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エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用でアレルギー反応を促進する働きがあることを発見|東京大学




■エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用でアレルギー反応を促進する働きがあることを発見|東京大学

PAF-AH2ーエポキシ化オメガ3脂肪酸軸によるマスト細胞活性化制御機構
PAF-AH2ーエポキシ化オメガ3脂肪酸軸によるマスト細胞活性化制御機構

参考画像:体に優しいオメガ3脂肪酸の意外な側面:オメガ3脂肪酸を動かしてアレルギーを促す酵素の発見(201710/10、国立研究開発法人日本医療研究開発機構)|スクリーンショット

体に優しいオメガ3脂肪酸の意外な側面:オメガ3脂肪酸を動かしてアレルギーを促す酵素の発見

(2017/10/10、国立研究開発法人日本医療研究開発機構)

1.マスト細胞では、PAF-AH2という脂質を分解する酵素により、酸化されたオメガ3脂肪酸(エポキシ化オメガ3脂肪酸)が作られていることを明らかにしました。

2.エポキシ化オメガ3脂肪酸は、マスト細胞の応答性を促進してアレルギー反応を促す働きがあることを明らかにしました。

東京大学大学院薬学系研究科の新井洋由教授・河野望講師のグループと、同大学院医学系研究科の村上誠教授のグループは、マスト細胞(気管支、鼻粘膜、皮膚など外界と接触する組織の粘膜や結合組織に存在し、IgEを介した即時型アレルギー反応において中心的な役割を担う免疫細胞)がEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ3脂肪酸が酸化されて生じた「エポキシ化オメガ3脂肪酸(17,18-EpETEと19,20-EpDPE)」を豊富に生み出していること、マスト細胞に発現しているPAF-AH2(リン脂質分解酵素ホスホリパーゼA2の一種)がエポキシ化オメガ3脂肪酸を産生しており、マスト細胞の活性化に重要であること、PAF-AH2の働きを止める薬剤により、アナフィラキシー反応が抑制されたことから、PAF-AH2の阻害剤が抗アレルギー薬となる可能性が示唆されました。

オメガ3脂肪酸は「体に優しい脂肪酸」として一般に知られていますが、今回の発見はオメガ3脂肪酸がアレルギーを悪くするという意外な顔を初めて提示したものです。マスト細胞の活性化は本来、寄生虫や毒素を排除するための生体防御応答です。この視点からすると、エポキシ化オメガ3脂肪酸は生体防御応答を高めている(良いことをしている)と解釈できます。ところが先進国では、寄生虫や毒素に対する脅威が減る一方で、アレルゲンに対する過剰応答(アレルギー反応)を示す患者の増加が社会問題化しています。こうなると、エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用はまさに諸刃の剣であり、むしろ悪い側面が顕在化したものと言えます。

本来、マスト細胞の活性化は寄生虫や毒素を排出するための生体防御反応であり、エポキシ化オメガ3脂肪酸はその生体防御反応を高めているといえるのですが、寄生虫や毒素に対する脅威が減り、アレルギー反応を示す患者が増えている現代においては、エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用は、悪い面が出ているといえそうです。




■まとめ

子どもを花粉症にしないための9か条|理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターで紹介した理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターの谷口克センター長が「花粉症にならないための9か条」によれば、ある程度不衛生な環境で育つと花粉症を発症しにくくなるということをいっていましたが、このことに関係しているのではないでしょうか。

体を清潔にすることは重要でも、皮膚のバリアーを高めてアトピー予防|アレルギーマーチを防ぐには?によれば、洗いすぎも角質層のバリアーを失わせるため、体をごしごし洗いすぎることはないように、何ごとも適度に、バランスよくやることが重要です。

不衛生な環境の時代には役立っていた機能が、清潔な時代には悪い作用をもたらすことになっていて、いかにそのバランスをとれるか、その方法を見つけることが今後重要になってくるのではないでしょうか。







【参考リンク】
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がん光免疫療法、3月から日本(国立がん研究センター東病院)でも治験開始|アスピリアン・セラピューティクス

【目次】




■がん光免疫療法、3月から日本(国立がん研究センター東病院)でも治験開始|アスピリアン・セラピューティクス

アスピリアン・セラピューティクス
アスピリアン・セラピューティクス

参考画像:アスピリアン・セラピューティクス|スクリーンショット

がん光免疫療法、3月から日本でも治験開始 柏の病院で

(2018/1/18、朝日新聞)

同社によると、治験は手術や放射線、抗がん剤で治らずに再発した頭頸部(とうけいぶ)がんの患者を対象に安全性などを確認する。国立がん研究センター内の審査を経て3月にも始める。米国では2015年に治験が始まり、これまでに15人中14人はがんが縮小。14人のうち7人はがんが消えたという。

米「アスピリアン・セラピューティクス(Aspyrian Therapeutics)」は国立がん研究センター東病院でがん光免疫療法の臨床試験(治験)を3月から始めることを発表しました。




■「がん光免疫療法(近赤外線光免疫療法)とは?簡単に!

日本でも治験が始まる!#がん光免疫療法(#近赤外線光免疫療法)とは?簡単にわかりやすく!によれば、「がん光免疫療法(近赤外線光免疫療法:Near Infrared Photoimmunotherapy, NIR-PIT)」は、がん細胞に結合する抗体と近赤外光を吸収して化学反応する特殊な色素を組み合わせた抗体薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate, ADC)を使用し、近赤外光が照射されると、がん細胞が膨潤して破裂し、がん細胞が死滅するという治療法です。

【関連記事】

■まとめ

がん光治療(近赤外線でがんを壊す新治療法)の治験が始まる|米国立保健研究所などでは、近赤外光と新たに開発した薬剤を使ってがんを治療する「がん光免疫療法」についてのニュースを追ってきましたが、いよいよ日本でも治験が3月に始まるというニュースや#島津製作所、「がん光免疫療法」に関する計測技術について米国国立がん研究所と共同研究契約を締結が取り上げられましたので、今後ますます注目ですね。







【参考リンク】
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ヘルスケアアプリ「カロミル」において食事画像データを自動的に判別する人工知能(AI)を自社開発|ライフログテクノロジー




■ヘルスケアアプリ「カロミル」において食事画像データを自動的に判別する人工知能(AI)を自社開発|ライフログテクノロジー

ヘルスケアアプリ「カロミル」において食事画像データを自動的に判別する人工知能(AI)を自社開発|ライフログテクノロジー
ヘルスケアアプリ「カロミル」において食事画像データを自動的に判別する人工知能(AI)を自社開発|ライフログテクノロジー

参考画像:「カロミル」|スクリーンショット

ヘルスケア アプリ「カロミル」において食事画像認識AIを自社開発。8割超えの識別率を確認

(2017/8/8、ライフログテクノロジー PR Times)

サービス開始以降、ヘルスケア アプリ「カロミル」を通してユーザーから取得した食事画像と、当社で保有する食事画像を合わせた約20万件を用いて、機械学習を開発してきました。
今回、ユーザーから収集した食事画像のうち、機械学習に用いていない写真をテストデータとして無作為に15,000件を選び、開発した食事画像認識AIに料理判定(食製品を含む)させたところ、その識別率は82%となりました。

ライフログテクノロジーは、日々の食事や運動の記録・管理ができるヘルスケアアプリ「カロミル」のユーザーから取得した食事画像データを自動的に判別する人工知能(AI)を自社開発したと発表しました。

ユーザーの食事記録のステップがこれまで以上に短縮化される見込みですで、今後は蓄積されたライフログからユーザー一人一人に最適な食事や運動の提案する機能も実装予定なのだそうです。

以前、糖尿病アプリで行動が変化し、空腹時血糖値や収縮期血圧が試験前より改善|東大病院では、糖尿病患者向けの生活習慣の改善や糖尿病の自己管理のためのアプリ「DialBetics」には、食事の記録に関して、撮影画像を認識して料理を提示し、ユーザーの入力を補助する機能を備えているというニュースをお伝えしましたが、この機能に近いものですね。

【糖尿病予防】ウェアラブルデバイスで健康データを記録し生活習慣を改善するモデル事業|経済産業省(2016/6/20)では、ヘモグロビンA1c値が高いが腎機能障害がない糖尿病一歩手前の人にウェアラブルデバイスをつけてもらい、心拍数・歩数・消費カロリー・睡眠の深さ・興奮・リラックス状況などのデータを計測し、そして血圧・体重・食事内容などを半年間記録してもらい、状態が悪化すると警告が出て、医師や看護師、管理栄養士が情報を提供し、生活習慣を改善するモデル事業が行われるというニュースを取り上げました。

ただ、こうした記録を続けることは大変であり、食事データを自動判別する機能があると、食事記録をつける上で大変便利でしょうね。

【関連記事】




■まとめ

「#NOOM」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始では、人工知能(AI)とトレーニングコーチを組み合わせたアプリを紹介しました。

フィットネスアプリ「Fysta」|パーソナルトレーナーが監修した運動プログラムの動画&体重管理・ランニング機能|キングソフトでは、パーソナルトレーナーの動画と体重のレコーディング機能やランニング機能を搭載した無料フィットネスアプリを紹介しました。

先程紹介したのはレコーディング機能にAIを組み合わせたアプリであり、現在のトレンドとしては、AIとパーソナルトレーニングと動画・レコーディング機能をどのような組み合わせで提供するかというものになっているのではないでしょうか?







Apple ARKitと機械学習を活用して相手の生存期間を予測し表示するアプリ版「#デスノート」のアイデアを活かした健康管理アプリができる!?




■Apple ARKitと機械学習を活用して相手の生存期間を予測し表示するアプリ版「#デスノート」のアイデアを活かした健康管理アプリができる!?

Death Mask – an AR experiment
Death Mask – an AR experiment

参考画像:Death Mask – an AR experiment|YouTubeスクリーンショット

Death Mask – an AR experiment

Apple ARKitと機械学習を用いて相手の生存期間を予測し表示するiPadアプリ「Death Mask」の実験映像が登場

(2017/11/29、Seamless)

Apple ARKitと機械学習を用いて相手の生存期間を予測し表示するiPadアプリ「Death Mask」の実験映像が登場しました。

映像では、iPadを相手にかざし、相手のデスマスクと同時に相手が何年生きられるかの年数がオーバーレイして表示されます。

「Death Mask」とは、Apple ARKitと機械学習を用いて相手の生存期間を予測し表示するiPadアプリなのだそうです。

このアイデアを聞くと、マンガやアニメ、映画で人気となった「Death Note(デスノート)」を想像する人も多いのではないでしょうか?

実際にこのアイデアが実装されるというのは倫理的にはないと思いますが、この考えに近いものが病気予防に活用されることは考えられます。

CARDIOLENS|HOLOLENSを使って相手のバイタルサインをリアルタイムで可視化するAR・MRアプリで紹介した論文によれば、MicrosoftのHoloLensを用いて”相手のバイタルサイン”をリアルタイムに見ることができるツールが考え出されているようです。

この論文の中では、リアルタイムで血流を視覚化することが手術する外科医にとって有益であるとありましたが、血行状態が視覚化することができれば、病気になる前に病気のサインを見つける未病対策にも役立つのではないでしょうか。

以前、血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学では、ビデオカメラとコンピューターを内蔵した鏡型ディスプレーの前に立つだけで、その時の血行状態などが分かる血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」を開発したというニュースを紹介しましたが、健康状態をわかりやすく表示するものというアイデアはすでにスタートしています。

また、第一生命、スマホアプリ「健康第一」に健康年齢測定やカロリーチェック機能などを追加には、「Face AI」という未来の顔がわかる機能があり、「年齢・BMIの変化」に加え、「若返り・老化」「メタボ」「喫煙習慣」「飲酒習慣」「白髪化」のシミュレーションができるそうです。

未来の顔をもとに生活習慣を見直すきっかけにするというものですが、今後はこうした健康状態をわかりやすく表示するというアイデアに注目が集まっていくのではないでしょうか?




■まとめ

スマートウォッチは病気の早期発見に役立つ|正常値とベースライン値の確立が重要|スタンフォード大によれば、現在進行中の研究の重要な要素は、正常値またはベースライン値を確立することなのだそうです。

Verily(元Google X)のProject Baseline studyの目的は、病気のサインを見つけ病気の予防をすること!?で紹介したプロジェクト「Baseline Study」では、尿・血液・唾液・涙といった成分からデータを収集・解析し、健康の基準値(ベースライン)を見つけることで、生体の状態や病態を示す指標「バイオマーカー」を発見し、健康維持や病気の早期発見に役立てることを目指していました。

病気が発症してからではなく、健康な体が病気になりそうなサインを見つけるというアイデアは、東洋医学における「未病」という考え方に近いものです。

人によっては、健康診断などの検査結果で異常がないにもかかわらず、体がだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい、眠れないなどといった体の不調に悩まされた経験もあるのではないでしょうか。

「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないでしょうか。

そのためにも、病気かそうではないかの「Baseline(ベースライン)」を見つける研究に注目が集まっていると考えられます。

ただ、健康管理がどんなに大事だとわかっていても、情報にあふれる現代では数字だけで表現されていても直感的には理解できずに、継続できなければ意味がありません。

健康管理に対する関心は高いのに、なぜウェアラブルデバイス市場の成長は鈍化しているのか?|「リストバンド型」から「腕時計型」へでも取り上げましたが、ウェアラブルデバイスが「リストバンド型」から「腕時計型」へ移りつつあるのも、リストバンド型では直感的に理解できないことが関係しているのかもしれません。

そのため、これからは健康管理をする上で、いかにその情報(言葉、画像、テキスト、動画など)をわかりやすく、受け取りやすい形に編集して、製品やサービスを利用を通じて得られる体験であるUX(ユーザーエクスペリエンス)をよいものにするかが重要だと思います。







【関連記事】
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芸能活動引退の会見で小室哲哉さんが最後にメッセージを伝えた「高齢化社会」「介護の大変さ」「社会のストレス」についてみんなで考えてみよう!




■芸能活動引退の会見で小室哲哉さんが最後にメッセージを伝えた「高齢化社会」「介護の大変さ」「社会のストレス」についてみんなで考えてみよう!

2040年の日本の社会構造・課題
2040年の社会構造|無人化、自動化、ロボットとの協働、高齢者の見守り等、人口減少日本を支える社会経済基盤が必要

参考画像:IoT新時代の未来づくり検討委員会事務局資料(2017/11/17、総務省)|スクリーンショット

小室哲哉「お騒がせした償い=退く」/一問一答2

(2018/1/19、日刊スポーツ)

たった1人の言動で日本、社会が動くとは全く思ってはいませんが…何となくですが高齢化社会、介護の大変さ、社会のストレスであったりとか少しずつ、この10年で触れてきたと思うので、こういうことを発信することで、皆さんも何かいい方向、幸せになる方向に動いてくれたら良いと心から思っています。微力ですが。少しでも響いたらいいなと思います。

小室哲哉さんが芸能活動引退の会見で行なった最後のスピーチが印象的ですよね。

小室哲哉さんは病気(C型肝炎)の治療を行なったり、KEIKOさんの介護があり、会見では自身の音楽のピークからすると下がったような、枯渇したような感覚などあったとおっしゃっていました。

【関連記事】

小室さんが感じているような高齢化社会・介護の大変さ、社会のストレスというのは決して他人事ではなく、私たちのすぐ目の前まで来ているといっても過言ではないでしょう。

■高齢化

日本の構造変化
日本の人口は2008年をピークに減少し、2040年には人口が約1億1千万人を下回り、毎年100万人近く減少。2042年には団塊ジュニア世代が高齢者となり、高齢者人口がピークになり、アジア諸国より約20年先行して超高齢化を経験。経済成長率が段階的に低下。
2040年の日本の社会構造・課題
2040年の社会構造|無人化、自動化、ロボットとの協働、高齢者の見守り等、人口減少日本を支える社会経済基盤が必要
未来の年表
未来の年表によれば、少子高齢化の深刻化により、今後日本の労働力人口が大幅に減少→ICTによる労働力人口減少への対策が必須

参考画像:IoT新時代の未来づくり検討委員会事務局資料(2017/11/17、総務省)|スクリーンショット

【参考リンク】

■老後の不安

日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省
日本の人口の推移|平成28年版情報通信白書|総務省

参考画像:少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省スクリーンショット

少子高齢化の進行と人口減少社会の到来|平成28年版情報通信白書|総務省

総務省の国勢調査によると、2015年の人口は1億2,520万人、生産年齢人口は7,592万人である。。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口(出生中位・死亡中位推計)によると、総人口は2048年に1億人を割り、2060年には8,674万人にまで減少すると推計されている

総務省の国勢調査によれば、日本では少子高齢化が進んでおり、生産人口が減少し、総人口も減少を始めています。

Population of Japan|日本の人口ピラミッド
Population of Japan|日本の人口ピラミッド

参考画像:Population of Japan|PopulationPyramid.net

2045年の人口ピラミッドを70-74歳代が最も多く、その下の若い世代はどんどん少なくなっていくと予想されます。

高齢化社会をイメージする図としてよく紹介されるのがこのような図です。

2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。
2000年は65歳以上1人を20-64歳3.6人で支える。2050年は65歳以上1人を20-64歳1.2人で支える。

参考画像: [将来の税はどうなるの?] 少子・高齢化|国税庁スクリーンショット

性別(男性・女性)・年齢階級別にみる悩みやストレスの原因からわかることによれば、男性は、25歳から54歳にかけては、1位「仕事に関すること」、2位「収入・家計・借金」と悩みの順位は変わらないのですが、55歳以上になると、「自分の健康・病気」や「老後(介護・収入)」への悩みが大きくなっていきます。

【男性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
【男性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:表22 性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

女性は、45歳以上から「自分の健康・病気」や「老後(介護・収入)」への悩みが大きくなっていきます。

【女性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
【女性】性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:表22 性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因|悩みやストレスの状況|平成13年 国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

老後に不安なこと|平成28年版厚生白書
老後に不安なこと|平成28年版厚生白書

参考画像:老後に不安なこと|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

厚生労働省で行った意識調査で40歳以上の男女に「あなたにとって、老後に不安が感じられるものは何ですか?」と質問に対して、「健康上の問題(73.6%)」が最も多く、次いで「経済上の問題(60.9%)」となっています。

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■重介護問題

「#重介護問題」とは?|#介護 の問題は遠い未来の問題ではなく、今目の前にある問題!によれば、少子高齢化に伴って、介護される側(要介護者・寝たきり高齢者・患者)・介護する側(家族・社会)への重く厳しい負担がかかる「重介護問題」を解決を目指すことが求められています。

要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省
要介護者等と同居の主な介護者の年齢組み合わせ別の割合の年次推移平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省

参考画像:平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省|スクリーンショット

75歳以上同士の「老老介護」初の30%超|65歳以上同士の「老老介護」は過去最高54%に|平成28年国民生活基礎調査によれば、介護をする側と介護を受ける側の両方が高齢者の組み合わせである「老老介護」が話題になっていますが、平成28年国民生活基礎調査で発表された、同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、60歳以上同士70.3%、65歳以上同士54.7%、75歳以上同士30.2%となっており、また年次推移でみると、上昇傾向にあるのがわかります。

介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円によれば、今後高齢者人口と高齢者世帯の増加に伴いサービス市場は拡大し、介護予防・生活支援サービス市場は2025年に1兆3000億円に迫るそうですが、介護職員は2025年には約38万人不足するおそれがあるそうです。

介護福祉士ピンチ!?介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%によれば、公益社団法人「日本介護福祉士養成施設協会」の調査によれば、2016年度の介護福祉士を養成する大学や専門学校への定員に対する入学者の割合が約46%だったそうです。

アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアで紹介した米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、アメリカでは2016年、成人の3分の1(37.2%)以上が仕事に就いておらず、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業しておらず、女性の36%が介護を理由に仕事に就けないそうです。

要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書
要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書

参考画像:要介護(要支援)認定者数の推移|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

要介護(要支援)認定者数は2015年には約608万人|要介護者にならない段階(フレイル)で食い止める対策が重要で紹介した平成28年版厚生白書によれば、要介護(要支援)認定者数は、2000年の約218万人から2015年には約608万人と増加しています。

その理由としては、生活習慣病(慢性疾患)中心への疾病構造の変化や高齢化が進んでいることが挙げられています。

実際に高齢者人口は増加しており、高齢化率(65歳以上人口割合)は1950年4.9%→1985年10.3%→2005年20.2%と上昇し、2015年には26.7%と過去最高となっており、今後の予測としては、2025年30.3%となるなど、2060年まで高齢化率はずっと上昇していくことが見込まれているそうです。

年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書
年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書

参考画像:年齢3区分別人口及び高齢化率の推移|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

つまり、この予測をもとにして、現状のままの仕組みで行くとすれば、要介護者の数は増加していくでしょう。

「重介護問題」は遠い未来の問題ではなく、今目の前にある問題なのです。

■まとめ

小室哲哉さんからの会見からは、病気・体力の低下・年齢による健康への不安や介護する側への重い負担、社会のストレスといったこれから日本が直面するであろう問題が濃縮されていたような感じがしました。

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?で紹介した「インクルージョン(Inclusion)」とは、包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れるという考え方があります。

これからの私たちは、それぞれの問題を一人一人で抱えるのではなく、少しずつを分け合って、テクノロジーやアイデア、つながりをフル活用して、苦手なところは任せながら、自分の得意とするところでは率先して解決をしていくことが必要になってくるのではないでしょうか。







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