冷え性不眠
なぜ足が冷えている人は寝つきが悪いのか?
人は夜になると、身体を休ませるために、脳や内臓の温度を下げて回復を図るそうです。
その際に、手足の末端の血管から内部の熱を放出することで、脳などの温度が下がり眠りにつきやすくなるのですが、手足が冷えている人は、手足の血管から熱が放出されないため、脳の温度が下がらず眠ることができなくなってしまうそうです。
伊藤剛先生(北里大学東洋医学総合研究所)によれば、「冷え性不眠の原因の多くは『お尻のコリ』にある」そうです。
お尻には「梨状筋(りじょうきん)」という筋肉があり、梨状筋には足を外側に開いたり、姿勢を保つ働きがあるのですが、パソコンに向かっての長時間の作業やソファでテレビを見るなど長時間同じ姿勢で座ることによって、梨状筋が凝り固まると、足が冷えてしまうそうです。
なぜ梨状筋が凝ってしまうと足が冷えてしまうのでしょうか。
骨盤のそばには「坐骨神経」という神経が通っています。
坐骨神経の中には、下半身の血管の太さをコントロールする交感神経が通っていて、交感神経は動脈に絡みつくようにしており、梨状筋はその神経の上に覆いかぶさっているイメージです。
梨状筋が柔らかいと坐骨神経と触れ合っても問題ないのですが、同じ姿勢を長時間続けると、筋肉が緊張状態が続くことで、梨状筋が凝って固くなります。
梨状筋が凝って固くなることによって、交感神経が刺激され、血管に絡みついた交感神経が血管を締め付け、その結果血液の流れが悪くなり(下半身の血流が悪くなり)、足先に熱を送ることができず、体内の熱を放出することができずに、眠れなくなってしまうと考えられるそうです。
また、座りっぱなしだけでなく、立ちっぱなしも筋肉を緊張させるため、足の冷えにつながるそうです。
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自分のお尻が凝っているのかどうかわからない?お尻のコリを自分でチェックする方法
- イスに浅めに座り、片方の足をもう片方の足(ひざ・ももの上)に乗せます。
- 曲げた方のひざの上に肘を乗せ、5秒間かけて押し下げます。
- お尻が凝っている人は、ひざを押し下げる時に、お尻にハリを感じたり、痛みが出るそうです。
また、ひざを水平以下まで押し下げられない人もお尻が凝っているそうです。
冷え性不眠の原因であるお尻のコリをほぐす方法
- やわらかい場所に仰向けに寝て、両ひざを立てます。
- 「臀中(でんちゅう)」というツボの下にソフトボールを置き、ボールを置いた反対側のお尻を浮かせて、ボールに全体重をかけるようにして、ツボを刺激します。
※臀中のツボの位置は左右のお尻の中心にあります。ツボの位置の目安は、骨盤の下の骨と太ももの付け根の出っ張りを結んだ線を底辺とし、正三角形を描いた時の頂点です。
※寝る前に左右の「臀中」を30秒ずつ刺激します。
※やわらかいマットなどの上で行ないましょう。固い畳や床の上ではやらないほうがよいそうです。
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つま先から血行を促進する足指ポンプストレッチ
- イスに座り、右足を左足の太ももに乗せます。
- 右足の指先を左手で覆うように持ち、5秒間ぎゅうっと曲げ、指を放す。
※寝る前に左右の足で5回ずつ行うと血行が良くなるそうです。
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