【目次】
■ブロックチェーンとは?
by tcbe.ch ICT Cluster Bern (画像:Creative Commons)
ブロックチェーンを非中央集権とオープンデータという2つの視点からその特徴を考えてみます。
●非中央集権
#ブロックチェーン とは?#BLOCKCHAIN について簡単にわかりやすく!オススメ解説動画・本【初心者向け用語集】 によれば、簡単に言うと、ブロックチェーンとは、中央管理者を必要とせず、全ての取引履歴をみんなで共有して、信頼性を担保するシステムといえばよいでしょうか。
簡単にわかりやすく言うと、ブロックチェーンとは、中央管理者を必要とせず、全ての取引履歴をみんなで共有して、信頼性を担保するシステムといえばよいでしょうか。
ブロックチェーンとは
参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 (2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット
ブロックチェーン技術とは
参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 (2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット
【参考リンク】
私たちが今利用しているウェブを「情報のインターネット」だとすれば、ブロックチェーンが実現するものは「価値のインターネット」とも表現されたりもしています。
【関連記事】
●オープンデータ
ブロックチェーンは社会基盤となるか |NTTデータ
ブロックチェーンとは、簡単に言うと、公開検証できるオープンデータ(誰もが触れられる情報)に対して、誰もが新たにどんどん情報を登録して確認できる技術なのです。
これまではデータを囲い込んだ企業だけがサービスを提供できていた時代から、ブロックチェーンによって、誰もが触れられる改ざんされない情報であるオープンデータに対して様々な個人や企業などが利用し、マッシュアップすることによりイノベーションを起こすのではないかと考えられます。
■ブロックチェーンは社会をどのように変えるか?
ブロックチェーン技術の展開が有望な事例とその市場規模
参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 (2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット
経済産業省によれば、ブロックチェーン技術は金融系だけでなく、医療などの幅広い分野に影響を与え、社会を大きく変える可能性があるそうです。
ブロックチェーン技術が社会経済に与えるインパクト
参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 (2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット
1)価値の流通・ポイント化、プラットフォームのインフラ化(地域通貨・電子クーポン・ポイントサービス)
2)権利証明行為の非中央集権化の実現(土地登記・電子カルテ・各種登録)
3)遊休資産ゼロ・高効率シェアリングの実現(デジタルコンテンツ・チケットサービス・C2Cオークション)
4)オープン・高効率・高信頼なサプライチェーンの実現(小売り・貴金属管理・美術品等真贋認証)
5)プロセス・取引の全自動化・効率化の実現(遺言・IoT・電力サービス)
各企業におけるバックオフィス業務(契約や取引の執行、支払・決済、稟議などの意思決定フロー等)の⼤半を置きかえることが可能。
IoTとスマートコントラクトによるマイクロペイメントを組み合わせることで、受益者負担をより正確に反映した公共サービス等のコスト負担の仕組みが構築可能。
(例えば、ゴミの量や道路の利用量に応じた課⾦による税徴収等)
プロセス・取引の全自動化・効率化においては、各企業におけるバックオフィス業務(契約や取引の執行、支払・決済など)が自動化されることが考えられたり、また、IoTとスマートコントラクトによるマイクロペイメントを組み合わせることができれば、プラットフォームに依存せずに、利用料に応じた課金による税徴収ができるなど受益者負担を反映したサービスのコスト負担の仕組みが構築できるかもしれません。
ブロックチェーン技術の発展トレンド
参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利⽤したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 (2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット
ブロックチェーン技術の発展トレンドによれば、1)ブロックチェーンの用途を拡張(価値情報の移転の記録、財やサービスの権利の所在と移転の記録、取引や手続きの登録)、2)ブロックの生成時間を短縮(PoW、コンセンサスアルゴリズムの改善)、3)参加者を制限(パブリック、プライベート)という3つの軸でブロックチェーン技術の改変・発展が進んでいます。
ブロックチェーン技術活用のユースケース
参考画像:平成27年度 我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(ブロックチェーン技術を利用したサービスに関する国内外動向調査)報告書概要資料 (2016/4/28、経済産業省)|スクリーンショット
ブロックチェーン技術は、金融系(決済、為替・送金・貯蓄等、証券取引、ソーシャルバンキング)だけでなく、ポイント、資金調達(クラウドファンディング)、コミュニケーション(SNS、メッセンジャー)、資産管理、ストレージ、認証(デジタルID、アート作品の所有権や真贋証明)、シェアリング(ライドシェア)、商流管理(サプライチェーン、トラッキング管理、マーケットプレイス、金保管、ダイヤモンドの所有権、デジタルアセット管理・移転)、コンテンツ(ストリーミング、ゲーム)、将来予測、公共(バーチャル国家、宇宙開発、ベーシックインカム)、医療、IoTといった様々な分野に広がっています。
■ブロックチェーンの現在位置は安全性を向上させている段階
ブロックチェーンは社会基盤となるか |NTTデータ
スマートコントラクトでいうと、プログラム言語を堅牢なものにつくり直さなくてはいけないという議論は、まさにMITの中でもされているところです。さらに、まだまだ完全ではありませんが、プログラムのバグを減らすためのデバッガーやチェッカーといった安全性を検証していくツールが出始めています。
プロトコル自体の脆弱性を下げるために、フォーマル・ベリフィケーション(形式検証)、つまり形式的にその設計が安全かどうかを検証することが、まずは必要ではないかと思っています。
実験的な暗号通貨「Ethereum(イーサリアム)」でいかにして約52億円を失ったのか
(2016/6/21、GIGAZINE)
The DAOは、Distributed Autonomous Organization(DAO/分散型自動化組織)というコンセプトを実証するため、自然言語の契約ではなくEthereum上のスマートコントラクトで分散型自動化組織を構築しようとする試みでしたが、このスマートコントラクトのプログラムに脆弱性があり、今回はそこをハッカーに狙われたわけです。
「Ethereum(イーサリアム)」をベースにした自立分散型投資ファンド「The DAO」が2016年6月17日、ハッカーからの攻撃にあい、資金の約3分の1にあたる5300万ドル(約52億円)が流出の危機に見舞われた事件では、スマートコントラクトのプログラムに脆弱性があり、イーサリアムには問題がなかったため、ハードフォークを行ないました。(この時分裂したのがイーサリアムクラシックです)
MITメディアラボ研究員の松尾真一郎さんによれば、現在はブロックチェーンの安全性については、まだ未成熟な技術であり、セキュリティ要件やセキュリティを確認する手法は固まっていないそうです。
ブロックチェーンの場合、そのトレードオフの考える評価軸の中で「どれくらい非中央集権を高めるのか?」を考えることは、ブロックチェーンの良さを引き出しつつ、使い勝手がよいシステムをつくるための大きなポイントなのです。
ブロックチェーン技術に限らず情報システムの構築において様々な要素がトレードオフの関係になっており、ブロックチェーン技術においては、セキュリティ・プライバシー・運用コスト・利便性・非中央集権性・性能・スケーラビリティの適切なバランスを考えて設計する必要があるそうです。
ブロックチェーンはどう進化するか?伊藤穣一氏らが予測する未来
(2017/8/9、technologyreview)
伊藤所長は、「インターネットは“The Stack”と呼ばれるように、プロトコルのレイヤーに分けて整理されている。それがインターネットの成功の基でもある」と話す。
伊藤穣一さんによれば、イーサネットが発明され、その上にTCP/IP、またその上にHTTP/HTML(Web)、さらにその上に暗号通信のプロトコルであるSSLというレイヤーが重なり、次にブロックチェーンというレイヤーが重なろうとしているのが今の段階なのだそうです。
ブロックチェーンはどう進化するか?伊藤穣一氏らが予測する未来
(2017/8/9、technologyreview)
まるで2000年頃のインターネットみたいに投資してるけど、プロトコルは1990年くらいのレベル。まだ足場が固まっていないのに、その上にいろいろ建ててしまっている」と現状を危惧する。
ブロックチェーン開発はマラソン、長期的利益を追え:伊藤穰一、松尾真一郎氏らが警鐘
(2017/8/10、Dididay)
伊藤譲一氏はこのセッションに先立ち、ブロックチェーンの発展をインターネットとのアナロジーで説明し「いまのブロックチェーンは1996年のインターネットほどは成熟しておらず、80年代のレベルにもかかわらず、Amazon.com(1994年〜)をつくろうとしている」と指摘した。
しかし、伊藤穣一さんによれば、プロトコルが標準化されてない段階にもかかわらず、ブロックチェーンはイーサネットが公開され、HTMLの概念が初めて提案された1980年代のレベルにも関わらず、1994年に生まれたAmazonを作り出そうとしているように見えるそうです。
ブロックチェーン開発はマラソン、長期的利益を追え:伊藤穰一、松尾真一郎氏らが警鐘
(2017/8/10、Dididay)
伊藤氏は「(インターネットの黎明期では)あまり自分の損得考えない人たちが一生懸命考えてやってみたら(スケーラブルなインターネットが)できちゃった。
ブロックチェーンが次のレイヤーになるためには、インターネットの黎明期に出てきた人たちのように、損得を考えずに一生懸命考えるような人たちなのでしょう。
伊藤穣一さんによれば、アメリカにはAmana’s Lawと呼ばれる法則・ルールがあるそうです。
“We tend to overestimate the effect of a technology in the short run and underestimate the effect in the long run.”
“我々は、短期的には技術の効果を過大評価し、長期的にはその影響を過小評価する傾向がある”
インターネット歴史年表から「ブロックチェーン」の現在位置を考える! によれば、ブロックチェーンは長期的にはその影響は大きいものになることが予想されるため、じっくりとその基盤となる技術の規約を作り上げることが重要であり、短期的な結果を求めるのは性急すぎるのではないかということではないでしょうか。
■ブロックチェーンについて理解が深まる動画・本の紹介
ブロックチェーンについては「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット/アレックス・タプスコット)の著者であるドン・タプスコットさんのTEDでのスピーチが一番印象に残ると思い紹介します。
Don Tapscott(ドン・タプスコット):ブロックチェーンはいかにお金と経済を変えるか |TED
VIDEO
Understand the Blockchain in Two Minutes
ブロックチェーンを2分で理解できる動画として紹介されています。
■ブロックチェーン関連記事
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