近視(強度近視・仮性近視)とは|近視の症状・原因・予防

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近視(仮性近視)とは|近視の症状・原因・予防

近くを見続けることで毛様体筋(もうようたいきん)」の緊張状態が続くことで起きる近視のことを「仮性近視(かせいきんし)」といいます。

近くを見ていると、毛様体筋が緊張状態となり、筋肉が凝り固まってしまいます。

このようなことが続くと、遠くを見てもピントがあわせられないため、近視(仮性近視)の状態となります。

近視の症状・原因・予防についてまとめました。

ちなみに、近視は、英語では「Myopia」「shortsightedness」「nearsightedness」、フランス語で「myopie」、中国語で「近視」と呼びます。




【目次】


近視の症状

目の調節機能が低下し、視力が落ちる。



近視の原因

スマホやパソコン、テレビ、読書、勉強などで、目を長時間酷使する。


2050年までに50億人が近視(近眼)になると予想されている!?

豪州のニューサウスウェールズ大学のBrien Holden研究所によれば、2050年までに50億人が近視になっていると予想されるそうです。

なぜこれほどまでに近視が増えると予想されるのでしょうか。

1.VDT症候群

VDTとは、Visual Display Terminal(ビジュアル・ディスプレイ・ターミナル)の略で、パソコンなどの画面表示装置を備えたコンピュータ機器のことをいいます。

VDTによって仕事は合理化され、効率が良くなっているようなのですが、VDT作業が増えるに伴い、目はますます疲れるようになっています。

2.スマホ

スマホを使い続けると目が疲れる理由は「距離」と「まばたき」によれば、スマホとパソコンとで異なるのが「距離」。

パソコンの場合、通常45センチ程度の間隔をあけて操作しますが、スマホの場合、手に持って操作するため、距離を近づけて使用してしまい、近い人は15センチ程度で使用している人もいます。

目には「水晶体」があり、カメラでいうとレンズに当たります。

この水晶体を、近くを見るときには厚くし、遠くを見るときには薄くなるように調節を行なっています。

近くにピントを合わせるために毛様体筋の調節を行なっているのですが、スマホを見る際には、パソコンよりも距離が近くなっているため、この毛様体筋にさらに負担がかかっていると考えられます。




強度近視とは?

強度近視は失明の第2位の失明原因によれば、近視は多くの場合、「眼軸長(がんじくちょう;角膜から網膜までの眼球の長さ)」と呼ばれる眼球の奥行きが異常に延び、像が網膜より手前で結んでピンボケになりますが、強度近視では、この眼軸長が正視(像が正しく網膜に結ぶ)より3・5ミリ以上長いことが推定されています。

全国で40歳以上の人口約6700万人のうち、360万人ほどが強度近視とみられているそうです。

近視・老眼・ドライアイ|林修の今でしょ!講座によれば、強度近視の場合、眼底出血や網膜剥離で失明する恐れがあります。


強度近視の特徴

  • 40〜50代に多い
  • 両目に起こりやすい
  • 黄斑部が障害されやすいため、早期から高度な視力障害が起こりやすい
  • 遺伝的要因が大きい
  • しかし、パソコンやスマホゲームなどの増加など環境要因の影響もあるのではないか


強度近視で起こりやすい目の病気

強度近視で起こりやすい病気としては、4つの病気が挙げられています。


1.核白内障

水晶体の中央の「核」が濁る病気。


2.近視性黄斑部出血

眼軸長が延びたことで、「黄斑部(物を見るための中心部分)」の膜が裂け、破けやすい性質を持つ血管が網膜に入り込みます。

網膜に浮腫ができて視力が低下し、物が欠けて見えたり、ゆがんで見えたり、見ようとする所が見えなかったりします。


3.近視性網膜脈絡膜萎縮

眼軸長が延びたことで、網膜や脈絡膜が延ばされて薄くなり萎縮し、物を見るための視細胞が死んで、視力障害や視野障害が起こります。


4.近視性視神経障害

眼軸長が延び、視神経が引き伸ばされて変形して、早期から中心付近の視野がなくなります。


上記の症状が当てはまるようでしたら、ぜひ眼科専門医で診てもらうようにしてください。

思い当たる症状があったら眼科専門医を受診し、視力だけでなく屈折度、眼軸長、眼底などを調べ、必要に応じて精密検査をすることが大切です。


→ 強度近視は失明の第2位の失明原因 について詳しくはこちら


また、このほかにも次のような目の病気になりやすいと考えられます。



→ 緑内障になりやすい人、なりにくい人の差は近視|この差って何ですか について詳しくはこちら

→ 飛蚊症になりやすくなる原因は「老化」と「近視」!|この差って何ですか について詳しくはこちら




近視の予防

目を休める

スマホやパソコンをよく見ている人(VDT症候群)は定期的に目を休めることが重要です。

例えば、スマホやPCでインターネットのページ読み込み中は、遠く(5mぐらいでいい)を見るようにするなど。

スマホやパソコンなどの画面を長時間見ることで目を酷使することにより、目のピント調整力が低下し、夕方頃になると老眼と同じような症状になります。

目には「水晶体」があり、カメラでいうとレンズに当たります。

この水晶体を、近くを見るときには厚くし、遠くを見るときには薄くなるように調節を行なっています。

スマホとパソコンとで異なるのが「距離」です。

パソコンの場合、通常45センチ程度の間隔をあけて操作しますが、スマホの場合、近い場合では15センチ程度で使用している人もいるくらいです。

近くでモノを見続けるというのは、つまり、ピントを合わせ続けているということです。

スマホを見る際には、近くにピントを合わせるために毛様体筋の調節を行っているのですが、目を酷使することで、この毛様体筋に負担がかかっているからです。

また、スマホやパソコンが原因の「夕方老眼」の人が増加中によれば、スマホは強い光を発していて、目に入る光の光量を抑えるための虹彩筋にも負担がかかっているようです。

ピントを合わせる毛様体筋は、遠くをみるとリラックス、近くをみると緊張するので、一時間に一度は遠くを見たり、目を動かして目の緊張を和らげましょう。


目に優しい環境作り

●寝るときの携帯電話の使い方は、枕を高くして、体を起こして目の正面で見るようにしましょう。

寝たままで携帯電話を使うと、回旋(外回旋)という動きをして目が疲れてしまうためです。

●暗いところではパソコンの後ろに照明を置きましょう。

周りが明るいと光の量を減らすために瞳を小さくしてしまうためです。

●距離を一定にするため、子どもにタブレット端末を使わせる場合には、書見台に固定するとよいでしょう。


目の調節機能のトレーニングを行う

■目のストレッチ方法

(1) 人差し指にしっかりとピントを合わせ、3秒数えます。

(2) 今度は、2〜3m先の対象物に目線を送り、ピントを合わせて3秒数えます。

(3) これを交互に10回繰り返します。

※ここまでが1セット、1日3〜4セット行うと効果的。

【関連記事】

隠れ斜視・隠れ遠視チェック(目の疲れの原因)


■8点ぐるぐるトレーニング

上・右上・右・右下・下・左下・左・左上・上

8方向に眼球を動かします。

※右回り・左回りを1セットとして、3セット行なう。

→ 【ジョブチューン】老眼(スマホ老眼)を治す目のストレッチのやり方|8点グルグルトレーニング(日比野佐和子) について詳しくはこちら


蒸しタオルで目を暖め血行をよくする

目の筋肉のこりを和らげることができます。

また、目の疲労回復に42度のシャワーがよい?によれば、42度のシャワーで眼の周囲を温めると、目の疲労回復に効果があるそうです。

シャワーの熱が毛様体筋に伝わることで目の疲れを癒すのに効果があるようです。

ただ、目を温めればよいというわけではなく、仕事中(まだ目を使うとき)は目を冷やすようにし、寝る前に眼の筋肉を温め、目の筋肉をほぐすようにするとよいようです。


目の周囲をマッサージする

目の周りの皮膚は非常に薄く、刺激を与えすぎるといけないので、目のクママッサージを参考にしてみてください。


近視の子供が将来「病的近視」により失明するリスクを眼底検査で早期発見

東京医科歯科大学の大野京子教授と横井多恵助教の研究グループによれば、眼球がいびつに変形し、視神経や網膜に障害が起きて失明につながる目の病気である「病的近視」の患者には、子どもの時から視神経に異常が現れる(視神経の周囲に萎縮が起きている)ことがわかったそうです。

つまり、子どもの時に、「病的近視」と「学童近視」(眼鏡矯正などで視力を維持できる近視)を早期に見分けることができることによって、「病的近視」の子どもの症状の進行を抑える治療を行うことができれば、失明を食い止めることにつながるということですね。

→ 近視の子供が将来「病的近視」により失明するリスクを眼底検査で早期発見|東京医科歯科大 について詳しくはこちら


普段から目や身体の血流をよくするよう食事に気をつけ、健康補助食品(カシスルテインブルーベリー)などを利用する


→ カシス(アントシアニン)の健康効果 について詳しくはこちら


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近視関連ニュース・参考画像

裸眼視力1.0未満の小学生(32.46%)・中学生(56.33%)の割合が過去最高|2017年度学校保健統計調査

バイオレットライトが成人の強度近視患者の近視進行(眼軸長伸長)を抑制する可能性を発見|#慶應義塾大学

眼球壁への線維芽細胞移植による近視進行抑制効果|東京医科歯科大学

バイオレット光が近視進行(眼軸長伸長)を抑制することを発見|慶應義塾大学

裸眼視力が1・0未満の子供の割合が小学校で31.46%と過去最高|2016年度学校保健統計調査(速報値)

近視・老眼・ドライアイ|林修の今でしょ!講座

子供もスマホ老眼!?視力1・0未満の小学生が3割を超える|学校保健統計

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by National Eye Institute(画像:Creative Commons)



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