必要なのは、もっと「遅い」インターネットだ。

評論家の宇野常寛さんは「遅いインターネット」が必要だと新年のあいさつで述べました。

今のインターネットが早すぎると感じているのは私だけではないようです。

最近起きている出来事の中には、インターネットによる「つながりすぎた世界」の影響が大きいと感じています。

英国のEU離脱後の経済危機をインターネット・SNSが増幅してしまう!?で紹介したインディアナ大学情報科学・コンピューティング学科でソーシャルメディアとマーケットの研究をする科学者ヨハン・ボレンによれば、「マーケットが下落し始めるとすぐに、それは市場のムードに、そして大衆の心情に影響し、次いでそれがオンラインで増幅される」そうです。

恐慌や取り付け騒ぎというのは、人々が抱えている不安や本当かどうかわからない噂などによって、不安の感情が増幅され、社会全体が混乱を起こした状態のわかりやすい例ですが、インターネットやソーシャルメディアはそうした不安を増幅させる可能性があるということです。

英国のEU離脱後の経済危機をインターネット・SNSが増幅してしまう!?で紹介した『つながりすぎた世界 インターネットが広げる「思考感染」にどう立ち向かうか』(著:ウィリアム・H・ダビドウ)によれば、インターネットが推し進める環境では、物事は超高速で進展するため、問題はもっと早くに積み上がり、頻度も高くなるそうです。

つながりすぎた世界

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インターネットが物理的な結びつきをより強固で効率的なものにしている。

この21世紀の情報化社会の神経網は、情報を事実上ただで効率良く運び、かつて独立していたシステム同士を結びつけては相関関係を強めていく。

その結果、社会に存在する正のフィードバックは大幅に増幅される。事故が起きやすく、激しやすく、感染に対して脆弱な社会は、こうして生み出されるのである。

わたしたちはこの流れに適応しなければならない。現行の制度の多くはもっと結びつきの弱い社会を前提に築かれたものだ。

<中略>

カギを握るのはシステム内の正のフィードバックを減らすこと、つまり、結びつきを減じるか断ち切ることだ。

インターネット以前の社会では、情報の伝達スピードが遅いことが「ブレーキ」の役目を果たしていましたが、インターネット後の社会は情報の伝達スピードが速く、今出た情報もすぐに世界に広がってしまう可能性があります。

現代の世の中では、住宅ローンや学校、仕事、引っ越しの物流などの物理的な制限にさらされている。

だから人々が心情などによって分離していくプロセスは、きわめて緩慢に進行していく。

こうした制限が変化のブレーキになる。

だがインターネットのコミュニティではそうしたブレーキが効かない。

コミュニティに賛同するのも容易で、たとえば自分のブログの読み手をSNSのメンバーに加えるなど、リンクをクリックするだけでよい。

人間には自分と似た人間とつながりやすい傾向があるだけに、こうしたITのおかげで結びつきははるかに早く進行する。

そして、より甚大な結果をもたらす。(ニコラス・G・カー)

言い換えれば、インターネットは思考感染を促すということだ。

もし仮にスクープを出した側に誤りがあったとしても、インターネットのコミュニティではブレーキが効かないために、また、人間は自分と似た人間とつながりやすいために、思考感染を促してしまう恐れがあるのです。

ブレーキのような存在がなくなってしまった現代では、自らの判断力がそのブレーキの役目を果たす必要がありますが、世界的にパニックに陥った状況で、冷静な判断をするというのは大変難しいことだと思います。

そして、人々は無自覚に誤っているかもしれないフェイクニュースのような情報を拡散していることも分かっています。

現代人は読まない…。リンク先を見ずにリツイートしまくる人が大半であると判明

(2016/6/22、ギズモード)

リツイートがリツイートをよんでニュースは拡散しても、そもそもツイートに含まれているリンクから元のニュース記事へジャンプして内容を確かめたりしない人が、全体の59%にも達することが示されています。

米国のコロンビア大学、フランスのFrench National Instituteのコンピュータ・サイエンス共同研究チーが、Twitterで拡散されていく、CNN、New York Times、Huffington Post、BBC、Fox Newsへのリンク(短縮URL)が含まれたツイートを分析し、どのようにニュースがSNSの力で拡散されていくかの研究調査を実施したところ、元記事のリンクを読まずにリツイートしている人が全体の59%をしめていることがわかったそうです。

同研究チームのArnaud Legoutさんはこのようなコメントを発表しています。

記事を読むよりもシェアするだけで満足する人が増えている。これこそが現代の情報活用の典型的なかたちだ。ただ要約か、その要約の要約を見ただけで、それ以上は深く調べようともせず、人々の思考が形成されていく。

無自覚にシェアした記事で無意識のうちに思考が形成されていくというのは怖いことですね。

流言蜚語|寺田寅彦

流言蜚語

最初の火花に相当する流言の「源」がなければ、流言蜚語は成立しない事は勿論であるが、もしもそれを次へ次へと受け次ぎ取り次ぐべき媒質が存在しなければ「伝播」は起らない。従っていわゆる流言が流言として成立し得ないで、その場限りに立ち消えになってしまう事も明白である。

私たちは知らず知らずの間に間違っているかもしれない情報を拡散してしまい、その情報をもとに判断してしまう人もいるのかもしれません。

真実を見極める目を持つことが重要だといわれますが、これほど情報にあふれた世界では大変難しいことだと思います。

「魔王」(著:伊坂幸太郎)の中に

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『おまえ達のやっていることは検索であって、思索ではない-。』

という台詞があります。

自分自身もこの台詞を読んだ後、何かわからないことがあったらすぐに検索してしまい、その情報が本当にあっているのかどうか考えることなくわかったような気になっているなと思わされました。

情報を知ることは大事ですが、その情報を選別し、そして自分の考えにまでするのには、長い時間がかかります。

「自分の中に毒を持て」(著:岡本太郎)ではこのように書かれています。

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人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。

情報にあふれる世の中だからこそ、情報を収集することに追われるのではなくて、反対に情報を捨てていくことがこれからの時代を生きる上では大事なことなのではないでしょうか。

評論家の宇野常寛さんが提案した「遅いインターネット」のように、情報を自分で咀嚼し、お腹に入れて、それでもいいと思ったものを出すようなスピード感にしていくことが必要なのかもしれません。

【関連記事】

■Twitterのインフルエンサー問題

漠然と頭に浮かんでいた人も多いと思いますが、現在のプラットフォームビジネスにはTwitter有名人であるインフルエンサーが大きな影響を及ぼしています。

Twitterで多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーが次々と新しいプラットフォーム(note、VALU、Timebank、Voicyなど)の上位を占めてしまう現象です。

実際に行動力があるからこそそうしたプラットフォームで人気になり、そうした行動をすることがインフルエンサーとしての影響力を大きくしているのでしょうから、ここではいい悪いは別にします。

ただ、この議論の中でも起きていたように、インターネットは本来それを望んでいたのかということです。

みんなが好きなように集まって自分たちのコミュニティを作り上げるのを望んでいたはずなのに、なぜかインフルエンサーに寄っていってしまうということが起きてしまっているんですよね。

家入一真さんはプラットフォームからランキングや新着をなくしたほうがよいという意見を言っていましたが、脳の報酬系の話から考えると、プラットフォームのランキングや新着に表示されるという報酬が得られることによって、ドーパミンが出てハマってしまう設計がないと、ユーザーに使ってもらえるサービスとして成り立たずに、プラットフォームになりえないのかもしれません。

■なめらかなお金の流れ

●お金を持っていない人へのフィンテックが大事

最近のインターネットビジネスでは、「ZOZOツケ払い」(2カ月間内で都合の良い時に支払いができる決済手段)や「メルカリ月イチ払い」(月次で購入した商品の代金をまとめて翌月に支払うことのできる)、「CASH」(モノをスマホで撮影し、食事入金される質屋アプリ)、給料前払いサービスのような今やりたい・買いたいことを我慢することなく、将来入ってくるであろうお金を前借りしたり、モノを現金化する仕組みが増えてきていると感じます。

【関連記事】

こうした流れを受けて、日本のフィンテックは「貧テック」だと揶揄する(読み方「やゆ」意味:からかう)人もいますが、ただそういう人は現状で苦しんでいる人のことが見えていないのかもしれません。

例えば、給与前払いサービスとは?|給料前借りアプリが注目のきっかけ!?人手不足で悩む2018年以降は給与前払いサービスが求人に応募するポイントになる?

で紹介した大手求人サイトの検索キーワードによれば、常に日本全国で「日払い 」「週払い」がベスト10にランクインするほどなのだそうで、求職者にとっては、「前払い」「日払い」「週払い」ということは重要な求人募集の要素となっているそうです。

奨学金による貧困問題|大学生の仕送りは減少傾向、アルバイトの就労率・収入金額の増加、返済に対する不安もによれば、仕送り10万円以上をもらっている学生は減少傾向にあり、アルバイトの就労率・収入金額ともに増加傾向にあり、アルバイトを増やすことで暮らし向きを良くしようとしているのがわかります。

つまり、それだけ多くの人が現在の金融の仕組みからはじき出されているということではないでしょうか?

【関連記事】

●社会包摂(インクルージョン)

「OPTION B」(著:シェリル・サンドバーグ/アダム・グラント)では、日本(特に女性)の貧困に関する記述があります。

日本では6人に1人が相対的に貧困とされる。女性とひとり親の場合、割合はさらに高い。

<中略>

世界全体で2億5800万人いる寡婦のうち、1億1500万人以上が貧困のなかで暮らしている。女性の賃金格差をなくすことが重要な理由は、ここにもある。

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【参考リンク】

貧困率の年次推移|グラフでみる世帯の状況|平成26年国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省
貧困率の年次推移|グラフでみる世帯の状況|平成26年国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省

参考画像:貧困率の年次推移|グラフでみる世帯の状況|平成26年国民生活基礎調査(平成25年)の結果から|厚生労働省|スクリーンショット

平成24年相対的貧困率は16.1%となっています。

子どもの貧困率|相対的貧困率の国際比較(2010年)|平成26年版子ども・若者白書|内閣府
子どもの貧困率|相対的貧困率の国際比較(2010年)|平成26年版子ども・若者白書|内閣府

参考画像:子どもの貧困|平成26年版子ども・若者白書|内閣府|スクリーンショット

子どもの貧困|平成26年版子ども・若者白書|内閣府

OECDによると,我が国の子どもの相対的貧困率はOECD加盟国34か国中10番目に高く,OECD平均を上回っている。子どもがいる現役世帯のうち大人が1人の世帯の相対的貧困率はOECD加盟国中最も高い

内閣府の「平成26年版子ども・若者白書」で紹介されているOECDのデータによれば、ひとり親家庭など大人1人で子どもを育てている家庭が貧困に陥っていることがわかります。

以上のデータを参考にすると、日本における特徴としては、子どもがいる現役世帯のうち大人が1人の世帯の相対的貧困率はOECD加盟国中最も高いという点です。

人によっては貧困は自己責任ではないかという人もいるかもしれませんが、重要なのは、人は離婚や死別、病気などのアクシデントが重なれば誰でも貧困に陥る可能性があるということです。

【参考リンク】

ひとり親家庭など大人1人で子どもを育てている家庭には母子家庭が多いというデータがあり、そのデータを踏まえて考えると、アクシデントでひとり親になってしまった母子家庭がなぜ貧困に陥りやすいのか、その原因を探り、どのような対策を行なっていく必要があるのかを考えていく必要があると思います。

【関連記事】

そこで、役立つと考えられるのが「インクルージョン」という考え方です。

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?によれば、「インクルージョン(Inclusion)」とは、包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れる考え方です。

【関連記事】

「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)

ブロックチェーン・レボリューション ――ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか

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貧しい地域の人たちにとって、銀行口座を持つための最低残高や、決済の最低支払い額、システム手数料といった壁はあまりに高すぎる。金融機関のインフラにコストがかかりすぎるせいで、貧しい人たちのささやかな経済活動は犠牲になっているのだ。p66

今の仕組みではある程度のまとまった金額を貸さないと企業としては合わない計算であるため、貧しい人々向けに少額の貸し出しなどをするマイクロファイナンス(小規模金融)の分野は手つかずのままでいるのではないでしょうか。

技術の最先端にいる人たちだけを考慮していたのでは、分散ネットワークの力を十分に活用できない。もっと厳しい利用環境も考慮してあらゆる側面をデザインすることが必要だ。インフラが十分に整っていない地域の人たちをも含めて設計する時、初めて本当の意味でのインクルージョンが可能になる。p69

金融の仕組みから外れた人が一定層いて、その人たちがさらに悪い状況にならないための手段として何らかのテクノロジーで解決するというのは考えるべきではないでしょうか。

そして、そうした問題を解決するための根底にある考えとして「インクルージョン」があればサービスのあり方が変わってくると思います。

●生きていくために必要なお金をできるだけ下げていくことと新しい稼ぎ方

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則

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「〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則」(著:ケヴィン・ケリー)では「シェアリング(Sharing)」という項目の中で、未来のライフスタイルの中で複数の自動支払いが受けられる世界が描かれています。

例えば、エンジニアの人は設計したものが別のものに採用・応用されると支払いが流れてきて、そのものが売れれば売れるほど少額決済(マイクロペイメント)が増えていきます。

また、写真や様々な素材も同様に、コピーされたり、利用されると、少額のお金が入ってくるのです。

これからは「富の再分配」を考えるのではなく、複数の自動支払いを受けるサービスが求められるような時代になっていくのではないでしょうか。

そう「富の再分配」から「富の分配」という考え方への転換です。

そのためには、マイクロペイメント(送金コストがほぼゼロ)、創作物(写真や文章、コードなど)に個人の認証情報を埋め込みトラッキング(追跡)可能にすること、支払いに関しては、自動化するために、当事者間の契約条件を再現し、取引の実行や支払いのための価値の移動を(ブロックチェーン上で)自動的に遂行するスマートコントラクト(契約の自動化)、ブロックチェーンテクノロジーの発展が必要になってくるでしょう。

【追記(2018/9/4)】

「ライジングセラー」「オーナーズ」の小さな経済圏が社会を変えていく!で取り上げた「ライジングセラー」や「オーナーズ」という考え方に代表されるように、これまでの社会の問題点であったり、ひずみのようなモノであったものから生まれたプロダクトやサービスを提供する個人や企業が生まれています。

こうした流れは「遅いインターネット」「やさしいインターネット」「滑らかなお金の流れ」に通じるものがあるのではないでしょうか?

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血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学




【目次】

■血行状態が映る「魔法の鏡」開発|東北大学

血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学
血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学

参考画像:血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功 |東北大学プレスリリーススクリーンショット

前に立つだけで血行状態が映る「魔法の鏡」

(2016/9/29、日経デジタルヘルス)

「魔法の鏡」を洗面所や鏡台に取り付ければ、毎朝の身支度などの際に、自分の顔に重畳する血行状態を観察可能だ。風呂場などの脱衣所に取り付ける場合は、ビデオカメラを後方に取り付けることで、普段は見えない肩や背中の血行状態を観察できる。

東北大学によれば、ビデオカメラとコンピューターを内蔵した鏡型ディスプレーの前に立つだけで、その時の血行状態などが分かる血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」を開発したそうです。

今回興味深いと思ったのが開発の背景です。




■「魔法の鏡」を開発した背景|未病対策

血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」の開発に成功

(2016/9/27、東北大学プレスリリースPDF)

少子高齢化に伴う医療費・介護費の増大に対処するためには、病気に至る前の未病対策が重要で、家庭や職場において常時健康状態のチェックが可能であることが理想的です。

ザッカーバーグ夫妻、人類の病気を予防・治療するプロジェクトで30億ドルを投資で紹介したザッカーバーグさんはこのようにコメントしています。

ザッカーバーグは「アメリカでは病気にかかった人々を治療するための支出に比べて、そもそも人々が病気にならないように研究するための支出はわずか50分の1しかない」と述べた。

ザッカーバーグさんのコメントは、病気を発症してからではなく、病気予防に重点を置くという考え方は、東洋医学の「未病」という考え方に近いと思います。

日本でも2015年度の医療費は41.5兆円|高齢化や抗がん剤などの高額な新薬が増えているがニュースになりましたが、予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

東北大学の研究も病気に至る前の未病対策が重要であるという考えが背景にあり、予防医学への流れがきているのを感じます。

■自律神経

自分自身の体調を客観的かつ簡単に知ることは容易ではありません。特に、多くの人々が悩んでいる冷え性・肩こり・血行不良・むくみ・だるさ・食欲不振などの不定愁訴のような自律神経に関係する症状は、自覚することはできてもこれを客観的に把握することは困難です。

自律神経に関する番組や自律神経測定アプリなど自律神経に関する話題が増えているように感じます。

今回研究された「魔法の鏡」は、ビデオカメラとコンピュータを内蔵した鏡型ディスプレイの前に立つだけで、心拍数変動や脈波振幅変動などから得られる自律神経系指標に基づいた情報を直感的にわかりやすく表示する予定なのだそうです。

これと併せて身体の血行状態を毎日チェックすることで、自覚した体調の変化との関係を利用者自身で学習して行くことができ、その日の体調を予測するための手掛かりを把握できるようになると予想されます。

血行状態をチェックして、自分の体調の変化と合わせることにより、病気になる前のサインに気づくことができるようになることが期待されます。

■鏡にした理由

これを目的として、既にリストバンド型のウェアラブルセンサなどで常時身体の状況を記録する装置が市販されています。

しかしそれらのほとんどは、接触式センサによって心拍数や活動度などの健康に関連すると思われる既存の指標を得るものです。

しかし、特別なセンサを常時身に付けることは煩わしく、毎日意識して機器を操作する必要があるような健康管理法は習慣化しにくいものです。

これに対して、洗面所や脱衣所にある鏡は多くの人々がほぼ毎日利用します。

特に、洗面所や鏡台の鏡を使って自分の顔を毎日入念にチェックする人が少なくありません。

また、風呂場などの脱衣所の鏡では衣服を必ず脱ぐために顔に限らず全身をチェックすることが可能です。

以前このブログで提案した「トイレを活用した健康管理システム」を考えた理由も一日に一度生活の中で使うもので、なおかつ健康管理をすること自体が負担にならないものの一つに「トイレ」があるからです。

このトイレ型健康管理システムの特徴は、1日の生活で必ず使うもので健康管理ができるという点にあります。

現在考えられているのが、体重計や携帯電話を活用した健康管理システムのようですが、もっとも活用してほしい高齢者の方を中心に考えられていないと思います。

健康管理をする上で、その管理をすることが負担になってはいけません。

健康管理することが負担となり、ストレスのもとになっては意味がありません。

健康管理システムは、操作が簡単である必要があります。

私が提案するトイレ型健康管理システムは、トイレの便器に座った際に、体重・血圧・尿などを計測して、その日の健康状態をデータ化し、そのデータをインターネット上で管理するというものです。

そして、明らかに数値に異常があった場合に、その人に連絡があるというシステムを作れば、より簡単に健康管理ができるようになります。

鏡も多くの人が毎日利用するものであり、また風呂場などの脱衣所の鏡では裸で全身をチェックすることが可能です。

ただウェアラブルデバイスが常時身に付けるのに対し、鏡やトイレは常にセンサーでチェックすることができないという違いがあります。

APPLE WATCHの心拍数を表示する機能によって、17歳の青年の命が救われた!?によれば、自身が危険な状況にある事をApple Watchの心拍モニターで気づくことが出来たそうです。

もちろん「魔法の鏡」でチェックしたい指標とウェアラブルデバイスでチェックしたい指標は違いますが、最終目的は病気になる前に病気のサインを見つけることを目的にしているはずですので、両方が必要という結果になるかもしれません。







【自律神経 関連記事】
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#沢尻エリカ さんの美容法|食生活(ベジタブルファースト)・運動(パーソナルトレーナー)

沢尻エリカさんの過去のインタビューから美しさの秘訣についてまとめてみたいと思います。




【目次】

■食事

沢尻エリカ「平常心を保てるようになった」 美容・食生活から心境の変化までを告白

(2014/5/23、クランクイン!)

インタビューでは「炭水化物も食べますよ。でも、野菜から食べるだけでけっこう変わるんです。ベジタブルファーストの発想ですよね」「母がもともと料理人だったから、パエリアとか、ブイヤベースとか、家庭的な地中海料理がわたしの家庭の味」と抜群のスタイルを支える食生活について話す沢尻。

2014年のインタビューによれば、炭水化物を制限しているわけではなくて、野菜から食べる、ベジタブルファーストの発想で食事をとるようにしているそうです。

その食事はパエリアやブイヤベースなどの家庭的な地中海料理なのだそうです。

なぜ野菜を食べるとやせられるの!?その3つの理由とは?によれば、野菜を食べるとやせられる理由は3つ考えられます。

1.代謝を行う際に必要なビタミンB群が摂れるから

ご飯やパスタ、パン、うどんなど炭水化物を食べて、それを燃やすのにビタミンB1が必要です。

同様にたんぱく質を代謝するのにビタミンB6、脂質にはビタミンB2、B6がなくてはなりません。

つまり、炭水化物を摂っても、野菜からビタミンB群を摂取すれば、代謝をすることで太らないのです。

2.食前に食べることにより、糖の吸収が緩やかになるから

サラダを食前に食べると、インスリンといって糖質を体内に取り込む働きをするホルモンがゆっくり分泌するようになります。

糖分が少なめに吸収される。

だから痩せられるという理論です。

血糖値を下げる方法|たけしの家庭の医学によれば、食物繊維の多い野菜から先に食べることで、糖分が食物繊維に絡まり、通常よりゆっくりと吸収されるため、食後の血糖値の上昇を抑えることができるそうです。

エリカ・アンギャルさんおすすめ!ダイエット7つの食材|たけしの健康エンターテイメント!みんなの家庭の医学で紹介したミス・ユニバース・ジャパン専属栄養士のエリカ・アンギャルさんのダイエット法の中核をなす考え方はGI値(グリセリック・インデックス:血糖値の上がりやすさの指標)です。

消化しやすい食品を食べると血糖値が急激に上がる ⇒ インスリンが大量に分泌され、残った糖を脂肪に変えてしまう

つまり、血糖値を急激に上げないことが、太りにくい体を作ることにつながるということです。

GI値が低い繊維質の食べ物は血糖値が上がりにくいので、野菜を先に食べると太りにくいと考えられます。

【関連記事】

3.野菜はカロリーが低い食べ物で、野菜で空腹を満たすことができれば、全体の摂取カロリーを抑えることができるから

よく噛むと満腹中枢が刺激されるそうですが、繊維質の多い野菜を食べることはかむ回数が増えることで、満腹感を感じるようになり、全体の摂取カロリーを抑えることにつながり、太りにくくなると考えられるそうです。

ヒスチジンを含む食品をよく噛んで脳内ヒスタミンを増やし食欲を抑える|ためしてガッテン(NHK)

噛むという刺激が咀嚼中枢を通って結節乳頭核という部分に届きます。

実はここがヒスタミンを作っているところ。

そうして、満腹中枢をヒスタミンが刺激するために、満腹感を感じるようになる。

また、ヒスタミンは、交感神経も刺激して、その信号は直接内臓脂肪まで届いて、内臓脂肪を減らしてもくれる。

つまり、噛むという行為自体が満腹感を高めてくれるということがわかった。

病気の治療には型に入れるということが大事で、30回噛むということをきっちりと守るようにする。




■運動・トレーニング

Two sporty women doing exercise abdominal crunches, pumping a press on floor in gym concept training

by Nayana Thara k(画像:Creative Commons)

沢尻エリカ「平常心を保てるようになった」 美容・食生活から心境の変化までを告白

(2014/5/23、クランクイン!)

毎朝、欠かさず呼吸法に気を付けながらストレッチを行い、メイクはその日のうちに絶対におとすという。

沢尻エリカ「心と体を調整している」ハッピーに過ごす秘訣を明かす

(2016/6/23、モデルプレス)

「日々ハッピーに過ごすためには健康でないと」という沢尻。そのために「トレーナーがついてトレーニングも始め、自分の体のクセも見直しながらプロポーションを整えて。心と体を調整しているところです」と自身と向きあっているそう。

2014年のインタビューでは毎朝呼吸法に気を付けながらストレッチを行い、また、2016年のインタビューではトレーナーをつけてトレーニングを行っているそうです。

●呼吸法

正しい呼吸法にするためのストレッチ方法で肺機能若返り|林修の今でしょ講座によれば、良い呼吸をするためには横隔膜などの肺の筋肉をストレッチすることが重要なのだそうです。

1.両手を頭の後ろで組んで、3秒間鼻で息を吸います。

2.手を頭の上に伸ばしながら、口で6秒かけて息を吐きます。

※1日10回2セット

■美容(メイクはその日のうちに落とす)

沢尻エリカ「心と体を調整している」ハッピーに過ごす秘訣を明かす

(2016/6/23、モデルプレス)

メイクはその日のうちに絶対におとす

沢尻エリカさんはメイクはその日のうちに必ず落とすようにしているそうです。

石原さとみさんが美容のためにしている生活習慣とは?によれば、撮影後、アイメイクは綿棒で念入りに落とすそうです。

なりたい顔NO.1森絵梨佳さんになる方法(スキンケア)によれば、森絵梨佳さんがスキンケアで大事にしていることは、化粧をしっかり落とすことと保湿でした。

■健康的なライフスタイル

沢尻エリカ「心と体を調整している」ハッピーに過ごす秘訣を明かす

(2016/6/23、モデルプレス)

「今は朝早く起きて部屋の掃除をして、夜7時にはごはんを食べて、そうするともう眠くなって(笑)10時には寝ちゃう。そんな生活」と最近の健康的なライフスタイルも紹介した。

沢尻エリカさんは、朝早く起きて、夜早く寝るという健康的なライフスタイルを送っているそうです。

早寝早起きといわれますが、本当は早起き早寝が正しいそうです。

朝寝覚めが悪いことで悩んでいるあなたに!スッキリ目覚める3つの方法で紹介した睡眠の専門家で内山真日本大医学部精神医学系主任教授によれば、『早起き早寝』がポイントで、毎朝すっきりと目覚めるには、起床時間を一定にすることが重要なのだそうです。

なぜ起床時間を一定にすることが、スッキリ目覚める秘訣なのでしょうか?

体内時計とは、体の中にある24時間時計というべきもので、睡眠・血圧・体温のリズムを司っています。

人間には昼と夜の環境の変化を察知する「体内時計」が備わっており、その体内時計が働くことによって、日中に活動して夜になると眠くなる生活を行なうことができています。

しかし、睡眠不足を解消しようと朝寝坊をしてしまうと、早朝に日光を浴びないため、体内時計が狂ってしまい、夜の寝つきが悪くなり、翌朝の目覚めが悪くなってしまうのです。

つまり、沢尻エリカさんは早起きする習慣に変わって、朝から日の光を浴びるようになったことで、早寝をするようになったと考えられます。

■まとめ

沢尻エリカさんの2014年と2016年のインタビューに共通しているのが「平常心を保つ」「心と体を調整する」ということ。

健康的なライフスタイルをとっていることが、体と心の安定にもつながり、現在の美しさにもつながっているのではないでしょうか。







【呼吸法・ストレッチ関連記事】
続きを読む #沢尻エリカ さんの美容法|食生活(ベジタブルファースト)・運動(パーソナルトレーナー)

大気汚染物質がアトピー性皮膚炎のかゆみの症状を引き起こすメカニズムを解明|東北大

> 健康・美容チェック > アトピー性皮膚炎 > 大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすメカニズムを解明|東北大




■大気汚染物質がアトピー性皮膚炎のかゆみの症状を引き起こすメカニズムを解明|東北大

AhR活性化によるアトピー性皮膚炎発症・増悪メカニズム
AhR活性化によるアトピー性皮膚炎発症・増悪メカニズム

参考画像:大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすメカニズムを解明‐痒みの制御をターゲットとした新規治療法開発の可能性‐(2016/11/15、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

大気汚染物質がアトピー性皮膚炎の症状を引き起こすメカニズムを解明‐痒みの制御をターゲットとした新規治療法開発の可能性‐

(2016/11/15、東北大学プレスリリース)

今回の成果により、大気汚染物質が転写因子AhRを活性化させることで神経栄養因子arteminを発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰に痒みを感じやすい状態を作り出すことがわかりました。過剰な痒みにより皮膚を掻いてしまうことで皮膚バリアが破壊され、皮膚から多くの抗原が侵入してアレルギー性皮膚炎を引き起こすと考えられます。本研究の結果は、これまでアトピー性皮膚炎の治療に対症療法的に使われてきたステロイド剤などに加えて、AhRの活性を抑える化合物や、arteminの働きを抑える物質をアトピー性皮膚炎の治療薬として利用できる可能性を示しています。

東北大学大学院医学系研究科の日高高徳医員、小林枝里助教、山本雅之教授らは、大気汚染物質が転写因子(DNAに結合して遺伝子の発現を制御するタンパク質のこと)AhRを活性化させることによって、神経栄養因子(神経の生存や成長、分化を促すタンパク質のこと)artemin(アルテミン)を発現させ、皮膚表面の表皮内へ神経が伸長し、過剰にかゆみを感じやすい状態を作り出すというアトピー性皮膚炎の諸症状を引き起こすメカニズムの一部を解明したそうです。

今後は、AhRの活性やarteminの働きを抑える物質を見つけることによって、アトピー性皮膚炎の痒みをターゲットとした新しい治療薬の開発が期待されます。

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変形性股関節症の進行に姿勢の悪化(立っている時の脊柱の傾き)と脊柱の柔軟性低下が影響|#京大




■変形性股関節症の進行に姿勢の悪化(立っている時の脊柱の傾き)と脊柱の柔軟性低下が影響|#京大

股関節の機能障害(可動域・筋力の低下、疼痛)よりも立位での脊柱前傾変位・脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行の重要な要因である
股関節の機能障害(可動域・筋力の低下、疼痛)よりも立位での脊柱前傾変位・脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行の重要な要因である

参考画像:姿勢の悪化と脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行に影響(2017/12/26、京都大学プレスリリース)|スクリーンショット

これまでに歩行における一日の股関節への負荷総量が変形性股関節症の進行に関わる要因であることを明らかにしてきましたが、建内 宏重 京都大学大学院医学研究科助教、市橋 則明 同研究科教授らの研究グループによる研究によれば、股関節の関節可動域制限や筋力低下など股関節自体の問題よりも、姿勢の悪化(立っている時の脊柱の傾き)と脊柱の柔軟性低下が歩行時の負荷に関わらず重要な要因であることがわかったそうです。




■まとめ

変形性股関節症は、股関節の痛みや可動範囲の制限、筋力低下などの症状がでる疾患です。歩行や立ち座りなどの運動機能や生活の質にも大きな悪影響を与えます。女性に多い疾患であることが知られており、日本では約 120 万から 420 万人の患者さんがいるとされています。

変形性股関節症は慢性進行性の疾患であるため、その進行予防は極めて重要な課題です。現在まで、骨形態の異常や遺伝的要素、年齢(加齢)、性別(女性)など複数の要因が疾患進行に関わることが明らかになっています。これらの要因はリハビリテーションなどの運動によって変化させることができない要因です。そのため、変形性股関節症の進行予防を目的としたリハビリテーションのターゲットを明確にすることができず、どのような運動が有効か不明でした。

今回の研究によれば、立っている時の姿勢や脊柱の柔軟性が変形性股関節症の進行に関わる重要な要因であることから、立っている姿勢における脊柱の傾きや脊柱の柔軟性の低下を評価することにより、リスクが高い患者を特定することが期待されます。

現在はまだリハビリテーションによって変形性股関節症の進行を抑制できるという十分なエビデンスは存在しませんが、立位姿勢や脊柱の柔軟性は理学療法士の適切な指導のもと医療機関や自宅での運動によって変化させることが可能です。今

現状ではリハビリによって変形性股関節症の進行を抑制できるという十分なエビデンスは存在しないものの、立っている姿勢や脊柱の柔軟性の改善によって変形性股関節症の進行予防ができるというデータが集まれば、新たなリハビリの開発につながることが期待されます。







【参考リンク】
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